りくぼーの音楽感想倉庫

音楽CDの感想を綴っていきます

NASIR / NAS

ナシール


曲目リスト


1. Not For Radio feat. Puff Daddy & 070 Shake
2. Cops Shot The Kid
3. White Label
4. Bonjour feat. Tony Williams
5. everything feat. The-Dream
6. Adam and Eve feat. The-Dream
7. Simple Things


評価: ★★★★★★☆☆☆☆


アメリカのNY出身のラッパー、NASの11thアルバム。
2018年6月15日発売。


NASは90年代から活動するラッパーの1人で、1994年に1stアルバム「Illmatic」をリリースしてからコンスタントにアルバムをリリースしていました。
9thアルバム「Untitled」までは最低でも3年に1枚以上リリースしていましたね。

10thアルバム「Life Is Good」は「Untitled」から4年のインターバルを経て2012年にリリース。
元妻のKELISの式の時のドレスを持ったジャケなどもあり2012年の話題作となりました。


しかしそれ以降、NASのアルバムのリリースがアナウンスされることはしばらくなくなります。
洋楽邦楽問わずオリジナルアルバムのインターバルが何年も十何年も空くことは珍しいことではありませんが、NASはラッパーの中でもコンスタントに出していたラッパーなので、割りと期待していたリスナーも多かったのでは。
HIP HOP界の伝説のラッパーの一人ですしね。


そんな中、そのような情報が入ってきたのは2016年。
2000年代のHIP HOP界のプロデューサー、DJ KHALEDがNASを客演に迎えた楽曲「NAS ALBUM DONE feat. NAS」を発表したのですが、この曲名は訳すると「NASのアルバムが出来た」であり、「とうとうNASがニューアルバムを!?」とリスナーの間で話題になったのです。


・・・ところが、結局2016年にNASのアルバムがリリースされることはありませんでした。

それから2年経って2018年、やっと正式にアルバムリリースが公表され、Kanye Westのフルプロデュースにより6月にリリースされました。

前作の「Life Is Good」は前々作「Untitled」から4年のインターバル、NASのアルバムで最も長いインターバルでリリースされたアルバムでしたが、本作「NASIR」は前作「Life Is Good」から6年という史上最長のインターバルを経てリリースされたアルバムとなりましたね。


さて、内容に。


今まで様々なプロデューサーと組んで作品を完成させてきたNASですが、本作のプロデューサーはKanye West
2016年の時点でKanyeが「次のNASのアルバムのトラックを俺が手掛けるとオバマに約束した」という発言をしていましたが、それが実現した形になります。


Kanyeの手掛けたトラックは中々重厚な内容ながらシンプルなトラックが多く、トラック単独での聴き応えはかなりありそうです。インストがあったら欲しいかも。

NASのラップは良くも悪くも相変わらず。
普段HIP HOPを聴かない人でもとっつけそうな乾いた声は健在です。


ただ、その2つが巧いこと化学反応を起こしたかと言われるとちょっと厳しいところ。
Kanyeのトラックは単体なら間違いなく上質ですが、NASのラップを引き立てているとは言い難い曲が多め。
客演陣も、正直NASより前に出てしまっている感があり、どっちが主役か分からない状態になっています。


そのような特徴のせいか、7曲26分というタイトな内容なのにも関わらず、どうもとっ散らかった印象が残ります。
Kanye、NAS、客演陣、それぞれが違う方向にキックやパンチを打っていて、上手く噛み合ってないというか。


ただ良曲が全くないかというと決してそんなことはありません。

M-2「Cops Shot The Kid」はタイトル名をひたすらコールするトラックの上で、NASがショッキングなリリックを紡いでいく、聴いていてゾクゾクしてしまう一曲。
所々に挿入される叫び声が何とも恐ろしいアクセントになっています。
この曲を聴くときは英語ができない方は対訳必須です。
日本語を通してにはなりますが、NASの叫びに耳を傾けてください。


