りくぼーの音楽感想倉庫

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スルメ3 / シクラメン

スルメ3


曲目リスト


1. 舞い桜
2. ほんとですか?
3. 正義の味方
4. kamataッ子3
5. 夏物語
6. ヨイノサー
7. 田村商店~劇団フルーツ・バスケットの夏~
8. あかね
9. ぼくらの街のクリスマス
10. 大丈夫
11. すまいる


評価: ★★★★★★★☆☆☆


東京都大田区蒲田で結成されたPOPSグループ、シクラメンの3rdアルバム。
2011年4月20日発売。


2010年に2ndアルバムをリリースし、FMラジオで冠番組を持つなどして順調に名前を広げていったシクラメン
2011年に3rdアルバムである本作をリリースしました。
結果としてチャートでは40位とインディーズ時代のアルバムでは最高位を記録。
2011年6月には武道館でのライブを開催し、メジャーデビューへとステップを進めることになります。
インディーズとしては本作が最後のアルバムとなったわけです。


では、内容に。


シクラメンの特徴は聴きやすいサウンドと、ストレートな詞ですが、本作の特徴もそれです。
ですがアルバム全体の特徴としては明確なコンセプトが設定されており、本作のコンセプトは「四季」。
季節感が強い楽曲が多めに収録されています。


M-1舞い桜」はその名前の通り春の楽曲で、卒業をテーマにしたメッセージソング。
初っ端としては最初から別れの歌?という気もしますが、ドラマチックなトラックと3人の歌声がよく絡んでいてしっかり聴かせてくれます。

彼らならではの遊び心あるスキットのM-2「ほんとですか?」を挟んでのM-3「正義の味方」は「苦しんでいる人がいたら助けてあげよう!」というメッセージソング。
悪くはないですが詞の内容が誰もがその光景を見たら思いつくであろう内容をかき集めた感も否めず、ちょっと消化不良。
楽し気なトラックなのでこのトラックの上でノリノリなパーティーチューンをやってればネクストレベルにいけたのでは。
続くM-4「kamataッ子3」は相変わらずの蒲田賛歌第3弾。
2分もない短い曲ですが、とにかく勢いで押し切っていて耳に残ります。


M-5「夏物語」、M-6「ヨイノサー」は夏の楽曲。
前者は爽やかなトラックの上で3人の声が嫌味なく響く、聴いているだけでカラッとした雰囲気を作ってくれること請け合い。
後者は名前から想像出来る通りの夏まつりソングで、素朴なHookと一度聴いたら癖になってしまうようなリズムのトラックが絶妙。
素朴な曲で良さを出してしまうのは流石シクラメンと言ったところ。
ちなみにスキットのM-7「田村商店~劇団フルーツ・バスケットの夏~」は悪くはないですけど前作の方がまだ面白かったかも。


M-8「あかね」は秋の楽曲で、雄大な雰囲気のトラックが彼らの新境地を感じさせます。
ただ他の季節の楽曲と比べると詞の雰囲気がちょっと彼ららしくない気もするので好みは分かれるかも。
M-9「ぼくらの街のクリスマス」は冬の楽曲で、街のクリスマスの様々な風景をシクラメンっぽく表現したクリスマスソング。
ハッピーな雰囲気のトラックと彼らの明るい歌が見事にマッチしていて、聴いているだけで楽しくなってくること間違いなし。

M-10「大丈夫」、M-11「すまいる」は曲名から想像できるように応援歌。
個人的に「すまいる」のトラックが遊び心を感じて好きです。
ちなみに「すまいる」が終わった後、ボーナストラックがあるのですぐには切らないでください。


四季をテーマにしたアルバムだけあって11曲というコンパクトながらもバラエティに富んだ内容になっています。
自分たちらしさとバラエティを両立させるというのは難しいことですが、Deppaと桃紅茶と肉だんごのしっかりとキャラ立ちしている声とシクラメンらしい詞でそれをやってのけた印象です。
ただその四季をテーマにした曲はどれも高水準ですが、それ以外の曲は本作以前と比べるとちょっと印象が薄いかも。
そのそれ以外の曲で一番良かったのが上にも書いたように2分にも満たないお馴染みのシリーズ「kamataッ子3」。
このタイプの曲をもうちょっと入れてくれればもう一つ★を上げられたかもしれないです。


それでも楽しい作品であることには変わらない良作。
興味のある方は聴いてみては?


M-1舞い桜」のPV。
www.youtube.com