りくぼーの音楽感想倉庫

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ファンキーモンキーベイビーズ / FUNKY MONKEY BABYS

ファンキーモンキーベイビーズ


曲目リスト


1. 恋の片道切符
2. そのまんま東
3. 西日と影法師
4. GO! GO! ライダー
5. ALWAYS
6. One
7. 笑顔
8. Oh My Lady
9. ろくでなしCRUISE [album version]
10. オレオレRAP
11. 勝負パンツ
12. B・W・H
13. チェケラッチョ


評価: ★★★★★★★★☆☆


東京八王子で結成されたラップグループ、FUNKY MONKEY BABYSの1stアルバム。
2006年7月19日発売。


FUNKY MONKEY BABYSはMCのファンキー加藤モン吉、DJのDJケミカルの3人からなるグループです。
2004年の元旦に、元々ソロで活動していたファンキー加藤モン吉が結成しました。
DJ ケミカルは元々はライブDJで、メンバー加入を希望していたもののリーダーであるファンキー加藤から中々OKが出ませんでした。
何とか晴れて正式メンバーになったものの、この1stアルバム発売時に「このジャケで売れなかったらクビ」と言われてしまったと・・・。
シャレで言ったのかマジで言ったのかは分からないですけどね。
あのファンキー加藤W不倫騒動以降、「ファンキー加藤の性格の悪さ」がビックアップされることがネット上で多かったですけど、どこまで本当なんでしょうか。


そして本格的に活動開始したのちに、2006年1月に1stシングル「そのまんま東へ」でメジャーデビューを果たします。
その後にシングルを短いスパンでリリースしていき、メジャーデビューからわずか半年でこの1stアルバムをドロップ。
このアルバムの前に出したシングルはそこまでチャート順位が振るったわけではなかったのですが、この1stアルバムはチャート15位という好セールスを記録し、テレビ番組でのDJケミカルのパフォーマンスで一気に知名度を上げたのです。
今では日本では知らない人がいないと言ってもいいくらいのグループになりましたよね。


では、内容に。


ファンモンと言えば、「あとひとつ」とか「ちっぽけな勇気」などの青春系、あとは「Lovin' Life」、「告白」なんかの恋愛ソングを思い浮かべる人が大多数だと思います。
そのせいか売れ線の音楽や薄っぺらい詞を嫌う自称音楽愛好家たちや、熱狂的なHIP HOPファンからはしばしば嘲笑の的にされるグループです。
おまけに2016年のファンキー加藤W不倫報道により、解散後にも関わらず、ファンからも総スカンを食らう羽目になってしまった不運なグループでもあります。
他の2人は完全にとばっちりなんですけどね・・。
おそらくこの記事を読まれている方にも、彼らの音楽が嫌いな人は絶対にいらっしゃるでしょう。


そんなあなたにもちょっと聴いてみてほしいのがこの1stアルバムです。


この1stアルバムはそんなに青春系や恋愛ソングはなく、色々なタイプの曲が収録されているんですね。
この頃はまだちょっと自分たちのスタイルを模索していたのかな?っと感じました。

2ndシングルの表題曲であるM-1恋の片道切符」、デビュー曲であるM-2「そのまんま東」と、初っ端からシングル曲が2曲続きます。
前者は片思いソング、後者は自分へのエール曲となっており、両方ともシングルを切っただけあってトラックは2人の雰囲気によく合っていますし、ファンキー加藤モン吉も気合を入れてラップしています。
アルバムのスタートとしてはいい入りだしですね。


M-3「西日と影法師」は、3rdシングルのカップリング曲で、哀愁漂うトラックの上で西日から想像できる自分の昔の思い出を紡いでいくリリックを展開する楽曲で、彼らのスタイルとしっかりハマった良曲。
仕事から退勤する時のBCMには間違いなくピッタリでしょうね。
続くM-4「GO!GO!ライダー」は2ndシングルのカップリング曲で、トラックもリリックも全てにおいておふざけ100%の楽曲。
哀愁漂う楽曲の次にこれかよ!って感じですが、これが何だかんだで聴いてて楽しい流れ。ちょっとスケベなリリックがあるので親子で聴いていると気まずいかもですが・・。

そこからM-5「ALWAYS」からM-7「笑顔」までは基本的にポジティブなリリックが並ぶ流れです。
特にM-5「ALWAYS」は3rdシングルの表題曲で、個人的には本作のハイライト。
トピックこそよくある応援歌ですが、トラックも勢いが半端ないですし、何よりMC2人のラップがギア全開で聴きごたえ抜群。
後半のファンキー加藤の早口ラップなんて不倫報道後のファンキー加藤からは想像もできないカッコよさがあります。
続く2曲も、トラックと2MCのラップの相性の良さを見せつける楽曲で、聴いているだけで笑顔になってしまうような雰囲気を味わえます。


M-8「Oh my lady」はトラックは殆どROCKに近く、2MCの乗りこなしもラップというよりは歌に近いように感じます。
HIP HOPファンから見ると不快に思うかもしれませんが、とにかく割り切って聴いていればものすごく楽しく聴ける楽曲です。
キャッチ―な雰囲気で、首を振りたくなってしまうこと請け合い。

M-9「ろくでなしCRUISE[album version]」は、以前彼らがコンピレーションアルバムに参加した際の参加曲のREMIX。
モン吉の声が非常にDJ TATSUTAのトラックとマッチしていて、いい感じに暴れまわっています。
ファンキー加藤のラップもいいアクセントとして働いてますね。


以降はトラックをDJ TAKI-SHITが手掛けており、後期のファンモンからは想像もできないようなハードな曲を披露しています。
M-11「勝負パンツ」、M-12「B・W・H」は曲名からもわかる通りエロネタで、親子で聴いていたら親の方が気まずくなること必至。
ただこちらの後半は、前半や中盤と比べるとちょっと勢いが落ちますね。
やっぱりファンモンの2人はPOPテイストな曲が合うなあと思ってしまいました。


正直僕もあのW不倫の騒動以降ファンモンの楽曲を積極的になんて聴いていなかったんですけど、久しぶりにこのアルバムを聴いてみたら後半の失速はあるものの予想していたよりずっと良くてびっくりしました。
不倫していたり、麻薬に手をだしたりするミュージシャンなんてぶっちゃけ数えきれないくらいいるので余り気にしないようにはしてるんですけど、ファンモンやファンキー加藤の場合は作っている曲が作っている曲でしたからね・・・。その被害も甚大だったというわけでしょうね。
恐らくあの騒動の後でも聴いてみて一番被害を被っていないアルバム・・だと思うので、機会があったら聴いてみても悪くないですよ。


↓M-2「そのまんま東」のPV。
www.youtube.com