曲目リスト
1. ウォーターワールド
2. マイク持つDJ
3. バラマク feat. 童子-T
4. だからどこでも feat. JUN-G, K DUB SHINE, 三善/善三
5. 超特急 feat. UZI
6. CONTINUE?
7. 世界一おとなしい納税者 (カモ) feat. 宇多丸
8. アトミックボム feat. K DUB SHINE, 童子-T
9. ここにあるぜ feat. JA飛龍
10. まわり罠 feat. BOY-KEN, SHIBA-YANKEE
11. マジうざくねぇ? feat. ZEEBRA
12. 『』
13. 何の為
14. これ feat. K DUB SHINE
15. どんな価値
16. マイク持つDJ達 feat. DJ JIN, DJ KAORI, DJ MASTERKEY
評価: ★★★★★★★★☆☆
東京都出身のDJ、DJ OASISの2ndアルバム。
2005年7月27日発売。
1stアルバムである前作をリリースした後に、自身がDJを務めるグループのキングギドラの再始動に参加したDJ OASIS。
2002年にリリースしたキングギドラの2ndアルバムが良くも悪くも話題作になったこともあり、一気に音楽シーン全体に名前を広げました。
キングギドラの再始動以降自分名義の作品は出していなかったものの、2004年から自身のシングルのリリースを再開。
2005年、2ndアルバムである本作をリリースしました。
では、内容に。
DJ OASISは自らマイクも握るのですが、K DUBと同じく淡々としたラップが特徴。
しかしK DUBと比べると若干ラップに抑揚が付いているため、K DUBと比べるとちょっと器用な印象を受けます。
イントロ的な役割のM-1「ウォーターワールド」を経てのM-2「マイク持つDJ」は先行シングル曲。
DJ OASISらしいシンプルながらも聴きごたえのあるトラックで、自己紹介的なリリックを乗せる楽曲。入りだしとしてはいいですね。
このノリが好きになれたならその先も聴き続けて大丈夫です。
童子-Tが参加したM-3「バラマク feat. 童子-T」は映画の挿入歌のような雰囲気で、悪徳組織からお金を盗んで真面目に生きている人間にばらまくというストーリーテーリングもの。
童子-Tの渋い声がリリック的にもトラック的にもバッチリハマっています。
続くM-4「だからどこでも feat. JUN-G, K DUB SHINE, 三善/善三」はマイクリレーで、ワックMCワナビーもの。
序盤はK DUBやOASIS、三善氏のローテンションなラップが続くものの、最後にJUN-Gの元気なラップが新鮮に飛び込んできて中々聴かせますね。
M-5「超特急 feat. UZI」はUZIが参加していて元々は「廃人超特急」という曲名でした。
しかしリリックの内容に問題があったようで所々編集された跡があり、曲名も「超特急」に変更されたという経緯があります。
トラックも前半の楽曲の中では一番インパクトが強く、UZIもバリバリなラップを聴かせるため前半では一番印象に残る楽曲です。
ゲーマーのDJ OASISらしいゲームネタのM-6「CONTINUE?」を挟んだM-7「世界一おとなしい納税者 (カモ) feat. 宇多丸」は先行シングル曲で宇多丸とのシリーズものとなっている「キ・キ・チ・ガ・イ」シリーズの第3弾。
トラックは色々な展開を見せていてスリリングで聴いていて飽きません。
ただラップの内容に関しては2人ともリリックの切れが鈍くて所々イメージで言っているだけでないかと思われる箇所も散見。ちょっと消化不良です。
M-8「アトミックボム feat. K DUB SHINE, 童子-T」は2005年当時のAtomic Bombによるボッセカット。
3人とも地味なラップであるのは否めないのですが、ダークな雰囲気のトラックにはしっかりとハマっていて存在感があります。
最後を締める童子-Tが乗りこなしがかっこよくてこの曲のMVP。
その後の2曲も同じく暗い雰囲気でのマイクリレーで、どちらもカッコいいですがBOY-KENとSHIBA-YANKEEがダークなトラックの上でREGGAEなフロウで暴れまわる後者の方が個人的には好きです。
ZEEBRAが参加したM-11「マジうざくねぇ? feat. ZEEBRA」は暗いトラックの上で情けない親や国に毒を吐くOASISらしい内容。ただこれもイマイチ切れがないように感じます。
スキットを挟んでからのM-13「何の為」からはラッパーとしての自分を見つめなおす自省的な内容の楽曲が続きます。
個人的にはM-15「どんな価値」がベスト。
一番淡々としたトラックで地味なんですけど、それだけにOASISのラップがスッと耳に入ってきます。
M-16「マイク持つDJ達 feat. DJ JIN, DJ KAORI, DJ MASTERKEY」に関しては、恐らくアルバムとしてはM-15「どんな価値」で終わりで、この曲はボーナストラックみたいな役割なんでしょうね。
みればわかる通りM-2「マイク持つDJ」のREMIXで、DJ OASISと同じくマイクも握るDJ3人が参加。
とは言ってもDJ MASTERKEYはHookと最後でちょろっと顔を出すだけです。
この頃はDJ KAORIもまだそんなに叩かれていなかった時期だと思うので、まあまあプロップスもあったんでしょうね。
全体を通して最後まで通して聴けるアルバムになっています。
たらればを挙げれば出てくるんですけど、基本的にDJ OASISのラップもローテンションながら聴きごたえはありますし、客演もいい働きをしています。
聴きやすい曲も多いのでDJ OASISをこれから聴いてみようという方にもいいのではないかと。
見かけたら是非どうぞ。
↓M-2「マイク持つDJ」、M-8「アトミックボム feat. K DUB SHINE, 童子-T」のライブ映像。
www.youtube.com