後は良曲と感じたのはこのアルバムの最後を締めるM-7「Simple Things」。
比較的シンプルなトラックはNASのラップとの相性も中々で、NASのラップを本作で一番引き立たせていると感じます。
リリックの内容も、今まで様々な経験を経てきたNASだからこそ伝えられるメッセージが詰まっています。
この曲を最後にしたのは大正解でしたね。


上に書いたように作品の出来としてはちょっと厳しい部分もありますが、NASのリリシストぶりを楽しみたい方はご安心を。
対訳を見れば分かりますが、NASのリリシストぶりは本作でも十分堪能できます。
(特に「あの」歴史上の人物に踏み込んでいる部分は必見・・・!)
リリックに衰えがないのは嬉しかったですね。


やはり全体的に客演とトラックとNASのラップが上手く噛み合ってないのは大きなマイナスポイントでした。
リリックの内容は相変わらずすごいのですから、トラックや客演の相性が良ければかなりの名作アルバムを作れると思います。
次回はそんなアルバムがリリースされることを期待しています!
やはり今後も要注目なラッパーです!


↓M-2「Cops Shot The Kid」。
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Forever / Puff Daddy

Forever


曲目リスト


1. Forever (Intro)
2. What You Want
3. I’ll Do This For You feat. Kelly Price
4. Do You Like It… Doo You Want It… feat. Jay-Z
5. Satisfy You feat. R. Kelly
6. Is This The End Pt. 2 feat. Twista
7. I Hear Voices feat. Carl Thomas
8. Fake Thugs Dedication feat. Redman
9. Diddy Speaks! (Interlude)
10. Angels With Dirty Faces feat. Bizzy Bone
11. Gangsta Shit feat. Lil’ Kim & Mark Curry
12. P.S. 112 (Interlude)
13. Pain feat. G-Dep
14. Reverse feat. Shyne, G-DepCee-LoBusta Rhymes & Sauce Money
15. Real Niggas feat. The Notorious B.I.G. & Lil’ Kim
16. Journey Through The Life feat. Nas, Beanie Siegel, Lil’ Kim & Joe Hooker
17. Best Friend feat. Mario Winans
18. Mad Rapper (Interlude)
19. P.E. 2000 feat. Hurricane G
20. P.E. 2000 (Rock Remix)


評価: ★★★★★★★★☆☆


アメリカのプロデューサーであるSean CombsのMC名義、Puff Daddyの2ndアルバム。
1999年8月24日発売。


ずっとプロデューサーとしてレーベル運営をしていたものの、1997年にPuff Daddy & the Bad Boy Family名義で1stアルバム「NO
WAY OUT」をリリースし、MCとしても活動を開始したSean Combs

「様々なラッパーやシンガーをプロデュースした男がついに自身のアルバムを!」と話題になり、好セールスを記録。
その2年後にこの2ndアルバムをリリースしました。


本作もNASJAY-Z、Lil Kimなどなど多彩で豪華な客演を迎えたこともあり、USビルボードで2位を獲得する大ヒットアルバムとなりました。
ただし「豪華な客演が集まったわりにはパッとしない」と世間的な評価は余り芳しくなかったようです。


では内容に。


後に作詞も作曲も全てゴーストがいたと判明するというラッパーとしてはとんでもなくカッコ悪い事実が判明してしまったPuff Daddyですが、ラップ自体はどんな音にも馴染む声質でなかなかいい味を出しています。


何よりも上手いと感じるのはボーカル使いですね。
特に前半は女性のコーラスとの絡みが印象的。
シンプルながらも飽きの来ないトラックの上でHookで絡むシンガーの歌声が絶品なM-2「What You Want」とM-3「I’ll Do This For You feat. Kelly Price」、
バックの女性のコーラスがパーティーな雰囲気を後押ししているのに加えて、JAY-Zもタイトなラップでいい仕事ぶりを見せるM-4「Do You Like It… Doo You Want It… feat. JAY-Z」、神秘的な雰囲気なトラックの上で本作のシンガーとしては一番なのではという歌を見せるR.Kellyが素晴らしいM-5「Satisfy You feat. R.Kelly」と、どれも丁寧な仕事ぶりで感心させられてしまいます。


