りくぼーの音楽感想倉庫

音楽CDの感想を綴っていきます

BAD BOY PARADISE / HOKT

BAD BOY PARADISE


曲目リスト


1. BAD BOY PARADISE ~INTRO~
2. HEAT UP
3. NARIAGARI
4. SHININ' feat. Kayzabro(DS455)
5. BIZZY-B
6. WATCH YOUR STEP ~KILLA KIX 75'~ feat. SUIKEN, DABO
7. CHILL IN DA HOUSE ~SKIT~ feat. TERRY THE AKI-06
8. マウエデテ マ★マ★スィータ feat. NORTH COAST BAD BOYZ, DANI, LANDO
9. LA-LA-LA
10. OH? feat. AK-69 a.k.a Kalassy Nikoff
11. BLOOD in BLOOD out ~MACK TOWN LIFE II~ feat. 1-KYU, S55 a.k.a SPOCK
12. I LOVE FRI DAY
13. So Many Tears feat. YORK
14. Summer Breeze feat. SOICHIRO


評価: ★★★★★★★☆☆☆


北海道札幌出身のラッパー、HOKTの2ndアルバム。
2007年8月8日発売。


2006年に1stアルバムをリリースして全国ツアーも行ったHOKT。
その翌年の2007年、1stアルバムのリリース日と同日に2ndアルバムである本作をリリースして、同時にメジャーデビューを果たしました。
この頃は日本の西海岸系が勢いがあった時期でもあったため、HOKTもその時期に上手く乗れた感じですね。

では、内容に。


ちょい高めのハスキー声のラップを操るHOKT。
スキルがそれほど高いわけではありませんが、独特の存在感があるんですよね。


イントロを経てのM-2「HEAT UP」はDJ PMXプロデュースで爽快感のあるHOKTのラップと爽やかなトラックが心地よくサラッと流れるパーティーチューン。
続くM-3「NARIAGARI」は爽やかながらもHookの前でぐいぐいと前に出るようなトラックでのバッキンダデイズ物。
アルバムのスタートとしてはかなりいい入りだしで、この2曲を聴いた時点で聴き進めたくなっていくこと請け合い。

M-4「SHININ' feat. Kayzabro」はS55がトラックを担当し、怪しげなHookも相まってSOUTHノリな雰囲気。
Kayzabroのラップがこういうトラックに乗るのは良くも悪くも新鮮ですけど、やはりKayzabroは西海岸な雰囲気が似合うなと思います。

M-5「BIZZY-B」はトークボックスも強烈な恋愛ソング。
ラップなのに甘さまで表現してしまうのがHOKTのラップの長所ですが、その長所をいかんなく発揮しています。

M-6「WATCH YOUR STEP ~KILLA KIX 75'~ feat. SUIKEN, DABO」はS55のトラックで、またしてもSOUTHよりなトラック。
HookもSOUTH HIP HOPな雰囲気が出ていますが、正直ちょっとしつこさを感じますね。
それぞれのバースはいいだけに。

TERRY THE AKI-06による開始20秒くらいは面白いスキットを挟んだ後に控えるボッセカットのM-8「マウエデテ マ★マ★スィータ feat. NORTH COAST BAD BOYZ, DANI, LANDO」はS55のSOUTHノリのトラックの上でのマイクリレー。
全体的にせわしない印象で、本作では一番MC陣が多いのに印象薄し。


M-9「LA-LA-LA」は甘い雰囲気のバッキンダデイズ物・・とはいってもM-3「NARIAGARI」とはちょっと着眼点が違っています。
激しい曲が続いた中でこの流れは少しホッとしますね。

M-10「OH? feat. AK-69 a.k.a Kalassy Nikoff」はヘイタ―DIS曲で、前作でも個人的には客演MVPだったAK-69が今回も大活躍。
HOKTのラップを完全に食う勢いで歌もラップも力がこもっています。


M-11「BLOOD in BLOOD out ~MACK TOWN LIFE II~ feat. 1-KYU, S55 a.k.a SPOCK」は哀愁漂うトラックの上で「絆」をテーマにマイクを回すマイクリレーで、3人とも聴いていると胸が熱くなるようなリリックを披露。
1-KYUがちょい高めのガラガラ越えながらもちょっと優し気な雰囲気を出しているのが新鮮です。

M-12「I LOVE FRI DAY」はDS455の有名曲「NIGHT CRUISE ~星降る夜に~」のトラックを使用したパーティーチューンで、カッコよさという面では「NIGHT CRUISE ~星降る夜に~」の方が上ですが、明るさと甘さという面ではこちらに分があります。
どちらも負けず劣らずの良曲です。


M-13「So Many Tears feat. YORK」は、よくあるラッパーとシンガーの曲。
恋人に対する懺悔の楽曲ですが、これはちょっと狙って外してしまった感が否めず。
YORKの歌もHOKTのラップも力が入りすぎて空回りした感じです。
続くM-14「Summer Breeze feat. SOICHIRO」もこれまたシンガーとのコラボ曲ですけど、これも両者の相性が微妙で外した感があります。


全体的に見た印象としては、メジャーデビュー作ということもあって前作よりはいいですね。
聴きやすい曲もあればハードな曲もあったりと、14曲飽きずに聴かせてくれます。
ただ曲には当たり外れがあり、特にS55プロデュースのSOUTH風トラックはHOKTを始めとするMC陣との相性が微妙で、トラック自体は良いのにもったいなく感じました。
しかしそれでもHOKTのポテンシャルが発揮された良作。気になったらチェックしてもいいかと。


↓M-3「NARIAGARI」のライブ映像。
www.youtube.com