りくぼーの音楽感想倉庫

音楽CDの感想を綴っていきます

Don't Be Cruel / Bobby Brown

Don't Be Cruel


曲目リスト


1. Cruel Prelude
2. Don't Be Cruel
3. My Perogative
4. Roni
5. Rock Wit'cha
6. Every Little Step
7. I'll Be Good To You
8. Take It Slow
9. All Day All Night
10. I Really Love You Girl
11. Cruel Reprise


評価: ★★★★★★★☆☆☆


アメリカのR&Bシンガー、Bobby Brownの2ndアルバム。
1988年6月20日発売。


New Editionを脱退後、1stアルバムをリリースしてまずまずのセールスを記録したBobby。
ここから非常に早いのし上がりを見せました。


本作からは先行シングルとしては1枚、アルバムリリース後のシングルとしては4枚のシングルカットがされましたが、その全てがビルボードにランクインするくらいの好セールスを記録。
アルバムである本作も凄まじい話題作となり、1000万枚以上のセールスを記録しました。
Bobbyのアルバムの中では一番の好セールスを記録したアルバムとなっています。

日本でも洋楽ファンの間でかなりのブームになり、M.C. Hammerと並ぶ有名なダンス系ミュージシャンになりましたね。


さて、内容に。


LA&BABYFACE、Teddyという当時の新鋭プロデューサーを迎えた結果が大成功に繋がった本作。
バラードとパーティーチューンがバランス良く配置されています。


まずLA&BABYFACEプロデュースの表題曲、M-2「Don't Be CruelからしてBobbyの相性の良さを見せつけられるというもの。
トラックも聴きやすさとクールな魅力を併せ持った流石といえる出来。
続くTeddy作のM-3「My Perogative」もディスコでかかったら踊らずにはいられないであろうサウンドが耳を惹きます。


続く2曲のバラードを経てドカンと来るのが、Bobbyのキャリア史上一番の有名曲であるM-6「Every Little Step」。
大ヒットしたのも頷ける超キャッチーなトラックと、嫌味がないBobbyの歌唱がこの上なくマッチした一曲。
アルバムの中でもやはりこの曲が一番飛び抜けて聴いていて楽しいです。


後は耳を惹くのは、M-10「I Really Love You Girl」ですね。
アルバム内では異色なちょっとゴージャスな雰囲気のトラックの上でBobbyとコーラスが独特な歌い回しで魅せてくれます。


Bobbyのアルバムでは、ダントツでセールス面で成功した1枚ですが、個人的には3rdアルバムと4thアルバムの方が好きですね。
M-6「Every Little Step」が良すぎるせいか、通して聴くと他の曲がちょっと霞むのも事実。どの曲もシングルとして聴けば完成度が高いですが。


それでも全体を通して楽しく聴けますし、80年代後半のR&Bを代表する1枚であることは間違いないので、是非チェックしてほしいですね。


↓M-2「Don't Be Cruel」のPV。
www.youtube.com

1st CONTACT / ORANGE RANGE

1st Contact


曲目リスト


1. Fever!
2. 上海ハニー
3. ミッションinポッピプル
4. ヤング8
5. サムライマニア
6. ゆうぐレッド
7. ビバ★ロック
8. ジャパニーズピープル
9. パーリィナイッ
10. O-Mo-I
11. Twister
12. ベロシティー3000
13. キリキリマイ (Album Ver.)
14. 落陽 (Long Ver.)
15. アンビエンタ
16. 山内中校歌


評価: ★★★★★★★★☆☆


沖縄出身のバンド、ORANGE RANGEの1stアルバム。
2003年12月17日発売。


1stシングル「キリキリマイ」(M-13)でメジャーデビューを果たしてから、2ndシングル「上海ハニー」(M-2)のヒットで一気に名前を有名にし、その後もスマッシュヒットを連発したORANGE RANGE

2003年の終わりにドカンと1stアルバムである本作をリリースしました。


当然のことながら日本では2003年を代表するアルバムの1枚と言ってもいいくらいの話題作になり、オリコンチャートでも2位を獲得。
本当にメジャーデビューしてからの流れが順調すぎます。
最も、まだまだ本作の時点ではこんな順調さなど序の口だったわけですが。