M-6「Is This The End Pt. 2 feat. Twista」ではそんな雰囲気からガラッと変わりますが、Puff Daddyの捲し立てるようなラップとTwistaの緊迫した歌が素敵な化学反応を起こしています。
というか自分でリリックを書いていないのにこんなラップを披露するってある意味すごいのでは。
なお、リリックの内容もこの曲から一気に物騒になります。

その後はリリックの内容もトラックも物騒な曲が多目なものの前半に比べてハマり具合は・・となりますが、M-10「Angels With Dirty Faces feat. Bizzy Bone」は聴いたとたんにぶっ飛ばされること間違いなし!
Bizzy Boneが完全にPuff Daddyを食べてしまっています。
それくらいBizzyの怒髪天っぷりが凄まじいです。
この次に控えるM-11「Gangsta Shit feat. Lil’ Kim & Mark Curry」は名前に似合わない非常に淡々とした雰囲気な楽曲ですが、最後のバースに控えるLil’ Kimの女性ならではの暴力的なラインの応酬がすごいです。

シリアスなトラックの上でシリアスな展開のリリックを描くM-13「Pain feat. G-Dep」からマイクリレーもののM-14「Reverse feat. Shyne, G-DepCee-LoBusta Rhymes & Sauce Money」に繋がる流れも中々。同じマイクリレーものであるM-16「Journey Through The Life feat. Nas, Beanie Siegel, Lil’ Kim & Joe Hooker」にも言えますが、やはりシンプルなトラックの上でのマイクリレーは聴き応えがありますね。
まあ、豪華な面子が集まったわりに地味な印象は拭えないですけど。

M-17「Best Friend feat. Mario Winans」からM-20「P.E. 2000 (Rock Remix)」の流れは話題となった曲が固まっているだけあって腹持ちは抜群です。ただ綺麗に纏めすぎた感もありますかね。


余り評判は良くない本作ですが普通の水準で聴けば、十分合格点は行ってるんですよね、この作品。
確かにかなり耳の引きが強い楽曲はなく全体的に地味な印象は否めず、随所で綺麗に纏めすぎた感はあります。
NASやThe Notorious B.I.GJAY-Zなどビッグネームを呼んだ割りには・・・」という声が多かったのもこのような優等生的に堅さがちょっとあったからかもしれません。


そんなに進んで勧められる一枚ではありませんが、もしレンタルや中古などで見かけたら何回か聴いてみてほしいですね。(要するに一回通して聴くだけだったり試聴だけでは駄目ということです)
個人的には一聴の価値ありの作品です。


↓M-5「Satisfy You feat. R.Kelly」のPV。
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純恋歌 / 湘南乃風

純恋歌


曲目リスト


1. 純恋歌
2. 武乱入
3. JUMP AROUND
4. 純恋歌 〜Instrumental〜
5. JUMP AROUND 〜Instrumental〜


評価: ★★★★★★★★☆☆


神奈川県湘南にて結成されたグループ、湘南乃風の5thシングル。
2006年3月8日発売。


2003年に1stアルバムをリリースしてメジャーデビューしてから「応援歌」、「カラス」などの人気曲を排出し、メディアへの出演も多くなり順調に認知度を上げていった湘南乃風

そんな湘南乃風を一気に超有名グループに押し上げたのがこの5
thシングル「純恋歌」。

このシングルの前にリリースしたシングル4枚も全てチャートで20以内を獲得する好調さでしたが、このシングルはタイアップなしであるのにも関わらず(現時点で)60万枚以上のセールスを叩き上げ、チャートで2位を獲得するという飛躍っぷりを見せたのです。

