りくぼーの音楽感想倉庫

音楽CDの感想を綴っていきます

Now Reggae / V.A.

NOW REGGAE


曲目リスト


1. In The Summertime / Shaggy
2. Mishale / Andru Donalds
3. Close To You / Maxi Priest
4. Tukka Yoot's Riddim (Sooky2) / US3
5. Too Much Too Young / The Specials
6. Baby Come Back / Pato Banton
7. Jealousy / Charles & Eddie
8. Do You Really Want To Hurt Me / Culture Club
9. (You Gotta Walk) Don't Look Back / Peter Tosh with Mick Jagger
10. The Tide Is High / Blondie
11. Free / Carroll Thompson
12. Music Maker / Jimmy Cliff
13. One Step Beyond / Madness
14. Get Up, Stand Up / Peter Tosh
15. Forward Jah Jah Children / Inner Circle
16. Classical Gas (Reggae Version) / Vanessa-Mae with ASWAD


評価: ★★★★★★★☆☆☆


洋楽のREGGAEのヒット曲を集めたコンピレーションアルバム。
1996年6月19日発売。


洋楽ファンの間ではお馴染みの様々なヒット曲を集めた「NOW」シリーズ。
本作はREGGAEのヒット曲に的を絞ったシリーズです。


特に前置きはいらないですね、内容に。


上にも書いたように90年代のREGGAEのヒット曲を集めたもの。
色々なコンピに収録されている曲もあるので、そういうコンピが好きな人はちょっと物足りなさを感じるかも。


ShaggyによるM-1In The Summertime」はもう初っ端から夏夏夏。
聞き手の暑さを吹っ飛ばして代わりに熱さを感じさせるチューン。いや今冬なのでこんなこと言うのはおかしいんですけど。
夏のカーステで流せば一気に気分は最高潮に上がること必至。
コンピレーションの1曲目としては最高のセレクトと言えます。
対訳を見ると詞の内容も楽しい情景が浮かんできます。


AndruによるM-2「Mishale」、MaxiによるM-3「Close To You」はそんな陽気なサウンドから一転、歌声をしっかりと聴かせるメロウな雰囲気。
サウンド自体はREGGAEらしいカラッとした雰囲気ですが、どちらもHookでは一回聴いただけで耳に残る歌を披露しており、どんなジャンルが好きな人でも受け入れられると思います。
対訳を見ると詞の内容も恋愛もの。


US3によるM-4「Tukka Yoot's Riddim (Sooky2)」は様々な展開を見せるトラックがメインで、US3によるラップや歌は時々入る程度で印象は薄め。
インスト的な楽曲とも言えて、好みは分かれるかもしれませんね。

そこからはまたしても陽気なサウンドな楽曲が続きます。
そんな陽気なサウンドの典型例で、トラックを聴いているだけでウキウキしてしまうこと必至のPato BantonによるM-6「Baby Come Back」がその中では印象的でした。


Culture ClubによるM-8「Do You Really Want To Hurt Me」でまた雰囲気が変わり、歌声をじっくり聴かせる楽曲にシフト。
その次のPeter ToshとMick JaggerのM-9「(You Gotta Walk) Don't Look Back」からはまた陽気なサウンドになるので、箸休め的な位置だったのでしょうか。

伸びやかな歌声とノリの良さを併せ持つBlondieによるM-10「The Tide Is High」がこの流れでは耳を惹きました。


Carroll ThompsonによるM-11「Free」は落ち着いた雰囲気のトラックで、Carrollの歌唱力の高さが冴え渡る楽曲。
お洒落な雰囲気が全体的に漂ってます。
続くJimmy CliffのM-12「Music Maker」も同じような雰囲気ですが、個人的には「Free」の方が好みですね。


MadnessのよるM-13「One Step Beyond」は2分もない短い曲ですが、MCを経てとにかくぐいぐい押し切るようなトラックのインスト。
短い曲でも十分にインパクトを残してくれます。


Peter toshによるM-14「Get Up, Stand Up」は様々な音を取り入れた本作でも屈指のゴージャスなトラックで本作でもちょっと異色。


Inner CircleのM-15「Forward Jah Jah Children」は落ち着いた雰囲気のサウンドで、対訳を見るとちょっと内容が宗教的で好みは分かれるかも。
最後を締めくくるVanessa-MaeとASWADのM-16「Classical Gas (Reggae Version)」はちょっとだけラップもあるもののメインはトラック。
インストに近いですね。
ちなみにこの曲だけ対訳が記載されていません。


