りくぼーの音楽感想倉庫

音楽CDの感想を綴っていきます

REALRHYME TRAX / V.A.

REAL RHYME TRAX


曲目リスト


1. STEPPER'S DELIGHT / RIP SLYME
2. TOKIO LV / SBK
3. CLUBへ ~熱帯夜mix~ / ケツメイシ
4. 謎?謎 / GAGLE
5. スーパーオリジナル / KICK THE CAN CREW
6. NO QUESTION / MELLOW YELLOW
7. Blue Star / RYO the SKYWALKER
8. クロール / GAKU-MC
9. テキトーな奴ら~Why can't we be friends? / DELiGHTED MINT
10. ROCK SHOCK(Time To Riot Mix) / 宇頭
11. ソード オブ ライチェスネス / smorgas
12. 歩 / Scratch 4 Jagger
13. HOT SHOT / トリカブト
14. Mirrorball Satellite 2012 / m-flo
15. UP and Down / Steady & Co.


評価: ★★★★★★☆☆☆☆


ワーナーミュージックからリリースされたコンピレーションアルバム。
2002年2月27日発売。


2000年代に入って日本でも音楽の1ジャンルとして定着したHIP HOP。
本作はそんなHIP HOPが定着しつつある時期にリリースされたコンピレーションの1枚になります。


さて、内容に。


「Realな曲を入れたコンピレーション」という意味でこんなタイトルにしたんだと思いますが・・正直よくわからないラインナップですね。
GAKU-MCMELLOW YELLOW、KICK辺りはまだわかるんですけど、何組かはミクスチャーバンドなども混ざっていますし、RYO the SKYWALKERに至ってはREGGAEなんですよね。

とりあえずラップが入っている曲でカッコいい曲を!という基準で選曲したのでしょうか。
RealRhymeと銘打つならキングギドラRHYMESTEREAST ENDとか入れた方がもうちょっと説得力はあったと思うんですけどね。

ちょっと片手落ち感が否めないセレクトです。


とりあえずM-1STEPPER'S DELIGHT」からM-3「CLUBへ ~熱帯夜mix~」までの流れは聴きやすくて楽し気なパーティーチューンが揃っています。
コアなHIP HOPファンからすると不快に感じる流れかもしれませんが、これからラップを聴こうというリスナーに向けたものであるならこの流れは良い感じの流れと言えます。
M-3「CLUBへ ~熱帯夜mix~」は個人的にケツメイシの1stアルバムでは1番好きな曲なのでこの曲にスポットがあてられたのは素直にうれしいです。
ただケツメイシの1stアルバムのボーナストラックとして聴くとすごく良く聴こえるんですが、この流れで聴くとそれより若干良さが下がってる気がします。
曲自体は名曲なんですけど、やはり流れって大事ですね・・。


M-4「謎?謎」はGAGLE
このメンツの中でGAGLEがしれっと入っているのも中々すごい気が。
陽気なトラックの上でHUNGERがあいかわらずの独特なラップの乗せ方を見せる楽曲。
癖があるので嫌いな人は嫌いかもしれませんが、唯一無二であることは間違いありません。

そしてM-5「スーパーオリジナル」、M-6「NO QUESTION」はKICK、MELLOW YELLOWとFG勢2連発。
どちらもFGらしい聴きやすいチューンとなっています。
特にM-5「スーパーオリジナル」は3人の確かなスキルとトラックセンスの良さを体感できる楽曲ですね。
デビュー曲なだけありますね。


M-7「Blue Star」は上でも書いたようにREGGAE勢であるRYO the SKYWALKERの楽曲。
なんでこのメンツの中に混ざっているんだ?って感じですけど、曲自体はいいです。
RYOの貫禄のある声と力強いリリック捌き、陽気なトラックが上手くハマっています。

続くGAKU-MCのM-8「クロール」も似たような前向きチューン、DELiGHTED MINTによるM-9「テキトーな奴ら~Why can't we be friends?」は仲間に向けたメッセージソングで、この辺りはリリックの内容も重視した選曲の模様。


M-10「ROCK SHOCK(Time To Riot Mix)」からM-11「」まではバンド系の楽曲が並び、HIP HOPというよりはMETAL、ROCKという感じが強いですね。
どのグループも骨太なサウンドではありますが、良くあるラップ系ROCKとの違いが分からなくてイマイチ印象には残らず。


トリカブトによるM-13「HOT SHOT」が後半では個人的に飛びぬけて気に入った曲ですね。
勢いのあるトラックの上での聴きごたえのあるマイクリレーがインパクト抜群で、聴いていて首を振りたくなること間違いなし。

m-floのM-14「Mirrorball Satellite 2012」はm-floらしいLISAとVERBALが嫌味なく絡むパーティーチューンですが、男臭いマイクリレーのM-13「HOT SHOT」の直後というこの流れで聴くとイマイチあっさりしすぎな印象。
曲自体はいいんですけど、やはり流れが・・。

Steady&CoのM-15「UP and Down」も同じく嫌味のない雰囲気のパーティーチューン。
これまた曲自体は良いんですけど、最後の〆曲としてはちょっと弱め。


全体的に見ると良くも悪くも・・という感じですね。
利点としては15曲全員が違うミュージシャンで被りは一切ないので、知らないミュージシャンを開拓するという意味では役割を果たすこと。
またメンツを様々なジャンルから呼んでいるため、誰でも数曲は好きな曲ができるであろうこと。
(僕自身はトリカブトは本作で初めて知ったのですが、彼らの他の音源もチェックしてみたいと思いました)

欠点としてはやはりメンツが系統的にごちゃごちゃしているため、アルバムとしてのまとまりがイマイチ。
そして曲順で損している曲が多いと感じました。
こういう既発曲を集めたコンピレーションアルバムって曲順の良し悪しが露骨に出るんですけど、本作はちょっとそれがマイナスに働いていた曲が多かったかも・・。(特に最後の2曲なんてもうちょっと何とかなったのでは?)
素材は悪くないだけに勿体ないです。


あくまで既発曲の寄せ集めでこのコンピならではの曲というのはないので、「ラップ系の音楽に興味があって、新しいミュージシャンを開拓したい!」という人向け。
そういう意味でならチェックして損はないかと。


↓M-3「CLUBへ ~熱帯夜mix~」。
www.youtube.com