では、内容に。


ミクスチャーバンドとして、様々な雰囲気の楽曲を発表しているORANGE RANGEですが、1stアルバムである本作は、ミクスチャーとしては比較的正統派なROCK色が強い作品となっています。
後に脱退するドラムのKATCHANがハードROCK嗜好だったというのもあるのでしょうね。


M-1Fever!」、M-3「ミッションinポッピプル」、M-4「ヤング8」、M-5「サムライマニア」などが並ぶ序盤は、比較的ハードなROCKな楽曲が占めていて、メジャーデビュー前のインディーズ時代のサウンド強化版、という印象を受けますね。

個人的には迫力あるHookと3MCのの掛け合いが聴き応え抜群なM-4「ヤング8」、聴いているだけで頭を振りたくなるようなNAOTOの音作りが光るM-5「サムライマニア」がいいですね。
ただやはりM-2「上海ハニー」のインパクトが一番です。
M-2にこの曲を配置したのは作戦勝ちだと思います。
嫌でもこの先を聴きたくなってしまうこと請け合いですからね!


序盤こそそんなインディーズ時代の延長のハード嗜好曲中心ですが、本作の本当の聴きどころは中盤からです。
3MCの歌を最低限にしたほとんどインストと言ってもいいM-6「ゆうぐレッド」から一気に面白味が増します。
そこから華やかさ抜群の先行シングルのM-7「ビバ★ロック」を挟んで、M-8「ジャパニーズピープル」に行くわけですよ。

この流れは本当に上手いです。
M-8「ジャパニーズピープル」は元々は5thシングルにする予定だったみたいですが、暗い雰囲気の曲だったのでアルバム曲になったんだとか。
でもそれで正解ですね。
シングル曲だったらこれほど輝かなかったと思います。
それくらい曲順の良さが別次元。
もちろん、この曲自体もいいのですが!

その後も彼らのセンスが光る曲が続きます。
特にM-10「O-Mo-I」は恋愛ソングなのにのんきな雰囲気の楽曲で、そこら辺の応援ソングなんかよりよほど聴いていて元気が沸いてきます。
NAOTOの音作りと3MCの相性の良さの拮抗が為せる技です。


後半はM-12「ベロシティー3000」、M-13「キリキリマイ (Album Ver.)」、M-14「落陽 (Long Ver.)」と、既発曲とそのリメイクが中心。
3曲とも良曲なのは言うまでもありませんが、中でもM-14「落陽 (Long Ver.)」はもっともっと特筆されてしかるべきでしょう。
M-2「上海ハニー」、M-7「ビバ★ロック」と弾けたナンバーで売れてしまった彼らが、「これでいいのか!?」と自問自答し、一転して真面目に詞を書いたというエピソードつきの一曲。

そんな彼らの気持ちのこもった詞と、夏の海を想像してしまうようなサウンドの調和が耳を惹く、名曲と言って差し支えない楽曲になっています。


それからインストであるM-15「アンビエンタ」を経て、ボーナストラックのM-16「山内中校歌」に行きます。

RANGE流にアレンジされた彼らの出身中の校歌な訳ですが、何気にこの曲好きだったりします。
全員が心から楽しく演奏して歌っているのが嫌というほど伝わってくるんですよね。


聴いてみた感想としては、まだまだ粗い部分もあるものの、当時の20歳というメンバーの若さながらの勢いは半端ないですし、リーダーであるNAOTOの音作りのセンスの高さもこの頃から発揮されていたのも分かります。

何よりもインディーズアルバムをリリースしてからまだ2年も経っていなかったのに、その作品からここまで歌も楽器隊も成長したのは、心からすごいと思います。


2019年現在では完全に懐メロになってしまった作品ですが、まだまだ全然リスナーに楽しい時間を提供してくれる作品ですよ。
中古屋でもかなり見かけるアルバムなので、興味のある方は是非。


