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音楽CDの感想を綴っていきます

YAPPARI LGYankees BEST? / LGYankees

YAPPARI LGYankees BEST?


曲目リスト


Disc 1

1. NO DOUBT SHIT ~2012~ feat. GIO, LGRookees Eddie K. ★
2. PARTY UP!! feat. 橋本真依, LGRookees Eddie K. ★
3. Photograph II feat. Noa ☆
4. Eternal feat. SO-TA ★
5. Last Summer Day -PARTII- feat. GIO, LGRookees T-Kay, KENNY ★
6. ウェディングロード feat. Noa
7. ボクでいいよね ~ 愛のうた feat. LGRookees KENNY  ★
8. 世界中でたった一人の大切な人へ
9. 春風 feat. Noa ★
10. Party Drinker feat. jyA-Me
11. KO.A.KU.MA feat. Noa, LGRookees ★
12. Go Ahead feat. SO-TA ★
13. 3年目の記念日 feat. Noa
14. マジありがとう feat. 吉見一星
15. Photograph feat. Noa, 吉見一星 ★
16. Because… ~あなたがいた~ feat. Noa


Disc 2


1. NO DOUBT SIX STAR feat. GIO, PURPLE REVEL
2. Baby Girl feat. 吉見一星
3. Bye for Now feat. GIO ★
4. Wonder Love feat. LGRookees ☆
5. Close to you feat. 舞花
6. Dear Mama feat. 小田和正
7. Once More Again ~もう一度、抱きしめて~ feat. May J.
8. Only Holy Story feat. Noa, LGRookees T-Kay ★
9. Love Sick feat. GIO, 橋本真依 ★
10. Playa Playa II feat. ユンジ, 橋本真依 ☆
11. Brothership feat. GIO, LGRookees ★
12. Good Luck Homies feat. GIO, LGRookees T-Kay ★
13. Always!! feat. さとう宗幸 ☆
14. 左手に咲いたリング feat. Noa
15. 男歌


評価: ★★★★★★★★★☆


宮城県仙台市を拠点に活動するラップグループ、LGYankeesのベストアルバム。
2013年11月27日発売。


LGYankeesの経歴は作品の感想を書くたびに書いては来たんですけど、ベストアルバムということで一旦一から書きます。


2006年に1stアルバムをリリースし、インディーズからのリリースだったのにも関わらず11万枚のセールスを記録させたLGY。
その後もメンバーのHIROが監修を務めたコンピレーションアルバムが好セールスを記録し、HIROがレーベルのNO DOUBT TRACKSを立ち上げ。
2008年にはシングル「Dear Mama feat. 小田和正」でメジャーデビュー。小田和正氏とラッパーのコラボということでかなりの話題となりました。
それ以降はリリースする曲がPOPS寄りの楽曲が多くなったことから、かつての仲良くしていたラッパーやトラックメイカー、支持していた日本語ラップファンからは毛嫌いされるように。
3rdアルバムリリース直後にMCのRYOが脱退するというトラブルも。
しかしながらセールス的にはLGYankeesとしての音源もNO DOUBT TRACKSに所属するミュージシャンも山猿やNoaを筆頭に好セールスを記録し続け一時代を築いたレーベルとなりましたね。2014年くらいから一気に失速しましたが・・むしろ今はレーベルとしてはどういう活動しているんでしょうか?(昨年にRYOが「KO.A.KU.MA」のカバーをするためにレーベルに連絡したと話していたので、レーベル自体は続いているようです)
そんな彼らがリリースしたベストアルバムが本作。
まだNO DOUBT TRACKSが勢いがあった時期だったこともあってセールスはよく、オリコンチャートでは20位以内に入りました。
本作をリリースした翌年にDJ No.2が脱退したため、DJ No.2が参加した最後のLGYankeesの作品になります。


では、内容に。


前述に書いたように2009年にMCのRYOが脱退したという経歴があるLGYankees。
またLGYankeesは同じNO DOUBT TRACKSに所属するミュージシャンとのコラボ曲が多いのも特徴。
2013年当時は山猿を筆頭に既にNO DOUBT TRACKSを離れたミュージシャンも多かったんですよね。
そのためそのような離れたミュージシャンが参加していた曲、RYOが参加していた曲は全て歌いなおしがされています。
曲目リストの★がついている曲はそのような歌いなおしがされた曲で、☆がついている曲は新曲です。

2枚組のベストでよくあるような曲調や年代でディスクを振り分けるという形式ではなく、どちらにも新曲や既発曲、パーティチューンやバラードなどをバランス良く配置する両方ともアルバム、という形式をとっています。


まずはDisc 1から。


M-1NO DOUBT SHIT ~2012~ feat. GIO, LGRookees Eddie K.」は原曲のITACHIのパートがLGRookeesのEddie Kのパートにリメイクされた歌いなおしバージョン。
勢いのあるマイクリレーは最初のスタートにはバッチリなのは原曲と変わらず。
Eddie Kのパートはリリックも書き換えられており、新鮮な感覚で聴けます。原曲もいいですがこちらもこちらで聴きごたえあり。