カラオケでも様々な男女に歌われる人気曲であり、「湘南乃風といえばこの曲!」という方もかなり多いはずです。


しかしながらAmazonレビューにひどい言葉が並びまくっていることなどを見ても分かるように、熱狂的なREGGAEファンや音楽ファンなどからは一気に湘南乃風が嫌われる原因となったシングルでもあります。
「REGGAEじゃない」、「金儲けのための楽曲」などといった批判がかなり寄せられてしまったのです。
この「純恋歌」をリリースした年から横浜レゲエ祭にも呼ばれなくなりましたしね。
さらに批判の声をぶつけるのはリスナーからだけはなく他のアーティストからも・・・。


では内容に。


表題曲のM-1純恋歌」はその名の通り恋愛ソングで、綺麗なトラックの上で湘南乃風のメンバーが男女のストーリーと彼氏からの彼女への気持ちを紡ぐ一曲。
非常にロマンチックなトラックなのにその上に男臭い4人の声が乗るという構図は純粋に面白いですね。

ただこの曲の一番賛否が分かれる理由は・・やはり詞でしょうね。


上でも書いてあるように基本的にこの曲は彼氏から彼女に対しての恋愛ソングな訳なんですが・・ネットでよくあがってるパスタの下りでの件にしろ、パチンコ屋の件にしろ・・。
わりと突っ込みどころが目立つ内容なんです。

まあ音楽の世界にはもっともっと醜い男の恋愛ソングなんていくらでもあるわけで、そんなに目くじら立てるほどかなとも思いますが。
とりあえずまずは一聴してから評価をお下しください。
(ちなみに個人的には最後のコーラス前のRED RICEのバースはガラガラ声と熱い詞が相まっていて好きです)


M-2「武乱入」はアルバムでいうスキット的な役割の一曲です。シングルでこんなタイプの楽曲を入れるのは珍しいですね。
2分もない楽曲ですが、純恋歌のよくも悪くもロマンチック(?)な雰囲気から一気にアンダーグラウンドな世界にリスナーを持っていく橋渡しとしてはかなりいい感じです。
賛否が分かれるグループである湘南乃風ですが、この辺りの作り込みのセンスはもっと評価されていい気がします。


そしてこのシングルで一番の聴き所がM-3「JUMP AROUND」。
個人的にメインの「純恋歌」よりずっと好きなカップリング曲です。
重たくて暗い聴き応え抜群のトラックの上で4人がマイクを回す一曲なのですが、この曲の4人の気合いの入りっぷりが半端ではありません。
リリック、勢い、マイクパスのタイミングといい文句をつける部分が見当たらない会心の一曲。
気分を盛り上げたいときには是非聴かれたし。そんな一曲。
一曲って表現使いすぎですね。ハイ。

Amazonレビューでボロクソに書いてるレビュアーの大半、絶対このカップリングまで聴いてないと見ました。


M-4「純恋歌 〜Instrumental〜」、M-5「JUMP AROUND 〜Instrumental〜」は全く違うタイプのインストですが、どちらも彼らのしっかりとした音作りが楽しめます。


と、メインのM-1純恋歌」は間違いなく好みが分かれますけど、カップリング曲やインストのお陰で間違いなく良作ではある1枚だと思います。
まあこの1枚がきっかけでラッパーの般若やDEEJAYのRYO the SKYWALKERからDISを受け、REGGAEファンからブーイングを浴びせられた経緯を考えると色眼鏡で見てしまう方の気持ちも分かりますが・・・(なお現在はどちらも和解済み)。

ただM-1純恋歌」、M-3「JUMP AROUND」は彼らの3rdアルバムにも収録されているので、その2曲が聴きたい方にはそっちをオススメします。
無論インストなどが欲しければマストですけどね。


M-1純恋歌」のPV。
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Oh Aaron / Aaron Carter

