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あなたの笑顔は世界で一番美しい / 若旦那

あなたの笑顔は世界で一番美しい(DVD付)


曲目リスト


1. 青空
2. 守るべきもの
3. 伝えたい事がこんなあるのに feat. JAY'ED
4. TASUKI
5. LALALA with 加藤ミリヤ
6. 愛してる
7. 信じろ
8. Toy box (Producer's Hip-Hop Version)
9. 月の光が俺たちを照らして
10. 気合いだ feat. RED RICE
11. 何かひとつ (Producer's Acoustic Version)
12. 雨やどり
13. いのち~桜の記憶~


評価: ★★★★★★★☆☆☆


東京都世田谷市出身のシンガー、若旦那(2018年以降は本名の新羅慎二で活動中)の1stアルバム。
2011年11月2日発売。


若旦那は東京都世田谷市出身で、若い時は不良としての道を歩んだのちに美大に合格するも中退。
司法試験を受けるも失敗して引きこもる時期もあったなど波乱な人生を歩んでいました。
そして自分探しの旅の為湘南に出向き、かつて中学校時代の同級生であったSHOCK EYEと再会。
その時にはもう音楽活動を始めていたSHOCKと共にREGGAEクルーのINFINITY 16に加入し、音楽家への道を歩み始めます。
INFINITY 16での活動を経てSHOCKと共に脱退後、RED RICEHAN-KUNGOKIとREGGAEグループの湘南乃風を結成。
2006年に湘南乃風の「純恋歌」が大ヒットしたことで、若旦那の名前も一気に認知度がアップ。
2007年にはシンガーのMINMIとの結婚を発表するなど、湘南乃風のメンバーの中でも常に話題に事欠きませんでしたね。


2010年にエイベックスに新レーベルのTank Top Recordsを設立し、2011年に自身も配信シングルをリリースしてソロ活動を開始。
2011年にはCDでのシングルも2枚リリースし、11月に1stアルバムである本作をリリースしました。


さて、内容に。


若旦那の特徴はとにかく熱い歌い方。分かりやすいだみ声の持ち主なのでそれが熱さに拍車をかけています。
歌が下手だとか言われることもありますけど、それは若旦那の声質的にあまり的を得ていない批判だと思います。
分かりやすく好みは分かれると思いますけど、個人的に1つのスタイルとして十分にありかと。


M-1青空」は2ndシングルの2曲目の楽曲。
優しい雰囲気のトラックの上での熱いメッセージソングで、本作のアルバム名の元になっている曲です。
ぶっちゃけこの楽曲を聴いた時点で「無理だな」と思った方はその時点で停止ボタンを押していいと思います。
その後もこんな感じの楽曲が続くので、逆に「いいかも」と思った方は是非そのまま聴き進めてください。

M-2「守るべきもの」も1stシングル曲でこれまた同じような路線。
基本的にはしっとりしたいますがHookでは疾走感のある雰囲気に変わるトラックが面白く、その上での若旦那の歌も聴きごたえ抜群。


M-3「伝えたい事がこんなあるのに feat. JAY'ED」はINFINITY 16によるシングル曲の再録。
バースで披露される若旦那の熱い歌とhookで披露されるJAY'EDの爽やかな歌声が割と好相性。
終盤での2人での掛け合いは特に聴きどころ。

M-4「TASUKI」は2ndシングルの1曲目。
ギターの優しい雰囲気のトラックながらも結構ドラムの音がズシンと来ていてFOLKとHIP HOPが融合したようなトラック。
リリックの内容はよくあるラブソングですが、若旦那の言葉選びが上手くて最後まで聴いていたくなること請け合い。


M-5「LALALA with 加藤ミリヤ」は加藤ミリヤの11thシングル曲で、若旦那が初のプロデュースを務めた曲。
加藤ミリヤが当時(2007年)飼っていた犬の「LALA」についての楽曲で、ミリヤが飼い主、若旦那が犬の気持ちを歌っているという内容。
ミリヤの艶がある歌声と若旦那のラップがこれまた好相性です。


