りくぼーの音楽感想倉庫

音楽CDの感想を綴っていきます

ミチシルベ / ミッドナイトゲージ / ORANGE RANGE

ミチシルベ/ミッドナイトゲージ



曲目リスト



1. ミチシルベ

2. ミッドナイトゲージ

3. キリキリマイ~リューキューディスコリミックス~



評価: ★★★★★★☆☆☆☆



沖縄出身のバンド、ORANGE RANGEのメジャーデビュー前に出した最後の両A面シングル。

2002年8月25日発売。



この直後にORANGE RANGEはメジャーデビューを果たし、一気にスターダムにのし上がっていくことになります。

この頃はまだそこらへんにいる「音楽をやっているお兄ちゃん」だった彼らが、翌年に大ブレイクを果たすなんて誰が予想できたのでしょう。

本人たちもまさか思ってなかったでしょうしね。

そんな彼らのメジャーデビュー前にインディーズからリリースした最後の音源となります。



では内容に。



基本的には前作のミニアルバムと同じく、軽いサウンドが特徴的ですね。M-1ミチシルベ」は、軽い演奏の上に当時駆け出しのペーペーだった彼らが応援メッセージを乗せた応援ソング。これが後に大ヒット曲「ミチシルベ~a road home~」になっていくわけですね。

詞は当時の彼らは10代だったということもあり、単純な応援歌というよりは「どうすればいいんだ?」という苦悩から生み出した考えから出た言葉をそのまま詞にしたという感じです。

苦悩でもがいている、悩んでいる雰囲気がよく表現されています。



M-2「ミッドナイトゲージ」は、いつもながらのミクスチャーサウンドで、RANGEの本領発揮といったところ。でもやはりまだ発展途上でしょうか。



どの曲もまだまだ発展途上な感はあるものの、ここでしか聴けない音源ばかりですし、一味違う「ミチシルベ」を味わってみるのもいいと思います。

特にRANGEファンの方は是非。



M-1ミチシルベ」。

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Imagination / Deni Hines

イマジネイション


曲目リスト


1. I LIKE THE WAY
2. IT'S ALRIGHT
3. IT'S NOT OVER
4. LIKE A RIVER
5. YES WE CAN
6. JOY
7. IMAGINATION
8. GO SLOW
9. WHEN A WOMAN
10. PERSONAL
11. I'M NOT IN LOVE
12. JOY(IZ" MIX)
13. I LIKE THE WAY(GT's REMIX)


評価: ★★★★★★★☆☆☆


オーストラリアのシンガー、Deni
Hinesの1stアルバム。
1996年5月25日発売。


Deni Hinesは同じくオーストラリアの大物シンガーであるMarcia Hinesの娘であり、Marciaが16歳で未婚の母だった時に誕生しました。
彼女を産んでから、Marciaは脚光をより浴びるようになり、オーストラリアのトップシンガーへの道を歩んで行くことになります。

そんな状況ですから、当然DeniはMarciaに余り面倒を見てもらえず、親子関係もギクシャク気味。学校でも有名人の娘ということで酷いいじめを受けることになります。


そんな波瀾万丈な人生を送ってきたDeniはモデル活動を経て、ミュージシャンへの道を歩むことになりました。
そのデビュー盤がこの作品です。


では内容に。


Deniの特徴は透明感ある歌声と確かな歌唱力。Marciaの七光りなんてとんでもありません。
サウンドは軽いPOPかつダークな雰囲気が漂うサウンドが多く、Deniと歌声との相性も良いです。
マイクゲストはM-5「YES WE CAN」でのMarcia Hinesのみで、Deniの歌声を十二分に楽しめます。


とは言っても全ての曲でDeniが絶好調という訳ではなく、特に後半に退屈に感じてしまう曲はあります。
M-11「I'M NOT IN LOVE」はこの作品で一番最後の一番ダークな楽曲ですが、余りに雰囲気が暗すぎて好きになれません。聴いているこっちまで暗くなりそうな感じです。


しかし基本的にはDeniの声とPOPテイストなトラックがこの上ない相性の良さを見せつけてくれる楽曲が並びます。
M-1I LIKE THE WAY」、M-2「IT'S ALRIGHT」、M-3「IT'S NOT OVER」、M-4「LIKE A RIVER」、M-5「YES WE CAN」の前半5曲は全て本作のハイライトと言っていい程の佳曲揃い。
M-5「YES WE CAN」はカバー曲ですが、彼女の声を生かしたセレクトで、楽しんで聴けます。


