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音楽CDの感想を綴っていきます

Endangered Species / Big Pun

Endangered Species


曲目リスト


1. Intro / Big Pun
2. You Ain't A Killer / Big Pun
3. Twinz (Deep Cover' 98) / Big Pun feat. Fat Joe
4. Whatcha Gon' Do / Tarror Squad
5. How We Roll / Big Pun feat. Ashanti
6. Still Not A Player / Big Pun feat. Joe
7. Off The Books / Beatnuts feat. Big Pun, Cuban Link
8. Words From Nore / Noreaga
9. Banned From TV / Noreaga feat. Big Pun, Cam'Ron, Jadakiss, Nature, Styles
10. Mamma / Big Pun feat. Tony Sunshine
11. Beatbox / Big Punisher
12. Brave In The Heart / Big Pun feat. Tarror Squad
13. Dream Shatterer / Big Pun
14. Words With Fat Joe / Fat Joe
15. John Blaze / Fat Joe feat. Big Pun, Jadakiss, Nas, Raekwon
16. My World / Big Pun
17. Pina Colada (Remix) / Ruff Ryders feat. Big Pun, Sheik
18. Top Of The World (Remix) / Brandy feat. Big Pun, Fat Joe
19. Livin' La Vida Loca (Remix) / Ricky Martin feat. Big Pun, Cuban Link, Fat Joe
20. Fire Water / Fat Joe feat. Armageddon, Big Pun, Raekwon
21. Classic Verses (Drop It Heavy And Fantastic 4) / Big Pun
22. Freestyle With Remy Martin / Big Punisher with Remy Martin
23. Wishful Thinking / Fat Joe feat. B Real, Big Pun, Kool G Rap
24. How We Roll '98 / Big Punisher


評価: ★★★★★★★★★☆


アメリカのNY出身のラッパー、Big Punのコンピレーションアルバム。
2001年4月3日発売。


1995年のヒットアルバムとなったFat Joeの2ndアルバムに参加したことで注目され1stアルバムも好セールスを記録し、人気ラッパーの仲間入りをした矢先、太り過ぎによる心臓発作が原因で28歳の若さで亡くなったBig Pun。
亡くなってから20年以上経った今でも最高のラッパーに名前が挙がることも多い彼。
本作は亡くなった翌年に出されたアルバムで、Big Punのヒット曲や客演参加曲、未発表曲を収録した集大成的な作品になっています。


では、内容に。


Big Punの特徴は小節にこれでもかというくらいラップを詰め込むスタイル。
声自体はのっそりしているんですが、ラップは全くのっそりしておらず、隙間がないラップの連射でリスナーを圧倒させます。


イントロを経ての代表曲のM-2「You Ain't A Killer」でもうそれは十分に堪能できるというもの。
隙間ないラップに圧倒されたら、そのまま聴き進めてしまうはずです。

SnoopとDreによる有名曲のカバーのM-3「Twinz (Deep Cover' 98)」ではBig PunとFat Joeという超重量コンビのラップの掛け合いが楽しめます。
どちらも有名曲をカバーというだけあって気合は十分。悪いはずがありません。

Tarror Squadの代表曲のM-4「Whatcha Gon' Do」でハードな1曲を聴かせた後は、M-5「How We Roll」、M-6「Still Not A Player」と客演にシンガーを迎えた曲が2曲続きます。
前者ではAshantiが涼し気な歌を披露し、後者ではJoeが深みのある歌声を披露。
どちらもBig Punとのラップの相性もよく、絡みが絶品。


そこから3曲は客演仕事。
M-7「Off The Books」は音使いが癖になるようなトラックの上での小気味良いマイクリレーが聴きごたえ抜群。3分以内で終わるタイトさもありあっという間に聴き通せます。
Noreagaによる語りのスキットを挟んだM-9「Banned From TV」はまさに90年代!という感じのサンプリング全開な派手なトラック。
豪華メンバーによるマイクリレーは聴いていて首を振りたくなること必至です。

次のM-10「Mamma」はTonyを客演に迎えたシングル曲。
初っ端でのTonyの歌声が掴みとしてバッチリです。

スキットを挟み、M-12「Brave In The Heart」はまたしてもマイクリレーもので、哀愁漂うトラックの上でのマイクリレーが聴きごたえがあります。

Big Punの代表曲であるM-13「Dream Shatterer」でBig Punのラップを存分に堪能した後は、Fat Joeのスキットを経てのM-15「John Blaze」での豪華メンバーでのマイクリレー。
危なっかしい音使いが緊迫感があって◎。スクラッチもかなりカッコいいです。

続くM-16「My World」は壮大なトラックの上で乗りこなすBig Punの力量が感じられます。

続いては3曲連続でRemix。
原曲と比較してのコメントはできないのですが、どの曲も聴きごたえがあってしっかり聴ける仕上がりですよ。
特にM-19「Livin' La Vida Loca (Remix)」はラテンっぽさがあってアルバム中でも異色の曲ですが、変に浮いておらずまとまってます。

マイクリレーのM-20「Fire Water」を挟んだ後には2曲からBig Punのバースを抜き出すというこういうアルバムならではの試みのM-21「Classic Verses (Drop It Heavy And Fantastic 4)」が控えています。
2曲合わせて2分ちょっとという短さなのにガッチリ耳を掴まれてしまいます。本当に貫禄のあるラップです。
次に控えるRemy Martinのフリースタイルもかなりカッコいいです。

危険な雰囲気なマイクリレーのM-23「Wishful Thinking」の後はM-24「How We Roll '98」で子どもの歌も交えた聴きやすい雰囲気の楽曲で幕を閉じます。


たまたまHIP HOP系の福袋に入っていて聴いた1枚でしたが、あまりの内容の良さにビックリです。
これだけのカッコいい楽曲を量産したなら、亡くなってから20年以上経った今でも伝説のラッパーとなっているのも当然でしょう。

24曲もありますけど、最後まで飽きずに聴き通せてしまうアルバムで、捨て曲なしです。
これからBig Punの作品を聞いてみようという人は勿論、ファンの方ならマストで持っておくべき1枚。
見かけたら是非どうぞ!
90年代HIP HOPの名曲たちがこの中にあります!


↓M-3「Twinz (Deep Cover' 98)」のPV。
www.youtube.com