tower.jp
↑Amazonの画像が何故か使えないのでタワレコのリンクを貼ります
曲目リスト
1. Intro / DMX
2. It's My Turn (Fight!!!) / DABO
3. Party Up (Up In Here) / DMX
4. Yeah Yeah U Know It / Keith Murray feat. Def Squad
5. Stompdash Toutu / C-N-N feat. M.O.P.
6. Nothin' / N.O.R.E.
7. The Streets / WC feat. Snoop Dogg, Nate Dogg
8. Do Sumptin / Comp
9. Saturday (Oooh! Oooh!) / Ludacris feat. Sleepy Brown
10. In Cold Blood / Scarface
11. Get Away / Christina Millian feat. Ja Rule
12. Uh Huh! / Method Man
13. Oh My Goodness / Keith Murray
14. Smash Sumthin' / Redman feat. Adam F
15. Stick Em / Comp
16. Focus / Joe Budden
17. Bring The Pain / Method Man
18. Throw Ya Gunz / ONYX
19. Fight The Power / Public Enemy
20. X Gon' Give It To Ya / DMX
21. Kross Ova' 斬 / S-Word
22. Outro /
評価: ★★★★★★★★☆☆
格闘ゲーム「Def Jam Vendetta」のサウンドトラック。
2003年9月13日発売。
「Def Jam Vendetta」は2003年4月にリリースされたゲームで、プロレスとHIP HOPを組み合わせたような格闘ゲーム。
伝説のHIP HOPレーベルであるDef Jamに当時所属していた実在のラッパーやDJが登場するゲームで、日本でリリースされた国内版ではDef Jam Japanに所属していたDABOとS-Wordの2人の日本人ラッパーが参加したことで話題になりました。
2003年はまだNITROの勢いが凄かったことを象徴する出来事ですね。
そして本作はそのゲーム内でBGMとして流される楽曲をコンパイルしたサントラというわけです。
本作に参加しているラッパーやシンガーは全員ゲームにも参加しています。
では、内容に。
ゲーム自体はプレイしていないので純粋なコンピレーションアルバムとして感想を書かせていただきます。
まずM-1のイントロはDMXが担当。
鐘の音から始まるダークなトラックはまさに危ない世界の始まりという雰囲気。
その上に乗るDMXのガラガラ声のラップはスリルがあって、背筋がヒヤッとします。
耳をガシッと掴んでくるような構成で、入りだしとしては正解です。
続くM-2「It's My Turn (Fight!!!)」は日本からDABO。
ゲームのサントラの為に作られただけあって内容はファイトもの。
攻撃的な上のトラックの上でDABOがいつもながらのスムーズなラップで乗りこなしています。
内容が内容だけあってビッグマウスな言い回しも目立ちますが、そのビッグマウスに全く負けないラップの上手さを誇っているのでむしろカッコよく聴こえますね。
ここからはずっと洋楽ゾーンです。
M-3「Party Up (Up In Here)」はDMX。
随所でホイッスル音が入れられた楽し気なトラックはまさにパーティという雰囲気。
その上に隙間なく乗るDMXのラップも文句なしで、気分が高揚するのは間違いなし。
M-4「Yeah Yeah U Know It」はKeith MurrayとDef Squad。
様々な音を使っていますがそれを混ぜ合わせるのではなくそれぞれでコロコロ雰囲気を変えて音を引き立たせるトラックは聴いていて飽きませんね。
ラップを乗せるのは難しそうなトラックなんですけど、見事に健闘してみせるMurrayの力量も流石。
M-5「Stompdash Toutu」はC-N-NとM.O.P.。
トラックはシンプルなんですけどとにかくラッパー陣の勢いが凄まじく、アカペラで聴いてもぶっ飛ばされそうな迫力。
ここまでラップで魅せている楽曲も珍しいのでは。
M-6「
中近東風な妖しげなトラックで、N.O.R.Eの様々な乗りこなしも聴いていて楽しいです。
途中のコーラスもいいアクセント。
M-7「The Streets」はWCにSnoop Dogg、Nate Dogg。
聴いただけで西海岸系と分かるサンプリングメインのピーヒャラトラックの上で、無論HookはNate Doggが担当。
歯切れのいいWCのラップとSnoop Doggの舐めまわすようなラップ、そしてNate Doggの優し気な歌声。
悪いはずがありませんね。最初から最後まで身体を揺らしたくなること必至。
