りくぼーの音楽感想倉庫

音楽CDの感想を綴っていきます

Glory / Manafest

Glory


曲目リスト


1. Don't Turn Away feat. Justin Humes
2. Bounce
3. Runaway
4. Impossible feat. Trevor McNevan
5. Dreams
6. Retro Love
7. Critics feat. Promise
8. Where Are You
9. Wanna Know You
10. Droppin' Hammers
11. Glory (You Are)
12. Rodeo (Bonus Track)
13. Skills (Bonus Track)


評価: ★★★★★★★★☆☆


カナダのオンタリオ州トロント出身のラッパー、Manafestの3rdアルバム。
2007年2月9日発売。


20世紀終盤にLINKIN PARKが登場し、世界の音楽シーンで一つのジャンルとして確立されたのがミクスチャーラップ。
日本でもDragon AshORANGE RANGEなどが台頭するようになり、ロックとラップの組み合わせでもリスナーを魅了することができるというのを知らしめましたね。

そんな中での2000年代中盤、ミクスチャー界に現れたのがManafest。
元々はHIP HOPグループのラッパーとして活動していましたが、やがて解散したため、ソロラッパーとして活動を開始。
2005年にリリースされた2ndアルバムである前作でデビューを果たし、その2年後にこの3rdアルバムを投下しました。


では内容に。


サウンドは基本的にはラウドなギターなどをフューチャーしまくった強烈なROCKサウンドが中心。HIP HOPファンよりもROCKファンの方が受け入れられそうですね。
Manafestはそんなにラップに特徴があるわけではありませんが、すごいのはどんなに強烈なサウンドでもラップが全くサウンドに負けていないところです。
しっかりとManafestというラッパーの作品になっています。


M-1Don't Turn Away feat. Justin Humes」からもうManafestの底力は体感できるはず。
初っ端からいきなり強烈なROCKのトラックが届けられますが、JustinもManafestも全く飲み込まれることなくラップを披露しています。
続くM-2「Bounce」はノリの良いトラックの上でManafestが滑らかにラップを乗せていく様が印象的な良曲。
聴いていて首を振りたくなってしまうこと請け合いです!


M-3「Runaway」はそんな2曲から雰囲気が変わり、哀愁漂うトラックで、迷惑ばかりかけた両親に対する懺悔のメッセージが込められた曲。
Hookの女性のバックコーラスが哀愁を増幅させていて◎。
アルバム全体で見てもいいタイミングで持ってきたな、と思えます。
M-4「Impossible feat. Trevor McNevan」は、ラップは淡々とした雰囲気ですが、HookではTrevorの狂ったような歌いまわしが炸裂していて、インパクトは抜群です。

M-5「Dreams」はシリアスなトラックの上で、成功者の視点からリスナーや同業者に贈るメッセージソング。
EMINEMの「Lose Yourself」が好きな方なら間違いなく気に入ると思います。
無論僕も好きな曲なので、この曲も一撃でお気に入りに追加となりました。
M-6「Retro Love」はハードなトラックの上でHookの女性シンガーの声とManafestのラップがいい感じに絡んで聴きごたえ抜群です。
M-7「Critics feat. Promise」でもHookで歯切れのいいラップを披露するPromiseとバースで難なくラップをキックしていくManafestの相性の良さがいかんなく発揮されています。
M-8「Where Are You」は硬派なラップとHookのキャッチ―な雰囲気の構成が聴いていてとても楽しいですね。
特に曲の終わる直前とHookでのラップの絡みなんて鳥肌もの!


M-9「Wanna Know You」はM-1Don't Turn Away feat. Justin Humes」と同じく、Hookでドカンと盛り上がる構成。
M-10「Droppin' Hammers」は一度聴いたら耳に残る比較的コミカルなトラックの上で自由自在にラップを乗せるManafestのスキルの高さを実感できます。
どちらも単純に聴いていて楽しめます。

輸入盤だと最後を〆るM-11「Glory (You Are)」はちょっと宗教的でシリアスなトラックで、アルバムの中でも異色な楽曲。
アルバムをこういう異色な楽曲で〆る例はなかなか見ない気がします。
しかし楽曲としてはその雰囲気でも難なく乗りこなすManafestのラップが印象的な良曲。


後の2曲は国内版限定のボーナストラックで、前作から2曲をセレクトしてそのままボーナストラックとして収録したもの。
なので対訳や解説などに興味がなく、前作を所持している方は無理にこの国内版を手に入れる必要はありません。
最も、前作からわざわざ収録されたというだけあって、どちらもサウンド、ラップ共にかなりカッコいいです!
前作を見かけたら、ぜひとも手に入れたいと思いましたね!


