りくぼーの音楽感想倉庫

音楽CDの感想を綴っていきます

PLATINUM ROUTE / V.A.

PLATINUM ROUTE


曲目リスト


1. Starring Game the show / DJ FILLMORE
2. All night long / GIPPER feat. BIG RON
3. Players Sence / II-J feat. Asami
4. I have to... / THESIS
5. Gasoline Musick / GIPPER
6. Which ya Doggs? / B.J.G
7. Area / K・I・J
8. Life Style Luxury / L.G.Y feat. HYENA
9. Change my life / South 横濱 Crew feat. COLO
10. Jungle / DESTINO
11. G-Area Thung / G-PRIDE
12. take al look around / NEECH
13. Summer High / GHETTO INC.
14. One more Time / EXTRIDE
15. Full Filled... / DJ TOHMA


評価: ★★★★★★★☆☆☆


KSRからリリースされたコンピレーションアルバム。
2003年10月25日発売。


2003年に全国にて活動を開始したNORA。そのNORAが中心となって制作されたコンピレーションです。
当然日本の西海岸系のミュージシャンがぎっしり。
L.G.YやGHETTO INC.などの後に有名ミュージシャンとなる方たちも参加しています。


さて、内容に。


FILLMOREが収録曲をミックスしていくイントロを経てのM-2「All night long」はGIPPERとBIG RONのタッグ。
如何にも西海岸系なトラックの上で滑るようにラップを乗せるGIPPERがいい仕事ぶり。
BIG RONの歌によるHookもいいアクセントで、コンピの入り口としては十分いいスタート。


M-3「Players Sence」はアメリカと日本を行き来して活動しているII-J。そしてシンガーのAsamiが客演として参加。
カラッと晴れた昼間を連想するようなクルージングチューン。Asamiの歌によるHookは良い感じですけどII-Jのラップがちょっと印象薄め。
聴き終わった後にII-Jのラップが入っていたことを忘れているリスナーもいそう。

M-4「I have to...」はNORAの2ndアルバムにスキットで参加していたTHESIS。
怪しげなトラックの上でオール英詩のラップを展開。スキルはそれなりにあるのが分かるんですけど最初から最後まで一本調子で癖があるフロウなせいか聴いている途中でちょっと飽きてきます。


M-5「Gasoline Musick」はなぜかまたしてもGIPPER。今度は客演なしですがこういうコンピに同じ人が2曲以上提供するのは珍しいですね。
曲自体はこの頃からGIPPERのスキルは凄かったんだなあと思わせる前半のハイライトと言える楽曲です。
ノリのいいトラックの上を滑るように乗っていくラップ、そしてユニークな言葉選びと何一つ文句の付け所がなし。
このコンピにしかフルで収録されてないので知名度低い楽曲ですけど、この曲は聴かなければ絶対損します。


M-6「Which ya Doggs?」はB.J.Gというこのコンピで初めて名前を知ったラッパー。
どうやらこの曲しか発表してないようです。
ちょっとガラガラした声の持ち主ですが、ラップに大分癖がありますね。おそらく本作に参加したラッパーで一番癖があります。
これは好きな人は好きでしょうが、苦手な人は苦手だと思います。
その次のK・I・JによるM-7「Area」は打って変わってラップに癖が全くありません。
とりあえずトラックの上を無難にラップを乗せていくK・I・J(この人もこのコンピ以外に名前聞いたことありません)。
曲としてはちょっと弱いですが、プレイリストとかに入れるとちょっといい繋ぎになりそう。

M-8「Life Style Luxury」は後にお茶の間にまで進出を果たすLGYの初音源。HYENAが客演として参加。
この曲はLGYの1stアルバムにも収録されているので恐らく本作の収録曲では一番有名な曲でしょうね。
曲自体は3MCのラップもさることながらHookの作り方が上手いですよね。聴いていて首を振りたくなること間違いなし。
本作の収録曲の中でも当時人気曲になったみたいですけど、それも頷けます。

South 横濱 CrewとCOLOによるM-9「Change my life」はM-8「Life Style Luxury」の楽し気な雰囲気から一転、ダークな雰囲気。
リリックの内容は如何にもギャングスタという感じで全体的にUSのギャングスタラップ直輸入。
何よりもHookを担当している歌の人の声がいいですね。不穏な雰囲気を後押しするようなゾクゾクするような歌。
こんな雰囲気を出せるシンガーなんて中々いないと思いますよ。South 横濱 Crewは何枚かアナログをリリースして活動を終えた模様・・残念。


M-10「Jungle」はこの頃には音源をリリースしていたDESTINO。
この人のラップはとにかくリリックが熱い。滑舌もいいのでそのリリックが詞カードを見なくてもスッと耳に入ってくるのが強み。
動物の鳴き声がふんだんに取り込まれたトラックですが、それに全く負けないラップを提供するDESTINOの力量は流石。

M-11「G-Area Thung」はG-PRIDE。結構長く活動していたグループでDS455の1stアルバムにもスキットで参加していましたね。
如何にも西海岸という感じのネタ感が強いトラックです。

M-12「take al look around」はNORAのメンバーであるNEECH。何気にソロ曲を最初に発表したのはGIPPERと同時期だったんですね。
流れるようなトラックの上でのNEECHの独特なラップという構図が面白いですね。首を振りたくなること請け合い。


M-13「Summer High」はGHETTO INC.の初音源。
クレジットこそされてないもののBIG RONとSAYがシンガーとして参加しています。
BIG RONの曲である「SUMMER HIGH feat. RICHEE, GIPPER」の原曲となる曲です。
結構重要な立ち位置な曲なんですけど、何気に本作でしか聴けないんですよね。
流石に「SUMMER HIGH feat. RICHEE, GIPPER」と比べると落ちますが、これはこれでアリですね。
One-2の一本調子なラップとリリックが好きになれないんですが、RICHEEとPSYCHOのラップは聴かせます。

M-14「One more Time」はEXTRIDEの初音源。
EXTRIDEのラップはとにかく癖がないんですが、この曲ではそれは裏目に出た感あり。
トラックに負けていてあまりEXTRIDEのラップが耳に入ってきません。

DJ TOHMAの収録曲をミックスしたアウトロを経て本作は終了です。


とにかく日本の西海岸系サウンドがぎっしり詰まっている1枚です。
こういうコンピにありがちなことですが、やはり収録曲は良し悪しあり。
このコンピ以外で名前をきいたことがないラッパーはやはりあまり印象に残らなかったです。
DESTINOやGIPPERなどはやはりこの頃から飛びぬけていたので、息が長いのもやっぱりなあという感じですよね。

そして本作の一番の特徴は本作でしか聴けない楽曲が割と多いことです。
M-5「Gasoline Musick」やM-10「Jungle」なんて本当にカッコいい曲なんですけど、再録はMIX CDだけでフルで聴けるのは本作だけなんですよね。
これらの楽曲をフルで聴けるだけでも価値はあると思います。

トータルアルバムとしてはそこまで強くおススメするわけではないですが、何曲かの名曲を手に入れる意味で入手してほしいかも。


↓M-11「G-Area Thung」。
www.youtube.com