後半に行くにつれてちょっと失速していくため、傑作とまでは行きませんが、ドライブのBGMなどには間違いなくもってこいの内容だと思います。
Deniの癖の無いスッとした歌声と軽いPOPなサウンドがいい雰囲気作りをしてくれますよ。(体験談)
是非聴いてみてください。


M-1I LIKE THE WAY」のPV。
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第三の男 / 童子-T

第三の男


曲目リスト


1. 第三の男
2. 世界はおまえの手に
3. 流儀2003 feat. Mummy-D, ZEEBRA
4. PRIDE & JOY feat. JiN
5. 少年A
6. Atomic Bomb Party feat. K DUB SHINE, DJ OASIS
7. 0時すぎのシンデレラ
8. WAR ZONE Part 2 feat. LITTLE
9. 充 THE 童子
10. いつかギラギラする日 feat. UZI, CUEZERO, YAMAKOU
11. 真夜中のヘッドラインニュース
12. NIPPONIA NIPPON (REMIX) feat. YAMAKOU, INNOSENCE
13. 積み木くずし feat. 三善/善三
14. Wild Style
15. In-mail feat. JUJU
16. 終了 ~続く~


評価: ★★★★★★★★★★


K DUB SHINEDJ OASIS率いるAtomic Bombからの第三の男…でしたけど、今はこの2人とは違うフィールドに行ってしまった、童子-Tの1stアルバム。
2003年4月2日発売。


1990年代からZINGIのメンバーとして、1997年にはDJ BASSと手を組んで作品を出したりと、古くからシーンにいたベテランですが、DS455などと同じく長らくシーンの流れに乗ることが出来なかったラッパーの1人ですね。
ZINGIとしての活動はそれなりに成功していましたが、1人のラッパーとしてはいまいちプロップスを得られていなかったようです。


その為に友人であり、軌道に乗っていたRHYMESTERのメンバーであるMummy-Dに、ラップをやめるか相談に行ったところ、「俺が代表曲を作ってやる」と言われ、その作られた代表曲が「少年A」(M-5)。
この代表曲のシングルで童子-Tとして本格的にデビューを果たしました。
その後日本語ラップの2002年の話題作、キングギドラの2ndアルバム「最終兵器」収録の「平成維新」に客演で参加し、ますます存在感をアピールしていくことになります。

そして2003年にとうとうこの1stアルバムをリリース。ちなみにユニバーサルから。


さて、内容に。


童子のラップはK DUBやDJ OASISなどと同じくトラックへの乗せかたはオーソドックスなものの、独特の渋さがあります。
その渋さと安定感、固いライミングが童子の持ち味です。

トラックはクールでダークな物が多め。
地味なトラックと言えなくもありませんが、童子とのラップとの相性は抜群で、これでもかというくらいお互いが雰囲気にマッチしています。
それがこの作品をすごい傑作に持ち上げています。

本当にどの曲も外れがなく、全曲オススメです。
M-1第三の男」からM-16「終了 〜続く〜」まで聴きどころしかない楽曲がぎっしり。


先行シングルであるM-2「世界はお前の手に」、M-5「少年A」は先行シングルとして切っただけあって流石の仕事振り。
不良らしさをガンガンに見せつけるリリックや言葉遣いが悪いリリックは聴いているこっちが恥ずかしくなってくることが多いですが、童子がやるとかっこよさが出るのだから不思議です。
M-9「充 THE 童子」も他のラッパーがやれば間違いなくダサくなるHookなのに、童子がやるとダサさがなくひたすらに渋い。自分のラップの長所を生かしたスタイルですね。

M-11「真夜中のヘッドラインニュース」、M-13「積み木くずし feat. 三善/善三」は社会の裏側の事件を描いたストーリーテーリングもので、結構なエグい内容です。
でもストーリーの組み立て方がとても上手く、最初から最後まで魅入ってしまいます。


多彩な客演を招いたマイクリレーものも、全ての客演がベストといっていい仕事をしており、ガツンとやられるパンチラインを炸裂してきます。
特にM-3「流儀2003 feat. Mummy-D, ZEEBRA」のMummy-Dのバースは、Mummy-Dの仕事の中でも5本の指に入る屈指のベストバース。
日本語ラップ好き…いや、音楽好きなら聴き逃せません!