今もなお続く洋楽コンピレーション「NOW」シリーズのREGGAE版ということもあって、聴きやすい楽曲が並んでいます。
楽しい曲もあり、初めてREGGAEを聴く人でも抵抗なく聴けるのでは。

ただ当時のヒット曲を集めたREGGAEコンピレーションとしては以前僕が記事を書いた「100& REGGAE」シリーズの方が分があります。
ちょっと本作は中だるみを感じる部分もあるので・・。


ただその「100% REGGAE」シリーズに収録されていない曲ももちろんあるので、当時のREGGAEのヒット曲を網羅したい!なんて時には手に入れて損はないと思います。
中古でもよく見かけるので、見かけたらちょっとチェックしても悪くないですよ。


↓M-10「The Tide Is High」のPV。
www.youtube.com

スルメ3 / シクラメン

スルメ3


曲目リスト


1. 舞い桜
2. ほんとですか?
3. 正義の味方
4. kamataッ子3
5. 夏物語
6. ヨイノサー
7. 田村商店~劇団フルーツ・バスケットの夏~
8. あかね
9. ぼくらの街のクリスマス
10. 大丈夫
11. すまいる


評価: ★★★★★★★☆☆☆


東京都大田区蒲田で結成されたPOPSグループ、シクラメンの3rdアルバム。
2011年4月20日発売。


2010年に2ndアルバムをリリースし、FMラジオで冠番組を持つなどして順調に名前を広げていったシクラメン
2011年に3rdアルバムである本作をリリースしました。
結果としてチャートでは40位とインディーズ時代のアルバムでは最高位を記録。
2011年6月には武道館でのライブを開催し、メジャーデビューへとステップを進めることになります。
インディーズとしては本作が最後のアルバムとなったわけです。


では、内容に。


シクラメンの特徴は聴きやすいサウンドと、ストレートな詞ですが、本作の特徴もそれです。
ですがアルバム全体の特徴としては明確なコンセプトが設定されており、本作のコンセプトは「四季」。
季節感が強い楽曲が多めに収録されています。


M-1舞い桜」はその名前の通り春の楽曲で、卒業をテーマにしたメッセージソング。
初っ端としては最初から別れの歌?という気もしますが、ドラマチックなトラックと3人の歌声がよく絡んでいてしっかり聴かせてくれます。

彼らならではの遊び心あるスキットのM-2「ほんとですか?」を挟んでのM-3「正義の味方」は「苦しんでいる人がいたら助けてあげよう!」というメッセージソング。
悪くはないですが詞の内容が誰もがその光景を見たら思いつくであろう内容をかき集めた感も否めず、ちょっと消化不良。
楽し気なトラックなのでこのトラックの上でノリノリなパーティーチューンをやってればネクストレベルにいけたのでは。
続くM-4「kamataッ子3」は相変わらずの蒲田賛歌第3弾。
2分もない短い曲ですが、とにかく勢いで押し切っていて耳に残ります。


M-5「夏物語」、M-6「ヨイノサー」は夏の楽曲。
前者は爽やかなトラックの上で3人の声が嫌味なく響く、聴いているだけでカラッとした雰囲気を作ってくれること請け合い。
後者は名前から想像出来る通りの夏まつりソングで、素朴なHookと一度聴いたら癖になってしまうようなリズムのトラックが絶妙。
素朴な曲で良さを出してしまうのは流石シクラメンと言ったところ。
ちなみにスキットのM-7「田村商店~劇団フルーツ・バスケットの夏~」は悪くはないですけど前作の方がまだ面白かったかも。


M-8「あかね」は秋の楽曲で、雄大な雰囲気のトラックが彼らの新境地を感じさせます。
ただ他の季節の楽曲と比べると詞の雰囲気がちょっと彼ららしくない気もするので好みは分かれるかも。
M-9「ぼくらの街のクリスマス」は冬の楽曲で、街のクリスマスの様々な風景をシクラメンっぽく表現したクリスマスソング。
ハッピーな雰囲気のトラックと彼らの明るい歌が見事にマッチしていて、聴いているだけで楽しくなってくること間違いなし。

M-10「大丈夫」、M-11「すまいる」は曲名から想像できるように応援歌。
個人的に「すまいる」のトラックが遊び心を感じて好きです。
ちなみに「すまいる」が終わった後、ボーナストラックがあるのですぐには切らないでください。


四季をテーマにしたアルバムだけあって11曲というコンパクトながらもバラエティに富んだ内容になっています。
自分たちらしさとバラエティを両立させるというのは難しいことですが、Deppaと桃紅茶と肉だんごのしっかりとキャラ立ちしている声とシクラメンらしい詞でそれをやってのけた印象です。
ただその四季をテーマにした曲はどれも高水準ですが、それ以外の曲は本作以前と比べるとちょっと印象が薄いかも。
そのそれ以外の曲で一番良かったのが上にも書いたように2分にも満たないお馴染みのシリーズ「kamataッ子3」。
このタイプの曲をもうちょっと入れてくれればもう一つ★を上げられたかもしれないです。


それでも楽しい作品であることには変わらない良作。
興味のある方は聴いてみては?


