曲目リスト
1. Intro feat. K.K, U.X.I
2. Super Ball 2002 feat. SYGNAL, WATT
3. What's Mother Fuckin' Name feat. SYGNAL
4. If I...
5. E.a.t. feat. G-Conqueror
6. Perfect Game feat. Gangsta Cue, Mr.OZ
7. Right Now Liner(Skit)
8. Right Now Liner
9. Mobb Stars feat. MACCHO
10. Dopeman feat. DopeMan
11. Sweepas feat. B-Ninjah & AK-69
12. On The Road feat. WATT
13. Custro The Second feat. U
14. Young Gunz [Skit]
15. Ballers Back
16. Cold Game feat. Phobia Of Thug, Kalassy Nikoff
評価: ★★★★★★★★☆☆
愛知県名古屋で結成されたラップグループ、M.O.S.A.D.の1stアルバム。
2002年12月18日発売。
M.O.S.A.D.は1996年に名古屋で結成されたグループで、TOKONA-Xと"E"qual、AKIRAの3MCで結成されました。(この時のグループ名はMaster Of Skillz)
TOKONAはDJ 刃頭とラップグループのILLMARIACHIで活動していたこともあってか名前も広がっていき、名古屋のラップシーンも開拓されていきました。
2000年にはDJのFixerが加入し、グループ名をMaster Of SkillzからM.O.S.A.D.に改名。
そんな彼らが音源リリースを本格的に始めたのは2002年。シングルを3枚立て続けにリリースし、日本語ラップ界では話題作に。
2002年の12月、とうとう1stアルバムである本作をリリースしました。
この2年後にはメンバーのTOKONAが亡くなったこともあり、M.O.S.A.D.名義でのアルバムはこれっきりとなっています。
では、内容に。
M.O.S.A.D.の特徴は3MCによる好き放題ラップ。
トラックはもろに90年代を匂わせる元ネタ感満載のシンプルな無駄がないトラックが中心で、その上で3人、客演がいる曲では3人+客演で好き放題なマイクリレーを見せてくれます。
ちょっと聴いただけでハードだなと感じてしまうイントロを経て2曲続いて客演ありのマイクリレー開始。
どちらもメンバーもSYGNALもWATTもしっかり個性を発揮していて聴きごたえは十分。
序盤で唯一の客演なしのM-4「If I...」もリリックの内容こそよくあるビッグマウスものですが、3人ともそれに見合った貫禄あるラップを披露していてまさに彼らならではの楽曲になっています。
次に控えるM-5「E.a.t. feat. G-Conqueror」が個人的には前半のハイライト。ネタ感満載のトラックと硬派なHookが耳を惹きます。それぞれのバースもカッコいいのは言うまでもなく。
M-6「Perfect Game feat. Gangsta Cue, Mr.OZ」は重たい雰囲気のトラックで、客演のチョイスの良さが冴える楽曲。
不穏なトラックにPHOBIA OF THUGの2人がラップを乗せるとなれば大多数のリスナーは期待するでしょう。当然ながらカッコいいです。
Mr.OZの声の荒さが本当にすごいですよ。
スキットを挟んでの中盤の客演なし楽曲のM-8「Right Now Liner」はスキットを挟んだ割に短いこともあってちょっとインパクト不足。
M-9「Mobb Stars feat. MACCHO」はもう客演のMACCHOの存在感に尽きます。
初っ端からの早口フロウにぶっ飛ばされること必至。またそれにTOKONAも早口ラップで応戦しており、ほかの2人をすっかり食べるくらいの勢いがあります。
M-10「Dopeman feat. DopeMan」はまさにこれぞ西海岸!というネタ感満載のトラックで、ちょっとシリアスな雰囲気。そんなトラックにもすんなりと対応して見せるラッパー陣の力量にはさすがの一言。
M-11「Sweepas feat. B-Ninjah & AK-69」はリリックとしてはまさにUSのギャングスタの直輸入で、これまた全員キレキレのラップを披露。
AK-69は今では日本でもかなり有名になりましたが、B-Ninjahは今何してるんでしょうか。
M-12「On The Road feat. WATT」も相変わらずのキレキレのマイクリレーが展開され、M-13「Custro The Second feat. U」はそれまでのノリノリな雰囲気から一転、シリアスで危険な雰囲気の楽曲。
続くスキットは銃の音、車や電車の音などを交えた喋り、ミックスなど様々なものを取り入れたもので、USのギャングスタのHIP HOPのような雰囲気。
M-15「Ballers Back」も無論USのギャングスタの雰囲気で、そっち系が好きならたまらない出来。
最後を締めくくるM-16「Cold Game feat. Phobia Of Thug, Kalassy Nikoff」はHookがAK-69のシンガー名義であるKalassy Nikoffによる歌。
その歌のHookとMC陣のバリバリなラップとの調和が見事で、最後を締めくくるにふさわしい楽曲。
M.O.S.A.Dは名古屋のラップシーンでも伝説となっていますが、そのグループの唯一のアルバムということで期待していました。
その期待通りの作品。とにかくトラックの面でもラップの面でも純粋に聴いていて楽しめます。
このアルバムでM.O.S.A.D.のリリースが終わってしまったのは実に惜しいもの。
見かけたら是非チェックをどうぞ!
↓M-2「Super Ball 2002 feat. SYGNAL, WATT」のPV。
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