りくぼーの音楽感想倉庫

音楽CDの感想を綴っていきます

Ideologie / ET-KING

Ideologie (初回限定盤)


曲目リスト


1. 三日後
2. とてもすきなこと
3. Headphone
4. be-bop
5. ナニコレ feat.千秋, 千賀太郎
6. ぜに あほ ほんでまるもうけ
7. 誰にも邪魔されないってこと
8. LOCO OSAKA
9. まんまんちゃん feat.coco
10. チギレ feat.デリカテッセン
11. september
12. 北新地
13. 今日を楽しく
14. 喝采
15. ひぐらしのなく頃に feat.千賀太郎


評価: ★★★★★★★★★☆


大阪のラップグループ、ET-KINGの6thアルバム。
2016年2月24日発売。


2014年にベストアルバムのリリースと15周年のツアーをもって活動を休止したET-KING。
その活動休止中にメンバーの一人である、TENNの急逝(享年35)という悲しい出来事を経験しながらも、メンバーはそれぞれの活動を続けていき、2015年にET-KINGとして活動を再開することを発表。
TENNの追悼イベントの開催や、自分たちのスタジオやレーベル「MATOI RECORDS」の設立、活動再開後初のシングル「喝采」(M-14のリリースなど、ET-KINGとしての復活の狼煙をあげました。


2016年2月に、この活動再開後初のアルバムとなる本作をリリース。

この2年後にTENNに続いて、リーダーであるいときんが亡くなるため、この6人としてのアルバムは本作と7thアルバムのみとなっています。


では、内容に。


TENNがいなくなり6人体制になったET-KING。
そんな彼らの再出発の第一弾アルバムのコンセプトは「アナログHIP HOP」。

そのようなコンセプトになった理由は大きく分けて2つ。


1つは、「色々なジャンルの集合体だね」と声が上がることが多く、自分たちでもそれを自覚していたET-KINGですが、ET-KINGから敢えて離れ、それぞれで音楽活動やイベントへの参加、お店の経営など、色々な経験を積んでいく内に、やはり自分たちの音楽の根底にあったのは「HIP HOP」だということを再認識することになります。
それに対して、再出発1発目はそれに忠実に作ってみようという思いが強くなったこと。

もう1つは、亡くなったTENNへの思いや、TENN自身の意思をしっかりと伝える一枚にしたかったこと。
それでTENNがHIP HOPが大好きな方であったため、その思いを残された自分たちで形にしようと考えたのです。


そのような彼らの思いをたっぷりとこめて作られた作品なだけあって、かなり聴きごたえのある作品になっています。


初っぱなのM-1三日後」~M-3「Headphone」の流れは、彼らの音楽に対する真摯な思いが伝わってくる流れになっています。

アルバムのスタートを切るM-1三日後」は、TENNがいときんたちと最初で最後に交わした約束を元に制作した楽曲とのこと。
一聴した時には地味に感じるかもしれない和風なトラックの上での、スクラッチ音と5MCのラップが聴けば聴くほど魅力的に映ってしまう楽曲に仕上がっています。
この曲が先頭にあるおかげで、何度も聴きたくなるアルバムになること請け合いです。

続くM-2「とてもすきなこと」もスクラッチから始まるイントロから聴きごたえを感じる一曲で、彼らのHIP HOPに対する愛が伝わる内容のリリックに耳を傾けてください。

M-3「Headphone」はしっかりとしたHIP HOPなトラックになっているものの、色々な音をおかずのように散りばめているのがかなり聴いていて楽しい感じになっています。
そこに乗っかるMC5人のラップも聴きごたえ抜群なのは言うまでもなく。


ちょっと堅い雰囲気の曲が3曲続いたところで、M-4「be-bop」。
この楽曲も詞の内容はまじめなものの、トラックがかなりノリノリで、聴いていて身体を動かしたくなること間違いなし。

そして一気に馬鹿馬鹿しさ全快の世界に持っていくのが100%パーティーチューンのM-5「ナニコレ feat.千秋, 千賀太郎」。

この曲ではなんと・・あのドラミちゃんの声でお馴染みの千秋がラップを披露しているのです。
全然ちゃんとラップできてますし、曲中でもかなりいいアクセントになっています。
バックではMONSTER大陸の千賀太郎氏のハーモニカもパーティーな雰囲気を援護射撃。
いい意味でかなりむちゃくちゃな1曲。


次の曲から2曲(M-6「ぜに あほ ほんでまるもうけ」、M-7「誰にも邪魔されないってこと」)はまた落ち着いた雰囲気に戻ります。
リリックの内容はどちらも真面目で落ち着いた雰囲気にはハマっています。
ちなみに後者はTENNがいた頃に制作されたため、TENNのラップもしっかりと収録されています。


そして控えるのが間違いなく本作のハイライトで、先行配信されたM-8「LOCO OSAKA」!
彼らの地元である大阪賛歌で、一度聴いたらやみつきになるトラックの上にのるメンバーのラップはかなり気合いが入っています。
この曲もTENNのラップが収録されており、TENNも活躍ぶりをみせています。
先行配信されただけはありますね。