M-1舞い桜」のPV。
www.youtube.com

Now 3 / V.A.

NOW 3


曲目リスト


1. Girl Power / Shampoo
2. Rock And Roll Is Dead / Lenny Kravitz
3. Hyperbeat / Hans Dulfer
4. In The Summertime / Shaggy
5. Country House / Blur
6. My Love Is For Real / Paula Abdul
7. Change Of Heart / Wendy Moten
8. Who Are You / Eternal
9. White Lines / Duran Duran
10. Got To Keep Moving / Think Twice
11. Million Miles From Home / Keziah Jones
12. You Can Cry On My Shoulder / Ali Campbell
13. Jealousy / Charles & Eddie
14. 3 Is Family / Dana Dawson
15. For Better Or Worse / Debbie Gibson
16. I Believe / Blessid Union Of Souls
17. Always Something There To Remind Me / Espiritu
18. Teke Me Higher / Diana Ross


評価: ★★★★★★★★★☆


洋楽のヒット曲を集めたコンピレーションアルバム。
1995年11月8日発売。


洋楽ファンの間ではお馴染みの様々なヒット曲を集めた「NOW」シリーズ。
その第3弾となるアルバムです。
1995年当時のヒット曲が収録されており、オリコンチャートでは1位を獲得。
この「NOW」シリーズへの信頼の高さは当時からだったようです。


では、内容に。


こういうコンピはジャンルの壁を乗り越えた選曲が多いですが、本作もまさにそうでバラエティ豊か。


力強いサウンドの上での癖のない歌声が印象的なM-1のShampooによる「Girl Power」でスタートした後は、M-2「Rock And Roll Is Dead」でLenny Kravitzが聴きやすいROCKナンバーを披露。
Hans DulferのM-3「Hyperbeat」はHIP HOPとJAZZが融合したような楽曲で、サックスの音色の上で展開するラップという組み合わせが中々妙です。
ShaggyによるM-4「In The Summertime」は聴きやすいREGGAEで、夏に車で流すのにはもってこいのナンバーですね。聴いているだけで陽気になること間違いなしです。


同じく陽気で元気になるようなサウンドBlurのM-5「Country House」を経てのPaula AbdulのM-6「My Love Is For Real」はちょっと暗めな雰囲気の恋愛ソング。
Wendy MotenによるM-7「Change Of Heart」も同じく恋愛ソングで歌声をしっかりと聴かせるバラード。
M-5「Country House」までは元気で陽気な曲が続いたので(詩の内容はM-2「Rock And Roll Is Dead」なんかはそうとも言えませんが)、ここらへんでちょっと落ち着いた雰囲気の楽曲を2曲挟んできた感じですね。
流れとしてはいい感じです。

EtrenalによるM-8「Who Are You」はとてもお洒落な雰囲気で、晴れた日のドライブにはもってこいの楽曲。歌唱力も確かなものでじっくりと歌を聴かせてくれます。


そんな女性シンガーたちによる恋愛ソングが3曲続いた後は、ガッツリと激しいサウンドで耳をロックするDuran DuranによるM-9「White Lines」が控えています。
もう最初から最後まで演奏も歌もラップも臨場感抜群で、まるで音のジェットコースターに乗っているような感覚。本作の中でもインパクトという面では1番でしょうね!

続くThink TwiceによるM-10「Got To Keep Moving」はキャッチ―ながらもカッコよさもあるトラックの上での歌いこなしが耳を惹きます。
Keziah JonesによるM-11「Million Miles From Home」はギターの音がシンプルながらキャッチ―で、歌声も嫌味なく絡みます。


Ali CampbellによるM-12「You Can Cry On My Shoulder」は本作ではここでやっと初となる男性バラード。
しっかりと芯のある歌唱が聴きごたえ抜群です。
その後控えるCharles & EddieによるM-13「Jealousy」はREGGAEのリズムが使用されていて、M-4「In The Summertime」と同じく聴いているだけでカラッとした空気になりそうな楽曲。2曲合わせて夏のドライブにどうぞ。