M-8「Do Sumptin」はComp。
グイグイと迫ってくるようなトラックでインパクトは強く、Compもそんなトラックに負けないラップを乗せています。
Hookでのピーヒャラ音も危険な雰囲気を後押ししていてかなりいい働き。
M-9「Saturday (Oooh! Oooh!)」はLudacrisとSleepy Brown。
Hookで挟まれる「Oooh!」というコーラスはかなり耳に残りますね。
バースではあくまでガンガンラップを乗せていますが、Hookは色々な展開を見せていて面白い作り。
M-10「In Cold Blood」はScarface。
少しレイドバックした雰囲気でここまでの収録曲とは異色。
最もScarfaceのラップは如何にも硬派な感じで詰め込まれているので全くやわな印象はありません。
M-11「Get Away」はChristina MillianとJa Rule。
こちらはお洒落なバーとかでかかっていても違和感がないようなお洒落な雰囲気。
Ja Ruleのだみ声は本当にこういうトラックと相性がいいんですよね。
Millianのしっとりとした歌声との相性の良さも言うまでもなく。
M-12「Uh Huh!」はMethod Man。
とにかくHookと随所の合唱がインパクトが強く、もう1回聴いただけでその印象が残りますね。
少し力技な気もしますが、こういう手段を使ってこそミュージシャンとしての貪欲さも伝わるというもの。
M-13「Oh My Goodness」はKeith Murray。
リズムが腰にズシンと来る感じで如何にもなパーティチューンです。
Murrayのがっつくようなラップとの相性も良く、首を振りたくなりますね。
M-14「Smash Sumthin'」はRedmanとAdam F。
イントロからとんでもなく大げさなトラックで、まるで映画のクライマックスシーンですね。
壮大な雰囲気の楽曲なのかとイントロの時点で思いますが、聴き進めると相変わらずのガンガンなラップチューン。
しかし途中途中でも大げさな音使いでぐいぐい引っ張って来るので、臨場感はかなりあります。
M-15「Stick Em」はComp。
せわしないトラックで常人ならこんなトラックなら舌がもつれそうですが、難なく乗せているのは流石の力量。
随所での音使いも中々面白いです。
M-16「Focus」はJoe Budden。
シャカシャカした音使いがインパクトが強いトラックで、その上に乗るどっしりとしたJoeのラップも貫禄があるさばき。
M-17「Bring The Pain」はMethod Man。
トラックはシンプルなサンプリングトラックですが、その上のMethod Manのラップが隙間なく詰まっていて聴きごたえは凄いですね。
M-18「Throw Ya Gunz」はONYX。
これまたトラックはシンプルなんですけど、とにかくラッパー陣が全員声を張り上げており、そのラップのインパクトで押し切ってる感じです。
ノリはすごくいいので、爽快感はかなりのものです。
M-19「Fight The Power」はPublic Enemy。
元ネタを生かした迫力のあるトラックで、このインストだけでぶちあがりそうですね。
その上のラップの迫力もさることながらHookでのスクラッチもバシッと決まってます。
M-20「X Gon' Give It To Ya」はDMX。
DMXの荒い声のスタイルを存分に生かしたガンガンチューンで、まさにDMXだからこそ作れた曲ですね。
曲名を連呼するHookは本当に耳にこびりつきます。
洋楽はここで終わりです。
M-21「Kross Ova' 斬」は日本からS-Word。
剣の音から始まるイントロからして掴みはガッチリで、とにかく流れるようなトラックの印象が強いです。
随所の女性のコーラスもいい仕事。S-Wordのラップは悪くはないんですけど本作の他のラッパーに比べるとパンチは弱め。
ゲームでおなじみの言葉を言うだけのアウトロでアルバムは終わります。
格闘ゲームのサントラということもあって気分が高揚するような楽曲ばかり詰め込んでいるのかなと思っていたのですが、実際に聴いてみるとそうでもありませんでした。
確かに気分が高揚するような楽曲がメインではあるのですが、それだけではなくお洒落な雰囲気の楽曲やクールな雰囲気の楽曲もありとバラエティに富んでいます。
どの曲も聴きごたえのある楽曲が揃っており、純粋なコンピとしても十分に聴ける内容です。
個人的には最後の2曲がちょっと惜しかったのでM-20「X Gon' Give It To Ya」で終わってたら★は一つ上げてました。
しかし聴いていて楽しいアルバムなのは事実。
見かけたらチェックしてみては?ちなみに収録時間が80分を超えているためCD-Rとかに焼けないのでご注意ください。
↓M-2「It's My Turn (Fight!!!)」のPV。
www.youtube.com
↓M-3「Party Up (Up In Here)」のPV。
www.youtube.com