りくぼーの音楽感想倉庫

音楽CDの感想を綴っていきます

SEAN KINGSTON / SEAN KINGSTON

ショーン・キングストン(期間生産限定盤)


曲目リスト


1. Intro
2. Kingston
3. Take You There
4. Me Love
5. Beautiful Girls
6. Dry Your Eyes
7. Got No Shorty
8. There's Nothin feat. Paula Deanda
9. I Can Feel It
10. Drummer Boy
11. Your Sister
12. That Ain't Right
13. Change
14. Colors (2007) (Reggae Remix) feat. Vybz Kartel, Kardial Official
15. Beautiful Girls (Instrumental)


評価: ★★★★★★★★☆☆


アメリカのフロリダ出身のシンガー、SEAN KINGSTONの1stアルバム。
2007年7月31日発売。


SEAN KINGSTONは1990年にアメリカのフロリダのマイアミに生まれるものの、その後はジャマイカで育ちました。
SEANはREGGAEの世界では知らない人はいないREGGAE DEEJAYであるBuju Bantonの甥で、なおかつこれまた名シンガーであるLawrence "Jack Ruby" Lindoの孫。
そんな環境に生まれた時から身を置いていました。
最も彼が14歳の時に母と妹が警察に逮捕されるということも経験しており(本作のリリース時も、母親はまだ刑務所の中にいたとのこと)、恵まれた環境で育ったわけではないようです。


彼も当然ながらやがて音楽の道へ志すようになり、2006年の春に当時は注目のプロデューサーの1人であったJonathan Rotemに自ら連絡を開始。
Jonathanは最初はそこまで乗り気では無かったようですが、SEANの音楽的才能に一目ぼれしてしまい、すぐさまSEANをマイアミからロサンゼルスに呼び寄せ、契約を1回目のミーティングで決意。
そしてJonathanが完全プロデュースしたうえでできたのが本作というわけです。
特にBen E KINGの大有名曲である「Stand By Me」をサンプリングした本作のM-5「Beautiful Girls」は凄まじい話題曲となり、ビルボードの1位を3週渡って取り続けるという快挙を達成。
当時17歳でありながらここまでの成功を達成してしまうとは、音楽界の大物と血がつながっているとはいえ恐ろしいものです。


さて、内容に。


SEANの特徴は聴いているこっちが明るくなりそうな明るい歌声。
ジャンル的にはREGGAEに当たるようですが、他のジャンルが好きな人でも受け入れられそうな雰囲気です。
この歌いこなしっぷりを17歳で見せつけていたとは本当に驚かされます。


Introを経ての前半はまさにそんなSEANの歌唱の真骨頂。
クラブなどでかけたら体を揺らす人が続出すること間違いなしな楽曲が続きます。
特にM-4「Me Love」は対訳を見ると失恋ソングなのにも関わらず、非常に楽しい雰囲気の楽曲です。
聴いているだけで燦燦と輝く太陽の下にいるような気分になってしまうこと請け合いです。
その後に続くM-5「Beautiful Girls」も、大ヒットしたのも頷ける良曲。
国内版のボーナストラックとしてこの曲のインストのM-15「Beautiful Girls (Instrumental)」が収録されていますが、やはりこのSEANの歌唱が乗っているバージョンの方がいいですね。
SEANの歌声があったからこそあんなヒット曲になったのだと思います。


M-6「Dry Your Eyes」はそんな今までの楽曲とは雰囲気が変わり、ちょっと暗めの雰囲気。
刑務所にいる母親に向けた感謝ソングで、SEAN自身が「本作の中でも重要な曲」と語っているほど。
SEANの明るい歌声でもこんなに哀愁ある楽曲になるのか、と驚いてしまいました。
曲自体も良曲なのは言うまでもなく。
この曲の後は気分が上がってしまうような楽曲が続くので、アルバムの中でもいいアクセントになっていますね。

本作ではボーナストラックを除くと唯一の客演を迎えた曲であるM-8「There's Nothin feat. Paula Deanda」は両者ともかなり気合が入った恋愛ソングで、SEANはぶっちゃけこの曲が一番力込めて歌ったのではと思ってしまう歌唱を見せてくれます。
PaulaとSEANの掛け合いもかなり聴いていて楽しいです。

その後もSEANの歌いこなしとトラックのサポートっぷりが好相性な楽曲が続き、とにかく楽しい流れが続きます。
(特にM-13「Change」のSEANの歌唱、詞は必見!)


個人的に期待していたボーナストラックであるM-14「Colors (2007) (Reggae Remix) feat. Vybz Kartel, Kardial Official」がちょっとイマイチな出来なのが惜しかったですが。

ですがそれを差し引いても本当に聴いていて楽しい時間にすごせる1枚。
どんなジャンルが好きな人でも抵抗なく入れる内容だと感じるので、興味のある方は是非どうぞ!


↓M-4「Me Love」のPV。
www.youtube.com