さて、なんとなく手に取った1枚でしたが、予想以上の内容の良さにびっくりです。
上にも書いたように、どんなトラックでも負けることなく難なく乗りこなしてしまうManafestの底力がすごいですね。
サウンド的にもROCKが好きな人にも、HIP HOPが好きな人にもおススメできます。
しかもやわな売れ線な音楽では決してない・・・とにかくバランスが素晴らしい作品です。
Manafestの作品で今のところ所持しているのは本作のみですが、他の作品にも手を伸ばしたくなりました。


見かけたら是非ご一聴を。


↓M-8「Where Are You」のPV。
www.youtube.com

24 HOUR KARATE SCHOOL JAPAN / SKI BEATZ

24 HOUR KARATE SCHOOL JAPAN


曲目リスト


1. AMEMURAN DREAM feat. 韻踏合組合
2. GO feat. SEEDA
3. 日本人ラッパー総選挙 feat. 般若
4. 24 BARS TO KILL feat. ANARCHY, RINO LATINA Ⅱ, 漢, MACCHO
5. JAPANESE TOKKOTAI BANCHO feat. TETRAD THE GANG OF FOUR
6. MY CITY feat. GAZZILA
7. HEAVEN'S DOOR feat. RYUZO, B.I.G. JOE
8. RUNNIN' feat. バラガキ, ZEUS
9. REMEMBER SHADOWMEN feat. K.G.E. THE SHADOWMEN
10. ROC RATED feat. ANARCHY, LA BONO, RYUZO
11. MCW(MUCHA CUCHA WARU) feat. TWIGY, DABO
12. FOLLOW ME feat. SMITH-CN
13. HEY TAXI feat. ISSUGI, S.L.A.C.K.
14. 24 BARS TO KILL REMIX feat. DJ TY-KOH, ZEEBRA, SIMON, D.O, SHINGO☆西成


評価: ★★★★★★☆☆☆☆


2000年代を代表する日本語ラップレーベル、R-RATEDからリリースされたコンピレーションアルバム。
2010年10月20日発売。


本作は2005年にRYUZOが設立したR-RATED RECORDS(以後R-RATED)から初めてリリースされたコンピレーションアルバムで、全曲アメリカのプロデューサーであるSKI BEATZが全てのトラックを手掛けています。
作品の解説に入る前に、SKI BEATZについてちょっと紹介しておきましょう。


SKI BEATZは上にも述べたようにSKI BEATZはアメリカのトラックメイカーであり、主に90年代に活動開始しました。
1996年にリリースしたJAY-Zの1stアルバムでも4曲のトラックを手掛けたことで、多くのリスナーたちにその名を轟かせます。
他にもLil KimやFat Joe、I-20など様々なラッパーにトラックを提供し、アメリカのHIP HOP界では有名なトラックメイカーの1人になったのです。

2000年代に入ってからはレーベルを立ち上げ、地元のアーティストの育成に力を入れるように。
そのSKIが常駐するNYのスタジオは、不夜城のごとく常にエンジニアやミュージシャンが作業しているため、やがて「24 Hour Karate School」と呼ばれるようになったのです。(NYは空手にも馴染み深い場所です)


2010年にアメリカのHIP HOPシーンにて、「SKI BEATZのトラックに様々なラッパーがラップを乗せる」というコンピレーションアルバムである「24 HOUR KARATE SCHOOL」をリリースしました。
Jim Jones、Curren$y、Stalleyなどといったメンツを迎えた本作は話題作となりました。
この名前からお分かりでしょう。
要するに本作はこの「24 HOUR KARATE SCHOOL」の日本版なのです。


クレジットを見てもらえると日本語ラップ好きなリスナーなら分かりますが、参加メンツは非常に豪華。
当然のことながら日本語ラップ界でも2010年の凄まじい話題作となっています。


では内容に。


SKI BEATZのトラックは昔ながらのHIP HOPらしいシンプルさながらも、様々な音が地味に織り込んである引き出しの多い構成。
参加メンツは上にも書いたように非常に豪華で、当時でも日本語ラップ歴10年以上のベテランから、期待の新人として注目されていたラッパーまで揃っています。
日本語ラップ好きなリスナーならクレジットを見ただけでワクワクしてしまうこと請け合いでしょう。


ところが・・いざ最初から最後まで聴いてみると、「あれ?悪くはないけどそれほど良くも・・?」という感じです。
どうもSKIのトラックとラッパーの相性が余り良くなかったり、ラッパーたちが奮ってないように見える楽曲が多いのです。