Oh Aaron


曲目リスト


1. Oh Aaron feat. Nick Carter and No Secrets
2. Not Too Young, Not Too Old feat. Nick Carter
3. Stride (Jump On The Fizzy) feat. No Secrets
4. Come Follow Me
5. I Would
6. Baby It's You
7. I'm All About You
8. The Kid In You
9. Hey You
10. Cowgirl (Lil' Mama)
11. Get Up On Ya Feet
12. One For The Summer
13. Aaron Speaking


評価: ★★★★★★★☆☆☆


Nick Carterの弟、Aaron Carterの3rdアルバム。
2001年8月7日発売。


1stアルバムも2ndアルバムも好セールスを記録し、順調にティーンアイドルの道を歩んでいったAaron。
前作の2ndアルバムが300万枚以上というAaronのディスコグラフィー上最高の売り上げ枚数を記録したこともあり、10代前半という若さながら様々な場所でライブ公演を行いました。
その際には日本にも来日してライブを行っており、成功を治めています。
そんな2ndアルバムリリースから1年後に、この3rdアルバムをリリース。
売り上げは前作に届かなかったものの、100万枚以上のセールスを記録。
Aaronのアルバムでは前作に次いで2番目に成功したアルバムとなっています。


さて、内容に。


大まかな内容としては基本的にはPOPなパーティーチューンがメインとなっており、明るい曲が大半を占めています。
前作が比較的M.C. Hammerのようなオールドなパーティーラップスタイルに近かったのに比べると、よくも悪くも聴きやすくなっている感があります。


また兄であるBackstreet BoysのNickや、アメリカのガールズグループであるNo Secretsも客演として参加。
前作が成功を遂げただけに、よりよいものを作ろうという意思を感じます。


それだけに、前作や前々作と比べると楽曲の出来は全体的に上がっており、最初から最後まで一定水準以上の楽曲が続きます。
ウキウキするような入り出しでアルバムのスタートを切るM-1Oh Aaron feat. Nick Carter and No Secrets」は最初の楽曲としてはぴったりな入り出し。
リリックの内容は中身がそんなあるとは言えないですが、AaronとNickがトークする感じは微笑ましさを感じてしまいます。
続くM-2「Not Too Young, Not Too Old feat. Nick Carter」は前作の「Aaron's Party」のRemixのような感じで、POPな聴きやすい雰囲気になったアレンジです。
同じパーティーチューンなのに「Aaron's Party」とは一味違うのが面白い。
ただ、個人的には「Aaron's Party」の方が好きです。

その後も基本的にはパーティーチューンが続くわけですが、M-7「I'm All About You 」はそんな中でもしっとりと聴かせるバラードで、まずまずの出来。


ちなみに国内盤のボーナストラックである、M-12「One For The Summer」が予想以上に疾走感があって聴いてて気持ちいい楽曲です。
ですので今から買おうと思う方は是非国内版を。


好みは分かれるのでAaronファンの方なら間違いなく買いの一枚ですが、そうでない方はまずは試聴してみることをオススメします。


M-1Oh Aaron feat. Nick Carter and No Secrets」のPV。
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SWEAT / NELLY

Sweat


曲目リスト


1. Heart Of A Champion feat. Lincoln University Vocal Ensemble
2. Na-Nana-Na feat. Jazze Pha
3. Flap Your Wings
4. American Dream feat. St. Lunatics
5. River Don't Runnn feat. Murphy Lee & Stephen Marley
6. Tilt Ya Head Back feat. Christina Aguilera
7. Grand Hang Out feat. Fat Joe, Jung Tru & Remy Ma
8. Getcha Getcha feat. St. Lunatics
9. Another One
10. Spida Man
11. Playa feat. Mobb Deep, Missy Elliott
12. Down In Da Water feat. Ali& Gube Thug
13. Boy feat. Lil' Flip & Big Gipp
14. Don't Stop


評価: ★★★★★★★★☆☆


アメリカのテキサス生まれミズーリ州セントルイス育ちのラッパー、NELLYの3rdアルバム。
2004年9月14日発売。


野球が上手でプロ野球選手になる直前まで行ったものの、その道を蹴ってラッパーになったという異色のキャリアを持つNELLY
1999年にはその「歌うようなラップ」で注目を浴び、メディアから称賛を受けます。

