曲目リスト
1. ギフト
2. シャンパンゴールド
3. さよならまたな
4. 夏大盛り2008
5. やまんでダンス
6. うまい!お弁当
7. スカッと一発!
8. 華舞台
9. 大花火
10. ふたりの歌
11. まだまだ
12. 晴レルヤ
13. 陽あたり良好
評価: ★★★★★★☆☆☆☆
大阪府大国町を拠点とするラップグループ、ET-KINGの2ndアルバム。
2008年6月4日発売。
3rdシングルの表題曲「愛しい人へ」がヒット曲となったことで、直後にリリースした1stアルバムがチャート4位という新人の1stアルバムとしては順調な滑り出しだったET-KING。
その後もコンスタントにシングルリリースを重ねた上にメディアへの露出も増え、着々と知名度をUP。
そして前作から約1年後となる2008年6月、2ndアルバムである本作をリリースしました。
チャートでは10位を記録と、ET-KINGのアルバムの中では前作に次いで好順位をマークしました。
ちなみに同日7thシングルとなる「ふたりの歌/ヤッターマンの歌」もリリースしています。
では、内容に。
ET-KINGの特徴は様々なジャンルの音を取り入れた上での5MCのストレートな歌詞表現。
良く言えば幅が広い、悪く言えば節操がないとも言えますが、良くも悪くも彼らにしか出せない雰囲気を放っているのは確かです。
M-1「ギフト」~M-3「さよならまたな」まではメッセージソングが並ぶ流れ。
M-1「ギフト」は贈り物をテーマにした彼女に対する感謝ソングで、彼らの良さが発揮されたハッピーな恋愛ソングに仕上がっています。
マーティフリードマンから高評価をされたのも頷けます。
M-2「シャンパンゴールド」は明るいトラックの上での前向きなリリックを乗せる楽曲で、聴いているだけで元気になること必至。
シングルを切ったM-3「さよならまたな」を経て、M-4「夏大盛り2008」からはそんなメッセージを聴かせる流れから一転、力を抜いて作ったのが分かる緩い楽曲が並びます。
M-4「夏大盛り2008」は1stシングルの「夏大盛り」のリメイクです。
ただこれは原曲の方がトラックに勢いがあって好きですね。楽し気なリリックなのにトラックが大人しめでいまいち活きていない気がします。
続くM-5「やまんでダンス」は名前の通りパーティーチューンですが、トラックは非常に落ち着いた雰囲気。
その上でダンスについてラップするという構図は中々面白い・・んですけど、上手くハマっているかと言われるとこれまた微妙。
TENNの早口ラップは面白かったですが。
M-6「うまい!お弁当」は、まあこの曲名を見て曲の内容を想像していただければ大体正解です。
後半にいきなり社会的な主張が入ってきたのはちょっとびっくりしました。
早弁のくだりはちょっとだけ笑みをもらえます。
M-7「スカッと一発!」は客演としてクレジットこそされていませんが、大西ユカリ氏が参加。
ここでまたメッセージ性のある内容で、マナーの大切さを説くという。
大西ユカリとET-KINGのメンバーの歌のせめぎあいがこれまたちょっと面白いです。
最後のダジャレっぽいリリックはちょっと狙いすぎ感が否めず。
M-8「華舞台」はお祭りソングで、勢いのある和風なトラックの上でのマイクリレー。
個人的にはこの曲が本作一のハイライト。どのメンバーも芯のあるラップを聴かせ、全員で合唱するHookも途中のDJ BOOBYのスクラッチも中々のカッコよさ。
全体的に熱さを感じる曲で、ET-KINGの楽曲の中でも全員の個性が発揮された楽曲だと思います。
M-9「大花火」はこれまた和風で夏を感じるトラックですが、夏まつりのとある光景をET-KING流に描いた楽曲。
この光景の行く先は・・。それは曲を聴いて確かめてください。まあそんな煽るほどの内容でもないんですが。
ここからはまたしてもメッセージ性が強めの楽曲が並びます。
M-10「ふたりの歌」は名前から想像できるようにずっと支えてくれた恋人に対する感謝ソング。
余り歌は上手くない彼らですけど、それだけにこういうトピックでは説得力が出ます。
後半のメッセージ楽曲の中でも一際光る曲です。
M-11「まだまだ」は逃げそうになっている自分に「まだまだやれるだろ」というメッセージをかける楽曲。
哀愁漂うトラックが個人的に好みで、TENNといときんのラップが熱さを感じられて好きです。
M-12「晴レルヤ」はシングルで切られたその名前から想像できるように応援歌。
彼ららしいリズムのいいトラックの上で前向きなメッセージを乗せていく流れですが・・・詩の内容もイマイチ切れがなく、だからと言ってノリノリになれるかというわけでもなくちょっと中途半端な印象。
個人的にET-KINGのシングル曲は大体好きなんですけど、この曲は未だにちょっと好きになれないんですよね・・。
M-13「陽当たり良好」はリリックの内容はよくある音楽賛歌。
何ですが、正直この曲はラップはおまけ程度で、メインは合唱とトラック。
トラックのリズムの良さでひたすら押し切っていて、本作最後の曲にして一番異色な曲。
リリック自体は中身があるわけではないため好みが非常に分かれそうです。
個人的には「歌は音!」と割り切って聴く分にはいいかと。
全体的にに見ると様々なトピックが詰まっていておもちゃ箱のようなアルバムになっています。
ただ曲単位で見ると良し悪しが出ており、しかもいい曲とイマイチな曲がちょっと固まっているため退屈な流れもあり。
賛否が分かれるアルバムだと思います。
しかしながら本作で一押しのM-8「華舞台」は本作でしか聴けないですし、他にも本作でしか聴けない曲が満載。
ET-KINGに興味のある方なら聴いて損はないと思います。
まずは試聴を!
↓M-10「ふたりの歌」のPV。
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