単独で曲を任されたSEEDAのM-2「GO」やGAZZILAのM-6「MY CITY」なんかはどちらも底力のあるラッパーですが、本作ではどうも奮っていないですね。
SMITH-CNのM-12「FOLLOW ME」は、上記の2人と比べるとまだ生き生きしていますが、それでも普通程度。
そしてベテラン勢で1曲を任された般若のM-3「日本人ラッパー総選挙」なんて非常にもったいなく感じてしまいます。
般若の目の付け所、リリックの内容も面白いですし、SKIのトラックもラッパーによっては名曲に化けそうなトラックを提供していますが、どうも双方の相性が微妙で、結果的にどっちつかず。

その他の2人以上の楽曲もそんな感じで、全体的にどっちつかずな楽曲が多い印象ですね・・。
(SKIのトラックで一番かっこいいと思えたのはISSUGIとS.L.A.C.K.によるM-13「HEY TAXI」のトラックですが、これもISSUGIとS.L.A.C.K.のラップがあまり奮わず)


しかしながら聴いて損はしない楽曲があるのも事実。
韻踏合組合によるM-1AMEMURAN DREAM」はSKIのトラックの上でいつもながらの韻踏メンバー4人での気持ちよいマイクリレーを繰り広げる聴きごたえありの良曲。
この曲で始まったときは聴き進めるのが楽しみになりました。


そしてなんといっても本作の目玉曲であるM-4「24 BARS TO KILL」。本作の中でも超絶話題になったのも頷ける、かなり勢いのあるマイクリレーです。
最初にインパクトのある入りだしで魅せるANARCHY、スムーズながらも貫禄のあるラップで持っていくRINO、まくしたてるようなラップを披露する漢、がっつりとしたラップで締めくくるMACCHOと、誰一人として無駄がありませんね。
SKIとのトラックとの相性も抜群で、本作の中でもずば抜けてかっこよすぎる楽曲。

ラストに控えるこの曲のREMIXも、ZEEBRA、SIMON、D.O、SHINGO☆西成がトラックに負けない生き生きしたマイクリレーを披露。
特にZEEBRAの入りだしと、D.Oのパンチラインの応酬は必聴です。
ただDJ TY-KOHのシャウトは入れなくてよかったと思いますが・・・。


全体的には良作という評価は付けられないですが、この3曲を聴くためだけでもなんとか手に入れてほしい1枚でしょうか。
あとAmazonレビューではSKIのトラックがかっこよくない、という声が多いですが、個人的にはそんなにSKIのトラックが悪いとは感じなかったですね。
むしろ普通にかっこよく感じました。もしインスト盤があったらほしいかも。


もし興味のある方はどうぞ。


↓M-4「24 BARS TO KILL」のPV。
www.youtube.com

SEAN KINGSTON / SEAN KINGSTON

ショーン・キングストン(期間生産限定盤)


曲目リスト


1. Intro
2. Kingston
3. Take You There
4. Me Love
5. Beautiful Girls
6. Dry Your Eyes
7. Got No Shorty
8. There's Nothin feat. Paula Deanda
9. I Can Feel It
10. Drummer Boy
11. Your Sister
12. That Ain't Right
13. Change
14. Colors (2007) (Reggae Remix) feat. Vybz Kartel, Kardial Official
15. Beautiful Girls (Instrumental)


評価: ★★★★★★★★☆☆


アメリカのフロリダ出身のシンガー、SEAN KINGSTONの1stアルバム。
2007年7月31日発売。


SEAN KINGSTONは1990年にアメリカのフロリダのマイアミに生まれるものの、その後はジャマイカで育ちました。
SEANはREGGAEの世界では知らない人はいないREGGAE DEEJAYであるBuju Bantonの甥で、なおかつこれまた名シンガーであるLawrence "Jack Ruby" Lindoの孫。
そんな環境に生まれた時から身を置いていました。
最も彼が14歳の時に母と妹が警察に逮捕されるということも経験しており(本作のリリース時も、母親はまだ刑務所の中にいたとのこと)、恵まれた環境で育ったわけではないようです。


彼も当然ながらやがて音楽の道へ志すようになり、2006年の春に当時は注目のプロデューサーの1人であったJonathan Rotemに自ら連絡を開始。
Jonathanは最初はそこまで乗り気では無かったようですが、SEANの音楽的才能に一目ぼれしてしまい、すぐさまSEANをマイアミからロサンゼルスに呼び寄せ、契約を1回目のミーティングで決意。
そしてJonathanが完全プロデュースしたうえでできたのが本作というわけです。
特にBen E KINGの大有名曲である「Stand By Me」をサンプリングした本作のM-5「Beautiful Girls」は凄まじい話題曲となり、ビルボードの1位を3週渡って取り続けるという快挙を達成。
当時17歳でありながらここまでの成功を達成してしまうとは、音楽界の大物と血がつながっているとはいえ恐ろしいものです。