↓M-11「Twister」のライブ映像。
www.youtube.com

Unklejam / Unklejam

アンクルジャム


曲目リスト


1. Love Ya
2. What Am I Fighting For?
3. Luving U
4. Just Like Me
5. Cry
6. Go
7. Stereo
8. The Touch
9. Hello
10. Don't Pass Me By
11. Daddy Genes
12. Down Low
13. Slow Down


評価: ★★★★★★★☆☆☆


イギリスのミクスチャーバンド、Unklejamの1stアルバム。
2007年9月26日発売。


Unklejamは、Tyson、Bobby、Adonistarの3人のボーカルからなるユニットで、Tysonはイギリス出身、Bobbyはハワイ出身、Adonistarはマイアミ出身と、中々グローバルな雰囲気漂うメンバー構成です。

2006年から活動を開始し、2007年に1stシングル「Love Ya」(M-1)、2ndシングル「What Am I Fighting For?」(M-2)とコンスタントにリリースを行い、ヒット曲として記録されました。
その2枚のシングルをリリースした後に、6月にアルバムをリリースする予定でしたが、急遽その前に3rdシングルをリリースしてアルバムをリリースという予定に変更になり、アルバムリリースが延期になりました。

その3rdシングルが「Stereo」(M-7)ですが、こちらは前2作ほどヒットしなかったようです。


さて、内容に。


UnklejamはElectronic、Soul、Popなど様々な音楽の要素を混ぜたサウンドが特徴です。
その上にメンバー3人が歌を乗せるという構成になっています。


サウンドは90年代の洋楽を彷彿とさせるようなアレンジが目立ちます。
そのためこの辺りの洋楽が好きな方なら受け入れられやすいのではないでしょうか。

それはもう先行シングルとしてヒットした、びっくり箱のようなサウンドで所々にシャウトが混じるM-1Love Ya」、エレクトロを基調としたトラックで古めかしい雰囲気なM-2「What Am I Fighting For?からしてそう感じます。
2007年の作品なのに、まるで90年代のディスコ音楽のような雰囲気がありますね。

先行シングルを聴いていた方は、アルバム曲も大体そのような感じを想像していただいて大丈夫です。(M-5「Cry」、M-10「Don't Pass Me By」、M-11「Daddy Genes」のような落ち着いた楽曲もありますが)


シングル曲以外の聴きどころとしては、ちょっとシリアスな雰囲気が漂いつつもしっかりとクラブチューンになっているM-4「Just Like Me」、クラブチューンに挟まれているからこそ一際目立つスロウナンバーのM-5「Cry」、Hookの臨場感がすごいM-9「Hello」などですね。


ただ、一番の聴きどころはM-6「Go」ですね。
この曲は本作収録曲の中で一番メンバー3人の歌唱が活きていると思います!


全体的にとにかく様々な音楽、過去の先人たちのサウンドを自分たち流にやってアルバムを作ってみました、という感じですね。
単純に聴いていて楽しくなる楽曲が多いです。
ただちょっと何回か通して聴くと飽きてきてしまうのは否めないですかね。
それでも良作には入りますが、もっとサウンドに奥深さがあれば何回も聴けるアルバムになったかもしれない、惜しい1枚とも言えます。


ちなみにUnklejamですが、本作をリリースして以降、音源のリリースや活動のニュースは確認できません。
Youtubeにチャンネルはありますが、利用不可になっています。
活動休止したのか、解散したのか、それは分かりません。

とりあえず、90年代のディスコ音楽が好きな方は試聴をオススメします。


↓M-5「Cry」。
www.youtube.com

My VOICE / ファンキー加藤

My VOICE

曲目リスト


1. My VOICE
2. リスタート
3. 桜 ふわり ふわり


評価: ★★★★★★★★☆☆


東京都八王子市出身のシンガーソングライター、ファンキー加藤の1stシングル。
2014年2月12日発売。


2013年6月のラストライブツアーを持って解散したFUNKY MONKEY BABYS
そのリーダーであったファンキー加藤が、それからしばらくしてソロで音楽活動を開始することを発表し、その翌年にデビューシングルとして本作を発表しました。

