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A Day Without Rain / Enya

A Day Without Rain


曲目リスト


1. A Day Without Rain
2. Wild Child
3. Only Time
4. Tempus Vernum
5. Deora Ar Mo Chroi (Tears On My Heart)
6. Flora's Secret
7. Fallen Embers
8. Silver Inches
9. Pilgrim
10. One By One
11. The First Of Autumn
12. Lazy Days


評価: ★★★★★★★★☆☆


アイルランドの歌手、Enyaの4thアルバム。
2000年11月17日発売。


1stアルバムの成功以降、リリースされるアルバムが百万枚単位のセールスを記録することになるEnya
中でもこの4thアルバムは全世界で1000万枚以上というセールスを記録しました。
日本でもこの頃になると人気は完全に定着したようですね。

今でも大人気なシンガーであるEnyaですが、1枚1枚に非常に時間をかけて制作されるため、キャリアに対して割とリリースアルバムはそんなに多くないんですよね。


さて、内容に。


Enyaの特徴はとにかく圧倒的な歌唱力と優しく爽やかな歌声。
聴いてみた印象としては、とにかく彼女の声を最大限に生かしている内容だと感じます。
サウンドが彼女の歌をかき消すということは一切なく、彼女の歌声を引き立たせる一心で作られたサウンドですね。


まずM-1A Day Without Rainからしていいですね。
ピアノによるインストですが、アルバムの最初としては素晴らしい幕開けです。


そこからはまさにEnyaの歌声が生かし切った内容が続きます。
M-2「Wild Child」、M-3「Only Time」はもうEnyaの楽曲史上最も有名な曲と言ってもいい2曲ですが、これはもうそうなってしまうのも心の底から頷けてしまいます。
パーッとした明るい雰囲気と、そこに乗るEnyaの歌声がこの上ない相性の良さです。

そこからのM-4「Tempus Vernum」はちょっと重たい雰囲気で、本作の中でも異色な楽曲です。
好みは分かれるかもしれませんが、個人的には好きですね。

M-5「Deora Ar Mo Chroi (Tears On My Heart)」は伴奏自体があまりなく、ほとんどEnyaの歌声で魅せている構成ですね。
Enyaのような抜群の歌唱力を持っているシンガーだからこそなせる業です。
M-2やM-3と同じような路線のM-6「Flora's Secret」を挟んだ後の、M-7「Fallen Embers」もそのような構成となっています。
どちらも聴きごたえは十分ありますよ。

M-8「Silver Inches」はインスト。嫌でも朝焼けの光景が頭に浮かぶこと間違いなしの楽曲です。本当に美しい音を作りますね。

M-9「Pilgrim」、M-10「One By One」とM-2、M-3と同路線の楽曲が続き、
M-11「The First Of Autumn」へ。
Enyaのコーラスが乗ってはいるものの、ほとんどインストに近いです。近づいては遠のいてくのを繰り返すような音のうねりがすごいですね。

最後にM-12「Lazy Days」で非常に爽やかにアルバムは幕を閉じます。
この曲がぶつっと終わる形式でなく、段々音が小さくなりフェードアウトしていく終わり方なのもいいと思いました。


なんとなく手に取った1枚でしたが、さすがに全世界で凄まじいセールスを獲得しただけはある内容ですね。
インストもとにかく音の繊細さがすごく、どこを取っても手抜きされていないのがよくわかります。
とにかく音が「美しい」。普段うるさい音楽を聴いている僕は余り体験したことのない感覚でした。

有名曲も何曲か入っているので、Enyaを知らない人でもすんなり入り込めるのでは。自分もそうだったので。
中古屋でも割とある1枚なので、興味のある方は是非どうぞ。


↓M-7「Fallen embers」。
www.youtube.com