りくぼーの音楽感想倉庫

音楽CDの感想を綴っていきます

Protect Ya Neck / V.A.

PROTECT YA NECK~自分の身は自分で守れ


曲目リスト


1. Tribute To The 5th Brother / 9th Prince feat. RZA
2. Trying To Blow / MMO feat. Kurupt
3. Stop Playing Games / MMO
4. My Life / Ice Grillz
5. Freeze / MMO
6. Last Days / MMO
7. Free Ol' Dirty / Ol' Dirty Bastard feat. Deadly Venoms & Brooklyn Zoo
8. The Earthquake / Deadly Venoms feat. Wu-Tang Clan
9. Yeah Unh Hunh / Shyheim
10. Party Time / Bambi 'The Iron Maiden'
11. Hotel Hoodlums / MMO feat. Wu Syndicate & Black Knights
12. Madd Long / Deadly Venoms feat. Tekitha & La The Darkman
13. E.Y.E. Love NY / MMO
14. Explosion Don't Use Bomb Threat / Deadly Venoms
15. PYN Symphony / MMO feat. KGB & Deadly Venoms
16. The Evil That Men Do / Bambi 'The Iron Maiden'
17. Ready / Deadly Venoms
18. Feds Are Watching Me / Trigga feat. Probyn & P.I.R.U.


評価: ★★★★★★★☆☆☆


もう今年の1月も折り返し地点ですが、あけましておめでとうございます。
新年早々仕事方面で失敗をやらかし、車をガードレールに擦って車体の傷を増やしてしまうなど(もともと何か所か傷はあったんですけど、新しく増やした箇所だけでもおそらく7万は飛びます、もともとあったところも修理したら間違いなく6桁です)気分落ちることが多かったです。
今年もやる気あるんだかの更新率になるであろうことはあらかじめお詫びしておきます。
申し訳ありません、今年もよろしくお願いします。
とりあえず今年最初の記事はHIP HOPコンピでお届け。


アメリカのラップグループのWu-Tang Clan周辺のミュージシャンの楽曲を集めたコンピレーションアルバム。
2002年4月26日発売。(アメリカでは同年7月2日発売)


1993年に1stアルバムをリリースして以降、HIP HOPシーンの重要グループとなったWu-Tang Clan
周辺のミュージシャンもブレイクをしていき、HIP HOPシーンの活性化の原動力の1つになりましたね。
本作はそんなWu-Tang周辺のミュージシャンのコンピレーションアルバムになります。
リリース元はアメリカではProtect Ya Neck Records。Wu-Tangの1stシングル曲の名前をそのまま使用したレーベル名になっています。
日本では2000年から活動しているHandCuts Recordsからのリリースで、先行販売という形になりました。
今はどちらも音源リリースなどは行ってない模様・・(というか存続しているかも怪しい)、残念。


では、内容に。


Wu-tang周辺のミュージシャンが集まっているわけですが、Wu-Tang自体が大所帯なこともあって当然その周辺も大所帯です。


幕を開けるM-1Tribute To The 5th Brother」は9th PrinceとRZAという兄弟タッグですが、2分半という短さもあってかイントロ的な役割。
様々な音を所々にぶち込むビートは如何にもRZAといったところ。
MMOとKuruptによるM-2「Trying To Blow」は貫禄のあるマイクリレーを展開。
乗りこなしの難しそうなトラックですが、全員しっかりとした力量で乗りこなしています。
続くM-3「Stop Playing Games」はMMO単独の曲で、初期のWu-Tangのアルバムに入っていても違和感なしな楽曲です。
その辺りが好きな人なら気に入るでしょうね。


Ice GrillzによるM-4「My Life」は序盤では一番印象に残る曲と言ってもいいですね。
Hookの歌がインパクトが強いです。バースの方でもそれに負けないようにしっかりとラップを披露しています。
それ以降はMMOの曲が2曲連続。
前者は如何にもなラップチューンですが、後者はトラックが独特で他にはない雰囲気。
ただちょっと好みは分かれそうかも。


M-7「Free Ol' Dirty」、M-8「The Earthquake」はマイクリレーもの。
前者はとにかくそれぞれ好き勝手やっており、所々ではライブを録音したかのような個所もあります。ただその部分はちょっと悪乗りしすぎな気も。
後者はMC陣も頑張っているのですが、トラックがグイグイ強すぎてラップが余り頭に入ってきません。


M-9「Yeah Unh Hunh」はWu-tang関連でも年少メンバーのShyheim。
ボーカル使いのHookとラップの対比が楽しめます。
続くBambiによるM-10「Party Time」は個人的にアルバム中盤のハイライト。
トラックの上でのBambiのバンバンラップを乗せていく乗りこなしが聴きごたえ抜群で、本作でもかなり聴かせる曲。

1分半ほどのスキットを挟んでのM-12「Madd Long」は幻想的なトラックの上でのラップ合戦。
全員が生き生きしたマイクリレーを聴かせてくれます。特にDeadly Venomsの女性陣はインパクトが強し。

M-13「E.Y.E. Love NY」はMMOによる楽曲ですが、本作のMMOの楽曲では一番聴きごたえがあります。
ラテン風味のトラックの上でのラップ捌きが聴きごたえあります。

M-14「Explosion Don't Use Bomb Threat」はここでやっとDeadly Venomsの単独曲。
コラボ曲よりもこの単独曲の方が彼女たちのラップの魅力をしっかり味わえます。
全員1人1人しっかりと個性のあるラップを披露。この曲を聴いただけでもDeadly Venomsの他の音源をチェックしたくなること請け合い。
(同じく単独曲のM-17「Ready」も彼女たちに魅力が存分に発揮されています)


M-15「PYN Symphony」は計12人という大所帯のマイクリレー。
シリアスな雰囲気のトラックの上で芯のあるラップを全員が聴かせてくれます。
これだけの人数なのにも関わらず5分以内でしっかり決めてくれるのも流石の一言。

次に控えるM-16「The Evil That Men Do」はBambiですが、哀愁漂うトラックの上でのBambiのラップがこれまた聴かせてくれます。

最後を締めくくるM-18「Feds Are Watching Me」は3人でのラップ合戦ですが、緊迫した雰囲気でのマイクリレーが聴きごたえあり。


流石にマイクリレーに定評があるWu-Tangの周辺が集まっただけあってマイクリレーが中心。
次々とMCが変わっていく様は聴きごたえもありますし、キャラ立ちもしています。

ただ楽曲にはちょっと良し悪しがありますし、メンバーが多いこともあってか全体的にごちゃごちゃしているのも否めず、雑多な印象も受けます。
そのせいかアルバムとしては余りまとまりはありません。


しかしWu-Tang周辺の魅力を味わうという意味では十分な1枚であるのも事実。
そういう目的なら、ぜひともお勧めします。
ごちゃごちゃした雰囲気もお祭り的な雰囲気が好きな人なら楽しめるでしょう。
入門編としては最適な一枚です。


↓M-15「PYN Symphony」。
www.youtube.com