さて、内容に。


SEANの特徴は聴いているこっちが明るくなりそうな明るい歌声。
ジャンル的にはREGGAEに当たるようですが、他のジャンルが好きな人でも受け入れられそうな雰囲気です。
この歌いこなしっぷりを17歳で見せつけていたとは本当に驚かされます。


Introを経ての前半はまさにそんなSEANの歌唱の真骨頂。
クラブなどでかけたら体を揺らす人が続出すること間違いなしな楽曲が続きます。
特にM-4「Me Love」は対訳を見ると失恋ソングなのにも関わらず、非常に楽しい雰囲気の楽曲です。
聴いているだけで燦燦と輝く太陽の下にいるような気分になってしまうこと請け合いです。
その後に続くM-5「Beautiful Girls」も、大ヒットしたのも頷ける良曲。
国内版のボーナストラックとしてこの曲のインストのM-15「Beautiful Girls (Instrumental)」が収録されていますが、やはりこのSEANの歌唱が乗っているバージョンの方がいいですね。
SEANの歌声があったからこそあんなヒット曲になったのだと思います。


M-6「Dry Your Eyes」はそんな今までの楽曲とは雰囲気が変わり、ちょっと暗めの雰囲気。
刑務所にいる母親に向けた感謝ソングで、SEAN自身が「本作の中でも重要な曲」と語っているほど。
SEANの明るい歌声でもこんなに哀愁ある楽曲になるのか、と驚いてしまいました。
曲自体も良曲なのは言うまでもなく。
この曲の後は気分が上がってしまうような楽曲が続くので、アルバムの中でもいいアクセントになっていますね。

本作ではボーナストラックを除くと唯一の客演を迎えた曲であるM-8「There's Nothin feat. Paula Deanda」は両者ともかなり気合が入った恋愛ソングで、SEANはぶっちゃけこの曲が一番力込めて歌ったのではと思ってしまう歌唱を見せてくれます。
PaulaとSEANの掛け合いもかなり聴いていて楽しいです。

その後もSEANの歌いこなしとトラックのサポートっぷりが好相性な楽曲が続き、とにかく楽しい流れが続きます。
(特にM-13「Change」のSEANの歌唱、詞は必見!)


個人的に期待していたボーナストラックであるM-14「Colors (2007) (Reggae Remix) feat. Vybz Kartel, Kardial Official」がちょっとイマイチな出来なのが惜しかったですが。

ですがそれを差し引いても本当に聴いていて楽しい時間にすごせる1枚。
どんなジャンルが好きな人でも抵抗なく入れる内容だと感じるので、興味のある方は是非どうぞ!


↓M-4「Me Love」のPV。
www.youtube.com

予定 ~〇〇に帰ったら~ / V.A.

tower.jp


曲目リスト


1. 予定 ~福島に帰ったら~ / だっぺズとナンバーザ
2. 予定 ~いわてに帰ったら~ / あんべ光俊とナンバーザ
3. 予定 ~宮城に帰ったら~ / 宮藤官九郎中村雅俊とナンバーザ
4. 予定 ~富岡に帰ったら~ / 渡辺俊美とナンバーザ (ボーナストラック)


評価: ★★★★★★★★☆☆


今年もやってきましたね。3月11日。
一昨年と去年は仕事上の都合で更新できませんでしたが、今年は3年ぶりにこの日に更新できました。


あの東日本大震災から9年、当時高校受験を終えたばかりだった僕が、今では社会人になって3年になろうとしているわけで、本当にあっという間だったような気もしますし長かったような気もします。
しかしまだ地元福島では帰宅できない地域もあるわけで、まだまだ完全復旧は長い道のり。
これからどんな方向に向かうか。


というわけで、久しぶりに東日本大震災関連の1枚を紹介。


福島のロックバンド、Number theが中心となって制作されたチャリティーシングル。
2013年3月6日発売。


発生してから、様々なミュージシャンに影響を与えた東日本大震災
多くのミュージシャンが震災絡みの楽曲を発表しましたが、本作もその1つになります。

震災後の猪苗代湖ズの活動が話題になりましたが、その傍らで復興イベントで勢を出していたのがNumber Theで、震災前から決まっていた自分たちのイベントを急遽チャリティーイベントに変更。
そしてその幾多のイベントで披露されたのが本作のM-1予定 ~福島に帰ったら~」。
当然凄まじく福島県内で話題となり、テレビやラジオで何度もエアプレイされることになります。


