りくぼーの音楽感想倉庫

音楽CDの感想を綴っていきます

1st CONTACT / ORANGE RANGE

1st Contact


曲目リスト


1. Fever!
2. 上海ハニー
3. ミッションinポッピプル
4. ヤング8
5. サムライマニア
6. ゆうぐレッド
7. ビバ★ロック
8. ジャパニーズピープル
9. パーリィナイッ
10. O-Mo-I
11. Twister
12. ベロシティー3000
13. キリキリマイ (Album Ver.)
14. 落陽 (Long Ver.)
15. アンビエンタ
16. 山内中校歌


評価: ★★★★★★★★☆☆


沖縄出身のバンド、ORANGE RANGEの1stアルバム。
2003年12月17日発売。


1stシングル「キリキリマイ」(M-13)でメジャーデビューを果たしてから、2ndシングル「上海ハニー」(M-2)のヒットで一気に名前を有名にし、その後もスマッシュヒットを連発したORANGE RANGE

2003年の終わりにドカンと1stアルバムである本作をリリースしました。


当然のことながら日本では2003年を代表するアルバムの1枚と言ってもいいくらいの話題作になり、オリコンチャートでも2位を獲得。
本当にメジャーデビューしてからの流れが順調すぎます。
最も、まだまだ本作の時点ではこんな順調さなど序の口だったわけですが。


では、内容に。


ミクスチャーバンドとして、様々な雰囲気の楽曲を発表しているORANGE RANGEですが、1stアルバムである本作は、ミクスチャーとしては比較的正統派なROCK色が強い作品となっています。
後に脱退するドラムのKATCHANがハードROCK嗜好だったというのもあるのでしょうね。


M-1Fever!」、M-3「ミッションinポッピプル」、M-4「ヤング8」、M-5「サムライマニア」などが並ぶ序盤は、比較的ハードなROCKな楽曲が占めていて、メジャーデビュー前のインディーズ時代のサウンド強化版、という印象を受けますね。

個人的には迫力あるHookと3MCのの掛け合いが聴き応え抜群なM-4「ヤング8」、聴いているだけで頭を振りたくなるようなNAOTOの音作りが光るM-5「サムライマニア」がいいですね。
ただやはりM-2「上海ハニー」のインパクトが一番です。
M-2にこの曲を配置したのは作戦勝ちだと思います。
嫌でもこの先を聴きたくなってしまうこと請け合いですからね!


序盤こそそんなインディーズ時代の延長のハード嗜好曲中心ですが、本作の本当の聴きどころは中盤からです。
3MCの歌を最低限にしたほとんどインストと言ってもいいM-6「ゆうぐレッド」から一気に面白味が増します。
そこから華やかさ抜群の先行シングルのM-7「ビバ★ロック」を挟んで、M-8「ジャパニーズピープル」に行くわけですよ。

この流れは本当に上手いです。
M-8「ジャパニーズピープル」は元々は5thシングルにする予定だったみたいですが、暗い雰囲気の曲だったのでアルバム曲になったんだとか。
でもそれで正解ですね。
シングル曲だったらこれほど輝かなかったと思います。
それくらい曲順の良さが別次元。
もちろん、この曲自体もいいのですが!

その後も彼らのセンスが光る曲が続きます。
特にM-10「O-Mo-I」は恋愛ソングなのにのんきな雰囲気の楽曲で、そこら辺の応援ソングなんかよりよほど聴いていて元気が沸いてきます。
NAOTOの音作りと3MCの相性の良さの拮抗が為せる技です。


後半はM-12「ベロシティー3000」、M-13「キリキリマイ (Album Ver.)」、M-14「落陽 (Long Ver.)」と、既発曲とそのリメイクが中心。
3曲とも良曲なのは言うまでもありませんが、中でもM-14「落陽 (Long Ver.)」はもっともっと特筆されてしかるべきでしょう。
M-2「上海ハニー」、M-7「ビバ★ロック」と弾けたナンバーで売れてしまった彼らが、「これでいいのか!?」と自問自答し、一転して真面目に詞を書いたというエピソードつきの一曲。

そんな彼らの気持ちのこもった詞と、夏の海を想像してしまうようなサウンドの調和が耳を惹く、名曲と言って差し支えない楽曲になっています。


それからインストであるM-15「アンビエンタ」を経て、ボーナストラックのM-16「山内中校歌」に行きます。

RANGE流にアレンジされた彼らの出身中の校歌な訳ですが、何気にこの曲好きだったりします。
全員が心から楽しく演奏して歌っているのが嫌というほど伝わってくるんですよね。


聴いてみた感想としては、まだまだ粗い部分もあるものの、当時の20歳というメンバーの若さながらの勢いは半端ないですし、リーダーであるNAOTOの音作りのセンスの高さもこの頃から発揮されていたのも分かります。

何よりもインディーズアルバムをリリースしてからまだ2年も経っていなかったのに、その作品からここまで歌も楽器隊も成長したのは、心からすごいと思います。


2019年現在では完全に懐メロになってしまった作品ですが、まだまだ全然リスナーに楽しい時間を提供してくれる作品ですよ。
中古屋でもかなり見かけるアルバムなので、興味のある方は是非。


↓M-11「Twister」のライブ映像。
www.youtube.com