Dana DawsonによるM-14「3 Is Family」は聴きやすいトラックの上での軽快な歌いこなしが耳をガッチリとつかみます。
Debbie GibsonによるM-15「For Better Or Worse」は如何にもバラードの恋愛ソング。
どうやら後半は局所局所にバラードを挟んでいる模様・・と思いきや、Blessid Union Of SoulsによるM-16「I Believe」もバラードでした。
愛賛歌な詩は好みが分かれると思いますが、旋律が純粋に美しいですね。以前感想を書いたEnyaの5thアルバムに通じるものを感じました。

EspirituによるM-17「Always Something There To Remind Me」はHookでの歌の乗せ方が心地よくて印象的です。
ラストを〆るDiana RossによるM-18「Teke Me Higher」はちょっと早めのトラックの上でのしっかりとした歌いこなしが見事で、Dianaの底力を見せつけられる楽曲。
結構これ歌うの難しいと思うんですけど、それを感じさせずに歌いこなしています。


久しぶりに聴いた1枚ですが、やはり今も続いているシリーズの3番目ということもあって安定の内容の良さですね。
序盤は結構考えて流れを構築しているように感じましたが、中盤~後半はとにかく色々な楽曲をいれて楽しめるようにしたという感じでした。
色々なタイプの楽曲が18曲も収録されているため雑多な印象は否めないですが、当時の洋楽に興味のある人はチェックして損はないでしょう。
中古屋でも結構見かける1枚なので、見かけたら是非。


↓M-9「White Line」のPV。
www.youtube.com

BIG RON Presents... Much Love / BIG RON

BIG RON Presents... Much Love


曲目リスト


1. Fallin' ~introduction~
2. Just 4 You w/z RICHEE
3. Always With You w/z TWO-J, SAY
4. Sunshine w/z 詩音
5. I Luv It w/z TAGG THE SICKNESS
6. Much Love -DJ PMX REMIX- w/z TWO-J
7. Big Holiday w/z BIGI'z MAFIA
8. Think About You w/z KOZ
9. G'z Need Luvin' Too w/z Kayzaburo, DJ☆GO
10. Because I Feel You w/z EL LATINO


評価: ★★★★★★☆☆☆☆


あけましておめでとうございます。そしてお久しぶりです。
前の更新から1ヵ月近く空いてました。初っ端からこんな感じのブログですが、今年もよろしくお願いします。


神奈川県横須賀市出身のシンガー、BIG RONのコンセプトアルバム。
2008年10月15日発売。


2007年にリリースした2ndアルバムでメジャーデビューを果たしたBIG RON。
その後も様々なミュージシャンたちの楽曲に客演として参加を果たし、名前の広がりは留まることを知らず。
2008年、初のコンセプトアルバムである本作をリリースしました。

2008年は童子-Tの「もう一度・・・ feat. BENI」がヒットしていましたし、2007年にはBIG RONが客演で参加した九州男の「出会い。。 feat. RED RICE, BIG RON」がインディーズでヒットしていたので、この「恋愛」をテーマにしたコンセプトアルバムを出す時期としては良かったかもしれませんね。


では、内容に。


上にも書いたように、本作のコンセプトは「恋愛」。
収録曲が全て恋愛ソングとなっているミニアルバムです。

BIG RONの歌声は良くも悪くも安定しており、相変わらずの甘くて水っぽい歌声を披露しています。
客演仕事での彼の歌声を想像していただければ大体正解です。

客演の方はTWO-JやSAY、RICHEEなどBIG RONの過去作品でもおなじみのメンツもいれば、BIGI'z MAFIAやEL LATINOなどの自身の作品では初のコラボとなるメンツもいます。


最初のイントロ的な役割のM-1Fallin' ~introduction~」を除く全曲に客演にいるわけですが、客演の仕事ぶりには当たり外れがありますね。
初コラボ陣であるM-4「Sunshine w/z 詩音」、M-5「I Luv It w/z TAGG THE SICKNESS」、M-10「Because I Feel You w/z EL LATINO」なんかは、客演とBIG RONの相性が微妙ではと感じてしまいました。
EL LATINOはDESTINOの「Agradecimiento feat. EL LATINO & Ms. OOJA」とかではいい仕事してたんですが、本作の仕事ぶりはあれ?って感じです。
初コラボ陣でいいと思えたのはBIGI'z MAFIAの透明感のある声のラップとBIG RONの歌が嫌味なくさらっと聴けるM-7「Big Holiday w/z BIGI'z MAFIA」、KOZの歯切れのいいラップが光るM-8「Think About You w/z KOZ」ですね。