続く2曲はどちらも客演を迎えたパーティーチューン。
M-9「まんまんちゃん feat. coco」は関西の人にはお馴染み(らしい?)の言葉をネタにしたチューンで、cocoのHookとET-KINGのラップが全体的に楽しい楽曲。
M-10「チギレ feat. デリカテッセン」は見ての通り日本語ラップファンなら知らない人がいないであろうデリカテッセンが参加!
ET-KINGとデリカテッセンの楽しすぎるラップの掛け合いは要チェックです。


M-11「september」はかなり風流な雰囲気のインストで、アルバム全体としてもかなりいい箸休めになっています。
そこからまたしても地元賛歌であるM-12「北新地」に行くのもいい流れです。


そこからM-13「今日を楽しく」~M-15「ひぐらしのなく頃に feat. 千賀太郎」までは人間賛歌、応援歌という流れで、彼らだからこそ書ける暖かいリリックが満載。


3曲とも無論聴きごたえのある良曲ですが、イチオシは本作の最後を締めるM-15「ひぐらしのなく頃に feat. 千賀太郎」。

M-5「ナニコレ feat.千秋, 千賀太郎」ではハーモニカでパーティーな雰囲気を後押ししていた千賀太郎氏ですが、この曲では同じハーモニカでも全く違う雰囲気を後押ししています。

そしてトラックに乗っかるET-KINGの暖かいリリック。
もうこれがすごい化学反応を起こしていて、かなりいい後味でアルバムを聴き終えられます。


この記事ではこの曲のPVを貼っておきますが、PVで1曲だけ聴くのと、このアルバムの最後の〆として聴くのでは本当に魅力が何倍も何十倍も段違いなので、是非本作でその魅力を体感してください。


とりあえず聴きとおして言えるのは、ET-KINGは活動休止前と比べると段違いに成長したことです。
(TENNも含めて!)MCたちの言葉選びもかなりグッと来る言葉の割合が多いですし、滑舌も良いため、そのグッと来る詞もすっと耳に入り込んできます。
ET-KINGはリスナーからは批判の的になることも多いグループですが、そんな批判をぶつけていたリスナーにも是非本作は聴いていただきたいです。間違いなく彼らを見直すはずです。


昨年リリースされた7thアルバムも傑作中の傑作と言える内容でしたが、前作にあたる本作もまさかこんなにいいアルバムだったとは。

是非とも一人でも多くの方に聴いていただきたい一枚です。
見かけたら是非ご一聴を!


↓M-15「ひぐらしのなく頃に feat. 千賀太郎」のPV。
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Forever / Bobby Brown

フォーエヴァー


曲目リスト


1. Intro Nobody Does It Better
2. It's Still My Thang
3. Feelin' Inside
4. She's All I Need
5. My Place
6. Been Around The World
7. Give It Up
8. Happy Days
9. Forever
10. Sunday Afternoon
11. Heart And Soul
12. Feelin' Inside (Marley Marl Remix)
13. Feelin' Inside (Mr. Dalvin Remix)


評価: ★★★★★★★★☆☆


アメリカのR&Bシンガー、Bobby Brownの4thアルバム。
1997年11月4日発売。


1986年に1stアルバムを引っ提げてデビューし、2ndアルバムを世界規模で大ヒットさせ、一気にスターダムにのしあがった説明不要のシンガーですね。

伝説的なR&BシンガーであるWhitney Houstonと結婚生活をスタートさせ、1992年にリリースした3rdアルバムも200万枚以上のセールスを挙げて余裕のチャートイン。
本当にこんな順風満帆なミュージシャンは数えるくらいではないか!というくらいにハッピーな人生を見せつけたBobby。


・・・しかし、そのハッピーはそこで終わってしまいました。
そこからは、坂道を転げ落ちるどころか、崖から落っこちるように凄まじいスピードで転落してしまうのです。


まず、Bobbyはかつて自分が所属していたNew Editionの活動にも参加するようになるのですが、ツアー中にメンバーと決裂。
これによりNew Editionファンからは冷たい目を向けられるようになってしまいます。

そして何よりリスナーからのプロップスを失わせたのはWhiteneyとの結婚生活を含めた、Bobbyの私生活でした。


BobbyはWhitneyと結婚した後、飲酒運転による補導、妻であるWhitneyに対するDVなど様々な不祥事を起こしてしまいます。(なお、DVに関しては「俺たちはただふざけていただけ。そしたら家族がDVとして通報してしまった」とBobbyがインタビューで語っています)
挙げ句の果てにはWhitneyもBobbyも不倫してしまう、自分の部屋でコカインをはじめとする薬物を吸引するようになってしまう・・・など、ハッピーな話題に事欠かなかった80年代後半から90年代前半から一転、バッドな話題に事欠かないミュージシャンになってしまいます。