そして外せないのが最後に控えるM-15「In-mail feat. JUJU」。
1バース目で恋人、2バース目で友人、3バース目に両親に感謝のメッセージを贈った楽曲で、JUJUのHookも勿論素晴らしいですが、童子の人柄や人生がよく見える、珠玉の名曲となっています。
このような楽曲を最後に持ってくるのはよくあるやり方ですが、その楽曲が珠玉の名曲とは…ずるいなあ、これ!


僕の拙い感想ではこれぐらいの魅力しか伝えられませんが…まだまだこんなのは魅力の一端です。
このアルバムを聴いて2年半以上経ちますけど、今でもこの作品を聴くとすごい!と思います。
このアルバムの童子の末路を考えると複雑ではありますけど…。

しかし、そんな事情を考慮してもリスナーに放つ魅力がこの作品にはあります。
是非聴いてみてください…というか必聴に値します!


↓M-2「世界はおまえの手に」のPV。
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VAN HALEN / VAN HALEN

Van Halen


曲目リスト


1. RUNNIN’ WITH THE DEVIL
2. ERUPTION
3. YOU REALLY GOT ME
4. AIN’T TALKIN’ ‘BOUT LOVE
5. I’M THE ONE
6. JAMIE’S CRYIN’
7. ATOMIC PUNK
8. FEEL YOUR LOVE TONIGHT
9. LITTLE DREAMER
10. ICE CREAM MAN
11. ON FIRE


評価: ★★★★★★★★☆☆


アメリカの伝説的なハードROCKバンド、VAN HALENの1stアルバム。
1978年2月10日発売。


1977年の11月にデビューしてから、1978年1月にTHE KINKSの「YOU REALLY GOT ME」のカバー曲「YOU REALLY GOT ME」(M-3)を1stシングルとして世に出し、2月にはこの1stアルバムをリリースするという、中々のハイペースな活動振りで、しかもこの1stアルバムが瞬く間に150万枚のセールスを記録。
プラチナディスクに認定され、一気にVAN HALENの名前が音楽界に知りわたりました。


当時のメンバーはギターのEDWARD VAN HALEN、ドラムのALEX VAN HALEN、ベースのMICHAEL ANTHONY、ボーカルのDAVID LEE ROTHの4人。
今のギター技術では珍しくない「ライトハンド奏法」ですが、この奏法の元祖はEDWORDです。
当時はこの奏法も非常に話題になり、注目を浴びました。


今でもこの作品はROCKファンの間で決まって語り草となっている作品で、ROCKファンに留まらず多くの音楽ファンを虜にし続けており、その勢いは止まることを知りません。


さて内容に。


バリバリROCK好きな人にも違和感無く聴けながらも、一般リスナーでも楽しく聴けるであろう、バランスがいい内容です。
ハードなサウンドなんですけど、一般リスナーにも受け入れられる要素を併せ持つ、とでも言うべきでしょうか。


EDWORDのソロ曲であるM-2「ERUPTION」を除いて全て4人の共作ですが、それぞれのテクが拮抗しながら何とも言えない時間を提供してくれます。

最も、やはりEDWORDのギターやMICHAELのベースが目立ちますね。いい意味でおかしいです。
こんなギターやベースの音を聴かされたら、誰でもVAN HALENというバンドが気になってしまうでしょうね。
EDWORDのソロ楽曲のM-2「ERUPTION」なんかはギターやってる人なら一度は真似したくなること必至。
指とか痛くなりそう。


アルバムの幕を開け、リスナーの期待をひたすらに煽るM-1RUNNIN' WITH THE DEVIL」はイントロがこの作品の中でベストイントロと言っていいでしょうね。
不穏な空気に突然放たれる無骨なロックサウンド。掴みは抜群です。

他にはM-6「JAMIE'S CRYIN'」、M-9「LITTLE DREAMER」が個人的ベストです。
前者は楽器隊があくまでDAVIDのボーカルを引き立てる役割を果たしていて、DAVIDもベストボーカルを披露。
後者は思いきりEDWORDのギターが前に出てきていて、EDWORDのギター技術もさることながら、シリアスな雰囲気のコーラスとDAVIDの声の相性が素敵な一曲です。


デビュー曲であるM-3「YOU REALLY GOT ME」もデビュー曲だけあって流石の勢い。
単なるカバーではありません。
原曲を知っている方も知らない方も一聴しちゃってください。