その2日後には映画「ファンキー加藤 / My VOICE 〜ファンモンから新たな未来へ〜」も公開され、本作のM-1My VOICE」が挿入歌として起用されましたね。
ファンキー加藤は本作のセールスよりも映画の動員数の方が気になっていたそうです。


さて、内容に。


ファンキー加藤は、歌唱力に関しては正直そんなにある方ではありません。
ただファンモンでも発揮されていた、真っ直ぐで不器用な歌い方は、好感を持たれた方も多いのでは。
(だからこそ、あのW不倫でそのイメージがぶっ壊れたわけですが)


M-1My VOICE」とM-2「リスタート」は、新しくスタートを切ったファンキー加藤が、ずっと支えてくれた人に対してのメッセージを送る、メッセージソング。
具体的にいえば、モン吉DJケミカル、そしてファンモン時代にずっと支えてくれたファンに対してでしょう。

どちらもファンキー加藤らしさがあるまずまずの出来の楽曲ですが、個人的にはM-2「リスタート」の方が好みです。
臨場感のあるトラックと、ファンキー加藤の不器用ながらも熱のある歌い方がしっかりとした聴きごたえを提供してくれます。
(M-1My VOICE」はもうちょっとトラックに臨場感があればもっとよかったです)


M-3「桜 ふわり ふわり」は、卒業をテーマにした片想いソングですね。
正直本作では一番好きな楽曲です。
ピアノの素敵な旋律が耳を惹くトラックと、ファンキー加藤の優しげな歌い方の生み出す化学反応が素晴らしい一曲になっています。
ファンキー加藤の歌がここまでぴったりなトラックも中々珍しいですね。

恋愛ソングということで、詞に関しては突っ込みたくなる方もいるでしょうけど、少なくとも僕は今でも「この曲は好き!」と胸を張って言えます。


ファンモンの1stアルバムの記事でも書いたように不倫騒動以降は評価がただ下がりになってしまったファンキー加藤
元々恋愛ソングや青春ソングが多かっただけに、多くの楽曲が響かなくなるのでは・・・という雰囲気もありました。


ただファンモンの1stアルバムもそうでしたけど、いざこうやって過去の音源を聴いてみると、そんなに魅力を失っていないのと、予想以上に内容がいいのはちょっとびっくりします。
特に上にも書いたようにM-3「桜 ふわり ふわり」は、とにかく「音」そのものの魅力が素晴らしくて、全く評価が下がりませんでした。


3曲ともファンキー加藤の1stアルバムに収録されているため、今から聴きたい方はそちらをオススメしますが、とりあえずファンキー加藤のデビュー時の曲をさらっと聴いてみたい、という方には本作もいいかもしれません。


M-1My VOICE」のライブ映像。
www.youtube.com

Guess Who's Back? / 50 CENT

Guess Who's Back


曲目リスト


1. Killa Tape Intro
2. Rotten Apple
3. Skit/Drop
4. That’s What’s Up feat. G-Unit
5. U Not Like Me
6. 50 Bars
7. Life’s On The Line
8. Get Out The Club
9. Be A Gentleman
10. Fuck You
11. Too Hot feat. Nas & Nature
12. Who U Rep With feat. Nas & Bravehearts
13. Corner Bodega
14. Ghetto Qua ran
15. As The World Turns feat. U.G.K.
16. Whoo Kid Freestyle
17. Stretch Armstrong Freestyle
18. Doo Wop Freestyle


評価: ★★★★★★★☆☆☆


アメリカのNY出身のラッパー、50 CENTのミックステープ。
2002年4月16日発売。


2000年にアルバムをリリースする予定だったものの、発砲事件に巻き込まれ、自身も銃弾をくらって生死の境をさまよった50 CENT
それにより音楽業界から締め出され、ラッパーの道を絶たれようとしていました。
(銃弾が口にも当たったことにより、滑舌も悪くなりましたし)

しかしながらDr. DreEMINEMのプロデュースにより、2003年に1stアルバムを1100万枚売りさばき、一気にスターダムにのしあがって見事に復活を成し遂げたわけですが、その復活前にリリースされたのが本作です。
本作もビルボードで30位以内に入るなど、中々のセールスを記録しています。


