りくぼーの音楽感想倉庫

音楽CDの感想を綴っていきます

NO PAIN NO GAIN / DJ PMX

NO PAIN NO GAIN feat.ZEEBRA.MACCHO


曲目リスト


1. NO PAIN NO GAIN feat. MACCHO, ZEEBRA
2. LOCO CRUSIN' feat. MACCHO
3. 本物はグッと来るらしい feat. Q
4. NO PAIN NO GAIN - Instrumental


評価: ★★★★★★★★☆☆


宮崎県出身のDJ、DJ PMXの1stシングル。
2002年12月4日発売。


DJ PMXは宮崎県出身のDJで、80年代にMAZZ+PMXというユニットを結成してDJとしてのキャリアをスタート。
1990年にイベントに参加したことで様々なラッパーと交流を持ち、ユニット名義でアナログEPをリリース。
それ以降はECDRHYMESTERBUDDHA BRANDの作品にも関わるなど多くのラッパーの作品に参加したものの、表舞台には中々立てない時期が続きました。
KayzabroやMACCHO、Shalla等と結成したDS455も何曲かコンピに参加したくらいで目立った活動はなく、伝説イベントであるさんぴんCAMPはKayzabroやMACCHOと傘を差しながら雨の中客席から見ていて、非常に悔しい思いをしたとのこと。
そんな彼らに一筋の光が差したのは2000年で、DS455の1stアルバムをインディーズからリリースしたことで全国からライブ等のオファーが殺到。
2002年には鳴り物入りでメジャーデビューを果たし、日本の西海岸系サウンドの代表的グループになったことでそのトラックを全て手掛けるPMXが日本の西海岸サウンドのパイオニアとなったわけです。
同年にDJ PMXとしての1stシングルである本作をリリース。リリース元はFUTURE SHOCKから。


では、内容に。


DJ PMXは外部仕事の楽曲を聴いてもらえると分かるように、結構幅広いトラックを作れるトラックメイカーなんですよね。
しかし自身名義の楽曲や自身が全てトラックメイクを務めるDS455の楽曲ではとにかく西海岸ノリなトラックにこだわってます。
自身名義ではデビューシングルである本作の特徴もまさにそれで、元ネタを存分に生かした西海岸ノリのトラックが全編に貫かれています。


M-1NO PAIN NO GAIN feat. MACCHO, ZEEBRA」はクールなギターで始まるイントロ→MACCHOのラップという構成からガッチリ掴まれるはず。
爽やかなトラックの上でのMACCHOとZEEBRAの貫禄あるラップ捌きはこの2人にしか出せない雰囲気が出ています。
2人が掛け合いを見せるHookなんて問答無用でカッコいいですし、途中での女性のコーラスもいいアクセント。

M-2「LOCO CRUSIN' feat. MACCHO」はMACCHOの1人舞台で、爽やかながらも低音の利いたトラックは聴いていて首を振りたくなること必至。
その上に乗るMACCHOのラップも文句なしの仕事ぶりで、最初から最後まで飽きさせないラップで華を添えています。
夜の街のドライブなんかで流せば最高でしょうね。


M-3「本物はグッと来るらしい feat. Q」はラッパ我リヤからQが参加。
爽やかながらもグイグイ来るような雰囲気のトラックとQの男臭いラップは抜群の相性で、これまた最後まで豊富な引き出しで楽しませてくれます。
Hookでの女性コーラスとの絡みも絶品でQの魅力を存分に堪能できます。

最後を〆るのは「NO PAIN NO GAIN feat. MACCHO, ZEEBRA」のインスト。
ラップ入りだと爽やかなトラック+貫禄のあるラップという構成が楽しめるわけですが、このインストではとにかく爽やかさのみを堪能できます。
最後の〆としてかなりいい終わり方です。


4曲というコンパクトなシングルですが、ガッツリした期待に見事応えたラップを乗せるZEEBRAとMACCHOとQ、爽やかながらも聴きごたえのあるトラックを提供したPMX、曲中でラッパーたちと絶妙な絡みを見せる女性コーラスと、全員が文句なしの仕事ぶり。
M-1NO PAIN NO GAIN feat. MACCHO, ZEEBRA」はZEEBRAのベストアルバム、M-3「本物はグッと来るらしい feat. Q」はPMXのベストアルバムに収録されていますが、後の2曲は本作でしか聴けません。
全体の流れもいいので是非シングルとして本作も聴いてほしいです。
見かけたらどうぞ。


M-1NO PAIN NO GAIN feat. MACCHO, ZEEBRA」のPV。
www.youtube.com

STEP II / V.A.

STEP(2)


曲目リスト


1. Never Leave You (Uh Oooh. Uh Oooh) / Lumidee
2. Rock Wit U (Awww Baby) / Ashanti
3. Amazin' / LL Cool J. intoroducting Kandice Love
4. All Night Long / Brian Mcknight feat. Nelly
5. 03'Bonnie & Clyde / Jay-Z feat. Beyonce Knowls
6. I Should Be / Dru Hill
7. My Love Is Like... Wo / Mya
8. Sick Of Being Lonely / Field Mob
9. Down 4 U / Irv Gotti feat. Ja Rule, Ashanti, Vito, Chorie Boltimore
10. Ice Cream / JS
11. Jade's The Champ / Ms Jade
12. X Gon` Give It To Ya / DMX
13. Got It All / EVE feat. Jadakiss
14. California Remix / Akia feat. K'ream
15. Alright / Allen Anthony
16. It's All Real / Pitch Black
17. The Seed (2.0) / The Roots feat. Cody ChesnuTT
18. Wonderful / India.Arie


評価: ★★★★★★★★☆☆


ユニバーサルからリリースされたHIP HOPやR&Bのヒット曲を集めたコンピレーションアルバム。
2004年2月25日発売。


「STEP」はユニバーサルミュージックが2002年12月から始めた企画コンピで、ヒットしたHIP HOPやR&Bの楽曲を集めたコンピレーションアルバムです。
本作はその第2弾で、1年3ヵ月のインターバルを経てリリースされました。
最も本作以降は「STEP III」なんてものはリリースされていないので、本作で終了した模様。
「What's Up」シリーズと内容が被っちゃうからでしょうか。


さて、内容に。


主に2003年にヒットしたHIP HOPやR&Bを集めた本作。
ヒットした曲を収録しているだけあって癖のない曲が多めです。


LumideeによるM-1Never Leave You (Uh Oooh. Uh Oooh)」でアルバムはスタート。
民族的なイントロから始まるトラックは耳に残る感じで、その上に乗るクールなLumideeの歌唱も相性はグッド。
対訳を見ると恋愛ソングで、軽くサラッと聴ける組み合わせ。スタートとしてはいいですね。

AshantiによるM-2「Rock Wit U (Awww Baby)」は爽やかなトラックで、まさに夏を象徴する楽曲と言えますね。
爽やかながらも硬派なトラックの上でのAshantiの涼し気な歌は対訳を見るとちょっとセクシャル。
余韻を残す感じのフェードアウトな終わり方も相まってもっと聴きたくなってしまいます。