それらにより、リスナーからのプロップスを失い、ファンもどんどん離れていってしまいました。


そして、1997年にリリースされた本作ですが・・・5年前の1992年に200万枚以上を売り上げ、チャート1位を獲得したミュージシャンの新作であるのにも関わらず、チャート順位はアメリカでさえ61位止まり。(一応1stアルバムより順位は上なんですけどね)
評論家からも酷評を浴びせさせられてしまいます。
Bobbyのプロップスが完全に下り坂になってしまったことを象徴してしまった1枚なのです。


この結果があってか、Bobbyは2012年に5thアルバムをリリースするまで自分名義の作品をほとんどリリースしなくなります。
もう完全に「過去の人」状態になってしまいましたね。


さて、内容に。


上にも書いたように酷評された本作ですが、その内容は「地味だ」「華やかさがない」といったものが多かったようで。

果たしてそれが本当かと実際に聴いてみると・・。


なるほど、確かにこれは地味ですね。全体的に。

華やかな楽曲は1曲もなく、落ち着いた雰囲気の楽曲で全て構成されています。

ヒットしたBobbyの楽曲の空気感を期待すると絶対に裏切られるでしょうね。
そのこともあって全体的な抑揚も抑えめで、酷評に繋がったのも頷けます。


ただ、個人的にはそういう概念を取っ払って素直に聴いてみることをオススメします。

確かに地味ではあるんですが、聴きどころはありますよ。


Whitneyが夫に対して愛を歌い上げるM-1Intro Nobody Does It Better」からM-3「Feelin' Inside」までの流れは中々。
M-2「It's Still My Thang」は曲調こそ地味ですが、歌もラップも丁寧に歌い込んでいて聴きごたえはあります。
M-3「Feelin' Inside」もシングルとして切っただけはあり、クールなトラックとBobbyの歌が相性の良さを見せつける良曲に仕上がっています。


この曲以降はシンプルなトラックの上でBobbyがしっかりと歌い上げて魅せる楽曲が続きます。
ただBobbyの歌唱力自体はそこまであるわけではないのでちょっと限界も感じなくは・・。

その流れからいい流れに持っていったのがM-7「Give It Up」。
所々に入るトークボックスがかなりいい働きをしていて、Bobbyの歌唱も生き生きとしています。
ドライブのBGMなんかにはもってこいでは?

続くM-8「Happy Days」は本作で一番色んな音が聴けるトラックで、聴いているだけで楽しい気分になれてしまいます。
華やかな曲とまでは行かないのに、こんな気分にさせるのはすごいですね。


表題曲であるM-9「Forever」は良くも悪くも並で終わった感じですが、続くM-10「Sunday Afternoon」は切なげで暗めなトラックが、まさに日曜日の午後、という雰囲気を演出しています。


そして・・・本作一の名曲が本作の(国内版のボーナストラックを除いて)最後を締めるM-11「Heart And Soul」。
地味ながらも中毒性のあるトラックは一度聴いたら忘れられないこと請け合いです。
そこに乗っかるBobbyの歌、コーラスもかなり絡み付いてきて、何度も聴きたくなってしまいます。
最後にいいのを収録してくれた!と思える流れです。


さて、忘れてはいけないのが国内版のボーナストラック。
本作ではM-12「Feelin' Inside (Marley Marl Remix)」M-13「Feelin' Inside (Mr. Dalvin Remix)」の2曲が収録。
国内版のボーナストラックのRemixは大抵期待してはいけない出来ですが・・・今回の2曲はどちらも原曲よりHIP HOPテイストなRemix。

どちらも中々聴き応えありで、原曲に負けず劣らずの内容になっています。


アルバムとしては、確かに上にも書いたように、地味です。
ですが、楽曲を素直に聴いてみれば、割と良曲はあり、合格点は行っている作品なのでは?と感じます。
それぞれの楽曲の丁寧さという面では、Bobbyの過去の作品にもひけをとっていないですしね。


とりあえず、興味のある方は一聴してみては?


↓M-2「It's Still My Thang」。
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Backstreet's Back / Backstreet Boys

Backstreet’s Back


曲目リスト


1. Everybody (Backstreet's back)
2. As Long As You Love Me
3. All I Have to Give
4. Missing You
5. That's the Way I Like It
6. 10,000 Promises
7. Like a Child
8. Hey, Mr. D.J. (Keep Playin' This Song)
9. Set Adrift on Memory Briss
10. That's What She Said
11. If You Want It to Be Good Girl (Get Yourself a Bad Boy)
12. All I Have to Give Part II - The Conversation Mix
13. If I Don't Have You
14. Everybody - Matty's Club Mix)


評価: ★★★★★★★☆☆☆


アメリカのアイドルグループ、Backstreet Boysの2ndアルバム。
1997年8月1日発売。


1993年に結成され、1996年にリリースした1stアルバム「Backstreet Boys」が大ヒットを記録し、一気に知名度を世界規模でしらしめたBackstreet Boys