お馴染みのコラボ陣が客演として参加している楽曲は本作ではイマイチ奮っていないTWO-Jの参加曲を除けばBIG RONとの相性も良く安定した出来。
DJ★GOの派手なトラックの上でRICHEEのハスキーな声でのラップとBIG RONの歌が程よく絡むM-2「Just 4 You」、切なげなトラックの上でBIG RONのHookを挟みながら3人ともいい仕事ぶりを見せるM-9「G'z Need Luvin' Too w/z Kayzaburo, DJ☆GO」は個人的に本作のハイライト。
DJ★GOは確かBIG RONの楽曲には客演としては初参加ですが、間にKayzabroのラップを挟んでいるだけあってBIG RONとは違う歌声をしっかり聴かせてくれますね。


様々な作品で客演を重ねたBIG RONが、このように恋愛というHIP HOPの世界ではタブーに上げられがちなテーマを取り扱った作品を出したというのは今から思うと画期的なことですよね。
しかし内容としてはちょっと楽曲に良し悪しありですし、全体的に似たような雰囲気の楽曲が続くので通して聴くと飽きる方もいるかも。
個人的には1stアルバムや2ndアルバムの方がバラエティに富んでいておススメできます。

ただし本作でしか聴けない良曲もあるのは事実です。
ですのでこれからBIG RONの作品を聴いてみようと思う方はオリジナルアルバムをまずは聴いてみて、それでBIG RONに興味を持ったら本作を入手するのがいいかと。
興味のある方なら聴いて損はないと思います。


↓M-8「Think About You w/z KOZ」。
www.youtube.com

Monokini / Stereo Total

Monokini


曲目リスト


1. Ach Ach Liebling
2. Lunatique
3. Supergirl
4. Furore
5. Schon Von Hinten
6. Dilindam
7. Cosmonaute
8. Aua
9. Und Wer Wird Sich Um Mich Kummern?
10. Tu M'As Voulue
11. Moustique
12. LA, CA, USA
13. L'Appareil A Sous
14. Grand Prix Eurovision
15. Ushilo Sugata Ga Kilei


評価: ★★★★★★☆☆☆☆


ドイツのベルリンで結成されたグループ、Stereo Totalの2ndアルバム。
1997年3月1日発売。


1995年に1stアルバムである前作でデビューを飾ったStereo Total。
2年後に2ndアルバムである本作をリリースしました。
以降もかなりコンスタントにアルバムはリリースしているみたいですね。


では、内容に。


Stereo Totalの特徴は、非常に幅広い音楽性。
サウンドに関しても多種多様ですが、言語も様々なものを使っているようです。
とはいっても自分は日本語しか分からないですが・・。


M-1Stereo Total」は2分以内で終わる小粒な楽曲で、ほとんどイントロ的な役割。
最初はサウンドはシンプルですが、後半からちょっとサウンドに変化が現れます。

M-2「Lunatique」は聴きやすいサウンドの上でFrancoiseが舌足らずな歌い方を披露。
ちょっとFrancoiseの声とサウンドの相性は微妙なところ。


M-3「Supergirl」は、リードボーカルはBrezelですが、Francoiseもちょこちょこ顔を出します。
Brezelのどっしりとした歌声とFrancoiseの舌足らずな歌声との相性は中々のもので、前半でもちょっと異色ですね。
M-4「Furore」からはまたしてもFrancoiseの独り舞台ですが、この辺りからFrancoiseの歌声も活き始めてきます。
M-4「Furore」は哀愁漂うサウンドで、Francoiseの歌声との相性もいいですし、M-5「Schon Von Hinten」もキャッチ―なサビで耳を掴まれてしまいます。

M-6「Dilindam」は聴いているだけでひと昔の街中の風景が思い浮かぶような雰囲気で、対訳を見ると雨をテーマにした恋愛ソング。

M-7「Cosmonaute」ではとにかく不思議な雰囲気のサウンドで、Francoiseの歌もミステリアスな雰囲気が出ています。
対訳を見ると宇宙をテーマにした恋愛ソングなんですね。雰囲気的に妙に納得していしまいました。


M-8「Aua」では一気に雰囲気が変わり、ちょっと激しめのサウンドで対訳を見ると・・・あまり深く言えません。

M-9「Und Wer Wird Sich Um Mich Kummern?」はFrancoiseの歌い方がラップに近くて聴きごたえがありますが、サウンドとの相性はちょっと微妙。

M-10「Tu M'As Voulue」はギターが強めにでたサウンドで、Francoiseの声も大分加工が入っていますが、これまた彼女の歌にあっているかというと疑問。