LL Cool J.とKandice LoveによるM-3「Amazin'」はザラザラさとお洒落さを兼ね備えたような他にないトラック。
LL Cool J.のキザなラップとKendiceの色っぽい歌の相性はとてもよく、LL Cool J.の引き立ての上手さが光ってます。
ラップでは対訳を見ると割とギャングスタの匂いを感じるリリックもあるんですが、そこを嫌味なく聴かせられるのは流石はベテランです。

Brian McknightNellyによるM-4「All Night Long」はまたしてもシンガーとラッパーという構成。
8割がたBrianの甘い歌声が占めていますが、それだけに少しだけ挟まれるNellyのラップがいいアクセントになっています。
Nellyが歌うようなラップを操るだけあって決して浮いていないのも好印象。

Jay-ZBeyonceによるM-5「03'Bonnie & Clyde」はやっとここで歌よりもラップが主役という曲がやってきました。
Jay-Zのスムーズなラップが続く序盤~中盤、Beyonceの色っぽい歌声を堪能できる後半とどちらもきっちりした仕事ぶりで楽しめます。
Hookでの2人の絡みも聴き逃し厳禁。


Dru HillによるM-6「I Should Be」は如何にも恋愛ソングで、トラックはちょっと軽やかなバラード。
しかしその上に乗るDru Hillの歌声は中々強烈で胃にずしっときます。

MyaによるM-7「My Love Is Like... Wo」はまたしてもちょっと軽い雰囲気のセクシャルソング。
こちらは上に乗るMyaの歌もちょっと軽く、曲としては嫌味なく聴けます。
対訳を見ると本当にセクシャルなんですけどね。


Field MobによるM-8「Sick Of Being Lonely」はまったりとした雰囲気のラブソング。
Hookでの歌使いはセンスの良さが発揮されており、Field Mobの歌心もあるラップは強烈な個性がありながらも憎めなさがあって他にない感じです。

M-9「Down 4 U」はIrv Gottiによるヒット曲。
爽やかな歌Hookを交えながらJa Ruleを中心に展開されるマイクパスは聴きごたえは抜群。
無論定評があるAshantiJa Ruleの相性の良さもバッチリ発揮されていますよ。

JSによるM-10「Ice Cream」はお洒落で雨上がりの晴れ空を連想させるようなトラック。
その上にのるJSの可愛い歌唱も相性はバッチリで、Hookでの歌い方はとても耳に残りますね。
最後にR.Kellyもちょろっと顔を出します。

Ms JadeによるM-11「Jade's The Champ」は民族的な太鼓の音が印象的なトラック。
Hookでの独特な盛り上がりは唯一無二で、本作の中でも随一のインパクトがあるHookではないでしょうか。


DMXによるM-12「X Gon` Give It To Ya」はもう犬の声が入りまくりのイントロからしDMXと分かります。
勢いのあるトラックの上でのDMXはグイグイ来るラップの相性の良さは折り紙付き。
ここまでほとんど歌がメインの楽曲が続いたのでそのフラストレーションを解消するかのような流れに耳を惹かれること間違いなしです。

EVEとJadakissによるM-13「Got It All」はEVEの詰め込んだようなラップは硬派な雰囲気で、Jadakissの柔らかいラップとは対照的。
どちらもHookではいい絡みを見せてくれます。

AkiaとK'reamのM-14「California Remix」はシリアスな雰囲気と爽やかさを併せ持ったような独特なトラック。
Akiaの艶のある歌声はトラックに相性バッチリで、K'reamのラップも雰囲気によく合っています。

Allen AnthonyのM-15「Alright」は哀愁漂う雰囲気のバラードで、Hookでのバックボーカルとの絡みがいい味出してます。



Pitch BlackによるM-16「It's All Real」は初っ端からのスクラッチの嵐のイントロが掴みとしてはバッチリ。
硬派なトラックの上でのグループならではのマイクリレーは聴きごたえが十分で、スクラッチで構成されたHookもとんでもなくカッコいいです。

The RootsとCody ChesnuTTのM-17「The Seed (2.0)」は西部劇のような雰囲気のトラックの上でのBlackの隙間ないラップにぶっとばされますね。
途中でのCodyの渇いたような声の歌もいいアクセントになっていて最後まで楽しく聴かせてくれます。

最後を〆るのはIndia.ArieによるM-18「Wonderful」。
落ち着いた雰囲気のバラードで、その上にのるArieの歌は芯があって最後まで飽きさせない歌いまわし。
対訳を見るとHIP HOP系のコンピに入っているとは思えないお上品な内容。
〆として結構綺麗な感じにしてきましたね。


上にも書いたように2003年のHIP HOPやR&Bのヒット曲をコンパイルした本作。
全体としてはちょっと歌がメインの楽曲の方がちょっと多いかなという印象です。
その為全体的には非常に聴きやすく、これからこれらのジャンルに手を伸ばしてみようという方には最適かと。
ゴリゴリなHIP HOP好きには逆にそこが物足りなく感じるかもしれませんが、アルバム全体の流れもいいですしコンピアルバムとして十分な一枚だと感じます。

見かけたらチェックしてみては?


↓M-8「Sick Of Being Lonely」のPV。
www.youtube.com

YAPPARI LGYankees BEST? / LGYankees

YAPPARI LGYankees BEST?


曲目リスト


Disc 1

1. NO DOUBT SHIT ~2012~ feat. GIO, LGRookees Eddie K. ★
2. PARTY UP!! feat. 橋本真依, LGRookees Eddie K. ★
3. Photograph II feat. Noa ☆
4. Eternal feat. SO-TA ★
5. Last Summer Day -PARTII- feat. GIO, LGRookees T-Kay, KENNY ★
6. ウェディングロード feat. Noa
7. ボクでいいよね ~ 愛のうた feat. LGRookees KENNY  ★
8. 世界中でたった一人の大切な人へ
9. 春風 feat. Noa ★
10. Party Drinker feat. jyA-Me
11. KO.A.KU.MA feat. Noa, LGRookees ★
12. Go Ahead feat. SO-TA ★
13. 3年目の記念日 feat. Noa
14. マジありがとう feat. 吉見一星
15. Photograph feat. Noa, 吉見一星 ★
16. Because… ~あなたがいた~ feat. Noa


Disc 2


1. NO DOUBT SIX STAR feat. GIO, PURPLE REVEL
2. Baby Girl feat. 吉見一星
3. Bye for Now feat. GIO ★
4. Wonder Love feat. LGRookees ☆
5. Close to you feat. 舞花
6. Dear Mama feat. 小田和正
7. Once More Again ~もう一度、抱きしめて~ feat. May J.
8. Only Holy Story feat. Noa, LGRookees T-Kay ★
9. Love Sick feat. GIO, 橋本真依 ★
10. Playa Playa II feat. ユンジ, 橋本真依 ☆
11. Brothership feat. GIO, LGRookees ★
12. Good Luck Homies feat. GIO, LGRookees T-Kay ★
13. Always!! feat. さとう宗幸 ☆
14. 左手に咲いたリング feat. Noa
15. 男歌