その1年後にリリースされた2ndアルバムが本作です。
この2ndアルバムも現在世界で3000万枚以上のセールスをあげており、日本でもチャート23位にランクインしました。
世界的な知名度を着々と上げていきます。

アメリカのアイドルグループと言っても、大ヒットを飛ばしたのは主にヨーロッパやアジアで、アメリカでデビューアルバムとしてリリースしたのは、1stアルバムと2ndアルバムを2枚組にしたアルバムで、この2ndアルバムがリリースされた後です。


その後にはメンバーのBrianの心臓病が悪化して緊急手術を行うことになったり、様々な曲を手掛けてきたDenniz Popが亡くなるなど、不幸も経験することになります。


さて、内容に。


本作は国内版やヨーロッパ版など様々なバージョン違いが存在しますが、今回紹介するのは国内版です。
M-4「Missing You」は小室哲哉氏が作曲を手掛けており、日本版のみのボーナストラックです。


爽やかな歌声から始まり、いきなり硬派なトラックに持っていく様がかっこいいM-1Everybody (Backstreet's back)」から一気に耳をロックされるのは間違いなし。
トラックもかなり主張が強いのに、どのメンバーもトラックに飲み込まれることなく歌を披露しています。


しかしながらM-2「As Long As You Love Me」からは落ち着いた雰囲気のバラードが続きます。
バラードが好きな方はここからの流れは楽しめるかもしれませんね。


最初はパーティーチューンで始まるものの、アルバム全体的にはむしろバラードがメインなのかな?という印象を受けます。
パーティーチューンを一曲披露した後にバラードが一曲から三曲ほど挟まれ、またパーティーチューンを一曲挟み、またバラードを何曲か・・という構成で、いかにもアイドルグループ的な作り方という気がしますね。


ただ正直アルバムの大半を占めるバラードの方は穴こそなく丁寧に作られているものの、「よくあるバラード」に落ち着いています。
上にも書いたようにバラードが好きな方はかなり楽しめるかもしれませんが、もうちょっと癖になる音などがあればなお良かったです。(日本のリスナーなら気になるであろうM-4「Missing You」も丁寧に作られている一曲ではあるものの楽曲のパンチがもう少しあると良かったですね)


そんな訳で、個人的には随所に挟まれるパーティーチューンの方がずっとお気に入りで、総じて外れがありません。

最初に控えるM-1Everybody (Backstreet's back)」の爆発力は言うまでもありませんし、バラードが続いた後に中盤で顔を出すM-5「That's the Way I Like It」もかなりいいアクセントになっており、曲としても良曲です。


そして何よりも飛び抜けていいのはM-8「Hey, Mr. D.J. (Keep Playin' This Song)」、M-11「If You Want It to Be Good Girl (Get Yourself a Bad Boy)」の2曲!

2曲ともバラードの間でいいアクセントになっているのは勿論ですが、何よりもトラックの中毒性がすごいです。
一度聴いたら耳から離れなくなること必至の強烈なトラックが耳に入り込んで来ます。
そんなトラックをノリノリで乗りこなすBackstreet Boysのメンバーも流石で、何度も聴きたくなってしまいます。
この2曲のためだけに聴いても絶対に損はしない、それくらい言い切ってもいいくらいの楽曲です。


バラードについてはちょっと上で辛くも書いてしまいましたが、決して捨て曲はありませんよ。丁寧に作られたバラードが好きな方にはバラードもかなりオススメです。
ただやはりオススメはパーティーチューン。
気になる方は是非チェックして頂きたい作品です。


↓M-2「As Long As You Love Me」のPV。
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The Freestyle Megamix / Bobby Brown

Free Style Mega-Mix


曲目リスト


1. The Free Style Mega-Mix (12" Version)
2. Girl Friend
3. Girl Friend (Instrumental)
4. Seventeen (Extended Club Version)
5. Seventeen (Radio Edit)
6. Seventeen(Instrumental)
7. Seventeen (Bonus Beats)


評価: ★★★★★★☆☆☆☆


アメリカのR&Bシンガー、Bobby Brownのフリースタイルを纏めたEP。
1991年2月25日発売。


80年代も終わりに差し掛かる頃に、キラーチューン「Every Little Step」を世界的に大ヒットさせ、2ndアルバム「Don't Be Cruel」もアメリカで500万枚以上、世界で1000万枚以上というセールスを記録。
日本でも「ボビ男」という社会現象を巻き起こしたBobby。

1992年にリリースした3rdアルバム「Bobby」も、200万枚以上のセールスを叩きだすヒットアルバムに。


その4年間のインターバルの中にもリミックスアルバムなどBobby関連の音源リリースはありました。
その中でひっそりとリリースされたのが本作です。

リミックスアルバムというのはオリジナルアルバムと同じくらい話題になることもありますが、本作はBobbyのフリースタイルをMIXしたものに加えてBobbyの過去のアナログ音源をプラスしたという、フリースタイルミックスアルバムです。かなりマニアックな代物。