2011年8月には本作のM-3「予定 ~宮城に帰ったら~」を参加メンバーで披露し、福島だけでなく全国で話題に。
その後もたびたびライブで披露され、その度に話題曲としてどんどん広がっていきました。
それから2年後、やっとタワーレコードにて音源CDが発売。
販売利益は全て福島県岩手県宮城県富岡町に寄付されます。


さて、内容に。


本作は全てメロディーは同じで、詞の内容、歌い手だけを変えてそれぞれの故郷を歌うという内容になっています。
震災ソングだからといって決して手抜きはなく、メロディーはどの世代にも受け入れられそうな馴染みやすさが特徴です。


詞の内容は4曲とも、地元の人にしか分からなそうな地名や名物が詰まっています。
M-1予定 ~福島に帰ったら~」、M-4「予定 ~富岡に帰ったら~」は福島県民なこともあって全部理解できますし、M-2「予定 ~いわてに帰ったら~」、M-3「予定 ~宮城に帰ったら~」もほとんど理解できますが、他の地域の人ではわからない言葉も多いでしょうね。

詞の他にも要注目なのが4曲とも歌い手が違うので、同じような詞でもメロディーへの乗せ方が全然違うこと。
そのこともあって4曲とも同じメロディーなのに最後まで飽きずに聴き通せます。
声とメロディーの相性も4曲とも抜群です。
どの歌い手の方もいい味が出てますよ。


上にも書いたように様々な名物が出てくるので是非旅行などに行く際の参考にしてみてほしいですね。
チャリティーとしてリリースされた作品ですが、純粋に音楽作品としても十分に良作の1枚になっていますよ。


今でもタワーレコードで購入すると利益の寄付がされるので、気になった方はぜひ。
ちなみに今では様々な県のバージョンが作られており、下記サイトで有料でダウンロードできます。
無論収益は全て被災地に寄付されます。ぜひチェックしてみてください!
yoteii.jp


M-1予定 ~福島に帰ったら~」のPV。
www.youtube.com

efiL4zaggiN (+100 Miles And Runnin') / N.W.A

Niggaz4Life(+100 Miles and Runnin’)


曲目リスト


1. Prelude
2. Real Niggaz Don't Die
3. Niggaz 4 Life
4. Protest
5. Appetite for Destruction
6. Don't Drink That Wine
7. Always Into Somethin'
8. Message to B.A.
9. Real Niggaz
10. To Kill a Hooker
11. One Less Bitch
12. Findum, F---um & Flee
13. Automobile
14. She Swallowed It
15. I'd Rather F*** You
16. Approach to Danger
17. 1-900-2-Compton
18. Dayz of Wayback, The
19. 100 Miles and Runnin' (bonus track)
20. Just Don't Bite It (bonus track)
21. Sa Prize, Pt. 2 (bonus track)
22. Kamurshol (bonus track)


評価: ★★★★★★★★☆☆


アメリカのコンプトンで結成されたラップグループ、N.W.Aの2ndアルバム。
1991年5月28日発売。(本作は2015年12月9日発売)


1990年にリリースされたEP「100 Miles and Runnin'」が、50万枚のセールスをあっという間に達成したN.W.A。
ICE CUBEが1989年に抜けたのが非常に大きな穴だったと様々な評者から言われたN.W.Aですが、セールス的にはそんなことも大きなダメージにならないくらいに当時の人気は絶大だったわけですね。
1991年にそんなブーム冷めやらぬ中出された2ndアルバムが「efiL4zaggin」。


セールス的にもすさまじい話題作となり、ギャングスタラップでは史上初の全米チャート1位を獲得。
この2ndアルバムリリース後にこれまた主力メンバーであるDr.DREが脱退したため、実質解散になります。
その後も再結成するのではという噂はありましたが、1995年にEazy-EがHIVに罹患し逝去したため(享年31)、本来のメンバーでの再結成は不可能になりました。
結果的に2ndアルバムがN.W.Aとしては最後の音源になります。


そして本作は、2000年以降にリリースされた、その2ndアルバムとEPを一枚にコンパイルしたお得な作品です。


さて、内容に。


西海岸HIP HOPを代表するアルバムである本作。
とにかくこれぞギャングスタラップ創成期!という雰囲気のトラックとラップが詰め込んであります。まあその時期にリリースされたので当たり前ではありますが・・・。


M-1Prelude」は当時のN.W.Aのメンバーとその仲間たちがトラックの上で掛け合いを乗せるオープニングの役割としての楽曲。
2分ちょっとですが随所に入るスクラッチがMC陣の煽りを後押しする様が非常にカッコいいです。
そこからM-2「Real Niggaz Don't Die」に行く流れも素晴らしいですね。
3MCともしっかり存在感のあるラップを披露し、トラックもその過激も過激な内容のラップをしっかりと受け止めています。
Hookも聴いているだけで興奮してしまうこと間違いなしの臨場感がありますし、dialogueの狂ったような煽りもすさまじい。狂ってますね!