M-2「PARTY UP!! feat. 橋本真依, LGRookees Eddie K.」はまたしてもリメイクで、原曲のRYOのパートをEddie K、Shanaのパートを橋本真依が担当するパーティチューン。
HIROのラップもリリックの変更こそないものの歌いなおしがされていて、以前よりメロディアスな感じのラップになっています。
Eddie Kのラップもすんなり馴染んでいますし、原曲に忠実ながらも今風(11年前なので当時風です)に歌っている橋本真依もいい仕事。

初っ端から原曲に負けないリメイク2曲連続となっているため、この2曲を聴いた時点で聴き進めるのが楽しみになるはずです。


M-3「Photograph Ⅱ feat. Noa」はNoaを迎えた新曲で、このコンビではお馴染みのラブソング。
華やかなトラックとHIROの爽やかな歌声、Noaの綺麗な歌声がどれもしっかりとハマった楽曲で、随所での音の使い方もかなり上手いです。
詞の内容はベタベタした感じなのに2人の歌い方のおかげで全くそれを感じさせずサラッと聴けます。

M-4「Eternal feat. SO-TA」はリメイクで、原曲のRYOのパートをSO-TAが担当するウェディングソング。
最もRYOはラップでしたがSO-TAは歌を乗せているので、もはや別の曲に聴こえます。いや、トラックとHIROのパートは原曲と同じなんですけど。
あっでもこの曲でもHIROのパートは歌いなおしがされており、HIROの歌唱力が原曲の頃よりずっと上がったのを改めて実感させられます。
正直に言うとこれは原曲より好きです。HIROの歌唱力が上がったのに加えて新しく入ったSO-TAの歌がかなりトラックにマッチしてるんですよね。

M-5「Last Summer Day -PARTⅡ- feat. GIO, LGRookees T-Kay, KENNY」はこれまたリメイクで、原曲のRYOのパートをGIO、ClefのパートをT-Kay、KENNYが担当。
この曲ではリリックの書き換えはなく、原曲のリリックのまま全員でカバーしています。
しかしこれはHIROもインタビューで言っていたんですが、全員の歌い方が原曲より優しくなっているので雰囲気がかなり変わっています。
原曲の女子女子!がっついている感じも好きでしたが、こちらもこちらで楽しく聴けます。


M-6「ウェディングロード feat. Noa」は歌いなおしはなく原曲のまま収録。
元が十分いい曲なので他の曲に負けず存在感はあります。この流れで聴いてもストリングスを基調としたトラックとHIROの歌、Noaの歌の相性の良さをしっかり堪能できます。
M-7「ボクでいいよね ~ 愛のうた feat. LGRookees KENNY」はリメイクで、原曲のLGMonkeesのパートをKENNYが担当。
こちらもリリックの変更はなく原曲のリリックのままカバー。
KENNYの歌はLGMonkeesの雰囲気とほとんど変わっておらず、原曲に負けずまっすぐな恋愛ソングになっています。

M-8「世界中でたった一人の大切な人へ」は歌いなおしはなく原曲のまま収録。
ここでやっとHIROの1人舞台の曲が来るわけですが、HIROの歌唱力が十分上がった時期に録った曲と言うのもあってこれまでの曲と十分肩を並べられています。
HIROの視点だからこそ書ける父親へのメッセージは興味深く聴けるんですよね。


M-9「春風 feat. Noa」はリメイクで、原曲の渡辺美里のパートをNoaが担当する恋愛ソング。
原曲よりも爽やかに歌いあげており、哀愁漂う歌い方だった原曲とはちょっと色が変わっていますね。
しかしこれはこれで十分聴ける内容です。

M-10「Party Drinker feat. jyA-Me」は歌いなおしはなく原曲のまま収録。
かなり楽しいパーティチューンで、恋愛系の曲がこれまで続いたのでかなりいいアクセントになっています。


M-11「KO.A.KU.MA feat. Noa, LGRookees」はリメイクで原曲のRYOとGIPPERのパートをLGRookeesが担当。
リリックの内容は変更されており、LGRookees全員のオリジナルのラップが聴けます。
HIROとNoaのパートも歌いなおしがされていて、HIROは原曲よりもちょっと優しめの雰囲気ですが、Noaの方は原曲より大人びた雰囲気。これはこれで小悪魔って感じが出てます。
LGRookeesのラップも妖艶な雰囲気のトラックにバッチリで、もう一つの「KO.A.KU.MA」と言っていいでしょうね。

M-12「Go Ahead feat. SO-TA」はまたもリメイクで、原曲のRYOとGIPPERのパートをSO-TAが担当。
応援歌なのは原曲通りですが、RYOとGIPPERのラップは全てSO-TAの歌になっているのでこれまた違う曲に聴こえるレベルです。
しかしSO-TAの優しい言葉選びはSO-TAの声にもトラックの雰囲気にも合っており、十分原曲と肩を並べる楽曲。