評価: ★★★★★★★★★☆


宮城県仙台市を拠点に活動するラップグループ、LGYankeesのベストアルバム。
2013年11月27日発売。


LGYankeesの経歴は作品の感想を書くたびに書いては来たんですけど、ベストアルバムということで一旦一から書きます。


2006年に1stアルバムをリリースし、インディーズからのリリースだったのにも関わらず11万枚のセールスを記録させたLGY。
その後もメンバーのHIROが監修を務めたコンピレーションアルバムが好セールスを記録し、HIROがレーベルのNO DOUBT TRACKSを立ち上げ。
2008年にはシングル「Dear Mama feat. 小田和正」でメジャーデビュー。小田和正氏とラッパーのコラボということでかなりの話題となりました。
それ以降はリリースする曲がPOPS寄りの楽曲が多くなったことから、かつての仲良くしていたラッパーやトラックメイカー、支持していた日本語ラップファンからは毛嫌いされるように。
3rdアルバムリリース直後にMCのRYOが脱退するというトラブルも。
しかしながらセールス的にはLGYankeesとしての音源もNO DOUBT TRACKSに所属するミュージシャンも山猿やNoaを筆頭に好セールスを記録し続け一時代を築いたレーベルとなりましたね。2014年くらいから一気に失速しましたが・・むしろ今はレーベルとしてはどういう活動しているんでしょうか?(昨年にRYOが「KO.A.KU.MA」のカバーをするためにレーベルに連絡したと話していたので、レーベル自体は続いているようです)
そんな彼らがリリースしたベストアルバムが本作。
まだNO DOUBT TRACKSが勢いがあった時期だったこともあってセールスはよく、オリコンチャートでは20位以内に入りました。
本作をリリースした翌年にDJ No.2が脱退したため、DJ No.2が参加した最後のLGYankeesの作品になります。


では、内容に。


前述に書いたように2009年にMCのRYOが脱退したという経歴があるLGYankees。
またLGYankeesは同じNO DOUBT TRACKSに所属するミュージシャンとのコラボ曲が多いのも特徴。
2013年当時は山猿を筆頭に既にNO DOUBT TRACKSを離れたミュージシャンも多かったんですよね。
そのためそのような離れたミュージシャンが参加していた曲、RYOが参加していた曲は全て歌いなおしがされています。
曲目リストの★がついている曲はそのような歌いなおしがされた曲で、☆がついている曲は新曲です。

2枚組のベストでよくあるような曲調や年代でディスクを振り分けるという形式ではなく、どちらにも新曲や既発曲、パーティチューンやバラードなどをバランス良く配置する両方ともアルバム、という形式をとっています。


まずはDisc 1から。


M-1NO DOUBT SHIT ~2012~ feat. GIO, LGRookees Eddie K.」は原曲のITACHIのパートがLGRookeesのEddie Kのパートにリメイクされた歌いなおしバージョン。
勢いのあるマイクリレーは最初のスタートにはバッチリなのは原曲と変わらず。
Eddie Kのパートはリリックも書き換えられており、新鮮な感覚で聴けます。原曲もいいですがこちらもこちらで聴きごたえあり。

M-2「PARTY UP!! feat. 橋本真依, LGRookees Eddie K.」はまたしてもリメイクで、原曲のRYOのパートをEddie K、Shanaのパートを橋本真依が担当するパーティチューン。
HIROのラップもリリックの変更こそないものの歌いなおしがされていて、以前よりメロディアスな感じのラップになっています。
Eddie Kのラップもすんなり馴染んでいますし、原曲に忠実ながらも今風(11年前なので当時風です)に歌っている橋本真依もいい仕事。

初っ端から原曲に負けないリメイク2曲連続となっているため、この2曲を聴いた時点で聴き進めるのが楽しみになるはずです。


M-3「Photograph Ⅱ feat. Noa」はNoaを迎えた新曲で、このコンビではお馴染みのラブソング。
華やかなトラックとHIROの爽やかな歌声、Noaの綺麗な歌声がどれもしっかりとハマった楽曲で、随所での音の使い方もかなり上手いです。
詞の内容はベタベタした感じなのに2人の歌い方のおかげで全くそれを感じさせずサラッと聴けます。

M-4「Eternal feat. SO-TA」はリメイクで、原曲のRYOのパートをSO-TAが担当するウェディングソング。
最もRYOはラップでしたがSO-TAは歌を乗せているので、もはや別の曲に聴こえます。いや、トラックとHIROのパートは原曲と同じなんですけど。
あっでもこの曲でもHIROのパートは歌いなおしがされており、HIROの歌唱力が原曲の頃よりずっと上がったのを改めて実感させられます。
正直に言うとこれは原曲より好きです。HIROの歌唱力が上がったのに加えて新しく入ったSO-TAの歌がかなりトラックにマッチしてるんですよね。

M-5「Last Summer Day -PARTⅡ- feat. GIO, LGRookees T-Kay, KENNY」はこれまたリメイクで、原曲のRYOのパートをGIO、ClefのパートをT-Kay、KENNYが担当。
この曲ではリリックの書き換えはなく、原曲のリリックのまま全員でカバーしています。
しかしこれはHIROもインタビューで言っていたんですが、全員の歌い方が原曲より優しくなっているので雰囲気がかなり変わっています。
原曲の女子女子!がっついている感じも好きでしたが、こちらもこちらで楽しく聴けます。


M-6「ウェディングロード feat. Noa」は歌いなおしはなく原曲のまま収録。
元が十分いい曲なので他の曲に負けず存在感はあります。この流れで聴いてもストリングスを基調としたトラックとHIROの歌、Noaの歌の相性の良さをしっかり堪能できます。
M-7「ボクでいいよね ~ 愛のうた feat. LGRookees KENNY」はリメイクで、原曲のLGMonkeesのパートをKENNYが担当。
こちらもリリックの変更はなく原曲のリリックのままカバー。
KENNYの歌はLGMonkeesの雰囲気とほとんど変わっておらず、原曲に負けずまっすぐな恋愛ソングになっています。

M-8「世界中でたった一人の大切な人へ」は歌いなおしはなく原曲のまま収録。
ここでやっとHIROの1人舞台の曲が来るわけですが、HIROの歌唱力が十分上がった時期に録った曲と言うのもあってこれまでの曲と十分肩を並べられています。
HIROの視点だからこそ書ける父親へのメッセージは興味深く聴けるんですよね。


M-9「春風 feat. Noa」はリメイクで、原曲の渡辺美里のパートをNoaが担当する恋愛ソング。
原曲よりも爽やかに歌いあげており、哀愁漂う歌い方だった原曲とはちょっと色が変わっていますね。
しかしこれはこれで十分聴ける内容です。

M-10「Party Drinker feat. jyA-Me」は歌いなおしはなく原曲のまま収録。
かなり楽しいパーティチューンで、恋愛系の曲がこれまで続いたのでかなりいいアクセントになっています。