さて、内容に。


好セールスを記録したとはいえ、フルアルバムではなくあくまでミックステープ。
以前感想記事を書いた「Bulletproof」と同様、彼のフルアルバムと比べるとやはり、トラックもラップもちょっとチープな印象を受けます。
客演もそこまで目立った活躍はしておらず、あくまで50 CENTというラッパーをアピールするために作られた1枚と言えそうです。


特に序盤はちょっと粗めのトラックの上で50がいつもながらの癖のあるラップを乗せる流れで、ちょっと単調に感じなくもありません。
M-4「That’s What’s Up feat. G-Unit」ではLLOYDとYAYOが参加していますが、あくまで脇役という立ち位置で、G-UNITのファンでもそこまで期待するほどではありません。


一気に聴きごたえが上昇するのはちょうど中盤に差し掛かるM-7「Life’s On The Line」からです。
1stアルバムで初めて聴いた時から大好きな曲ですが、本作でこの流れで聴くとますます魅力が上昇します。
淡々とラップをしていく楽曲からいきなりこんな暴れまわるような楽曲に変わる展開がたまりませんね。
G-UNIT周辺ではお馴染みのJA RULE DIS曲なので、好みは分かれるでしょうけど、個人的にはかなり好みです。
そこからは幻想的なトラックの上で50のHook作りの上手さが光るM-8「Get Out The Club」、クラシックをサンプリングしたトラックと50のラップがたまらない化学反応を起こすM-9「Be A Gentleman」、スクラッチが効果的に働くHookが絶品なM-10「Fuck You」と、もう聴いていて耳が離れなくなってしまうこと間違いなしです。


そしてNASとNATUREを客演に迎えたM-11「Too Hot」。
もうこれはスクラッチを経ての最後のバースを埋めるNASのカッコよさにノックアウトされてしまいますね。
50の癖のあるラップの中で、乾いた声でスムーズにラップを乗せていく様が見事にいいアクセントになっています。
本作の個人的な客演MVPはこの曲のNASですね。
(続くM-12「Who U Rep With feat. Nas & Bravehearts」はこれまたマイクリレーものですが、Braveheartsが勢揃いなせいかちょっと雑多な印象が否めず)


後半になってもM-13「Corner Bodega」、M-14「Ghetto Qua ran」と50ならではのHookが楽しめること請け合いな楽曲が目白押しです。
特にM-14「Ghetto Qua ran」は曲名は怖いですが、本作の中でもかなり聴きやすい楽曲になっていて、そのギャップも楽しめます。
シンガーを客演に迎えていないのに、こういう雰囲気を出せてしまうのは50の武器ですね。

最後のフリースタイル3曲は本当に自分たちでやりたいようにやった感じですが、50のファンなら嬉しい内容でしょうね。
個人的にはM-18「Doo Wop Freestyle」はイマイチ、他の2曲はまあまあでしょうか。


オリジナルアルバムよりはちょっといびつな部分もありますし、たらればを挙げれば出てくるんですけど、好セールスを挙げたのも納得で、個人的には50のオリジナルアルバムにもひけを取らない良作ミックステープだと感じます。
50に興味のある方なら是非買ってみては。
最もこれから50を聴いてみようという方はやはり本作ではなく1stアルバムをまず聴いてみることをオススメしますが・・・というか本作と1stアルバムを合わせて手に入れるのが一番いいかもしれません。
1stアルバムを聴いて50の世界に入ったら、本作でさらに深いところまで行ってしまってください!


↓M-10「Fuck You」のPV。
www.youtube.com

RIDE ON WEST / V.A.

