りくぼーの音楽感想倉庫

音楽CDの感想を綴っていきます

My Crew, My Dawgs / T.O.K.

マイ・クルー・マイ・ドッグス


曲目リスト


1. Prophecy (Intro)
2. Man Ah Bad Man feat. Bounty Killer
3. Chi-Chi Man
4. Gimmi da Muzik feat. Shabba Ranks
5. The Way You Do the Things You Do (Accapella Interlude)
6. Money 2 Burn
7. Mona Lisa (2002 Stylee)
8. All Day
9. Ghetto Youths Anthem (Interlude)
10. Keep It Blazin'
11. Eagles Cry
12. Gun Shy
13. You Ah Murder
14. On the Radio
15. Watch and Protect (Interlude)
16. I Believe
17. Shake Yuh Bam Bam
18. Saturday
19. Alone
20. Bad Man Anthem
21. Girlz Girlz
22. Secret Track


評価: ★★★★★★★★☆☆


ジャマイカキングストンで結成されたグループ、T.O.K.の1stアルバム。
2001年10月30日発売。


T.O.K.は、ジャマイカキングストンで1992年に結成されたグループで、同じ高校に通っていたCRAIGY T.、BAY-C、FLEXX、ALEXの4人で結成。
当初はBoyz II MenのようなR&Bグループを目指しており、その頃はTouch Of Classというグループ名で活動していました。
しかしやがて自分たちのルーツであるREGGAEの要素を取り入れるようになり、グループ名もT.O.K.に改名。
2001年に「Chi-Chi Man」が世界的に大ヒット。この曲は同性愛者を痛烈に批判する内容のもので政治的に利用されたり放送禁止を食らうなどバッシングを食らったことも多かった模様。
しかしそんな中でもT.O.K.は続々とヒット曲を量産し、1stアルバムである本作をリリース。
今回紹介する国内版は2002年にリリースされています。
ちなみに国内版には対訳ついてません。国内版限定のボーナストラック2曲と解説のみついてます。


では、内容に。


本作に印象としてはサウンド的には思い切りREGGAEという感じなんですけど、随所に歌を入れたりしているので聴きやすさも同居したような印象を受けますね。


グループ名を連呼するイントロを経てのM-2「Man Ah Bad Man feat. Bounty Killer」はBounty Killerが参加。初っ端から大物を呼んできましたね。
一番最初にBounty Killerが貫禄のある捌きでガッツリ引き込み、その後はCRAIGY T.とBAY-Cのせわしないラップを聴かせるという構成。

M-3「Chi-Chi Man」は上にも書いたようにT.O.K.の曲の中でも一際有名と言える楽曲。
Hookの陽気な歌がとてもキャッチ―で、そのHookを挟みながらのラップが全員個性を発揮したいい仕事ぶり。
ヒットしたのも頷けますね。最も内容が内容なのでGeniusとかにも歌詞が載ってないんですが。

M-4「Gimmi da Muzik feat. Shabba Ranks」はShabba Ranksが参加。
癖になるような音使いのトラックの上でのマイクリレーで、Hookでは首を振りたくなってしまうこと請け合い。
随所に挟まれる歌もいいアクセント。
M-5「The Way You Do the Things You Do (Accapella Interlude)」は手拍子のトラックの上で歌を乗せるスキットで、50秒ほどしかないんですが楽しく聴けます。
続くM-6「Money 2 Burn」はグイグイ来るようなトラックの上でのダンスチューンで、それぞれのバースの聴きごたえもさることながらHookでのねっとりとしたラップと爽やかな歌との混ざり具合が他にない感じです。


M-7「Mona Lisa (2002 Stylee)」はドラムが強めのトラックで、シンプルなワンループトラックなんですが、それだけにそれぞれの声が堪能しやすいというもの。
4人の声が本当に相性がいいことを再確認できますね。Hookの歌のアクセントっぷりも相変わらず。

M-8「All Day」は歌がなく、Hookでもラップで押し切った楽曲。その為本作の中でも大分ハードより。
Hookでの粗ぶり方がすごく、一回聴いたら耳に残りますね。

子どもが歌うスキットを挟んでのM-10「Keep It Blazin'」はHookが民族的で如何にも南国という雰囲気。

M-11「Eagles Cry」はコーラスがT.O.K.メンバーによる合唱で、こういうのを聴くとやはり元々はR&Bグループだったんだなと実感します。
勿論ラップはタイトなんですけどね。
M-12「Gun Shy」は臨場感のあるトラックで、本作の中でも勢いは随一かも。
バシバシとラップを乗せていくメンバーたちの力量は確かなものと実感。

M-13「You Ah Murder」はもう曲名とHookからして明らかに物騒なことを言ってるなと分かります。
隙間なく最初から最後まで言葉が詰め込まれてるので聴きごたえは凄いですけど。

M-14「On The Radio」はトラックが比較的スタイリッシュでお洒落。
ここまでとはちょっと雰囲気が違いますが、どのメンバーもしっかり馴染んでます。
Hookでの高速な歌も相性抜群。


20秒ほどのアカペラ歌を挟んだM-16「I Believe」はゆったりとしたトラックで、最初から最後まで爽やかな歌で展開されます。
トラックは硬派なんですけどその上に乗る歌はとてもキャッチ―。曲としても珠玉の出来。

M-17「Shake Yuh Bam Bam」は再びダンスチューンに戻り、CRAIGY T.が主導の曲の模様。
Hookはバシバシとラップを乗せてるんですが、随所でのねっとりとしたコーラスもいい味。

M-18「Saturday」はガンガンなダンスチューンですが、Hookは女性の歌。
T.O.K.がひたすらラップを乗せる横でHookで歌い上げるのがハマってます。
最後に歌とラップを一緒にやった後にT.O.K.もコーラスに回るところなんてかなり作り込んでますね。

M-19「Alone」はゆったりとしたトラックで最初から最後まで歌というのはM-16「I Believe」と同じなんですが、雰囲気が全く違います。
かなりおどろおどろしい雰囲気で怖ささえあるんですよね。


ここからは国内版限定のボーナストラック。
M-20「Bad Man Anthem」は再びダンスチューン。
キャッチ―な歌を挟みながらのマイクパスはやはりこのグループのチームワークの良さを感じられますね。
随所でのコールも聴いていて楽しくなります。

M-21「Girlz Girlz」はこれまた民族的なダンスチューン。
ここまでくるとどんな乗せ方をするか予想できなくもないですが、とりあえず安定した仕事です。


最後を〆るのはM-22のシークレットトラック。本人たちの意向で曲名は出してません。
M-19「Alone」のようなおどろおどろしい雰囲気で、歌だけでなくラップも乗っているんですが乗せ方も結構怖いんですよね。
最後に結構後味が悪いのを持ってきたなと思いますが、だからこそシークレットトラック扱いなんでしょうね。


国内版では22曲も入っているんですが、とにかくボリュームたっぷり。にもかかわらず上にも書いたように曲中で随所で歌を挟んでいる曲も多めで、歌だけの楽曲もあればラップだけの楽曲もありと通して聴いていて飽きないんですよね。
R&BとREGGAEの要素を上手く取り混ぜた彼らの音楽は本当に一聴の価値ありです。

最も国内版にも対訳も歌詞もついてない上、ネットのGeniusにもリリックが乗っている曲が半分くらいしかないため、言葉の意味を理解するのにはかなり骨が折れそうです。


↓M-16「I Believe」。
www.youtube.com