りくぼーの音楽感想倉庫

音楽CDの感想を綴っていきます

PLATINUM TONGUE / DABO

PLATINUM TONGUE


曲目リスト


1. PLATINUMINTRO
2. MIC CHECK
3. マチガイナイ!
4. O-RE-BA-NA
5. BUNNY TALKS
6. PLATINUM TONGUE feat. SUIKEN
7. HI-LIFE (RELAXXX)
8. PINKY ~だから、その手を離して~ feat. Tyler
9. 拍手喝采
10. レクサスグッチ
11. 徒然草 feat. HUNGER, MACCHO
12. 愛しのサブリナ
13. R.E.C.ROOM (BAD TRIP)
14. DAIMONION FUNK (I GOT CHA)
15. JOLLY’S PIANO
16. この指止まれ feat. CQ
17. SNEAKER PIMP (TWO PIMPS IN A CYPHER MIX) feat. TWIGY
18. ZERO (MUKASEE MUKASEE MIX)


評価: ★★★★★★★★★☆


千葉県出身のラッパー、DABOの1stアルバム。
2001年6月13日発売。


90年代から活動を始め、日本語ラップの代表的グループであったNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDの一員でもあったDABO。
何枚かシングルをリリースした後、NITROの1stをリリースした翌年に、フルアルバムの本作をリリースしました。
NITROの1stアルバムリリース後、メンバーはそれぞれソロ活動にも精力を入れるようになりましたが、SUIKENが1stアルバムをリリースしたちょっと後にリリースした形になりましたね。


本作からはリリース前にはM-9「拍手喝采」、M-18「ZERO」の2曲が先行シングルとしてリリース(後者はちょっとバージョンが違いますが)され、リリース後にはM-8「PINKY ~だから、その手を離して~ feat. Tyler」、M-10「レクサスグッチ」がシングルカットされています。

NITROの中でもずば抜けたラップスキルで一際有名だったDABO。そんな彼の1stアルバム。話題にならないはずがありません。
リリースされるや否や、様々な雑誌で高評価の嵐。
「日本版ILLMATIC(アメリカのHIP HOPの伝説的なクラシックであるNASの1st)だ!」なんていう声も上がるほど。
DABOのアルバムと言えばこれ!というリスナーも未だに多いはずです。


では、内容に。


4thシングルの感想を書いたときにも感じましたが、とにかくDABOのラップのスムーズさと聴き心地の良さは反則的。
今でも出てきたらびっくりさせられるであろうラップなのに、これが21世紀に入ったあたりに聴かされたというのは驚きでしかありません。


特に序盤はあまり目立たないクールでダークなトラックが中心で、客演もいないのにしっかりと聴きごたえのある流れになっています。
イントロを経てのM-2「MIC CHECK」なんて、4thシングルで聴いたときにはまあまあいい曲だな、としか思わなかったのに、この流れで聴くとめちゃめちゃカッコいい楽曲に聴こえます。
続くM-3「マチガイナイ!」、M-4「O-RE-BA-NA」もリリックこそオラオラ系俺様リリックですが、DABOのラップとトラックの相性がこの上なく抜群で、ついつい聴いてて首を振りたくなってしまいます。


スキットのM-5「BUNNY TALKS」を経てからのアルバム表題曲のM-6「PLATINUM TONGUE feat. SUIKEN」に行く流れ。
この煽りが非常に効果的で、くだらない喋りから一気に爆発力のある表題曲に行く展開がたまらないですね。
迫力あるトラックの上でのDABOとSUIKENのラップ合戦がかなりカッコいいです。
DABOとSUIKENが2人とも全盛期と言ってもいい頃だったこともあり、一曲として見てもしっかりと聴きごたえのある楽曲になっています。
そこからM-7「HI-LIFE (RELAXXX)」に行く流れもナイスです。
曲名からも予想できる通り、リラックスできるような雰囲気のトラックの上でのDABOのラップの転がしっぷりがとても気持ちいいです。


そして・・ここからはシングルカットされた曲が3曲連続で続くという気が抜けない展開!
3曲とも全くタイプの楽曲ですが、どの曲もDABOのラップの様々な魅力を詰め込んだ内容になっていますよ。
この3曲に関してあえて何も言いません。是非ご自身で聴いて堪能してください。

その次のM-11「徒然草 feat. HUNGER, MACCHO」はアルバム曲にも関わらず、シングル3曲にも全く引けを取らないマイクリレーです。
DABOとHUNGER、MACCHOそれぞれが見事な100点満点の仕事ぶりで、一度聴けば頭に楽しい雰囲気が残ることは間違いなし!

その後の客演なしの3曲も、DABOのスムーズなラップとクールなトラックが楽しめる流れ。本当にこの頃のDABOのフロウは天下一品。そう感じざるを得ないですね。


それからスキットのM-15「JOLLY’S PIANO」を経てからの客演付きの2曲。
客演はCQTWIGYですが、2人ともDABOに負けず劣らずの素晴らしい仕事ぶりを披露。
曲自体も良曲なのは言うまでもなくです。

先行シングルとして切られた「ZERO」のREMIXもDABOらしいですが、最後の〆としてはちょっと弱いかも。


久しぶりに聴いた本作ですが、率直に言って余りの内容の良さにびっくりです。
DABOのリリック自体は俺様俺様が中心で、そこまで中身があるとは言えないですが、そんなことすらマイナス要素になっていないくらい、ラップの聞き心地が異次元。
当時高評価の嵐だったのも、そりゃそうだろうと思ってしまいます。
最も・・DABOは本作以降もコンスタントにアルバムをリリースしていきましたが、リリースするたびにアルバムの評価は下がっていき、ビッグマウスと作品の内容が釣り合わなくなったことによってリスナーから冷めた目で見られていくという未来を知っている身からすると、ちょっと複雑な気分にもなりますが。
とにかくこのDABOの1stアルバムに関しては、絶対に1度は聴いてほしいですね。
今聴いても全く色あせてませんよ!


↓M-10「レクサスグッチ」のPV。
www.youtube.com