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音楽CDの感想を綴っていきます

VOICE MAGICIAN / HAN-KUN

VOICE MAGICIAN


曲目リスト


1. INTRO
2. HOTTER THAN HOT
3. REQUEST
4. REGGAE MAN
5. JOURNEY
6. SAIKOH
7. それでいいんだ
8. BABYLON
9. JAMAICA
10. TRUST ME
11. 侍
12. 友達
13. FOR YOU
14. T.R.Y.


評価: ★★★★★★★☆☆☆


神奈川県鎌倉市出身のシンガー、HAN-KUNの1stアルバム。
2008年7月9日発売。


HAN-KUNは神奈川県出身のシンガーで、湘南乃風のメンバーでもあります。他のメンバーは1976年生まれですが、HAN-KUNだけは1979年生まれと一番若いメンバーです。(音楽の世界に一番遅く入ったのは若旦那ですが)
1998年に地元のサウンドシステムに誘われ、初ステージを経験。
その後にRED RICESHOCK EYE、若旦那やGOKIといったメンバーと出会い、湘南乃風を結成。
ソロとしても2001年に1stアナログをリリースしており、その後2003年に湘南乃風がメジャーデビューしたため活動の場はより表舞台に。
様々なミュージシャンの作品に客演参加したり、コンピレーションにもソロ曲を提供するなど順調に名前を広げていきました。
2006年には湘南乃風の「純恋歌」が大ヒットを記録したことにより、一気にHAN-KUNの名前も広がることに。
最もREGGAE好きなリスナーからは後ろ指を指されることも一気に多くなったため、本人にとってはつらい時期でもあったようですが、今まで通り客演やライブなどを重ね、ソロ名義でのアナログも細々とリリース。
2008年、とうとう1stアルバムである本作で本格的にソロデビューを果たしました。


では、内容に。


湘南乃風のメンバーの中でも歌においてもラップにおいてもスキルの高さが目立つHAN-KUN
ライブのMCやインタビューでの受け答えでも純粋にREGGAEを愛しているのが伝わってくる人ですよね。
湘南乃風史上最もヒットした「純恋歌」も多くのREGGAEファンから「REGGAEじゃない」と批判されましたが、本人もそれは当時から自覚していたようで。
最もそのおかげで様々なフィールドでの活動を今日も続けられているわけですが。
そんな彼の1stアルバム。果たしてどうか。


現場の空気が伝わってくるイントロを経てM-2「HOTTER THAN HOT」、M-3「REQUEST」と激しいアッパーチューンが続きます。
この流れは初っ端から前半のハイライト。
どちらもHAN-KUNの力強い歌唱とリリックが冴え渡る内容で、聴いていて熱くなること必至!

M-4「REGGAE MAN」は曲名の通りノリノリのトラックの上でREGGAE愛を歌うREGGAE賛歌。HAN-KUNらしさが前面に出ています。


ここまではアッパーチューンが続きますが、M-5「JOURNEY」ゆったりとしたチューンで前向きなメッセージソング。
ここからの中盤はアッパーな曲としっとりとした楽曲が交互に続く流れになっています。
ただ個人的にはこの辺りはちょっと中だるみを感じなくもないですね。
INFINITY 16のコンピに収録された自身のソロ曲のリメイクのM-6「SAIKOH」は聴いているだけで首を振りたくなるトラックとHAN-KUNの歌いこなしも相まっていい感じですが、他の曲はちょっとトラックがゴテゴテしすぎでそんなに聴き込みたいと思いませんでしたね。


ただM-9「JAMAICA」から一気に持ち直しを見せます。
INFINITY 16の1stアルバムに収録された曲のリメイクですが、本作随一の切ないトラックとHAN-KUNの歌の相性がいいですね。

続くM-10「TRUST ME」も過去の自身のコンピ収録曲のリメイクですが、直球なラブソング。
他の人が歌うと胸焼けしてしまうかもしれないリリックですけど、HAN-KUNが歌うと全く嫌味がなく聴けるんですよね。
やっぱり歌唱力がすごく、説得力のある歌声だからでしょうか。
さらに続くM-11「」もちょっと和風のトラックの上で暴れまわるHAN-KUNの歌がカッコいい曲に仕上がってますよ。


M-12「友達」、M-13「FOR YOU」は前者は友人に対する、後者は亡くなった祖父に対するメッセージソング。
HAN-KUNの純粋な思いが強く出ています。

最後を締めくくるM-14の「T.R.Y」はかなり初期に制作された曲のリメイクで、本作のリード曲の1つ。
未来への希望を込めたリリックは聴いていて元気が出てきます。
原曲を知っている方からは評判が悪いようですが、このアルバムで初めて聴く身としては普通にいいと思いましたね。
原曲も聴いてみたいのですが・・。


全体を通して聴くと、やはりHAN-KUNのスキルと歌唱力はすごいと実感しますね。
所々で中だるみを感じる部分もあり、「HAN-KUNならもっとやれるはず!」と思えなくもないですが、基本的には良作。
夏にぴったりな1枚なので、興味ある方は今の季節に是非。


↓M-14「T.R.Y」のPV。
www.youtube.com