M-11「KO.A.KU.MA feat. Noa, LGRookees」はリメイクで原曲のRYOとGIPPERのパートをLGRookeesが担当。
リリックの内容は変更されており、LGRookees全員のオリジナルのラップが聴けます。
HIROとNoaのパートも歌いなおしがされていて、HIROは原曲よりもちょっと優しめの雰囲気ですが、Noaの方は原曲より大人びた雰囲気。これはこれで小悪魔って感じが出てます。
LGRookeesのラップも妖艶な雰囲気のトラックにバッチリで、もう一つの「KO.A.KU.MA」と言っていいでしょうね。

M-12「Go Ahead feat. SO-TA」はまたもリメイクで、原曲のRYOとGIPPERのパートをSO-TAが担当。
応援歌なのは原曲通りですが、RYOとGIPPERのラップは全てSO-TAの歌になっているのでこれまた違う曲に聴こえるレベルです。
しかしSO-TAの優しい言葉選びはSO-TAの声にもトラックの雰囲気にも合っており、十分原曲と肩を並べる楽曲。


M-13「3年目の記念日 feat. Noa」とM-14「マジありがとう feat. 吉見一星」は歌いなおしはなく原曲のまま収録。
バラードの前者の次に晴れやかな感じの後者が続くのは良い流れです。

M-15「Photograph feat. Noa, 吉見一星」はリメイクで原曲のRYOのパートを吉見一星が担当。
リリックの変更はなく原曲のリリックのままカバー。
HIROのパートもやはり歌いなおしがされているので、原曲よりHIROのパートは聴きごたえがあるパートになっています。
ただ・・・この曲は正直原曲の方が好きです。
この曲はHIROのパートでは「君」、RYOのパートでは「お前」って二人称を使っているんですけど、この「お前」って二人称が吉見一星の綺麗な歌声に余りマッチしていないんですよね。
そこを除けば普通に原曲に負けないリメイクになっているので非常にもったいなく感じました。
RYOのパートをそのまま歌わずリリックを差し替えていれば数段いいものになったと思います。

Disc 1の〆はM-16「Because… ~あなたがいた~ feat. Noa」。これは歌いなおしはなく原曲のまま収録。
HIROとNoaの絡みでの恋愛ソングは新鮮味はないものの安定しているため、〆としては十分いい感じです。


続いてDisc 2。
M-1NO DOUBT SIX STAR feat. GIO, PURPLE REVEL」は歌いなおしはされておらず原曲のまま収録。
Disc 1と同じく子気味良いマイクリレー楽曲で、スタートとしてはかなりいい入りだし。
M-2「Baby Girl feat. 吉見一星」も同じく原曲のままで、アッパーチューンというのは同じですが吉見一星の歌が入っていて雰囲気が違うのでいい流れとして聴けます。

M-3「Bye for Now feat. GIO」はリメイクで、RYOのパートをGIOが担当。
GIOのバースはリリックが変更されています。曲名の通り別れをテーマにした曲ですが、GIOによる新しいリリックも熱さを感じる内容ですしライミングも心地よく聴けます。
HIROの歌唱力も原曲より上がっているのもあって、リメイクは大成功しましたね。

M-4「Wonder Love feat. LGRookees」はLGRookeesを客演に迎えた新曲。
曲名から想像できるように恋愛ソングで、最初のHIROの伸びやかな歌からグイグイ引き込まれます。
LGRookeesの3人もラップと歌両方で見事な仕事ぶりで、LGRookeesには最高の舞台を提供した曲と言えるでしょう。

M-5「Close to you feat. 舞花」は歌いなおしはなく原曲のまま収録。
舞花の歌声とツンデレっぽい詞は見事にハマっていますよね。
他の収録曲にはない雰囲気を持っているので、本作でもいいアクセントになっています。


M-6「Dear Mama feat. 小田和正」はべストに入らないはずはない、小田和正を客演に迎えたLGYankeesの代表曲。
流石にこの曲は代表曲な上に小田和正が関わっているのもあって、本作では唯一RYOのラップがそのまま収録されています。
正直この曲はRYOのパートはRYO以外に合っている人が思いつかないので、結果的にいじらなくて良かったと感じます。
個人的にはfeat. BIG RONの方が好きなんですが、やはりこちらのバージョンもいい仕上がりではありますよね。

M-7「Once More Again ~もう一度、抱きしめて~ feat. May J.」も歌いなおしはなく原曲のまま収録。
しっとりとしたトラックの上でのMay J.とHIROの歌声の絡みは絶品なので原曲のままで十分です。

M-8「Only Holy Story feat. Noa, LGRookees T-Kay」は元々Steady&Co.のカバー曲でしたが、さらにそれをリメイクしてLGMonkeesのパートをT-Kayが担当。
リメイク前は可もなく不可もないカバー・・って感じだったんですがHIROとNoaのパートの歌いなおしがされていて上手くなっている上に、T-Kayの声質がトラックによく合っています。
これはこのリメイクの勝利ですね。


M-9「Love Sick feat. GIO, 橋本真依」はリメイクで原曲のRYOのパートをGIO、中村舞子のパートを橋本真依が担当。
切なげのトラックの失恋ソングで、GIOのパートはリリックが変更されています。
正直原曲はトラックとRYOのラップと中村舞子の歌の相性が微妙だったんですが、こちらではGIOと橋本真依の声がトラックにガッチリハマっています。
GIOのラップも随所に歌を織り交ぜるフロウが楽しく聴けて、これは明らかに原曲よりも上を行っていますね。

M-10「Playa Playa II feat. ユンジ, 橋本真依」はユンジと橋本真依を客演に迎えた新曲。
音数抑え目のトラックでのパーティーチューンで、今までにない感じで新鮮に聴けます。
最も彼らに合っているのかというとちょっと微妙ではあるんですが、流れ的には悪くはないです。


M-11「Brothership feat. GIO, LGRookees」はリメイクで、原曲のDATE(ITACHI)のパートをLGRookeesが担当。
臨場感があるトラックとHIROとGIOの声が合っているのは勿論ですが、LGRookeesの声もバッチリハマっていて原曲に負けない存在感が出せています。

M-12「Good Luck Homies feat. GIO, LGRookees T-Kay」はリメイクで原曲のRYOのパートをGIO、山猿のパートをT-Kayが担当。
GIOのパートはリリックが差し替えられていますが、T-Kayのパートは山猿のリリックがそのままカバーされています。
仲間に対するメッセージソングで原曲はヤンキー色が凄かったんですけど、HIROの歌が原曲より優しくなっている上にT-Kayもリリックが同じとはいえ山猿より柔らかいラップを乗せているのでこっちはヤンキー色が原曲より少し薄くなっています。
GIOのリリックもヤンキー色はあるんですけど、声質のせいかすんなり聴き通せちゃうんですよね。


M-13「Always!! feat. さとう宗幸」はさとう宗幸を客演に迎えた新曲。
疾走感のあるトラックの上でのポジティブなメッセージソングで、さとう宗幸の歌声が凄くトラックにマッチしています。
HIROの軽やかなラップもトラックにいい感じに絡んでいて、見事な化学反応を起こせていますね。
最後の2人で歌うHookは特に耳を惹かれます。