RIDE ON WEST (Japan Version)


曲目リスト


1. I.n.t.r.o. / GIPPER
2. Wake Up! / clef feat. TERRY, BUZZ
3. To Da Max Funky!! / Ticky“D”Tac feat. Challi
4. Mr.Shakes / GIPPER+S55 a.k.a SPOCK+YORK
5. Night High / Mr.Low-D
6. Young Emotion / YOZE + enmaku
7. Drunksta / OUT WITS
8. Concrete Anthem / RAIDER, FRENZY, L-B, REO-G
9. Dont Stop Smoke Way / SMOKE
10. AJISAI / STYLISTIC MAFIA(HYENA&65 SYNDICATE)
11. 大都会“street water” / 大地
12. CRECIMIENTO / D-ON feat.LA-BIA
13. Club Hello-Inn / Shiva Dogg feat.DESTINO
14. 西吹く風 / NESCO feat.KAORU


評価: ★★★★★★★☆☆☆


TSUTAYA限定でリリースされた、日本の西海岸系サウンドの楽曲を集めたコンピレーションアルバム。
2007年10月24日発売。


2000年にDS455が1stアルバムをリリースして以降、日本ではほとんど認知されていなかった西海岸系のラップが急速に広がりを見せました。

そんな中に神奈川にひょっこり現れたのがNORA CREWで、2003年から自分達の作品をリリースすると同時に、仲間たちのコンピレーションアルバムにも力を入れていました。
そのコンピレーションアルバムの1枚ですね。


さて、内容に。


基本的に内容はクラブなどで流せそうなチューンがメインで、頭を振りながら、腰で感じる音楽になっています。

GIPPERによる短いイントロのM-1I.n.t.r.o.」から、M-4「Mr.Shakes」までの流れは捨て曲などありません。
clefの素敵な歌声のハーモニーと、BUZZとTERRYの男臭いラップの妙だけでもかなり楽しめるM-2「Wake Up!」、1度聴いたら忘れられないコミカルなトラックの上でTACとChalliか弾むようなラップで楽しませてくれるM-3「To Da Max Funky!!」、キャラが全く違う3人がマイクを回すM-4「Mr.Shakes」と、純粋に楽しめる楽曲が目白押しです。
M-4「Mr.Shakes」は最初聴いたときはHookがちょっとと思いましたが、何回も聴くと癖になります。


そんな序盤を駆け抜けて中盤の方でずば抜けて気分をブチあげるのがYOZEとenmakuによるM-6「Young Emotion」。
enmakuの聴きごたえのあるラップと、FUEKISS!!によるトラックも文句なしですが、何よりもエンジンを全開にして飛ばすYOZEのラップがすごいです!
YOZEのラップがここまで前面に立つ曲なんて今まであったか!と思ってしまいますね。

そしてもう一曲名曲と言えるのが大地によるM-11「大都会“street water”」。
怪しくて煙たいトラックの上で最初から最後まで飽きることなく聴かせる大地のラップが非常に聴きごたえ抜群で、聴きいってしまうこと間違いなしです。


いただ、M-1のイントロを除くこの5曲は抜群なものの、それ以外はまあ普通という印象です(あえていうならM-12「CRECIMIENTO」のD-ON、LA-BIAはちょっと気になりました)。
M-5「Night High」のMr.Low-D、M-10「AJISAI」のSTYLISTIC MAFIA、M-14「西吹く風」のNESCOなどは別の作品を聴いたときはカッコいいと思えましたけど、本作ではあれ?という印象ですね。

2007年当時のEIGHT TRACKメンバーによるM-8「Concrete Anthem」は、前後の曲や収録アルバムが変わるだけでこんなにも印象が変わるのかと思いました。
EIGHT TRACKの1stアルバムだと普通にカッコよくて気持ちいい楽曲に聴こえるんですけど、本作ではちょっと浮いて聴こえます。


と、たらればをあげれば出てくるんですけど、上に挙げた名曲5曲を聴くだけでも十分に聴く価値はあると思います。
中古では結構出回っていると思うので、見かけたらチェックしてみてください。


↓M-8「Concrete Anthem」。
www.youtube.com

100% REGGAE 2 / V.A.