M-11「Moustique」はM-9「Und Wer Wird Sich Um Mich Kummern?」と同じくラップ調。こちらはサウンドも様々な展開を見せていてFrancoiseの歌との相性も良く、双方とも聴きごたえ抜群です。


M-12「LA, CA, USA」ではM-5「Schon Von Hinten」と同じくキャッチ―なサビを披露。2分もない曲なのがちょっと歯がゆいですが。

M-13「L'Appareil A Sous」では、トラックが様々な音を組み込んでいて音だけでも聴いていて楽しい内容。
M-14「Grand Prix Eurovision」では壮大なギターとドラムサウンドで中々力強いサウンドです。
ただサビ以外ではFrancoiseの歌がいまいち活きてない感もします。


M-15「Ushilo Sugata Ga Kilei」は国内版限定のボーナストラックで、M-5「Schon Von Hinten」をFrancoiseが日本語でそのまま歌うというチャレンジ!
かなりカタコトな日本語を乗せていて単純に聴いていて面白さがあります。無論曲としては原曲の方がずっとかっこいいですけどね。


全体的に見ると様々なサウンドが用意されていて、最後まで飽きずに聴くことができる内容になっています。
ただ1曲1曲としてはサウンドも歌もピンキリですし、Francoiseの歌声は癖があるので嫌いな人は嫌いだと思います。
また、3分を超える曲はM-7「Cosmonaute」、M-14「Grand Prix Eurovision」、M-15「Ushilo Sugata Ga Kilei」の3曲のみという珍しい構成です。
これをイマイチ聴きごたえがないと感じるか、サクッと聴けると感じるかは人によるでしょうね。


なので悪い作品では決してないですが、かなり聴く人を選ぶ内容だと思います。
ハマる人は結構ハマりそうですけどね。

興味がある方は、何曲か試聴してみることをおススメします。


↓M-5「Schon Von Hinten」のPV。
www.youtube.com

Bitter, Sweet & Beautiful / RHYMESTER

Bitter,Sweet&Beautiful


曲目リスト


1. Beautiful - Intro
2. フットステップス・イン・ザ・ダーク
3. Still Changing
4. Kids In The Park feat. PUNPEE
5. ペインキラー
6. Beautiful - Interlude
7. SOMINSAI feat. PUNPEE
8. モノンクル
9. ガラパゴス
10. The X-Day
11. Beautiful
12. 人間交差点
13. サイレント・ナイト
14. マイクロフォン


評価: ★★★★★★★★★★


どうも皆さんお久しぶりです。10月後半から仕事が忙しくなり、休日はオフしていたのでほとんどはてなに来てませんでした。
約1ヵ月半・・というかほとんど2ヵ月ぶりの更新ということで、今回は僕の中でもおススメの1枚をご紹介いたします。


早稲田大学にて結成されたラップグループ、RHYMESTERの10thアルバム。
2015年7月29日発売。


2013年に9thアルバムである前作をリリースしたRHYMESTER
活動休止を挟んだ後は積極的に様々な活動を行っていたRHYMESTERですが、前作から本作の間にも活動の手を緩めることはありませんでした。
2014年には活動休止後3枚のアルバムをリリースしたこともあって、活動再開後の2009年から2014年の楽曲をまとめたベストアルバムをリリースしました。
ちょうどこの頃は「BAZOOKA!!!高校生RAP選手権」が話題になり始めたこともあって、新規のファンも掴めたようです。
(本人たち曰く「俺らは宣伝に力入れても力入れなくても大して売上変わらない」らしいのでチャートなどでは他の作品と大差なかったようですが・・しかしそれはある意味すごいですよね)

そして2015年に事務所をNeOSITEからstarplayers Recordsに移籍。
移籍1発目としてメジャー13枚目のシングル「人間交差点/Still Changing」をリリース。

同年7月に移籍後では1発目であり、10thアルバムとなる本作をリリースしました。
前作から2年以上間が開いており、RHYMESTER史上最もインターバルが長くなったアルバムになりました。


さて、内容に。


RHYMESTERのアルバムの中でも時間をかけて作られた本作はコンセプトアルバムで、そのコンセプトはずばり「美しく生きること」。
さらに本作では若手(2015年当時?)の中でも有望株であるPUNPEEプロデュースの曲がリード曲となっており、客演もPUNPEEのみ。
PUNPEE色が強い1枚となっています。


まずM-1のイントロからHIP HOPらしからぬ美しいピアノのループでアルバムは幕を開けます。そしてそんな雰囲気からPUNPEEの一言でピシッと入るM-2「フットステップス・イン・ザ・ダーク」。
もうこの流れで圧倒されます。HIP HOPには珍しく暗い雰囲気での入りだしですが、RHYMESTERのMC2人のメッセージ性のある強いラップ、美しいピアノの旋律がすばらしく絡んでいて、この先も聴き進めたくなること間違いなし。
しかしこんなのはまだ序の口も序の口。この先にもっと素晴らしい展開が待っています。