ラストの2曲のM-14「左手に咲いたリング feat. Noa」、M-15「男歌」は歌いなおしはなく、原曲のまま収録。
前者はお馴染みのNoaとのコラボ曲で改めて相性の良さを見せつけ、後者では独り舞台で前向きメッセージソングで終了・・という流れです。
原曲をそのまま並べた構成ではあるんですけど、これがすごくいい流れなんですよね。
Disc 1よりフィナーレ感がある終わり方で、ベスト盤の最後の終わり方としては文句なしです。


収録曲31曲中原曲のまま入っているのは13曲、既発曲のリメイクが14曲、新曲が4曲。
DJ No.2は本作のリリース当時に「ベストアルバムというよりもオリジナルアルバムを作っている感覚だった」と語っていましたが、実質18曲新曲が入っているようなものなのでそりゃそうなるよなあと感じました。
原曲のまま入っている楽曲があるのでベストだよなというのは分かるんですが、リメイク楽曲や新曲のお陰でとても新鮮な感覚で聴けます。
リメイク曲はリメイク前の方が良かった曲もありますけど、ほとんどは原曲と負けないか超えているといっていい仕上がり。
HIROの歌唱力が5thアルバムから上昇したのがやはり功を成したのでしょうね。

新曲もそのHIROのスキルの上がりっぷりを堪能できる内容ですし、原曲のままの既発曲も良曲揃い。
これからLGYankeesを聴いてみようという人も、それまで聴いてきたファンの方でも十二分に楽しめる内容です。

同年にリリースした6thアルバムで4thアルバムからの路線の完成形を示した印象でしたが、このベストアルバムではその路線を総括した、という印象ですね。
本当にそれぞれの曲も流れもいいのでLGYankeesから離れていた人でも聴いていただきたいです。
見かけたら是非。


↓Disc 1のM-3「Photograph II feat. Noa」のショートMV。
www.youtube.com

↓Disc 2のM-13「Always!! feat. さとう宗幸」のショートMV。
www.youtube.com

Chain Letter / Brooke Valentine

Chain Letter


曲目リスト


1. Girlfight feat. Big Boi, Lil Jon
2. Taste Of Dis
3. Long As You Came Home
4. Blah Blah Blah feat. Dirt McGirt
5. Cover Girl
6. Playa feat. Jermaine Dupri
7. Ghetto Superstarz
8. Tell Me Why You Don't Love Me
9. Million Bucks feat. Queenz Deliz
10. I Want You Dead
11. Dying Of A Broken Heart
12. Pass You By
13. Laugh Til I Cry
14. American Girl
15. Whatcha Lookin' At? feat. Kilo, J.R.K.
16. Girlfight Pt.II
17. Thrill Of The Chase


評価: ★★★★★★★☆☆☆


アメリカのテキサス州ヒューストン出身のシンガー、Brooke Valentineの1stアルバム。
2005年3月15日発売。


Brookeはテキサス州ヒューストン出身で、10歳の時に学校の校庭でアカペラ歌唱を行ったのがクラスメイトや教師たちに評判となったことがきっかけでシンガーへの道を志すことに。
14歳の時にSubliminal Entertainmentを率いるプロデューサー、Dejaの即興オーディションを経て同レーベルと契約。
BrookeはガールズグループのBKSに加入して経験を積んでいくも、学校の卒業と同時にグループは解散。
2002年にBrookeは拠点をLAに移してソロシンガーとしての活動を開始。
同年にDejaを通してVirgin Recordsにデモテープを送ったことで、2004年にGuerilla Blackの1stアルバムに客演参加。
年末にデビュー作として1stシングル「Girlfight」(M-1)をリリースしヒットを記録。
2005年に1stアルバムである本作をリリースしました。
アメリカで29万枚を売り上げる好セールスを記録。


では、内容に。


Brookeは歌唱力がどうこうというよりはとにかく器用なシンガーという印象。
様々なサウンドの楽曲で構成されているんですけど、どのサウンドもしっかりと自分のものにしています。


アルバムの幕を開けるM-1Girlfight feat. Big Boi, Lil Jon」は上にも書いたように先行シングル曲で、Lil JonとBig Boiが参加。
迫力のあるトラックの上でのBrookeの歯切れのいいラップと絡むような歌はいい仕事ぶり。
Big Boiのスムーズなラップもいいアクセント。Lil Jonは所々でコールを挟むのみですが、コールを挟むだけでも存在感がしっかりあるのはこの人ならでは。

M-2「Taste Of Dis」はテンポが速いトラックで歌を乗せるのが難しそうなトラックなんですが、堂々と強気な歌を乗せるBrookeの漢気を感じます。
タイトルを連呼する時の舌がもつれそうなところなんて迫力が半端ないです。


M-3「Long As You Came Home」はサンプリング色が強めのトラックで、シンプルなループトラックながらも盛り上げるようなホーンの音が耳に残りますね。
その上にねっとりと絡むようなBrookeの歌も病みつきになる組み合わせ。途中で雰囲気が変わるところも楽しく聴けます。

M-4「Blah Blah Blah feat. Dirt McGirt」はDirt McGirtが参加。
お洒落ながらもノリがいいトラックは聴いていて首を振りたくなります。HookでのBrookeの楽しそうな歌がそれを後押ししていい感じ。
McGirtは基本コーラスですが3バース目でやっとラップなのか語りなのかわからないソロパートを披露して後は最後のHookで好き勝手にコーラスして帰っていきます。
いた方がいいのかいなくても良かったのか、僕には判断がつきませんでした。


M-5「Cover Girl」は優しいギターの音が印象的なしっとりとしたトラック。
対訳を見ると憧れの人に対する恋愛ソングで、詞の内容にはバッチリと合っているように感じます。
Brookeもこれまでの4曲よりちょっと引いた感じで歌っていて新鮮でした。

M-6「Playa feat. Jermaine Dupri」はJermaine Dupriが参加で、基本的にはシンプルな構成ながら随所で音を入れ込むのが如何にもこの時期のサウスっぽいトラック。
途中でJermaineがちょっとだけラップを乗せますが正直必要性が微妙。最後までBrookeの歌で押し切って良かったのでは。

M-7「Ghetto Superstarz」は疾走感のある大げさなトラックで、Brookeも完全に攻めモードなぐいぐい来る歌唱を乗せています。
対訳を見るとビッグマウスものなので詞にはよく合っていますね。ただ最後の40秒ほどの語りは冗長。


M-8「Tell Me Why You Don't Love Me」はこれまた臨場感のあるトラック。
対訳を見ると他の女性と浮気して別れた相手に対するメッセージソングで、Brookeのラップと歌の絡みが絶妙。
曲の終わり方もいい意味で切なさが残って○。

M-9「Million Bucks feat. Queenz Deliz」はQueenz Delizが参加・・とはいってもコーラスで参加しているだけですが。
テンポのいいトラックの上でのBrookeの歯切れのいいラップが聴きごたえあります。
随所での歌もいいアクセント。


M-10「I Want You Dead」はタイトルからして物騒ですが、対訳を見ると案の定呪詛の塊のような言葉ばかりが並んでいます。
Brookeの歌いこなしも背筋がヒヤッとするような歌いまわしで、タイトルを連呼するラストなんて怖すぎてホラー映画のよう。
これもBrookeの力量あってこそ。