Bobbyのファンの方でも知らない方もいるのではないでしょうか?
ネットで検索かけても余り情報は出てきませんし。


とりあえず内容に。


M-1The Free Style Mega-Mix (12" Version)」は、Bobbyの人気曲である「On Our Own」、「Don't Be Cruel」、「Every Little Step」、「My Prerogative」の計4曲のフリースタイルをRita LiebrandがMIXした本作の目玉曲。

MIXとしてはまずまずの出来かなという印象です。
特に「Don't Be Cruel」から「Every Little Step」に繋がる流れは中々かっこいいです。
本作の一番の聴きどころとしてはそこですね。


純粋な新曲(?)はその一曲のみで、後はBobbyが過去にアナログでリリースした音源を収録しています。

M-2「Girl Friend」はBobbyが1986年に初めてリリースした1stシングルで、甘くてとろけそうな雰囲気のバラード。
Bobbyの歌声と甘いトラックがマッチした一曲で、アメリカのR&Bチャートで1位を獲得しただけはある良曲。
M-3「Girl Friend (Instrumental)」はそんな「Girl Friend」のインスト。
インストとは言ってもHookにはしっかりとコーラスの歌唱は乗っています。これは好みが分かれるでしょうね。


M-4「Seventeen (Extended Club Version)」はこれぞ80年代という雰囲気が漂うパーティーチューン。
この時代に青春を過ごされた方なら懐かしさを覚えるのでは?
ただちょっと8分近くもある楽曲のため聴き疲れしなくもないですね・・。原曲は3分から5分くらいでしたが。

M-5「Seventeen (Radio Edit)」は文字通りRADIO用に編集された「Seventeen」。
それでも5分ほどと1曲としては十分長い部類に入りますが。
というかRADIOバージョンなのに原曲より長いとはこれいかに?

M-6「Seventeen (Instrumental)」は「Seventeen」のインストですが、何故か原曲より長い。
これまたHookのコーラスはしっかりと乗っています。
必要性は人それぞれ。

M-7「Seventeen (Bonus Beats)」は「Seventeen」のリズムトラック。
これはかなりコアなリスナー向けに入れたんでしょうか。


と、内容としてはしつこいようですがかなりマニアックな作りで、これはBobbyブームの中でもそこまで話題にならなかったのも頷けます。
本当にM-1The Free Style Mega-Mix (12" Version)」以外は過去にリリースされたアナログ2枚の内容をそのまま入れただけですからね。
それぞれのインストはまだしも、M-5「Seventeen (Radio Edit)」やM-7「Seventeen (Bonus Beats)」なんかは正直かなりコアなリスナーくらいにしか需要が無いように思いますし。

また、曲目リストを見てもらうと分かるように、「Seventeen」のバージョン違いが4曲も収録されているのにも関わらず、「Seventeen」の原曲が収録されていません。
このようなCDをリリースするなら著作権保有するレーベルに頼んで原曲を収録するくらいのサービスはあっても良かったのでは。


ですが、メインのM-1The Free Style Mega-Mix (12" Version)」はまずまずの出来ですし、それぞれの楽曲が駄曲だとは思わないので、個人的に買って損したとは思っていません。

ただやはりBobbyファン向けですかね。


↓M-4「Seventeen (Extended Club Version)」。
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愛しい人へ / ET-KING

愛しい人へ


曲目リスト


1. 愛しい人へ
2. NANIWA
3. 愛しい人へ (Instrumental)
4. NANIWA (Instrumental)


評価: ★★★★★★★★★☆


大阪のラップグループ、ET-KINGの3rdシングル。
2007年2月14日発売。


2006年にユニバーサルミュージックからメジャーデビューを果たし、コンスタントにシングルをリリースしていったET-KING。
前作となる2ndシングル「Beautiful
Life」で圏外からチャート200位以内まで入り込んだものの、全国的に知名度はまだまだな状態でした。


そんな彼らが一気に知名度を全国的に広めたのがこの3rdシングル「愛しい人へ」のヒットです。
デジタル・ダウンロードは100万件を突破し、メディアにも度々取り上げられました。

恋愛ソング関連のコンピやDJ KAORIのMIXアルバムにも収録されたりしているので、ET-KINGといえば真っ先にこの曲を連想する方も多いのでは。


さて、内容に。


M-1愛しい人へ」はこれ以上になくストレートな言葉で表現した恋愛ソング。

MC5人が様々な方向性から表現しているので散漫な印象を受けなくもないものの、それをしっかり纏めあげているのはNAOKI-Tのトラックプロデュースの賜物。
NAOKI-Tの親しみやすいトラックとET-KINGのMCの相性はとても良いんですが、もうこの頃から相性の良さは発揮されていたんですね。

どのMCも違った魅力はありますが個人的には最後のいときんのバースが一番好きです。
熱いリリックとトラックへの不器用なラップの乗せ方は心を打つものがあります。


そしてカップリングはM-2「NANIWA」なのですが、2010年に「シングルコレクション!」がリリースされるまではファンの間の隠れた名曲扱いされていた曲で、ファン投票では2位にランクインしています。

そんな経歴を持つ楽曲だけあってかなり聴き応えのある一曲です。

まるで舞台が始まるかのようなイントロから、ET-KINGのラップが始まる様は問答無用でかっこいいですし、それぞれのMCのラップの気合いの入りも半端なし!