1978年の作品ですが、今でも多くの音楽ファンを虜にしているのも納得の作品です。
最近のゴテゴテした音楽は嫌だ!という人や、ROCKをこれから聴いてみようという人…というか全ての音楽ファンは聴く価値ありの一枚ですよ。
古き良き時代のROCK。是非聴いてみてください。


↓M-6「JAMIE'S CRYIN'」のPV。
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NO DOUBT!!! -NO LIMIT- / LGYankees

NO DOUBT !!!-NO LIMIT-


曲目リスト


1. Intro
2. L.S.L II
3. PARTY UP!! feat. ShaNa
4. Bye for Now
5. Eternal
6. Last Summer Day -PART II- feat. Clef
7. Pure Hope
8. Drive on a Holiday feat. Noa
9. chEckmaTe feat. EIGHT TRACK
10. Life Goes On feat. 山猿
11. Dear Mama -Interlude-
12. Dear Mama feat. 小田和正
13. Because... feat. 中村舞子
14. Outro
15. KO.A.KU.MA feat. Noa [Bonus Track]


評価: ★★★★★★☆☆☆☆


宮城県仙台のラップグループ、LGYankeesの2ndアルバム。
2008年9月17日発売。


1stアルバムを出した後はしばらくアルバムリリースはしなかったものの、
コンピレーションアルバム「NORTH EAST」のプロデュース、HIROによるレーベル、NO DOUBT TRACKSの立ち上げ、LGYからLGYankeesへのグループ名変更、同時にDJ NO.2の正式加入など様々な部分で存在感を見せつけた活動をしてきたLGYankees。
その順風満帆さゆえに勢いは加速していたと言っていいと思います。

そんなLGYankeesが2008年5月、とうとうシングル「Dear Mama feat. 小田和正」(M-12)でメジャーデビューを果たします。
この曲はインディーズ時代の楽曲「Dear Mama feat. BIG RON」のセルフリメイクであり、
何とあの小田和正氏というラップとは無縁と言っていい、尚且つとんでもない大物歌手とのコラボに成功してしまったのです。
僕もこのクレジットを見たときは驚いた記憶があります。
結果として普段ラップを聴かないようなリスナーへのアピールに繋がり、沢山の新規ファンを獲得することに。


しかし純粋なラップファンにはこのコラボがセルアウト、売れ線狙いなどと見られたこと、インディーズでfeatしていたBIG RONに無断で行われたことなど様々なしがらみが起こり、一気にその方面のファンやアーティストからのプロップスを失いました。
これを機にLGYankees及びNO DOUBT TRACKSのミュージシャンはPOPS寄りの作品が多くなっていき、ますますその方面の人たちから白い目で見られて行くようになります。


前置きだけで終わりそうなので内容に行きましょう。


先程も書いたように、LGYankeesの小田和正氏とのコラボを皮切りにNO DOUBT TRACKSからリリースされる作品はPOP色が強めになるのですが、この作品も例に違わず。
具体的なメッセージを持たせた曲の割合(もっと言うと恋愛ソング率)、POPなバラードサウンドの割合が高めになっています。

世界平和ソングだったり、失恋ソングだったり、ウェディングソングだったりと、トピックは様々。
M-12「Dear Mama feat. 小田和正」のヒットで「こういうアプローチがいける」と思ったんでしょうか。
いや、確かにこのアルバム世間的にはヒットしたのでセールス的には結果的にいけたんでしょうけど。


でも、このアプローチが音楽的にいい方向に向いたかというと…正直微妙ですかね。

シンプルなビートの上で一夏の恋を描くM-6「Last Summer Day -PART Ⅱ- feat. Clef」、カップルの海へのドライブデート中の男女の気持ちをストレートに表現したM-8「Drive on a holiday feat. Noa」、LGYankeesと山猿流人生応援歌M-10「Life Goes On feat. 山猿」の3曲は客演の好演やトラックとMCの相性も悪くなくそこそこ楽しめるんですが、それ以外のそのようなアプローチ楽曲はメロディアスな部分を所々で見せるHIROのラップはまだ良くても、RYOのガラガラしたリズム感がないラップがいまいちトラックや曲の雰囲気に順応出来てない気がします。
そもそもRYOの声からしてこういうアプローチは不向きなのでは。