M-3「Niggaz 4 Life」は黒人の蔑称である言葉がテーマの、黒人が黒人として生きていくことの苛烈さを吐き出す内容。
3人とも対訳を見るとまるでその苛烈な状況が映像として流れてくるような映画性のあるリリックを用意しています。
特に最後の有名なEazy-Eのラインは、おどけた感じで歌っているだけに本当に強烈ですね。
是非対訳でこれは見てほしいです。


ニュースのスキットを挟んでのM-5「Appetite for Destruction」は危険な雰囲気のトラックの上に、3MCがマイクパスをしていくのが小気味良いです。

またコマーシャルのスキットを挟んでいくM-7「Always Into Somethin'」は怪しさがありつつもカッコよさは十分のトラックの上でRENとDREがラップを乗せていく様が本当に聴きごたえありです。
随所のスクラッチ音もかなり強烈でいいアクセント。

M-8「Message to B.A.」は脱退したICE CUBEに対する恨み節満載のDIS曲(というよりスキットですが)で、正直聴いているこっちも気分が悪くなりそうな内容。
そもそもこの直後にDREも脱退したことを考えると、本当に崩壊前夜という感じがしてしまいます。

M-9「Real Niggaz」はEPで先行発表された曲で、唯一EPにもアルバムにも収録された曲。
それだけに、3MCとDJ Yellaの4人がバンバンとカッコいい様を見せる1曲!
トラックもラップも文句なしにカッコいいです。


スキットを挟んだM-11「One Less Bitch」からはとにかくS〇XやBIT〇Hなどといった女性ものの楽曲が並びます。
リリックの内容はとにかく下品の極みで、対訳を見たら女性なんかは特に不快感示す人いるんじゃないかという感じです。
個人的には全体的に冷たい雰囲気が漂うM-11「One Less Bitch」、MC RENの1人舞台であるM-14「She Swallowed It」、バーとかでも流せそうな雰囲気のトラックなのにリリックの内容は下品というギャップが面白いM-15「I'd Rather F*** You」辺りが好きです。


そんな女、女ばかりの内容の後のM-16「Approach to Danger」から一気に重たい雰囲気になります。
トラックも本当に聴いているだけで危険を感じてしまいそうな不穏なトラックです。
というかEazy-Eの最後のリリックが・・・これも対訳チェック必須。

これまたスキットを挟みM-18「Dayz of Wayback, The」へ行きます。
M-3「Niggaz 4 Life」と同じく黒人の苛烈な生活を、淡々とRENとDREがラップしていく内容になっています。


これで本来ならアルバムは終わるわけですが、本作はここで終わらずEPの4曲が続くわけです。


M-19「100 Miles and Runnin'」はとにかくトラックの疾走感がすごいのですが、そこに乗っかる3人のラップも大暴れです。
聴いていて頭を振りたくなってしまうことは必至ですね。
途中でトラックが変化を見せるのもすごくカッコいいです!

後の3曲はそんなに力を入れては作られていないかなという感じです。
M-20「Just Don't Bite It」はRENとEazy-EによるS〇Xの楽曲。
M-21「Sa Prize, Pt. 2」はN.W.Aの一番の有名曲の「Fuck The Police」のセルフリメイクですし、M-22「Kamurshol」は2ndアルバム(要するにこのEPが収録されていない本来の2ndアルバム)の宣伝の為の、短めの楽曲です(トラックはM-1Prelude」と同じものが使われています)。


N.W.Aの1stアルバムから記事を書きたかったのですが、この2ndアルバム(+EP)を昨年末と今月はよく聴いていたので、記事にすることにしました。
全体を通して聴いてみるとさすがはアメリカの伝説的な西海岸HIP HOPグループの作品。
流石に計22曲という曲の多さとスキットの多さでちょっと雑多な印象は否めないですが、リリースから30年近く経った今でも色褪せていないです。

今では入手困難なEPの音源もまとめて聴けてしまうのですから、本当にこの企画を考えた方には感謝したいですね!
今から聴いてみたい方は本当にこのEP音源付きをおススメします!
N.W.Aの映画「Straight Outta Compton」が2015年に公開された影響により、音質が良い状態のCDがリリースされているので、是非チェックしてみてください!