5分程の楽曲ですが、あっという間に感じてしまいます。


M-3「愛しい人へ (Instrumental)」、M-4「NANIWA (Instrumental)」は2曲のインストですが、どちらのインストも中々聴き応えあり。
大抵のリスナーはインストなんて・・・と思うかもしれませんが、このインスト目当てで買っても損はしないと思います。


M-1愛しい人へ」は彼らの1stアルバムは勿論、ベストアルバムにも収録されたりしていますし、M-2「NANIWA」もシングル大全集である「シングルコレクション!」の2CD版のファン投票セレクション(DISC 2)に収録されているので、その2曲のみが聴きたい方はそちらをオススメします。

ただしこのシングルも2曲のインストがかなりいい出来なので、個人的には是非チェックして頂きたいです。


M-1愛しい人へ」のPV。
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↓今年(2018年)にTVで披露されたM-1愛しい人へ」のライブ映像。
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What's Up? Hip Hop Gratest Hits 5 / V.A.

ワッツ・アップ?-ヒップホップ・グレイテイスト・ヒッツ V


曲目リスト


Disc 1

1. Show Me What You Got / Jay-Z
2. London Bridge / FERGIE
3. The Sweet Escape (Konvict Remix) / GWEN STEFANI feat. AKON
4. Smack That / AKON feat. EMINEM
5. Promiscuous / NELLY FURTADO feat. TIMBALAND
6. Buttons / THE PUSSYCAT DOLLS feat. SNOOP DOGG
7. That's That Shit / SNOOP DOGG feat. R.Kelly
8. It's Okay (One Blood) / THE GAME feat. JUNIOR REID
9. Hip Hop Is Dead / NAS feat. WILL I AM
10. Pump It / THE BLACK EYED PEAS
11. We Run This / MISSY ELLIOTT
12. Zingy / Ak'senT feat. BEENIE MAN
13. Jiggle It / YOUNG LEEK
14. Bojangles Remix / PITBULL feat. Lil Jon, Ying Yang Twins
15. Girls Gone Wild / LUDACRIS
16. Ms. New Booty / BUBBA SPARXXX
17. Ridin / CHAMILLIONAIRE feat. KRAYZIE BONE
18. Throw Some D's / RICH BOY
19. Lean Wit It, Rock Wit It / DEM
FRANCHIZE BOYZ feat. Peanut, Charlay


Disc 2

1. Because Of You / Ne-Yo
2. Favorite Girl / MARQUES HOUSTON
3. Best Friend / 50 CENT
4. Kick, Push / LUPE FIASCO
5. Unfaithful / RIHANNA
6. Love / KEYSHIA COLE
7. Go Too Far / JIBBS
8. Down The Aisle / LL Cool J feat. 112
9. One More Chance / YUMMY BINGHAM
10. Complete / MILA J
11. No Matter What They Say / PENELOPE JONES feat. MYA
12. The One / MEMPHIS BLEEK feat. RIHANNA
13. Help / LLOYD BANKS feat. KERI HILSON
14. 4 Ever / METHOD MAN feat. MEGAN ROCHELL
15. Back Like That / GHOSTFACE KILLAH feat. Ne-Yo
16. Sorry Baby / FIELD MOB feat. Bobby Valentino
17. DJ Play A Love Song / JAMIE FOXX
18. 4 Minutes Remix / AVANT feat. KRAYZIE BONE, SHAWNNA, LAYZIE BONE
19. Mas Que Nada / SERGIO MENDES feat. The Black Eyed Peas


評価: ★★★★★★★☆☆☆


ユニバーサルミュージックからリリースされた、通算5枚目のHIP HOPコンピレーションアルバム。
2007年5月30日発売。


様々な音楽へのパイプを持つレーベル、ユニバーサルミュージックが2003年から2008年まで1年に1枚のペースでリリースしていたHIP HOPコンピレーションアルバムの第5弾に当たる作品ですね。

ちなみに2008年以降はR&BとHIP HOPが一緒くたにされたコンピレーションがユニバーサルからリリースされています。


ユニバーサルミュージックは洋楽の面でも日本の音楽の面でもヒット曲を集めたコンピレーションアルバムを多くリリースしています。
この作品も曲目リストを見てもらえば分かる通り、2006年辺りにHIP HOPの分野でヒットした有名曲がぎっしりコンパイルされています。