そんな中で愛車自慢のM-2
L.S.L Ⅱ」、EIGHT TRACKからL-BとBUZZを呼んで4人でマイクリレーを披露するM-9「chEckmaTe feat. EIGHT TRACK」などのオレオレ物のMC陣のキレキレっぷりは流石で、絶対こっちのアプローチを中心にした方がいい作品が出来たと思います。


オレオレ物中心であそこまで売れた1stから路線を変え、様々なメッセージやPOPSサウンドのアプローチを積極的に取り入れた貪欲さはミュージシャンやエンターテイナーの姿勢としては立派ですが、それが皮肉にも「やっぱりHIROとRYOのラップはオレオレ物が一番映える」ということを証明してしまったように感じます。
上の2曲の尖り具合は流石なだけに、色々と惜しい。

ただM-4「Bye For Now」やM-5「Eternal」でRYOのラップが気にならない人ならいいアルバムだと思うので、まずは試聴してみることをオススメします。


↓M-13「Because... feat. 中村舞子」のPV。
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MONEY MONEY 2020 / THE NETWORK

マネー・マネー・2020


曲目リスト


1. JOE ROBOT
2. TRANSISTORS GONE WILD
3. RETO
4. SUPERMODEL ROBOTS
5. MONEY MONEY 2020
6. SPIKE
7. LOVE AND MONEY
8. RIGHT HAND-A-RAMA
9. ROSHAMBO
10. HUNGRY HUNGRY MODELS
11. SPASTIC SOCIETY
12. X-RAY HAMBURGER
13. TEENAGERS FROM MARS
14. HAMMER OF THE GODS


評価: ★★★★★★★☆☆☆


2003年に突如現れた正体不明の覆面バンド、THE NETWORKの1stアルバム。
2003年9月30日発売。


THE NETWORKはボーカルのFINK、ベースのVAN GOUGH、ドラムのTHE SNOO、キーボードのCAPTAIN UNDERPANTSとZの5人からなるバンドで、覆面を常に被っており、信頼できる情報も皆無と言っていい…全く正体不明のグループです。


そんな中で常に噂されるのがボーカルのFINKの声がGREEN DAYのBillieの声にそっくりであり、この作品がGREEN DAYと親交深いレーベルから出されたことから、

GREEN DAYの顔を隠したサイドプロジェクトなのでは?」

という噂です。

本人は否定してますけど、果たして真偽はどうなのか。
それは関係者のみぞ知る。


では内容に。


詞カード内の行川氏の解説に「チープだし、エレポップなパンク・ロックだ」と書いてあったのですが、なるほど、確かにそうかもなあと思いました。
音としては斬新だなあと思えるメロディーや音などは少なく、少々POPな雰囲気のある間違いなく先人たちがいそうなサウンドです。


楽曲は全体的に短く、3分以上の楽曲はM-14「HAMMER OF THE GODS」のみで、M-2「TRANSISTORS GONE WILD」に至っては1分弱。
短尺曲を投下して構築していくというやり方は本作以外でもたまに見るやり方ですが、このやり方は自動的に長所と短所の両方がついてきてしまうやり方であり、本作でもその長所と短所の両方をばっちり継承しています。


長所という面では、楽曲自体が短いため、全体的にサクッと聴ける点。普通のアルバムでは味わうことの少ないコンパクトさがあります。
短所という面では、その楽曲の世界観やイメージが頭の中に出来る前に曲が終わってしまう点。もしかして覆面バンドというミステリアスな存在で想像力を掻き立てるだけではなく、楽曲でも想像力を掻き立たせたかったんでしょうか?
なら、中々の策士かも。


しかし上にも書いたように、サウンドに対するメンバーの姿勢は結構真面目な気がします。
どのサウンドも、FINKのボーカルとそれぞれのサウンドマンの音を邪魔しないようになっていて、無駄な音も極力入れず、楽曲にとってプラスに働くであろう音だけをサンドイッチのように詰め込んでいく。
あえてどの楽曲も短めにして、覆面バンドらしいミステリアスな側面も見せる。

こういうミステリアスに見せて真面目な所を感じさせる覆面バンドってむしろ新鮮な気もします。


ただどの曲もそういった構成なので、ある意味綺麗に作りすぎていて物足りなさも感じてしまうのは事実なんですよね。
基本的にはいいアルバムなんですけど、インパクトのある曲はないっちゃないですし。
どこを切ってもまずくはないけど、もう一味あれば違うかも!みたいな。