2年おきというインターバルで1stアルバム、2ndアルバムをリリースしていき、全てチャート1位を獲得。
そしてまた2年のインターバルでこの3rdアルバムをリリースしたわけですが・・・なんとこの3rdアルバムではラッパーとしては前代未聞の「オリジナルアルバムの2枚同時リリース」を行いました。
フロア向けなアゲアゲチューンが中心の「SWEAT」、メロウなR&B寄りチューンが中心の「SUIT」。
この2枚が2枚ともNELLYの3rdアルバムなのです。


当然のことながら凄まじい話題作となり、アルバムチャートの1位と2位を同じミュージシャンが獲得するという史上初の快挙を達成。
セールスも2枚で500万枚以上の売り上げ。

NELLY自身もこの次の5thアルバムのインタビューでこの2枚のアルバムに関しては「自分のやりたかったことが全て達成できたよ」と満足した様子を見せていました。
誰の目からしても大成功でしょう、これは。

ちなみに日本向けにこの2枚を1枚にまとめたアルバムも販売1年後にリリースされています。
今から買おうと思う方はそちらを買ってもいいかもしれません。


今回紹介するのはフロア向けの「SWEAT」です。


では内容に。


上にも書いたようにフロア向け、ストリート向けの1枚というだけあってクラブでもかけられるようなパーティーチューンがぎっしりと詰まった1枚となっています。
客演の多さも相まって本当に「これぞお祭りアルバム!」という感じがしますね。


M-1Heart Of A Champion feat. Lincoln University Vocal Ensemble」のド派手なイントロとHookからもう一気にそのお祭りな雰囲気に持っていかれること間違いなし。
M-2「Na-Nana-Na feat. Jazze Pha」、M-3「Flap Your Wings」も自然と手を動かしたくなるようなHook作りが流石。
そこからちょっと渋めのM-4「American Dream feat. St. Lunatics」、M-5「River Don't Runnn feat. Murphy Lee & Stephen Marley」に持っていく流れもいいです。
今までの3曲と比べると落ち着いてはいますがしっかりとしたパーティーチューンになっています。
相変わらずの病み付きになるようなHookが持ち味。


そこから後半も豪華絢爛なマイクリレーが楽しいM-7「Grand Hang Out feat. Fat Joe, Jung Tru & Remy Ma」、電子音のようなサウンドと麻薬的なHookが中毒性のあるM-9「Another One」など様々なサウンドで楽しませてくれます。


ただ本当に楽しめるアルバムであることは確かなのですが、客演陣が多めなこともあって豪華な反面雑多な印象を受けることも事実です。
NELLYが完全に脇役になっている曲も何曲かありますしね。
そのせいかNELLYのアルバムというよりはNELLYが主導したパーティーコンピレーションアルバムのような感覚に近いです。
なので純粋なNELLYファンの方にはちょっと不満かもしれません。
向こうのAmazonレビューが賛否両論なのもその辺りなんでしょうね。


ですが本当に聴いてて楽しい1枚。
聴ける環境にある方は是非御一聴を!


↓M-2「Na-Nana-Na feat. Jazze Pha」のPV。
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Cali Life / FOESUM

CALI LIFE




曲目リスト


1. Intro
2. Cali Life feat. Sin2
3. Another House Party feat. Bo-Roc
4. It's LBC feat. Imaa-Is Back, Sin2
5. Dubbz Up feat. MC Eiht
6. Summer Sweetz Remix feat. Kayzabro for DS455
7. Real Talk feat. Lady Blakk Byrd
8. Come On Girl feat. Bo-Roc
9. Out Tha Gate feat. Sin2
10. Just A Part Of Life
11. Under Tha Sun feat. Bo-Roc
12. Together As 1 feat. Two-J
13. Back Against Tha Fence feat. MC Eiht, Sin2
14. Reflexions feat. Lady Blakk Byrd
15. Get Up Out Yo Seat feat. Mr.Low-D