M-11「Dying Of A Broken Heart」は対訳を見ると失恋ソングなんですけど言葉選びがもうヤン○レというかメン○ラというか・・。
まさか洋楽の対訳でこんな詞を見ることになるとは思いもしませんでした。
もうHookでのもがいている感じがこれまたホラーチック。
M-10「I Want You Dead」は如何にもな怖さなのに対して、こちらはおどろおどろしい怖さという感じです。


M-12「Pass You By」は色々な音が絡む厚みのあるサウンド
Brrokeのさらっと乗りこなす歌もいい感じに絡んでます。

M-13「Laugh Til I Cry」は爽やかなトラックで落ち着いた雰囲気。
Brookeもそこまで力を込めずしっとりと歌い上げていて、アルバム中でもいいアクセントになっています。
対訳を見ると中々重たいんですけどね・・。

M-14「American Girl」は色々な展開を見せる面白いトラックで、Brookeとの歌も相性はいいですね。
Hookでのすんなりとのせる歌い方も癖になります。
M-15「Whatcha Lookin' At? feat. Kilo」はKiloが参加。
ちょっとラテンっぽいトラックで、Kiloと共にドスの利いた歌とラップを披露するビッグマウスもの。
2分26秒という短さで、輸入盤だとここで終わるのでアウトロ的な立ち位置なのかもしれませんね。


ここからは国内版限定のボーナストラック。
M-16「Girlfight Pt.II」はグイグイぐる感じのトラックで、Brookeの歌も迫るような感じでまさにGirlfight Pt.IIという名前にぴったりです。
随所での男性のコーラスがいいアクセントも癖になります。

〆はM-17「Thrill Of The Chase」。
サウンド的にはこの時期の如何にもなサウストラックという感じですがHookでの音の使い方がちょっとROCKっぽくて異色。
Brookeの歌いこなしはこれまたグイグイ来る感じ。


上にも書いたように様々なサウンドで構成されているものの、Brookeの乗りこなしの上手さでどの曲もしっかりと聴ける内容になっています。
そのおかげで最初から最後まで飽きずに聴けるのが魅力ですね。
ただ気になったのは客演の必要性をあまり感じないことなんですよね。Brooke自身が歌もラップもこなせる力量があるだけに、客演がむしろ余計に感じてしまうんですよね。
客演で効果的だったのはM-1Girlfight feat. Big Boi, Lil Jon」のBig Boi、Lil Jonくらいで、ただでさえサウンドのバラエティに富んでいるのですから、客演は呼ばずにBrookeの独り舞台で押し切った方が良かった気がします。

最も全体を見れば彼女の力量を堪能できる良作なのは間違いありません。
とりあえず何曲か試聴を。
M-16「Girlfight Pt.II」がいいので手に入れるなら国内版をおススメします。


M-1Girlfight feat. Big Boi & Lil Jon」のPV。
www.youtube.com

DOKI DOKI LGYankees!!!!!! / LGYankees

DOKI DOKI LGYankees!!!!!!


曲目リスト


1. DOKI DOKI LGYankees!!!!!! -Intro-
2. NO DOUBT SIX STAR feat. GIO, PURPLE REVEL
3. 左手に咲いたリング feat. Noa
4. マヂ LOVE feat. 吉見一星
5. 世界中でたった一人の大切な人へ
6. fragile feat. Yoonji
7. Show Me Inside!!
8. Party Drinker feat. jyA-Me
9. オレンジの冬
10. サヨナラ言えない僕 feat. SO-TA
11. Dear My Homies
12. DOKI DOKI LGYankees!!!!!! - Outro-


評価: ★★★★★★★★★☆


宮城県仙台市を拠点に活動するラップグループ、LGYankeesの6thアルバム。
2013年1月16日発売。


5thアルバムである前作をリリースしてからもNO DOUBT TRACKSのメンバーとNO DOUBT FLASHとしても活動したり、自身がプロデュースするミュージシャンに客演として参加したりと常に話題に事欠かなかったLGYankees。
NO DOUBT TRACKSのメンバーを引き連れた前作の全国ツアーも成功し、まさに順風満帆な年となりましたね。
そんな前作から11ヵ月。6thアルバムである本作をリリースしました。
前作と同じく本作もチャートで9位と好セールスをマーク。


では、内容に。


前々作から聴きやすい楽曲をメインにしつつも少しだけハードな曲も入れるというスタイルにシフトしたLGYankees。
本作もまさにそのスタイルで構成されています。


イントロを経てのM-2「NO DOUBT SIX STAR feat. GIO, PURPLE REVEL」は、GIOとPURPLE LEVELの1-MIC、DJ PSYCHOが参加。
疾走感のあるトラックの上での4人のマイクリレーは聴きごたえ抜群で、スタートとしては最高のスタート。

M-3「左手に咲いたリング feat. Noa」はLGYankeesのアルバムではお馴染みの歌姫のNoaが参加。
トピックとしてはウェディングソング。
ウェディングソングというのは前々作の「ウェディングロード feat. Noa」と同じですが、あちらは結婚する2人からの両親への感謝ソングだったのに対して、こちらはオーソドックスなパートナーへのラブソングです。
ストリングスがとても綺麗なトラックで、HIROの透明感がある歌声、Noaのまっすぐな歌い方がガッチリハマっています。
前作からHIROの歌唱力が上がりましたがそれを本当に実感させられますね。この頃のHIROの歌唱力じゃないと作れなかった曲だと思います。

M-4「マヂ LOVE feat. 吉見一星」は吉見一星が参加。
明るい雰囲気のトラックでの吉見一星とHIROの歌の絡みが絶妙で楽しめますね。
ちょっと歌詞の内容はベタベタしてるんですけど、吉見一星の綺麗な歌声のお陰で不思議とサラッと聴けます。

M-5「世界中でたった一人の大切な人へ」は哀愁漂うトラックで、父親に対するメッセージソング。
HIROの単独曲ですがラップはなく、歌唱力を生かして最後まで歌いきっています。
そこまでひねった内容ではないもの実体験を元にした言葉選びは似たような曲にはない説得力がありますね。


M-6「fragile feat. Yoonji」はYoonjiが参加。
綺麗めながらもリズムがしっかりとしたトラックが印象的で、その上にラップと歌を混ぜ合わせたようなラップを披露するHIRO、パワーのある歌唱を乗せるYoonjiはどちらも相性抜群。
曲の終わり方も余韻を残す感じで〇。

M-7「Show Me Inside!!」はパーティチューンで3分もない曲ですが、迫ってくるようなトラックと巧みに乗りこなすHIROの歌交じりのラップがしっかりと存在感を出しています。
続くM-8「Party Drinker feat. jyA-Me」もパーティチューンでjyA-Meが参加。
それまでのLGYankeesの楽曲にはなかったようなサウスな雰囲気の楽曲で、HIROがシャウトのようなラップを乗せているのが新鮮なんですよね。
jyA-Meの歌声も色気があって雰囲気にバシッとハマっており、HIROが随所でコールを乗せてくるのも面白いです。
この曲のHIROはなんかLil Jonっぽいかも。ちなみに振り付けは芋洗坂係長が手掛けており、PVにも参加しています。