先行シングルが切られたM-3「Still Changing」を挟んで、PUNPEE色が思い切り出たM-4「Kids In The Park feat. PUNPEE」。もうPUNPEEのHookとトラック、Mummy-D宇多丸ならではの深みがあるリリックが光るラップ・・すべてにおいて文句のつけようがなし。
聴いた瞬間名曲になること、保証します。
もうこの流れまで聴いたら、アルバムを聴き終わるまでこの世界から出られないはずです!


M-5「ペインキラー」はKREVAプロデュースで、詞は音楽を薬になぞらえるという面白い内容。
しかしながら宇多丸Mummy-Dも単純な音楽賛歌になっていないリリックを書いていて、中々怖い箇所もあります。
でもそこがトラックとも相まって、中毒性のある楽曲になっています。

M-6「Beautiful - Interlude」でまたしても美しいピアノのスキットを挟んだ後の、M-7「SOMINSAI feat. PUNPEE」はPUNPEEが最後のバースでラップでも参加。
宇多丸Mummy-Dの貫禄のあるラップが続いた後に声を張り上げ、その2人に全く負けていない臨場感のあるラップを披露するPUNPEEの力量の凄さを感じられます。

M-8「モノンクル」は「おじさん」というテーマを扱った楽曲ですが、2人とも本当に言葉選びが秀悦。一文字一文字も聞き逃したくないとさえ思えてしまいます。
気の抜けた雰囲気のHookとトラックも素晴らしいです。


M-9「ガラパゴス」はRHYMESTERが昔からテーマにしていた日本語ラップに対しての偏見を持つ人に対するメッセージソング・・・の側面もあるのですが、物事についての新しさを生み出すことの重要性を説いた内容で、これはHIP HOPだけでなく様々な面で必要なメッセージだと思います。
曲としても清々としたHookとバースの荒っぽさのギャップがたまらなく面白い曲になってます。
そしてM-10「The X-Day」は争いを繰り返す人間たちの愚かさをテーマにした楽曲ですが、よくある綺麗事を並べただけの楽曲ではありません。
かなり現実を上手く描写しており、どんな人間でもスッと心に入ってきそうな内容です。


M-11「Beautiful」は「美しさ」をテーマにした楽曲で、本作の中でも根幹となる楽曲となります。
本人たちは「このトラックにラップを乗せるのがとても難しかった」とのことですが、確かにこのトラックにラップを乗せるのは非常に難しいと思います。
ですが・・・2人ともこのトラックに対してフロウの面でもリリックの面でも最善のラップを乗せていると感じます。
それ以外何も言うことはなしです。

M-12「人生交差点」はM-3「Still Changing」と同じく先行シングルとして切られた1曲ですが、この位置に配置したのは大正解ですね。
M-11「Beautiful」からの流れの良さも相まって、物凄い魅力を感じます。勿論曲自体も名曲なのは言うまでもなく。


本作で最後を締めくくるのはM-13「サイレント・ナイト」からM-14「マイクロフォン」の流れですけど・・・もうこの流れは文句をつけられるものならつけてみろってくらい素晴らしい流れです。
2人の言葉選び、トラック、そしてその相性の良さ・・全てにおいて文句のつけようがありません。
特に後者の最後のMummy-Dのバースはもう聴くたびに身体が震えてしまう(←本当です)ほど。
ここまで素晴らしい終わり方を用意しているアルバムなんて、洋邦問わず数えるくらいしかないのでは。


2015年リリース当時に聴いて、その時から良い作品だとは感じていましたが、今月に久しぶりに何度か聴いてみたら改めて傑作中の傑作であることを再確認しました。
PUNPEERHYMESTERが組むと聴いて「どんな風になるんだ?」と思っていたリスナーも多かったと思いますが、本作は間違いなくその組み合わせで最善の結果が出せています。
Mummy-D宇多丸のリリックの深みを感じる言葉選び、トラックの上を巧みに乗りこなすフロウ、詞カードを見なくてもしっかりと伝わるメッセージ、PUNPEEのラップとトラックの面での好演、DJ JINやBach Logicを始めとするトラックメイカーたちの中毒性のあるトラックメイク・・そして最初から最後までの曲順。
全てにおいてこれ以上なしと言えるほどの名盤です。