評価: ★★★★★★★★☆☆


アメリカのカルフォルニアロングビーチ出身のラップグループ、FOESUMが日本限定盤でリリースしたアルバム。
2014年9月3日発売。


FOESUMはT-Dubb、MNMsta、 DJ Glazeからなるラップグループで、
1986年に活動を開始したものの、中々音源リリースの機会には恵まれず、1stアルバムがリリースされたのは10年後の1996年でした。
この1stアルバム「Perfection」は軒並み高い評価を受け、西海岸HIP HOPグループの伝説的グループの1つとなっていきます。


その上でDS455やGHETTO INC.など日本の西海岸系ミュージシャンたちとも交流を重ねるようになり、楽曲参加も行っています。
日本にも何度も来日してツアーを行うなど、アメリカのHIP HOPグループの中でもかなり日本との交流が深いグループ。
日本人としては嬉しい限りですね。


そんなFOESUMが2014年に本作をリリースした訳ですが、なんと「日本限定!!」のアルバム。
日本のHIP HOPファンなら手に入れておかないといけない1枚だと話題騒然になりました。
客演陣もSin2やBo-Rocなどの向こうのミュージシャンは勿論のこと、日本からはKayzabro、Two-J、Mr.Low-Dが参加と、 日米間のラッパーのコラボまで実現。
確かにこれなら話題にならない方がおかしいですよね。


では内容に。


9月の初めにリリースされた本作ですが、内容はこのジャケから想像されるように思いきり夏仕様。
夏の海辺などで流すのにはもってこいの内容です。
FOESUMのMC担当であるT-DubbとMNMstaはラップ自体にそこまで華があるわけではないものの、その分どんなトラックや客演にも対応できる柔軟さがあります。
これだけの客演がいるのにも関わらずあくまで主役はFOESUMになっているのは流石です。


客演陣も全ての曲でクールに曲を彩っています。

先行シングルが切られた本作のリードトラックのM-2「Cali Life feat. Sin2」のようなメローチューンは聴いた瞬間一発で耳から離れなくなること必至でしょう。
西海岸系HIP HOPはメローなものを作ると天下一ですが、これらもご多分に漏れずバッチシな良曲です。
その中でのM-5「Dubb'z Up feat. MC Eint」、M-12「Back Against Tha Fence feat. MC Eint, Sin2」などのハードな曲もアルバム全体としていいアクセントになっています。
曲自体も無論良曲なのは言うまでもなく。


そしてやはり洋邦HIP HOPファンの一番の注目は日本人ラッパーの参加曲でしょう。
上にも書いたようにKayzabro、Two-J、Mr.Low-Dの3人が客演として参加していますが、すんなりとトラックの雰囲気にハマっています。
3人ともいい仕事ぶりですし、3曲とも曲としてもいいですが、一際光るのはTwo-Jが参加したM-12「Together As 1 feat. Two-J」ですかね。
和風なトラックの上でFOESUMの2人とTwo-Jのラップが違和感なくハマる、中毒性のある楽曲に仕上がっています。


15曲というボリュームながら最初から最後までしっかりと聴きとおせる、様々な人におすすめできる作品です。
これだけの作品を日本向けに出してくれたFOESUMと企画したプロデューサーには感謝感謝!!

ただ・・出来ればせっかくの日本向け作品なのですから出来れば対訳・・最低でも英詞くらいは付けてほしかったですね。
値段ももう少し高くてもいいので。
次にやる時は是非お願いします!