↓M-5「Appetite for Destruction」のPV。
www.youtube.com


↓M-19「100 Miles and Runnin'」のPV。
www.youtube.com

FREE WAY / TERRY

FREE WAY


曲目リスト


1. BELIEVE feat. ERIKA
2. YOU’RE LIAR feat. ROKU, RIDE, M.O.T
3. Interlude with LB
4. Never Ever Give Up feat. LB
5. Party Cruisin'
6. FREE MAN feat. FRENZY
7. Crystal Snow feat. ERIKA
8. This Is My Feelings feat. FRENZY
9. I sing for you feat. ERIKA, CROVER


評価: ★★★★★★★☆☆☆


宮城県仙台出身のラッパー、TERRYの1stアルバム。
2011年5月25日発売。


TERRYは宮城県仙台を拠点に活動するラッパーで、2000年代にLGY(現LGYankees)のHIROが指揮をとっていた、仙台を拠点とするラッパー集団、西海岸CREWに加入してキャリアをスタート。
その中で生まれたグループであるEIGHT TRACKにも参加し、活動の場もコンピレーションへの参加や仲間のラッパーの客演などで広げていきました。
西海岸CREWが解散した後には、HIROが立ち上げた音楽レーベルであるNO DOUBT TRACKSにEIGHT TRACKのメンバーと共に所属し、HIRO主導のコンピレーション「NORTH EAST Ⅱ」に参加。
その直後に自身が所属するEIGHT TRACKの1stアルバムがNO DOUBT TRACKSからリリースされ、1万5千枚というセールスを記録。

2008年後半に他のEIGHT TRACKメンバーとNO DOUBT TRACKSを離れて独立し、自主製作でTERRYソロ名義では初の音源である1stシングルをリリースします。
手売りと通販という限られたリリースながら6000枚ほどのセールスを果たしました。

その後も客演やコンピ参加などを地道に続け、2010年で1stシングルでの人気曲であった「I sing for you feat. ERIKA, CROVER」(M-9)が着うたサイトのクラブチャートで月間1位を達成。
2010年末にはEIGHT TRACKが2ndアルバムをリリースしたこともあり、TERRYの名前もますます広がりを見せることに。

2011年、とうとうTERRY名義では初のアルバムとなる本作がリリースされました。


さて、内容に。


TERRYの特徴は力強いラップとリリック。
EIGHT TRACKの作品やコンピレーションアルバムでもそのどっしりとした貫禄のあるラップさばきは異彩を放っていました。
ただリリックの内容は湘南乃風のような不良臭さがあるため、好みは分かれるかもしれないですね。


M-1BELIEVE feat. ERIKA」は本作のリードトラックで、既に十八番となっていたERIKAとのコラボ曲。
ERIKAの歌唱とTERRYの相性の良さを見せてくれる佳曲です。
この曲を初めて聴いた時にはTERRYってこんな切ないトラックとも相性が合うラッパーなんだ、って驚いた記憶があります。

M-2「YOU’RE LIAR feat. ROKU, RIDE, M.O.T」は、ROKU & RIDEの2人と以前からSPIDER NETSで一緒にやっていたM.O.Tを客演に迎えたマイクリレーもの。
リリックの内容は前向きシットで好みは分かれそうですが、4人とも芯のあるラップと歌を聴かせてくれるので聴きごたえがあります。


M-3「Interlude with LB」は本作のリリース時の2ヵ月半前に起こった東日本大震災時のTERRYとLBの電話での会話を元にしたフリースタイルもの。
試みは面白いですが、個人的にはそんなに惹かれるものはなかったですね。
そこからのEIGHT TRACKメンバーを迎えた新曲のM-4「Never Ever Give Up feat. LB」、M-6「FREE MAN feat. FRENZY」は、強烈なギターをフューチャーしたロック調なサウンド
ある意味新鮮ではありましたが、TERRYのラップはともかくとしてLBのラップとFRENZYの歌があまり活きていない気がします。というかM-6「FREE MAN feat. FRENZY」のトラックはFRENZYの歌とはかなり相性が悪いタイプなのでは・・?
(あ、でもこの2曲に挟まれた本作唯一のTERRYの単独曲であるM-5「Party Cruisin'」はトラックの変化の仕方とTERRYのラップの乗せ方が中々面白くて良かったです)


その後のM-7「Crystal Snow feat. ERIKA」からM-9「I sing for you feat. ERIKA, CROVER」までは2008年にリリースしたEPの収録曲が続く流れです。
M-7「Crystal Snow feat. ERIKA」、M-8「This Is My Feelings feat. FRENZY」は客演の歌の使い方がとても活きていますし、TERRYのラップも中々の仕事ぶり。
最後に控えるのは上にも書いたようにTERRYの最大のヒット曲と言ってもいいM-9「I sing for you feat. ERIKA, CROVER」。
流石に宣伝文に「100万人が涙した」とあるだけあって切ない恋愛ソングです。
ただあまり客演の2人の必要性があまり感じられませんでした。TERRY1人だけでも十分聴かせる歌に出来たのでは。


