りくぼーの音楽感想倉庫

音楽CDの感想を綴っていきます

1 ~One~ / LGYankees & GIPPER

1-One-


曲目リスト


1. KO.A.KU.MA feat. NOA
2. Summer Time Memory feat. clef
3. Into The Light feat. SHANA
4. GO AHEAD
5. Duty Of Success


評価: ★★★★★★★★★☆


LGYankeesとGIPPERがコラボしたLGYankees & GIPPER名義でのミニアルバム。
2008年6月6日発売。


2007年にメンバーのHIROがNO DOUBT TRACKSを立ち上げ、2008年にはメジャーデビュー作の「Dear Mama feat. 小田和正」で一気に知名度を上げたLGYankees。
そんな彼らがメジャーデビューから間髪入れずに発表したのがメジャーデビュー前から交流のあったGIPPERとのコラボアルバムである本作です。


M-1KO.A.KU.MA feat. NOA」はかなりの話題曲になり、セールス的には日本の西海岸系のCDの中でも好調だった作品でした。
しかしGIPPERはこのアルバムを制作した際のLGYankees側からの待遇にかなり不満があったようで、2008年に本作の後にリリースされたS.T.Mの1stアルバムの楽曲でLGYankeesに対するDISを発表。
その後もTwitterで「人間的にムカついたからDISった」と話しており、一切彼らとのかかわりを断ちました。
本作も完全に黒歴史扱いで、2009年にリリースされたMIXアルバムなどでも一切本作の楽曲は収録されていません。
LGYの1stアルバムでのコラボ曲も収録されていなかったので、もうGIPPERの中でLGYankeesは存在していないのでしょう。


元LGYankeesのRYOが復活したときにBIG RONやKayzabroとは和解しましたが、GIPPERとはどうなったんでしょうね?
LGYankeesもGIPPERも今ではシーンにいるかどうかすらわからないですが・・・。


さて、内容に。


上にも書いたように曰く付きとなってしまった本作。
LGYankeesとGIPPERの関係が壊れたきっかけになったことでそっち方面ばかりの話題に持っていかれがちな作品で、本作自体の評価はおざなりにされている印象があります。
しかしここでは内容をしっかり評価させていただきます。


LGYankeesのどっしりとしたHIROのラップ、ガラガラ声のRYOのラップと舐めまわすようなGIPPERのラップの相性は極めてよく、LGYankeesがコラボの相手として選んだのも頷けるんですよね。

M-1KO.A.KU.MA feat. NOA」は上にも書いたように本作一の人気曲。
クールでスタイリッシュなトラックの上での3人のラップは聴きごたえがあり、客演のNOAの艶やかな歌声が華を添えます。
4人ともトラックにこの上ないハマり具合で、このメンバーだからこそ作れた曲ですね。

M-2「Summer Time Memory feat. clef」は同じくシンガーグループであるclefが客演として参加。
聴いているだけで楽しくなるようなトラックで、序盤の4組のマイクリレーの楽しさもさることながら、最後のclefの歌とその上に挿入されるGIPPERのラップの相性の良さが印象的。
続くM-3「Into The Light feat. SHANA」はパーティーチューンで、ノリのいいトラックの上での3人のラップが絶好調。
SHANAの歌のHookもいいアクセントになっていて、聴いていて首を振りたくなること必至。


後の2曲はコラボなしの楽曲で、M-4「GO AHEAD」は応援ソングで、FUEKISS!!によるしっとりとしたトラックの上での前向きな3人のラップが聴きごたえあり。
M-5「Duty Of Success」はビッグマウスものでいかにもHIP HOPらしいトピックを持ってきました。
何よりもGIPPERの圧倒的なスキルが冴え渡っている曲で、HIROとRYOがそれに援護する形です。
最後のGIPPERのラップはその後を知っているとちょっと切なくなりますが・・。


上にも書いた通り日本語ラップ界では触れてはいけないみたいな扱いをされている本作ですが、そういったことで切り捨てるのは余りにももったいない良曲揃いの作品なんですよね。
5曲中3曲は歌が入ってるので聴きやすいですし、トピックも5曲すべて違って豊富。
なので一度は聴いてみてほしいですね。


M-1KO.A.KU.MA feat. NOA」のPV。
www.youtube.com