有名曲を集めたコンピレーションアルバムなので、特に前置きはいらないでしょう。

さて内容に。


ユニバーサルミュージックは基本的に音楽界では定番とされているものに沿って作品をリリースするイメージが強いですが、本作も例に違わず。

2枚組となっており、Disc1はクラブside、Disc2はラバーズside。

どちらも19曲70分以上。ボリュームはありますね。


Disc 1の方はクラブサイドと言えるだけあってアゲアゲなチューンがどっさり詰まっています。

FERGIEのM-2「London Bridge」の楽しさからもうパーティーな気分になること必至。ラップと歌を両立している力量は流石!(Jay-ZM-1Show Me What You Got」も悪くないですが、トラックとJay-Zのラップがもうちょいハマってほしかったです、大ネタ使いのゴージャスなトラックは◯)

M-3「The Sweet Escape (Konvict Remix)」もちょっとクールな雰囲気なのにしっかりとしたクラブ向けに仕上がってるのがすごいですね。
GWEN STEFANIAKONも見事な仕事ぶりです。
続くAKONEMINEMのM-4「Smack That」もEMINEMのお馬鹿さんなラップが面白くて中毒性があります。

M-5「Promiscuous」は何と行ってもHookで難なくトラックを乗りこなすTIMBALANDの仕事ぶりがナイス!
この曲辺り(前半の中盤?)からはちょっと幻想的なトラックの曲がメインになるので、好きな人はたまらないと思います。
個人的にはこの辺りの流れはもう少しハジケがある曲がちょっとあるとなお良かったですかね・・。


THE GAMEとJUNIOR REIDのM-8「It's Okay (One Blood)」でちょっとだけ雰囲気が変わりますが、決定的に雰囲気が変わるのはNASの有名曲であるM-9「Hip Hop Is Dead」。
というかアルバム通して聴くとこの曲だけ明らかに空気が違います。

他の楽曲が恋愛ソングやクラブチューンなど軽い内容が占める中で、HIP HOPに対しての真摯なリリックは英語が分かる人にも異色に映るでしょうね。

ただ曲としては文句なしに名曲ですが!


その後の楽曲はちょっとROCKっぽいトラックがあったり、曲間が短い流れがあったりでちょっと好みが分かれるかも。
個人的にはノリのいいトラックに病み付きになるような音を乗っけて、Lil Jonが所々のコールでパーティーな雰囲気を後押しする様がかなり楽しいPITBULL、Lil JonYing Yang TwinsによるM-14「Bojangles Remix」を推し曲としておきます。


ラバーズサイドであるDisc 2はラバーズと言うだけあって心地よいナンバーがぎっしり。

初っぱなからNE-YOの綺麗な歌声が光るナンバーであるM-1Because Of You」で始まる流れはドライブなどにもいいかもしれませんね。

ただ前半はそれぞれのミュージシャンの力量は申し分ないものの、正直「よくあるバラード」に落ち着いている曲が多く、ちょっと消化不良な感はありますかね。(硬派なトラックの上で硬派なラップを乗せるLUPE FIASCOのM-4「Kick, Push」は例外)

50 CENTの映画のサントラでシングルカットされた話題曲であるM-3「Best Friend」が個人的に前半ではイチオシです。
50 CENTがいつも吐き出しているビッグマウスや暴力的で下品なリリックはなりを潜めており、紳士的で優しいリリックで構成されていますが、トラックの雰囲気と50 CENTのラップが見事にマッチした一曲となっています。
Disc 2の中でも飛び抜けて好きな曲です。


中盤に入りかかり辺りのJIBBSとMELODYのM-7「Go Too Far」からの流れは好きですね。
JIBBSとMELODYとの相性の良さと心地よさの光りっぷりもさることながら、次に控えるLL Cool Jと112によるM-8「Down The Aisle」がたまりません。
ラップとシンガーがこれほどお互いにいい働きをしてる楽曲って中々ないと思います。

YUMMY BINGHAMのM-9「One More Chance」、MILA JのM-10「Complete」もシンプルながら聴き応えのあるトラックの上で歌いこなす様が相性の良さを見せつけてくれます。


それから比較的明るいチューンが続いた後に一気に冷たい雰囲気で待ち受けるLLOYD BANKSとKERI HILSONのM-13「Help」に行く流れもいいですね。
HookどKERIの歌いこなしがLLOYDを食べてしまうくらいの勢いです。

そしてそして最後に控えるSERGIO MENDESとThe Black Eyed PeasによるM-19「Mas Que Nada」が外せません。
大胆なサンプリングとその上で絡むラップと歌が聴き手の心を掴むこと間違いなし!
まあ、聴いてみてください。


「ミーハー向け」などとバカにされることも多いユニバーサル製のコンピレーションアルバムですが、本作に関しては率直に言ってしまうと良いか悪いかで言えば良かったです。
熱狂的なHIP HOPファンなら間違いなく「こんなのHIP HOPじゃない!」なんて言いそうな楽曲がありますし、有名な音源ばかりなのは否めないですけど、それでも良曲と言える楽曲はしっかりありますしね。


ただ、Disc 1とDisc 2でテーマが分けられていますが、クラブとラバーズの構成で19曲もあるので流石に聴き疲れしてしまい、後半になると飽きてしまうところは否めないでしょうか。
アルバムとしてたらればを挙げるとやはり出てきてしまいます。


良くも悪くもHIP HOPビギナー向けの1枚ですね。
これからHIP HOPを聴いてみようという人は是非チェックして、お気に入りのミュージシャンを見つけるきっかけとしてください!