M-9「オレンジの冬」は失恋ソングですが勢いのあるトラックで首を振りたくなります。
間奏でのスクラッチもすごくカッコよく、入っている音にHIROのラップ含めて何一つとして無駄がありません。

M-10「サヨナラ言えない僕 feat. SO-TA」はSO-TAが参加。
個人的に本作以前のSO-TAの客演参加曲はそこまで好きではなかったんですが、本作のこの曲は本当に文句なし。
想い出を丁寧に綴っていくHIROのラップ、HookとBridgeでのSO-TAのストレートな歌唱、音の使い方が本当に上手い切ないトラック。
全てが見事にバシッとハマっています。

M-11「Dear My Homies」は曲名から想像できるように仲間に対する熱いメッセージソング。
トラックもHIROの歌も優しさと熱さを兼ね備えたような雰囲気で前々作の「男歌」を彷彿とさせますね。

アウトロは硬派なトラックの上でHIROがフリースタイルをするという内容で構成としては前作と同じです。
こちらは20秒もないんですが、結構好きですね。


前作と同じく聴きやすい楽曲を多く並べてハードな楽曲を少し挟んだ内容ですが、中々の良作だった前作よりさらに上手くまとまった印象です。
前作はこれはちょっとなという楽曲もあったんですが、本作はHIROのラップと歌も引き出しが増えていて最初から最後まで捨て曲なしです。
DJ No.2のトラックも文句なしのいい仕事ぶり。
RYOが脱退した後のスタイルを前作でいいところまで持っていき、本作ではそれを完成させたという感じですね。
個人的に本作までの作品ではLGY名義の1stアルバムとGIPPERとのコラボアルバムが並んで一番好きな作品ですが、本作はそれらと肩を並べる作品です。
それまでのLGYankees名義の作品はちょっとと感じた方でも、是非聴いてみてほしいですね。
見かけたら是非。


↓M-3「左手に咲いたリング」のPV。
www.youtube.com

1997 Grammy Nominees / V.A.

1997 Grammy Nominees


曲目リスト


1. Give Me One Reason / Tracy Chapman
2. Change the World / Eric Clapton
3. Because You Loved Me / Celine Dion
4. Ironic / Alanis Morissette
5. 1979 / The Smashing Pumpkins
6. Stupid Girl / Garbage
7. Who Will Save Your Soul / Jewel
8. Spiderwebs / No Doubt
9. Nobody Knows / The Tony Rich Project
10. My Baby / LeAnn Rimes
11. Un-Break My Heart / Toni Braxton
12. Get Out of This House / Shawn Colvin
13. Reach / Gloria Estefan


評価: ★★★★★★☆☆☆☆


1996年にグラミー賞にノミネートされた楽曲を集めたコンピレーションアルバム。
1997年2月26日発売。


Grammy Nominessは1995年から企画されたグラミー賞にノミネートされた楽曲を集めたコンピレーションアルバムで、その97年版が本作です。
この時は第39回で、発表と同日にリリースされたようですね。


さて、内容に。


Tracy ChapmanによるM-1Give Me One Reason」によってアルバムは幕開け。
のっそりとしたギターのイントロは掴みとしては悪くなく、その上に乗るTracyの歌も存在感があり相性は中々のもの。
ただ最初から最後まで淡々としていて、イントロこそ掴みとしてはいいものの曲全体としては最初の掴みとしてはやや弱め。
曲自体はTracyの歌とサウンドが絡んでいい出来なので場所が悪かったとしか言いようがないです。

M-2「Change the World」はEric Claptonで、しっとりとしたサウンドの上でのEricの哀愁漂う歌は相性ガッチリ。
Hookでのゆったりとしたコーラスとの絡みは特に絶妙。


M-3「Because You Loved Me」はCeline Dionで、綺麗なサウンドながらもしっかりとしたリズムが聴きごたえを倍増させるバラード。
その上にのるCelineの歌声もハキハキさと壮大さの両方を兼ね備えており間違いない仕事ぶりを見せてくれます。
M-4「Ironic」はAlanis Morissetteはかなり静かな入りだしから一気に力が入った歌とサウンドになる構成が本作随一のインパクト。
サウンドの変わり方によって色々な歌い方を見せるAlanisの力量は確かなものです。

M-5「1979」はThe Smashing Pumpkinsで、聴きやすくもありながら随所でおかずの音をちりばめるサウンドが聴いていて楽しいですね。
歌の方はそこまで主張が強くなく、あくまでサウンドが主役という感じ。お互いの絡みがとてもいいのでそこを楽しみましょう。


M-6「Stupid Girl」はGarbageで、色々な展開を見せるサウンドとその上に乗る緊張感のある歌の乗りこなしが聴いていてヒヤッとした感じです。
Hookでのコーラスが危険な雰囲気で特に背筋を冷やしてきます。
それぞれの楽器の使い方もツボを押さえていて流石。

M-7「Who Will Save Your Soul」はJewelで、優しいギターとピアノが印象的なサウンドと芯のある歌唱がハマっています。
かなり難しそうな乗りこなしもあるんですがそれをサラッと行ってしまう力量には感服。


M-8「Spiderwebs」はNo Doubtで初っ端から陽気な雰囲気のホーンがグイグイ来る感じのサウンドで本作でも異色。
この曲は本作の内容だと序盤に配置した方がいい掴みになった気がします。

M-9「Nobody Knows」はThe Tony Rich Project
サウンドは静かな雰囲気で歌を前面に押し出しています。
インパクトこそないものの丁寧に歌い込んでいて妥協なく作られたのがひしひしと伝わります。

M-10「My Baby」はLeAnn Rimes。
西部劇のような雰囲気のサウンドで、その上の女性ながら貫禄のある歌を乗せるRimesの仕事は中々。


M-11「Un-Break My Heart」はToni Braxtonで、しっとりとしたバラード。
壮大な雰囲気のToniの歌は実力派で、中盤の押して返すようなサウンドも作り方が上手いですね。

M-12「Get Out of This House」はShawn Colvinで、なんといってもハーモニカがとてもキャッチ―。
途中でのうねるようなベースの音もいい味になっています。
舌足らずな歌い方も可愛く相性よし。


最後を〆るのはGloria EstefanによるM-13「Reach」。
様々な音を取り込んだ迫力あるサウンドでGloriaの歌も伸びやか。
Hookでのコーラスも相まって映画の主題歌のような雰囲気がありますね。


どの曲もグラミー賞にノミネートされただけあって、1曲単位で聴けば十分な良曲が揃っています。
丁寧にきっちり作られた楽曲が多いため、必ず1曲は好きな曲ができるはずです。

しかしアルバムとしては正直何度も聴きたいと思える流れではなく、そこが非常にもったいなく感じます。
似たような楽曲が固まっていたり、地味な曲の直後に派手な曲が来てしまったため前の曲の印象が残りにくい流れがあったりと本来の曲の良さを出し切れていないかなと。
M-1Give Me One Reason」はちょっと批判気味に書いてしまいましたけど曲としては間違いなく良曲なのです。最初に位置しているのが・・・という。
この曲は中盤あたりにあった方が良さが活きたと思います。

上の点もあってトータルアルバムとしてはそこまで強くおススメしませんが、1曲1曲は音楽好きなら聴いておくべき良曲なのは間違いありません。
プレイリストの楽曲ネタ不足の方などには最適でしょう。そのような方には是非とも。


↓M-2「Change the World」の対訳付き映像。
www.youtube.com

GO! GO! LGYankees!!! / LGYankees

GO! GO! LGYankees!!!