全体を通してみると、TERRYの持ち味である力強いラップは十分に堪能できます。
何度もコラボしているERIKAの歌唱との相性の良さも見せつけられますし、(リリース当時では)久しぶりの共演だったM.O.Tの健在ぶりも当時嬉しかったです。

ただ上にも書いたようにEIGHT TRACKメンバーとのコラボ曲がちょっとイマイチだったのは惜しいですね。
あとTERRYは1人でも十分聴かせられる力量はあるので、もうちょっとソロ曲があってもよかったような気もします。


とはいえ良作。EIGHT TRACKやコンピレーションの作品でTERRYのラップが気になった人は是非。


M-1BELIEVE feat. ERIKA」のPV。
www.youtube.com

A Day Without Rain / Enya

A Day Without Rain


曲目リスト


1. A Day Without Rain
2. Wild Child
3. Only Time
4. Tempus Vernum
5. Deora Ar Mo Chroi (Tears On My Heart)
6. Flora's Secret
7. Fallen Embers
8. Silver Inches
9. Pilgrim
10. One By One
11. The First Of Autumn
12. Lazy Days


評価: ★★★★★★★★☆☆


アイルランドの歌手、Enyaの4thアルバム。
2000年11月17日発売。


1stアルバムの成功以降、リリースされるアルバムが百万枚単位のセールスを記録することになるEnya
中でもこの4thアルバムは全世界で1000万枚以上というセールスを記録しました。
日本でもこの頃になると人気は完全に定着したようですね。

今でも大人気なシンガーであるEnyaですが、1枚1枚に非常に時間をかけて制作されるため、キャリアに対して割とリリースアルバムはそんなに多くないんですよね。


さて、内容に。


Enyaの特徴はとにかく圧倒的な歌唱力と優しく爽やかな歌声。
聴いてみた印象としては、とにかく彼女の声を最大限に生かしている内容だと感じます。
サウンドが彼女の歌をかき消すということは一切なく、彼女の歌声を引き立たせる一心で作られたサウンドですね。


まずM-1A Day Without Rainからしていいですね。
ピアノによるインストですが、アルバムの最初としては素晴らしい幕開けです。


そこからはまさにEnyaの歌声が生かし切った内容が続きます。
M-2「Wild Child」、M-3「Only Time」はもうEnyaの楽曲史上最も有名な曲と言ってもいい2曲ですが、これはもうそうなってしまうのも心の底から頷けてしまいます。
パーッとした明るい雰囲気と、そこに乗るEnyaの歌声がこの上ない相性の良さです。

そこからのM-4「Tempus Vernum」はちょっと重たい雰囲気で、本作の中でも異色な楽曲です。
好みは分かれるかもしれませんが、個人的には好きですね。

M-5「Deora Ar Mo Chroi (Tears On My Heart)」は伴奏自体があまりなく、ほとんどEnyaの歌声で魅せている構成ですね。
Enyaのような抜群の歌唱力を持っているシンガーだからこそなせる業です。
M-2やM-3と同じような路線のM-6「Flora's Secret」を挟んだ後の、M-7「Fallen Embers」もそのような構成となっています。
どちらも聴きごたえは十分ありますよ。

M-8「Silver Inches」はインスト。嫌でも朝焼けの光景が頭に浮かぶこと間違いなしの楽曲です。本当に美しい音を作りますね。

M-9「Pilgrim」、M-10「One By One」とM-2、M-3と同路線の楽曲が続き、
M-11「The First Of Autumn」へ。
Enyaのコーラスが乗ってはいるものの、ほとんどインストに近いです。近づいては遠のいてくのを繰り返すような音のうねりがすごいですね。

最後にM-12「Lazy Days」で非常に爽やかにアルバムは幕を閉じます。
この曲がぶつっと終わる形式でなく、段々音が小さくなりフェードアウトしていく終わり方なのもいいと思いました。


なんとなく手に取った1枚でしたが、さすがに全世界で凄まじいセールスを獲得しただけはある内容ですね。
インストもとにかく音の繊細さがすごく、どこを取っても手抜きされていないのがよくわかります。
とにかく音が「美しい」。普段うるさい音楽を聴いている僕は余り体験したことのない感覚でした。

有名曲も何曲か入っているので、Enyaを知らない人でもすんなり入り込めるのでは。自分もそうだったので。
中古屋でも割とある1枚なので、興味のある方は是非どうぞ。


↓M-7「Fallen embers」。
www.youtube.com