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音楽CDの感想を綴っていきます

NO DOUBT!!! -NO LIMIT- / LGYankees

NO DOUBT !!!-NO LIMIT-


曲目リスト


1. Intro
2. L.S.L II
3. PARTY UP!! feat. ShaNa
4. Bye for Now
5. Eternal
6. Last Summer Day -PART II- feat. Clef
7. Pure Hope
8. Drive on a Holiday feat. Noa
9. chEckmaTe feat. EIGHT TRACK
10. Life Goes On feat. 山猿
11. Dear Mama -Interlude-
12. Dear Mama feat. 小田和正
13. Because... feat. 中村舞子
14. Outro
15. KO.A.KU.MA feat. Noa [Bonus Track]


評価: ★★★★★★☆☆☆☆


宮城県仙台のラップグループ、LGYankeesの2ndアルバム。
2008年9月17日発売。


1stアルバムを出した後はしばらくアルバムリリースはしなかったものの、
コンピレーションアルバム「NORTH EAST」のプロデュース、HIROによるレーベル、NO DOUBT TRACKSの立ち上げ、LGYからLGYankeesへのグループ名変更、同時にDJ NO.2の正式加入など様々な部分で存在感を見せつけた活動をしてきたLGYankees。
その順風満帆さゆえに勢いは加速していたと言っていいと思います。

そんなLGYankeesが2008年5月、とうとうシングル「Dear Mama feat. 小田和正」(M-12)でメジャーデビューを果たします。
この曲はインディーズ時代の楽曲「Dear Mama feat. BIG RON」のセルフリメイクであり、
何とあの小田和正氏というラップとは無縁と言っていい、尚且つとんでもない大物歌手とのコラボに成功してしまったのです。
僕もこのクレジットを見たときは驚いた記憶があります。
結果として普段ラップを聴かないようなリスナーへのアピールに繋がり、沢山の新規ファンを獲得することに。


しかし純粋なラップファンにはこのコラボがセルアウト、売れ線狙いなどと見られたこと、インディーズでfeatしていたBIG RONに無断で行われたことなど様々なしがらみが起こり、一気にその方面のファンやアーティストからのプロップスを失いました。
これを機にLGYankees及びNO DOUBT TRACKSのミュージシャンはPOPS寄りの作品が多くなっていき、ますますその方面の人たちから白い目で見られて行くようになります。


前置きだけで終わりそうなので内容に行きましょう。


先程も書いたように、LGYankeesの小田和正氏とのコラボを皮切りにNO DOUBT TRACKSからリリースされる作品はPOP色が強めになるのですが、この作品も例に違わず。
具体的なメッセージを持たせた曲の割合(もっと言うと恋愛ソング率)、POPなバラードサウンドの割合が高めになっています。

世界平和ソングだったり、失恋ソングだったり、ウェディングソングだったりと、トピックは様々。
M-12「Dear Mama feat. 小田和正」のヒットで「こういうアプローチがいける」と思ったんでしょうか。
いや、確かにこのアルバム世間的にはヒットしたのでセールス的には結果的にいけたんでしょうけど。


でも、このアプローチが音楽的にいい方向に向いたかというと…正直微妙ですかね。

シンプルなビートの上で一夏の恋を描くM-6「Last Summer Day -PART Ⅱ- feat. Clef」、カップルの海へのドライブデート中の男女の気持ちをストレートに表現したM-8「Drive on a holiday feat. Noa」、LGYankeesと山猿流人生応援歌M-10「Life Goes On feat. 山猿」の3曲は客演の好演やトラックとMCの相性も悪くなくそこそこ楽しめるんですが、それ以外のそのようなアプローチ楽曲はメロディアスな部分を所々で見せるHIROのラップはまだ良くても、RYOのガラガラしたリズム感がないラップがいまいちトラックや曲の雰囲気に順応出来てない気がします。
そもそもRYOの声からしてこういうアプローチは不向きなのでは。


そんな中で愛車自慢のM-2
L.S.L Ⅱ」、EIGHT TRACKからL-BとBUZZを呼んで4人でマイクリレーを披露するM-9「chEckmaTe feat. EIGHT TRACK」などのオレオレ物のMC陣のキレキレっぷりは流石で、絶対こっちのアプローチを中心にした方がいい作品が出来たと思います。


オレオレ物中心であそこまで売れた1stから路線を変え、様々なメッセージやPOPSサウンドのアプローチを積極的に取り入れた貪欲さはミュージシャンやエンターテイナーの姿勢としては立派ですが、それが皮肉にも「やっぱりHIROとRYOのラップはオレオレ物が一番映える」ということを証明してしまったように感じます。
上の2曲の尖り具合は流石なだけに、色々と惜しい。

ただM-4「Bye For Now」やM-5「Eternal」でRYOのラップが気にならない人ならいいアルバムだと思うので、まずは試聴してみることをオススメします。


↓M-13「Because... feat. 中村舞子」のPV。
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