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NEECH WITH FIZZ / NEECH

NEECH WITH FIZZ


曲目リスト


1. NEECH WIZ FIZZ
2. BAYFUNKALIPS
3. TANGORAY feat.U-LaLa, GIPPER
4. BOMB NUMBER
5. PEACE FOOL DAY
6. OKINAWAⅡ-SKIT-
7. VERSE FREE feat. HYENA, TICKY"D"TAC
8. IN DA HOUSE feat. 詩音
9. KNOKING YOUR HEAD feat. YOZE & TRIPPEN(ⅡDOGG)
10. EVERYDAY THING feat. BIG RON, RICHEE(GHETTO INC)
11. BREAK-A-WAY feat. DESTINO, ARK(h.g.p)
12. RELAX YA MIND feat. JUN
13. VISUALISE -REMIX- feat. NORA


評価: ★★★★★★★★☆☆


神奈川県を拠点とするラッパー、NEECHの1stアルバム。
2005年8月10日発売。


NEECHは2000年から2011年まで活動していた川崎・新丸子を拠点とするラップグループであるNORAのメンバーの1人です。
NORAの1stアルバムから参加しており、その後もNORAの作品やコンピレーションアルバムの参加などを行い、リスナーにアピールしていきました。


2004年あたりから同じくNORAのメンバーであったGIPPERが客演仕事などが多くなった(というかこの頃から人気曲であるBENNIE Kとのコラボ曲がリリースされていった)こともあり、冬に1stシングルと1stアルバムをリリースしてソロデビュー。

その翌年にNORAから2番目に早くソロデビューを果たしたのがNEECHです。


さて、内容に。


NEECHの特徴は、のんびりとした気の抜けたようなラップ。
個性派揃いのNORAの中でもしっかりとキャラ立ちしていて、いいアクセントになっていましたね。

そのようなNEECHのラップを最初から最後まで聴かせる本作。果たしてどうか。


聴いてみた感想としては、1stアルバムとしては珍しく、夏、夏、夏。
そんな雰囲気です。
いくら夏の真っ盛りにリリースされた作品とはいえ、ミュージシャンの1stアルバムでここまで分かりやすいのは珍しいですね。

しかしながら最後まで飽きることなく聴かせてくれる1枚になっていますよ。


本作はほぼ全てのトラックをNORAのトラックメイカーであったFUEKISS!!が手掛けているのですが、このトラックが非常に聴いてて気持ちよくて、尚且つ楽しめる内容。
そしてその上に乗っかるNEECHののんびりなラップもしっかりとサポート。
同じグループのメンバーのソロデビュー作というだけあってかなり気合いを入れたのが伝わってきます。
ちょっと冷たい雰囲気のトラックとNEECHのラップが癖になるM-2「BAYFUNKALIPS」、ちょっと疾走感があるトラックの上でNEECHがノリのいいHookを披露するM-4「BOMB NUMBER」なんかはお互いの良さを見せつけた良曲になっていますね。


客演陣もNORA周辺やh.g.p、BIG RON&RICHEE兄弟など、新鮮味はないものの、安定したメンバーを迎えていて、いい仕事ぶりを見せてくれます。

序盤のM-3「TANGORAY feat.U-LaLa, GIPPER」も聴くだけで頭を振りたくなってしまうような気持ちがいいパーティーチューンですが、M-6「OKINAWAⅡ-SKIT-」を経ての(しかし西海岸系サウンドのラッパーって何でこう変な喋りだけで流れをブチ切るようなスキットを入れたがる傾向があるんでしょう?)中盤からは本当に客演の好演が光る展開です。
NEECH+客演2人の3MCともベストパフォーマンスを披露するM-7「VERSE FREE feat. HYENA, TICKY"D"TAC」、M-9「KNOKING YOUR HEAD feat. YOZE & TRIPPEN(ⅡDOGG)」に、詩音の歌声が余り好きではない僕でも楽しく聴けたクラブチューンのM-8「IN DA HOUSE feat. 詩音」、気持ちのいいサウンドの上で全部英詩で心地よさ100%のラップと歌を届けるM-10「EVERYDAY THING feat. BIG RON, RICHEE(GHETTO INC)」と、もう降参!と言いたくなる良曲が続きます。


そして最後にドカンとくるのが、M-12「RELAX YA MIND feat. JUN」にM-13「VISUALISE -REMIX- feat. NORA」です。

前者は切なげなトラックの上にNEECHが気だるいラップを乗せ、HookではJUNが素敵な歌声で華を添える珠玉の一曲。本作でも比較的人気があるのも頷けます。

後者はNORAの1stアルバムに収録されていたNEECHのソロ曲「Visualize」の新録バージョン。
原曲よりもトラックの気持ちよさが倍増しており、オール英詩だったのが日本語の詩に書き直されています。
個人的には原曲よりこっちですね!
Hookのカッコよさも原曲より上がってますよ!


と、とても良いアルバムではありますが、心残りをあげるとすれば、DJ RYUUKIがトラックを手掛けたM-11「BREAK-A-WAY feat. DESTINO, ARK(h.g.p)」がイマイチな出来なことでしょうか。
DJ RYUUKIのトラック自体は悪くないですけど、NEECHのラップとの相性は微妙ですし、DESTINOとARKのラップもちょっとパッとしないですね。
ちなみに、KG-Kがトラックを手掛けたM-5「PEACE FOOL DAY」は(本作でFUEKISS!!がトラックを手掛けていないのはこの2曲のみ)、トラック自体はいいのですが、NEECHとのラップの相性は微妙です。


NEECHのラップはそもそもちょっと癖があるので好みは分かれると思います。
なのでちょっと試聴してから手に入れるのがオススメですかね。
NEECHのラップが好きな僕にとっては本当に楽しめた1枚なので、興味が湧いた方には是非ともオススメします。


↓M-9「KNOKING YOUR HEAD feat. YOZE & TRIPPEN(ⅡDOGG)」。
www.youtube.com