100% Reggae, Vol. 2


曲目リスト


1. Dedicated To The One I Love / Bitty McLean
2. Oh Carolina / Shaggy
3. Sweets For My Sweet / C J Lewis
4. I Can See Clearly Now / Jimmy Cliff
5. Housecall / Shabba Ranks feat. Maxi Priest
6. Keep On Moving / Bob Marley and The Wailers
7. Dub Be Good To Me / Beats International
8. Oh Carol! / General Saint feat. Don Campbell
9. You Can Get It If You Really Want / Desmond Dekker
10. Double Barrel / Dave & Ansell Collins
11. Silly Games / Janet Kay
12. Gal Wine / Chaka Demus & Pliers
13. Dancing On The Floor / Third World
14. Coming / Schwarzkopf
15. The Prine / Madness
16. Return Of Django / Upsetters, The
17. Red Red Wine / Tony Tribe
18. Message To You Rudy, A / Specials, The feat. Rico
19. Girlie Girlie / Sophia George
20. The Tide Is High / Blondie
21. I Want To Wake Up With You / Boris Gardiner
22. Deeper Than Deep / Aswad


評価: ★★★★★★★★★☆


90年代までのREGGAEのヒット曲を集めたコンピレーションアルバム。
1994年4月13日発売。


80年代後半に入ってからジャマイカのみならず世界規模で認知を広げつつあったREGGAE。
チャートにREGGAEが入ることも珍しくなくなっていきました。

そんなREGGAEの有名曲を集めたコンピレーションアルバム「100% REGGAE」の第2弾が本作です。
前作からわずか半年ちょっとでリリースされました。

前作がそれなりにヒットしたのを受けて、早いうちに第2弾を出そうとしたのでしょうか。


さて、内容に。


基本的には前作と全く同じような構成です。
楽曲は22曲収録とボリュームたっぷりですし、そんなゴリッゴリとしたREGGAE楽曲はほとんど無く、REGGAEに興味が余りない人でも違和感無く聴けるような楽曲がほとんどを占めています。
完全に前作の延長戦上という感じで、前作が気に入った方なら間違いなく気に入ると思います。
アップなパーティーチューンとスローな心地よいチューンがバランスよく配置されており、最初から最後まで楽しめます。


Bitty McLeanのM-1Dedicated To The One I Love」のスタートは、前作の「Loverman」からの流れよりは劣りますが、それでも十分にいいスタートです。
そこからM-2「Oh Carolina」を始めとする明るいパーティーチューンが続く流れもいいですね。
どのDeeJayもスムーズに歌をリディムに乗せていて、聴きやすさと聴きごたえが両立されています。
歌と心地よさに比重を置いたM-4「I Can See Clearly Now」も聴いていて楽しい気分になるのは言うまでもなく。

M-6「Keep On Moving」はREGGAEに詳しくない人でも名前を知っている、Bob Marley and The Wailersですが、しっかりとした純度100%のREGGAEでありつつも、REGGAEファンでなくてもすんなり聴けるようなサウンドになっているのは流石です。


そこからもM-7「Dub Be Good To Me」、M-9「You Can Get It If You Really Want」、M-11「Silly Games」などといった女性DeeJayの歌声が冴え渡るナンバーがいいアクセントになっています。
そこから男女で楽しく歌を掛け合うM-12「Gal Wine」への流れも聴いていて楽しいです。


M-16「Return Of Django」はインストですが、それでも十分過ぎるくらいの聴きごたえ。むしろ他の歌入りの楽曲にも何ら負けていないです。
このようなコンピレーションアルバムでインストを入れるのは珍しいと思いますが、これは選曲した方には拍手を送りたいですね。

後半は1曲の基準の4分どころか3分も切っている曲が多めです。
ですが1曲がしっかりとしているので、全く物足りなさを感じさせない流れになっています。


前作と同様、全体を通して本当に聴きごたえがある内容ですね。
前作をまだ聴いていない方は是非こちらも合わせて手に入れることをオススメしますね。
REGGAEに興味がない方でも、REGGAEファンでも楽しめること間違いなしです。


今年の夏も終わりに近づきつつあり、お盆休みにこれから入る方も大勢いらっしゃると思いますが、車や電車などでの移動には是非本作を聴きながらはいかがでしょうか?
暑い夏の移動にはいいお供になること、間違いありません。


↓M-20「The Tide Is High」のPV。
www.youtube.com