GREEN DAYが好きな人は聴き比べてみるのも面白いかもしれません。そういった意味でなら是非ともオススメします。
そうでない人は、試聴してからの購入がオススメですかね。


↓M-6「SPIKE」のPV。
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ケツノポリス / ケツメイシ

ケツノポリス


曲目リスト


1. intro
2. こっちおいで
3. CLUBへ
4. もっと
5. 力 mix
6. ビールボーイ
7. 言技
8. 雨
9. S/S
10. ポエムンベース
11. 旅
12. 夕日
13. 男男
14. outro
15. CLUBへ(熱帯夜mix) feat. 鎮座DOPENESS, カトマイラ


評価: ★★★★★★★★☆☆


日本ではかなり知名度の高いラップグループ、ケツメイシの1stアルバム。
2000年12月20日発売。


ケツメイシはMCのRYOと大蔵、MC兼シンガーのRYOJI、DJのDJ KOHNOからなるグループであり、1993年に結成。
結成した当時は普通のサラリーマンだったメンバーもいたせいか、本格的に活動し始めたのは結成されてから数年後でした。


1999年に「こっちおいで」(M-2)を最初のCDとしてドロップし、その後も「新生活」、「」とコンスタントにシングルをリリースしていきました。
そして2000年の最後にこのアルバムをシーンに投下したわけです。
結果的にこのアルバムがケツメイシのインディーズの最初で最後のアルバムになっています。


ちなみに上の3枚も無論インディーズからリリースされており、メジャーデビュー後にメジャーから再発はされていますが、やはりマイナーな作品のようで、ネット以外で入手するのは少し難しいです。
まあ、僕がリアル店舗で見たことないだけなんですけど。
でもAmazonレビューも少ないからなあ。
この頃はまだまだ世間的にはマイナーなグループでしたし、しょうがないですね。


では内容に。


間違いなくRHYMESTERの影響を受けたというのが色濃く出てます。

シンプルで聴きやすいビートにMC2人とシンガーのRYOJIが好き放題でライミングしまくりのリリックを乗っけた、ハードなラップが好きな人でも聴ける、POPなラップが好きな人でも聴けるような、バランスの良さが特徴ですね。

メンバーの中で一際光るのはRYOで、縦横無尽にトラックの上を暴れまわりながら様々な箇所でライミングのサンドイッチを見せてくれる様は圧巻としか言えません。


特にM-2「こっちおいで」、M-7「言技」の2曲は3人の遊び心満載のラップとリリック、DJ KOHNOの陽気なトラックのバシッとしたハマり具合を見せてくれ、非常に楽しい4分間を提供してくれます。
やはりこういったスタイルは遊びのリリックが一番映えますね。
アルバムの中でも飛び抜けています。


とはいってもメッセージ性のある楽曲でもしっかりとライミングとメッセージ性の両立はとれており、男に向けたエール曲のM-12「夕日」、M-13「男男」などはこの頃のケツメイシならではの表現で魅せてくれます。日本語の使い方が本当に上手いですね。

失恋ソングのM-8「」、女性との一晩を描いたM-9「S/S」、次曲のInterludeのM-10「ポエムンベース」、旅の楽しさや醍醐味をケツメ節で描写するM-11「」ではストーリーテーリングの部分も見せてくれます。


最初から最後まで良曲続きのこの作品の最後に控えているのが、間違いなく本作のMVP楽曲、
M-15「CLUBへ 〜熱帯夜mix〜」。
ケツメイシ主催のイベント「熱帯夜」に参加していた鎮座DOPENESSとカトマイラが参加したM-3「CLUBへ」のRemix。
今となっては考えにくい組み合わせ。

原曲よりもハードなビートで、ケツメイシの3人のリリックとHookはそのままですが、鎮座DOPENESSとカトマイラとの5人で非常に熱いマイクリレーが繰り広げられており、RYOJIのHookも非常にいいアクセントです。「アルバムの最後にすごいのを突っ込んでくれた!」と心から思える楽曲です。
原曲も勿論いいですけど、個人的にはこちらのRemixに分がありますね。


さくら」以降一気に知名度を上げたケツメイシ
そのためこの作品を聴いたことがない人は多いかもしれませんが、この頃のケツメイシにもいい曲は沢山あります。
特に最近ケツメイシが好きになった人にはマスト。それ以外の方も是非見つけたら買ってみてください。
非常に楽しめる時間を味わえる一枚です。


↓M-6「ビールボーイ」のライブ映像。
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