とはいえ本当に一人でも多くの人に聴いてほしい作品なので、是非御一聴を。


↓M-6「Summer Sweetz Remix feat. Kayzabro for DS455」。
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2001 / Dr. DRE

2001


曲目リスト


1. Lolo (Intro) feat. Xzibit & Tray Deee
2. The Watcher
3. Fuck You feat. Devin The Dude & Snoop Dogg
4. Still D.R.E. feat. Snoop Dogg
5. Big Ego's feat. Hittman
6. Xxplosive feat. Hittman, Kurupt, Nate Dogg & Six-Two
7. What's The Difference feat. Eminem & Xzibit
8. Bar One feat. Traci Nelson, Ms. Roq & Eddie Griffin
9. Light Speed feat. Hittman
10. Forgot About Dre feat. Eminem
11. The Next Episode feat. Snoop Dogg
12. Let's Get High feat. Hittman, Kurupt & Ms. Roq
13. Bitch Niggaz feat. Snoop Dogg, Hittman & Six-Two
14. The Car Bomb feat. Mel-Man & Charis Henry
15. Murder Ink feat. Hittman & Ms. Roq
16. Ed-Ucation feat. Eddie Griffin
17. Some L.A. Niggaz feat. Time Bomb, King T, Hittman, Xzibit, Defari, MC Ren, Knoc-Turn'Al & Kokane
18. Pause 4 Porno feat. Jake Steed
19. Housewife feat. Kurupt & Hittman
20. Ackrite feat. Hittman
21. Bang Bang feat. Knoc-Turn'Al & Hittman
22. The Message feat. Mary J.Blige & Rell


評価: ★★★★★★★★★★


アメリカの西海岸ラッパー、Dr. DREの2ndアルバム。
1999年月日発売。


伝説的なラップグループN.W.Aを1991年に脱退(それにより解散)した後に、1stアルバム「The Chronic」をリリース。
結果としてとんでもない話題作となり、HIP HOPの世界での重要な1枚となりました。


その後はEMINEM2PACなどといった様々なラッパーのプロデュースに専念。
大有名曲である2PACの「Calfornia Love」、Snoop Doggのデビューアルバム「doggystyle」、伝説の白人ラッパーEMINEMのデビューアルバム「The Real Slim Shady」のプロデュースなど、彼がHIP HOP界に残した功績は測り知れません。

そして、前作から7年という月日を経て、この自分名義では2枚目となる2ndアルバムをリリース。
この後、3rdアルバムがリリースされるまでは15年(!?)の年月がかかることになります。


では内容に。


Dr.DREのラップはかなり安定感があり、HIP HOPを余り聴かない人にもすんなり受け入れられるのでは。
無論リリックの内容は過激な部分もあり、リスニングが出来る人は嫌悪を抱くかもしれませんけどね。

基本的にトラックはシンプルなんですが、すごいのはシンプルな音なのに「冷たさ」を感じるんですよね。
まるで暗い夜に雨にうたれているかのよう。
そんなトラックの上でまるで映画のような内容のラップが展開されるので、対訳を見ると本当に映画を見ているかのような時間を過ごせます。


DREのラップが一番存在感があるのは勿論ですが、ほとんどの曲に呼ばれた客演陣も、全員ベストと言っていいパフォーマンスを披露しています。

個人的にその中でも一際光っていたのはEMINEMとNATE DOGG。
EMINEMの縦横無尽な高めの声のラップとNATE DOGGの優しい歌声はアルバム全体としてもいいアクセントになっており、存在感抜群。(詞の内容は2人とも汚い部分もありますが・・)


先行シングルカットされたM-4「Still D.R.E feat. Snoop Dogg」が名曲なのはいうまでもありませんが、本当にそれ以外の曲も名曲揃いで捨て曲は一切なし。
後にM-2「The Wather」、M-10「Forgot About Dre feat. Eminem」、M-11「The Next Episode feat. Snoop Dogg」がシングルカットされましたが、他の曲もシングルカットしても全くおかしくない出来ですよ。
オススメの曲は全部です。


未だにHIP HOPファンの間では語り草にされるのも納得の作品。
見かけたら是非ご購入を!


↓M-11「The Next Episode feat. Snoop Dogg」のPV。
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