M-6「愛してる」は「伝えたい事がこんなあるのに feat. JAY'ED」と同じくINFINITY 16によるシングル曲の再録。
曲名から予想できるようにド直球な恋愛ソングで、本作の中でも特にリリックがどストレート。
Amazonだと酷評レビューが(主に詞について)並んでいますが、トラックにはこの上なくあっているとは感じますね。

M-7「信じろ」はやっとここまできて本作での新曲。
トラックの雰囲気的にはM-4「TASUKI」に似ており、聴いている人を励ます応援ソング。
この曲は本作でも若旦那のストレートな言葉選びがこの上なく生きていて、歌い方も優しめに歌っているためスッと入ってきます。
メッセージソングの中でも珠玉の出来です。


M-8「Toy box (Producer's Hip-Hop Version)」はJAY'ED×若旦那名義でリリースしたコラボシングルの表題曲、「Toy Box」のセルフカバー。
原曲ではHookはJAY'EDが歌っていましたが、セルフカバーということで最初から最後まで若旦那1人で担当。
原曲と比べると荒削りではあるものの、優しさがあふれるリリックが若旦那の熱い歌い方とよく合います。


M-9「月の光が俺たちを照らして」は新曲で、失恋してしまった経験から前向きに生きていこうとする男性の気持ちを歌った曲で、湘南乃風の楽曲である「恋時雨」の若旦那版とでもいうべき楽曲。
説得力を感じる若旦那の歌声と疾走感のあるトラックが聴きごたえあり。

M-10「気合いだ feat. RED RICE」は2007年にリリースされたINFINITY 16のコンピレーションに収録された曲で、本作の中で唯一激しいダンスチューン。
3分もない曲ですが2人の熱い掛け合いはかなり聴きごたえがあり、アルバムとしてもいいアクセントになっています。


M-11「何かひとつ (Producer's Acoustic Version)」はJAMOSAにプロデュースした曲、「何かひとつ」のセルフカバー。
ピアノの旋律の綺麗さが印象的なトラックですが、その上での若旦那の熱い言葉選びが聴かせます。


M-12「雨やどり」はさだまさしの同名曲のカバー。
かなり原曲に対して忠実に歌っており、若旦那のこの曲に対する思い入れが伝わります。
若旦那自身も言っていましたが、さだまさしの描写力って本当にすごいなと実感しますね。

M-13「いのち~桜の記憶~」は配信シングルとして若旦那名義としては最初にリリースされた楽曲で、両親に対する感謝ソング。
両親に対して「あんた達」って言う言葉を使っているのが素直になり切れてない感じでちょっとチャーミングに映ります。


若旦那自身も「1stアルバムだけど今までの集大成って言う意味でベストアルバム」とインタビューで語っていたように、全13曲ですが新曲は2曲、カバー曲1曲、セルフカバー2曲、既発曲8曲という内容。
それまで若旦那の音源を欠かさずチェックしていたファンの中ではちょっと物足りなさを感じた方もいたかもしれませんね。
ただそれだけに若旦那の曲に初めて触れる人には入門編としていい内容になっているのも事実。1stアルバムとしてはこれでよかったのでは。


若旦那は上にも書いたようにストレートな言葉選びが多く、声もだみ声なので湘南乃風のメンバーの中でもかなり好みが分かれるんですよね。
僕自身は若旦那の声や歌い方は好きなのもあって最後までしっかり聴けますけど、若旦那のスタイルがダメな人は本当に最初の数曲でギブアップしてしまうと思います。
若旦那のポテンシャルが発揮された良作ではありますが、そういった好みがはっきり分かれるであろう部分を考えると★はこの数で。
とりあえずYoutubeにUPされているPVでご試聴を。


M-1青空」のPV。
www.youtube.com