曲目リスト
1. Declaration: Neither Fish nor Flesh
2. I Have Faith in These Desolate Times
3. It Feels So Good to Love Someone Like You
4. To Know Someone Deeply Is to Know Someone Softly
5. I'll Be Alright
6. Billy Don't Fall
7. This Side of Love
8. Attracted to You
9. Roly Poly
10. You Will Pay Tomorrow
11. I Don't Want to Bring Your Gods Down
12. ...And I Need to Be With Someone Tonight
評価: ★★★★★★☆☆☆☆
アメリカのNY出身のシンガー、Terence Trent D'Arbyの2ndアルバム。
1989年11月14日発売。
1987年に1stアルバムでデビューを果たしたTerence Trent D'Arby。
様々なヒット曲が1stアルバムから生まれ、様々なグラミー関連の賞も獲得。
一気に名声を得たシンガーとなりました。
そして2年後に2ndアルバムである本作をリリースしました。
しかし本作のプロデューサーを務めたMartyn Ware曰く「時代を先取りしたアルバム」とのことで、セールス的にも批評的にも成功はしなかったようです。
では、内容に。
Terence Trent D'Arbyは本作で初めて聴きましたが、結構なハスキー声を操る方なんだなという印象です。
どのジャンルにも分類するのは難しいので、TerenceのジャンルはTerenceということで。
ざわざわした雰囲気のイントロを経てM-2「I Have Faith in These Desolate Times」はいきなりTerenceの絶叫から始まるので激しい曲なのかなと思いきやサウンドはかなり音数少な目のしっとり系。
その上でTerenceが伸びやかな歌声を乗せる構成で、ひたすらTerenceの歌で押し切った形・・と思いきや3分ほどしたところでいきなり民族系のサウンドに変わります。
1曲の中でこんなに雰囲気を変える構成も中々ないのでは。
M-3「It Feels So Good to Love Someone Like You」はぽわーんとしたトラックでTerenceの歌は音に絡みつくような感じ。
そこから曲間なしでM-4「To Know Someone Deeply Is to Know Someone Softly」に続くのでせわしないですね。
こっちは打って変わって軽い雰囲気のトラックでTerenceの歌もすんなりと乗せていてサラッと聴けます。
M-3「It Feels So Good to Love Someone Like You」まではくっきり好みが分かれそうな曲が続いてたんですけど、この曲は比較的色々な層に受け入れられやすいのでは。
M-5「I'll Be Alright」は様々な音を入れ込んでその上でTerenceがシャウトを乗せるイントロからホーンがメインの陽気なサウンドに変わります。
やっとこの辺りでノリがいい楽曲が来ました。あのイントロ入れずに初っ端からホーンメインで行けばもっとよかったかなとは思いますが。
M-6「Billy Don't Fall」はドラムの音がしっかりしたサウンドでそのドラムの間にも様々な音使いを詰め込んでいるのが聴いていて楽しめますね。
M-7「This Side of Love」はそんなおちゃらけた雰囲気から一転して硬派なギターが印象的なサウンド。
ギターのサウンドが入る部分ではTerenceは歌唱を抑えめにしてます。この辺りが音職人という感じですね。
M-8「Attracted to You」は雰囲気はM-6「Billy Don't Fall」に似ていて、音の入れ方が全く予想できません。
その上でTerenceの歌もかなり自由にやってる感じです。とにかくめちゃくちゃ。
M-9「Roly Poly」はHookでのグイグイ迫ってくる感じが癖になりますね。
サウンド的にはこれまたやりたい放題。好きな人は好きでしょうね。
M-10「You Will Pay Tomorrow」は随所でのホーンの使い方がインパクト強いですね。
かなり歌を乗せにくそうなサウンドなんですけど、そこはやりたい放題のTerence。
荒っぽくも押し切って乗せています。
M-11「I Don't Want to Bring Your Gods Down」はゆったりとしたトラックの上でTerenceが伸びやかな歌を乗せるオーソドックスな作り。
最後を〆るM-12「...And I Need to Be With Someone Tonight」はサウンドはなく、Terenceの歌のみでアウトロ的な役割。
最後にはちょろっと会話っぽいのも入ってます。
Terenceの作品は上にも書いたように本作が初めてですが、大分癖が強いなという印象です。
Terenceの歌声はハスキー系なのでその時点で好みが分かれるでしょうが、サウンドも結構ヘンテコです。
良くも悪くも色々な音使いをしていて、面白いなとは感じます。
ただその反面アルバムとしてのまとまりは微妙なので、アルバムとして何度も聴きたいかと言われると難しいところ。
とりあえず何曲か試聴を。
↓M-4「To Know Someone Deeply Is To Know Someone Softly」のPV。
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