曲目リスト


1. GO! GO! LGYankees!!! -Intro-
2. NO DOUBT SHIT ~2012~ feat. GIO,ITACHI
3. ボクでいいよね ~愛のうた~ feat. LGMonkees
4. Once More Again ~もう一度、抱きしめて~ feat. May J.
5. 3年目の記念日 feat. Noa
6. Baby Girl feat. 吉見一星
7. DANCING CHANPION ~エナジーはナニーラ !?~
8. SMILE
9. Close To You feat. 舞花
10. Graduation ~未来への約束~ feat. SO-TA
11. GO! GO! LGYankees!!! -Outro-
12. Because... ~あなたがいた~ feat. Noa


評価: ★★★★★★★★☆☆


今日であの東日本大震災から13年。亡くなられた方にご冥福をお祈りし黙祷。
今回は震災関連の楽曲が収録されている本作を。


宮城県仙台市を拠点に活動するラップグループ、LGYankeesの5thアルバム。
2012年2月15日発売。


4thアルバムである前作からHIROとDJ No.2の1MC1DJ体制になったLGYankees。
RYOの脱退にはショックを受けたリスナーも多くいましたが、それでもオリコンチャートでは9位と好セールスを達成しましたね。
そんな前作から1年。5thアルバムである本作をリリースしました。
まだNO DOUBT TRACKSが勢いのあった時期であったこともあって、本作もチャートで9位と好セールスをマーク。


では、内容に。


前作から聴きやすいPOP寄りな楽曲のパーセンテージを大幅に上げたLGYankees。
本作もそれを継承した内容で、聴きやすい楽曲をメインにちょっとだけハードな曲を入れるという構成になっています。


わちゃわちゃしたイントロを経てのM-2「NO DOUBT SHIT ~2012~ feat. GIO,ITACHI」は、「NORTH EAST 2」の購入特典として収録された曲(今では入手困難)である「NO DOUBT SHIT!!!! feat. 山猿」の2012年版リメイクで、GIOとITACHIが参加。
前作ではDATE名義だったITACHIですが本作からは名前を戻した模様。
疾走感のあるトラックでいつになく軽快な乗りこなしを見せつけるHIRO、ガラガラ声でいいアクセントをつけるGIO、歌と硬派なラップを織り交ぜながらバースを展開していくITACHIと誰一人として無駄がない仕あがり。
M-3「ボクでいいよね ~愛のうた~ feat. LGMonkees」はLGMonkees(現山猿)が参加しており、LGMonkeesがHookを担当しHIROがバースを担当。
バースでは穏やかな雰囲気、Hookでは一気に盛り上がる雰囲気になるトラックの構成が面白いですね。
HIROのまっすぐな歌唱とLGMonkeesの優しさと熱さを兼ね備えたような歌いまわしもかなり生き生きしています。

M-4「Once More Again ~もう一度、抱きしめて~ feat. May J.」、M-5「3年目の記念日 feat. Noa」はしっとりとしたバラード2連発でそれぞれMay J.、Noaが参加。
May J.とNoaの綺麗な歌声がバシッとハマっているのは勿論なのですが、HIROの歌唱力が明らかに前作と比べると上がっているのを実感できるんですよね。
優しい歌い方と激しい歌い方もどちらもしっかり歌いこなしていて力量を感じます。

M-6「Baby Girl feat. 吉見一星」は2010年からNO DOUBTの作品ではお馴染みだった吉見一星が参加。
ラジオっぽいイントロから始まるアッパーチューンで、HIROががっつくようなラップでぐいぐいトラックに食いつくのが聴きごたえあります。


ここからは客演なしの楽曲2連続。
M-7「DANCING CHANPION ~エナジーはナニーラ !?~」は曲名から想像できるようなパーティチューンで、色々な音を混ぜ込んだノリのいいトラックがかなり面白いです。
HIROのラップも色々な乗せ方をしていて客演なしでも最後まで飽きずに聴けます。
M-8「SMILE」は上にも書いた東日本大震災をテーマにした楽曲で、寄り添うようなトラックの上でHIROが歌いきる内容。
前作の「男歌」に近いですかね。
トラックとHIROの歌声の相性はとてもよく、HIROの歌唱力が上がったのもあって最後まで上手く聴かせてくれます。


M-9「Close To You feat. 舞花」はシンガーの舞花が参加。
サウンドは優しい雰囲気なんですけどそこに乗る舞花の歌声はちょっと気が強い感じで詞もちょっとツンデレな雰囲気。
本作の男女デュエットの曲の中ではかなり異色ですね。
舞花の詞を書いたのはDJ No.2だそうで、声にはよく合っていると感じます。

M-10「Graduation ~未来への約束~ feat. SO-TA」はNO DOUBTの男版Noaのような立ち位置だったシンガーのSO-TAが参加。
ストリングスを基調としたトラックの上での卒業ソングで、とにかくトラックが色んなドラマチックな変化をしていてトラックだけでかなり楽しめます。
HIROとSO-TAの歌は悪くはないんですけどまあまあ。インストで聴きたかったですねこれ。


アウトロは40秒もないんですけど硬派なトラックの上でHIROがフリースタイルをするという内容で、何気に好きです。
ボーナストラックのM-12「Because... ~あなたがいた~ feat. Noa」は彼らの有名曲である「Because... feat. 中村舞子」の歌いなおしVer。
トラックとほとんどそのままで、HIROのバースとRYOのバースをどちらもHIROがラップし、中村舞子のパートはNoaが担当しています。
個人的には原曲よりもこっちのほうが好みですね。
HIROの歌が上手くなったこともあってラップがトラックに馴染んでいてNoaの歌もスッと入ってきていい感じです。


聴きやすい楽曲が多数を占めているのは前作と同じなのですが、HIROの歌唱力が前作より上がったのもあって楽曲の完成度が前作より上昇した印象です。
ハードな楽曲でも歌を織り交ぜたラップがいい感じで聴きごたえのある内容になっています。
前作がボーナストラックやインストを含めて16曲だったのに対して本作は全て含めて12曲と曲数こそ減りましたが楽曲の満足度が高いので全く気になりません。
むしろ長すぎず短すぎずの時間で楽しめる内容であると感じますね。

前作までの作品に納得できなかった人でも納得させられること請け合いの作品ですし、中古でもよく見かける1枚なので、見かけたら是非。


↓M-8「SMILE」。
www.youtube.com