自分でも文章がいつも以上にへたくそになっているのは自覚していますが、要するにこんな僕の感想を読むくらいなら是非チェックしてください。
聴いている時間が至高の時間になること間違いなしです。


↓M-4「Kids In The Park feat. PUNPEE」のPV。
www.youtube.com

BUZZ / STEPS

BUZZ


曲目リスト


1. Stomp
2. It's The Way You Make Me Feel
3. Buzzz
4. Here & Now
5. Happy Go Lucky
6. Summer Of Love
7. Better The Devil You Know
8. You'll Be Sorry
9. Learn To Love Again
10. Never Get Over You
11. Hand On Your Heart
12. Paradise Lost
13. Turn Around
14. If You Believe
15. Wouldn't Hurt So Bad (Bonus Track)
16. Human Touch (Bonus Track)
17. Stomp(W.I.P Remix)
18. 5,6,7,8(instrumental)


評価: ★★★★★★☆☆☆☆


イギリスで結成されたDance Popグループ、STEPSの3rdアルバム。
2000年10月30日発売。


1stアルバムが世界的にヒットを記録し、全世界でその名前を轟かせたSTEPS。
2ndアルバムである前作も堂々の全英1位を獲得し、飛ぶ鳥を全て落とす勢いを見せました。
そして2000年10月14日にはシングル「Stomp」をリリースし、全英チャートで初登場1位。
間髪入れず3rdアルバムである本作をリリースしました。
アルバムチャートでは4位を獲得し、イギリスではプラチナ認定。
まだまだ勢いが止まらなかった時期ですね。


では、内容に。


STEPSの特徴は聴いているだけで体を動かしたくなるようなダンスミュージック。

この手の音楽にはよくあるパーティーチューンのM-1Stomp」で幕を開けた後のM-2「It's The Way You Make Me Feel」は伸びやかな歌声が生かされた恋愛ソング。
M-3「Buzzz」は癖になるようなトラックと耳に残るHookが印象的。LEEによるラップもかなりいいアクセントになっており、個人的に序盤の曲では一番好きです。


M-4「Here & Now」のダンスに使えそうながらもバラードな雰囲気もある楽曲で、M-5「Happy Go Lucky」は聴いているだけウキウキしそうなHookが良い感じです。
M-6「Summer Of Love」からは如何にもダンスミュージックという感じの楽曲が続きますが、もうちょっと癖になるようなトラックの曲が欲しかったですね。


M-9「Learn To Love Again」はそんなダンスの雰囲気からは異色な緊迫感のあるトラックで、その上での力のこもった歌唱も聴きごたえありです。M-10「Never Get Over You」でまたダンスな雰囲気に戻りますが、こちらもHookの歌唱がキャッチ―で癖になります。
M-11「Hand On Your Heart」はダンス要素がないバラードで、ちょっと好みが分かれるかもしれないですね。


M-12「Paradise Lost」はM-4「Here & Now」と同じくダンスとバラードが融合したような雰囲気で、暗めのぐいぐいしたトラックが耳に残ります。
ダンスチューンのM-13「Turn Around」を挟み、M-11「Hand On Your Heart」と同じくダンス要素は薄いバラードのM-14「If You Believe」。
中盤のトラックの壮大さがまるで映画の主題歌のような雰囲気。


ここからはボーナストラック。
M-15「Wouldn't Hurt So Bad」はゴテゴテしていないトラックが好感が持てるバラードで、M-16「Human Touch」はダンスチューンですが、ノリノリのトラックと丁寧な歌いこなしが印象的で収録曲の中でもボートラなのが勿体ない楽曲です。

M-17「Stomp(W.I.P Remix)」はこういう国内版でおなじみのRemix。アレンジ自体は原曲に負けていないRemixですが、原曲の倍ほどの長さになっているのでちょっとしつこさも感じてしまいます。

M-18の「5,6,7,8(instrumental)」は世界で大ヒットした「5,6,7,8」のインスト。
中々迫力があるトラックですが、タイトで3分以内に終わります。STEPSのファン向けですね。


全体的に見ると中々楽しんで聴ける良曲もあり、歌唱力も確かなものです。
トラックも歌も全体的に丁寧に作られているのがよく分かります。
ただもうちょっと癖になるようなトラックが欲しかったですかね。
それと国内版ボーナストラックを含めてとはいえ18曲という曲数はかなり多く聴き疲れもします。もうちょっと収録曲を絞ってくれたら良作以上になれたであろう、惜しい1枚とも言えます。


興味のある方は、何曲か視聴してみることをおススメします。


↓M-10「Never Get Over You」のライブ映像。
www.youtube.com