↓Disc 1のM-2「London Bridge」のPV。
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↓Disc 2のM-10「Complete」のPV。
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It's Already Written / Houston

イッツ・オールレディ・リトゥン(CCCD)




曲目リスト


1. It's Already Written Part I
2. I Like That feat. CHINGY, NATE DOGG, I-20
3. Twizala Interlude
4. Twizala
5. Ain't Nothing Wrong
6. My Promise feat. LETOYA
7. Keep It On The Low feat. DON YUTE
8. What You Say
9. Love You Down
10. Allright
11. Bye Bye Love
12. Didn't Give A Damn Interlude
13. Didn't Give A Damn
14. She Is
15. It's Already Written Part II
16. I Like That (Chris Cox Remix)
17. Ain't Nothing Wrong (Full Phatt Remix)
18. Ain't Nothing Wrong (G4orce Garage Extended Mix)


評価: ★★★★★★☆☆☆☆


アメリカのシンガー、Houstonの1stアルバム。
2004年8月10日発売。


Houstonはカルフォルニア州ロサンゼルスの出身で、父親がいない家庭で育ちました。
そのため母親に育てられるわけですが、母親が音楽好きであったため、Houstonは色んな場所で歌うことを奨励されたのです。
高校では普通科に通っていたHoustonでしたが、音楽科のイベントにも度々出演し、シンガーとしての才能を開花させていきます。


そんな彼がとうとうプロとなるきっかけをつかんだのは、地元のタレントコンテストへの出場でした。
そのタレントコンテストでの映像がレコード会社の目に止まり、トントン拍子で契約が進んでプロデビューしたのです。

その後にはデビューシングル「I Like That」(M-2)がマクドナルドのCMソングに起用されて話題作となるなど、スターへの階段を順調に上がっていきました。
そしてこの1stアルバムをリリース。
セールス面では中々のセールスを記録したようです。


では内容に。


さすがに小さい頃から音楽に親しんでいただけあって歌唱力は確かなもの。
声質も色気もあるけど誠実さもあるような、そんなバランスの良さがあり、女性から人気があったというのも頷けます。

詞の内容もそんな声に魅せられた人を掴むであろう恋愛ものが中心です。
日本語で全部歌われたら間違いなく胸焼けしますね。


ただその結果アルバムとしてはちょっと全体的に単調な印象が否ないでしょうか。
何よりもトラックが単調で盛り上がりに欠けるものが多め。
その上で綺麗に歌い上げるHoustonの力量は流石ですが、全体的にそこしか見せ場がなし。
客演も所々に呼んでいるものの、アルバムの流れに段急をつけるほどの活躍をしていないため、余りパッとせず。

そんな状態が15曲ほど続くため、流し聴きするのにはいいものの、真剣に聴くのはちょっとキツいものがあるかもしれません。


無論良曲はありますよ!

まず外せないのはやはりヒットシングルとなったM-2「I Like That feat. CHINGY, NATE DOGG, I-20」。
掴みがバッチリなイントロから始まるド派手なパーティーチューンで、豪華なメンバーを集めただけはあるナンバーです。


そんなシングルカットからInterludeを挟んで流れるM-4「Twizala」もInterludeを挟んでいるだけはある良曲。
HookでのHoustonの歌いこなしはこのアルバムの収録曲で一番すごいと思います。
ここまでの流れならかなり期待しちゃうリスナーも多いのではないですかね?


中盤に控えるM-9「Love You Down」も良曲に入れていいかと。
爽やかで甘いトラックの上でHoustonが歌いこなす様がピッタリはまった一曲です。
詞の内容は余りに恋愛恋愛で好きにはなれませんが。


後洋楽の国内版についてくるボーナストラックは大抵期待してはいけない出来ですが、本作のボーナストラックのRemixは中々輝きを見せています。
M-16「I Like That (Chris Cox Remix)」なんか原曲と同じくらいノリノリになれる出来ですし、M-17「Ain't Nothing Wrong (Full Phatt Remix)」は正直原曲より好きです。
原曲以上にHoustonの歌が生き生きしています。


これは間違いなく輸入版ではなく国内版推奨ですね。
正直この国内版のボーナストラックがなかったらもっと評価は低かったです。
(CCCDなのが玉にきずですが・・)
まずは試聴してみるのをオススメします。


なお、上にも書いたように鳴り物入りでデビューしたHoustonですが、このアルバム以降音源リリースはしていません。
国内版の解説を見ていてもかなり期待されていたようなのですが。
残念です。
マイクを置いてしまったのでしょうかね。


↓M-5「Ain't Nothing Wrong」のPV。
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