曲目リスト
1. Forever (Intro)
2. What You Want
3. I’ll Do This For You feat. Kelly Price
4. Do You Like It… Doo You Want It… feat. Jay-Z
5. Satisfy You feat. R. Kelly
6. Is This The End Pt. 2 feat. Twista
7. I Hear Voices feat. Carl Thomas
8. Fake Thugs Dedication feat. Redman
9. Diddy Speaks! (Interlude)
10. Angels With Dirty Faces feat. Bizzy Bone
11. Gangsta Shit feat. Lil’ Kim & Mark Curry
12. P.S. 112 (Interlude)
13. Pain feat. G-Dep
14. Reverse feat. Shyne, G-Dep, Cee-Lo, Busta Rhymes & Sauce Money
15. Real Niggas feat. The Notorious B.I.G. & Lil’ Kim
16. Journey Through The Life feat. Nas, Beanie Siegel, Lil’ Kim & Joe Hooker
17. Best Friend feat. Mario Winans
18. Mad Rapper (Interlude)
19. P.E. 2000 feat. Hurricane G
20. P.E. 2000 (Rock Remix)
評価: ★★★★★★★★☆☆
アメリカのプロデューサーであるSean CombsのMC名義、Puff Daddyの2ndアルバム。
1999年8月24日発売。
ずっとプロデューサーとしてレーベル運営をしていたものの、1997年にPuff Daddy & the Bad Boy Family名義で1stアルバム「NO
WAY OUT」をリリースし、MCとしても活動を開始したSean Combs。
「様々なラッパーやシンガーをプロデュースした男がついに自身のアルバムを!」と話題になり、好セールスを記録。
その2年後にこの2ndアルバムをリリースしました。
本作もNASやJAY-Z、Lil Kimなどなど多彩で豪華な客演を迎えたこともあり、USビルボードで2位を獲得する大ヒットアルバムとなりました。
ただし「豪華な客演が集まったわりにはパッとしない」と世間的な評価は余り芳しくなかったようです。
では内容に。
後に作詞も作曲も全てゴーストがいたと判明するというラッパーとしてはとんでもなくカッコ悪い事実が判明してしまったPuff Daddyですが、ラップ自体はどんな音にも馴染む声質でなかなかいい味を出しています。
何よりも上手いと感じるのはボーカル使いですね。
特に前半は女性のコーラスとの絡みが印象的。
シンプルながらも飽きの来ないトラックの上でHookで絡むシンガーの歌声が絶品なM-2「What You Want」とM-3「I’ll Do This For You feat. Kelly Price」、
バックの女性のコーラスがパーティーな雰囲気を後押ししているのに加えて、JAY-Zもタイトなラップでいい仕事ぶりを見せるM-4「Do You Like It… Doo You Want It… feat. JAY-Z」、神秘的な雰囲気なトラックの上で本作のシンガーとしては一番なのではという歌を見せるR.Kellyが素晴らしいM-5「Satisfy You feat. R.Kelly」と、どれも丁寧な仕事ぶりで感心させられてしまいます。
M-6「Is This The End Pt. 2 feat. Twista」ではそんな雰囲気からガラッと変わりますが、Puff Daddyの捲し立てるようなラップとTwistaの緊迫した歌が素敵な化学反応を起こしています。
というか自分でリリックを書いていないのにこんなラップを披露するってある意味すごいのでは。
なお、リリックの内容もこの曲から一気に物騒になります。
その後はリリックの内容もトラックも物騒な曲が多目なものの前半に比べてハマり具合は・・となりますが、M-10「Angels With Dirty Faces feat. Bizzy Bone」は聴いたとたんにぶっ飛ばされること間違いなし!
Bizzy Boneが完全にPuff Daddyを食べてしまっています。
それくらいBizzyの怒髪天っぷりが凄まじいです。
この次に控えるM-11「Gangsta Shit feat. Lil’ Kim & Mark Curry」は名前に似合わない非常に淡々とした雰囲気な楽曲ですが、最後のバースに控えるLil’ Kimの女性ならではの暴力的なラインの応酬がすごいです。
シリアスなトラックの上でシリアスな展開のリリックを描くM-13「Pain feat. G-Dep」からマイクリレーもののM-14「Reverse feat. Shyne, G-Dep, Cee-Lo, Busta Rhymes & Sauce Money」に繋がる流れも中々。同じマイクリレーものであるM-16「Journey Through The Life feat. Nas, Beanie Siegel, Lil’ Kim & Joe Hooker」にも言えますが、やはりシンプルなトラックの上でのマイクリレーは聴き応えがありますね。
まあ、豪華な面子が集まったわりに地味な印象は拭えないですけど。
M-17「Best Friend feat. Mario Winans」からM-20「P.E. 2000 (Rock Remix)」の流れは話題となった曲が固まっているだけあって腹持ちは抜群です。ただ綺麗に纏めすぎた感もありますかね。
余り評判は良くない本作ですが普通の水準で聴けば、十分合格点は行ってるんですよね、この作品。
確かにかなり耳の引きが強い楽曲はなく全体的に地味な印象は否めず、随所で綺麗に纏めすぎた感はあります。
「NASやThe Notorious B.I.G、JAY-Zなどビッグネームを呼んだ割りには・・・」という声が多かったのもこのような優等生的に堅さがちょっとあったからかもしれません。
そんなに進んで勧められる一枚ではありませんが、もしレンタルや中古などで見かけたら何回か聴いてみてほしいですね。(要するに一回通して聴くだけだったり試聴だけでは駄目ということです)
個人的には一聴の価値ありの作品です。
↓M-5「Satisfy You feat. R.Kelly」のPV。
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