M-13「3年目の記念日 feat. Noa」とM-14「マジありがとう feat. 吉見一星」は歌いなおしはなく原曲のまま収録。
バラードの前者の次に晴れやかな感じの後者が続くのは良い流れです。

M-15「Photograph feat. Noa, 吉見一星」はリメイクで原曲のRYOのパートを吉見一星が担当。
リリックの変更はなく原曲のリリックのままカバー。
HIROのパートもやはり歌いなおしがされているので、原曲よりHIROのパートは聴きごたえがあるパートになっています。
ただ・・・この曲は正直原曲の方が好きです。
この曲はHIROのパートでは「君」、RYOのパートでは「お前」って二人称を使っているんですけど、この「お前」って二人称が吉見一星の綺麗な歌声に余りマッチしていないんですよね。
そこを除けば普通に原曲に負けないリメイクになっているので非常にもったいなく感じました。
RYOのパートをそのまま歌わずリリックを差し替えていれば数段いいものになったと思います。

Disc 1の〆はM-16「Because… ~あなたがいた~ feat. Noa」。これは歌いなおしはなく原曲のまま収録。
HIROとNoaの絡みでの恋愛ソングは新鮮味はないものの安定しているため、〆としては十分いい感じです。


続いてDisc 2。
M-1NO DOUBT SIX STAR feat. GIO, PURPLE REVEL」は歌いなおしはされておらず原曲のまま収録。
Disc 1と同じく子気味良いマイクリレー楽曲で、スタートとしてはかなりいい入りだし。
M-2「Baby Girl feat. 吉見一星」も同じく原曲のままで、アッパーチューンというのは同じですが吉見一星の歌が入っていて雰囲気が違うのでいい流れとして聴けます。

M-3「Bye for Now feat. GIO」はリメイクで、RYOのパートをGIOが担当。
GIOのバースはリリックが変更されています。曲名の通り別れをテーマにした曲ですが、GIOによる新しいリリックも熱さを感じる内容ですしライミングも心地よく聴けます。
HIROの歌唱力も原曲より上がっているのもあって、リメイクは大成功しましたね。

M-4「Wonder Love feat. LGRookees」はLGRookeesを客演に迎えた新曲。
曲名から想像できるように恋愛ソングで、最初のHIROの伸びやかな歌からグイグイ引き込まれます。
LGRookeesの3人もラップと歌両方で見事な仕事ぶりで、LGRookeesには最高の舞台を提供した曲と言えるでしょう。

M-5「Close to you feat. 舞花」は歌いなおしはなく原曲のまま収録。
舞花の歌声とツンデレっぽい詞は見事にハマっていますよね。
他の収録曲にはない雰囲気を持っているので、本作でもいいアクセントになっています。


M-6「Dear Mama feat. 小田和正」はべストに入らないはずはない、小田和正を客演に迎えたLGYankeesの代表曲。
流石にこの曲は代表曲な上に小田和正が関わっているのもあって、本作では唯一RYOのラップがそのまま収録されています。
正直この曲はRYOのパートはRYO以外に合っている人が思いつかないので、結果的にいじらなくて良かったと感じます。
個人的にはfeat. BIG RONの方が好きなんですが、やはりこちらのバージョンもいい仕上がりではありますよね。

M-7「Once More Again ~もう一度、抱きしめて~ feat. May J.」も歌いなおしはなく原曲のまま収録。
しっとりとしたトラックの上でのMay J.とHIROの歌声の絡みは絶品なので原曲のままで十分です。

M-8「Only Holy Story feat. Noa, LGRookees T-Kay」は元々Steady&Co.のカバー曲でしたが、さらにそれをリメイクしてLGMonkeesのパートをT-Kayが担当。
リメイク前は可もなく不可もないカバー・・って感じだったんですがHIROとNoaのパートの歌いなおしがされていて上手くなっている上に、T-Kayの声質がトラックによく合っています。
これはこのリメイクの勝利ですね。


M-9「Love Sick feat. GIO, 橋本真依」はリメイクで原曲のRYOのパートをGIO、中村舞子のパートを橋本真依が担当。
切なげのトラックの失恋ソングで、GIOのパートはリリックが変更されています。
正直原曲はトラックとRYOのラップと中村舞子の歌の相性が微妙だったんですが、こちらではGIOと橋本真依の声がトラックにガッチリハマっています。
GIOのラップも随所に歌を織り交ぜるフロウが楽しく聴けて、これは明らかに原曲よりも上を行っていますね。

M-10「Playa Playa II feat. ユンジ, 橋本真依」はユンジと橋本真依を客演に迎えた新曲。
音数抑え目のトラックでのパーティーチューンで、今までにない感じで新鮮に聴けます。
最も彼らに合っているのかというとちょっと微妙ではあるんですが、流れ的には悪くはないです。


M-11「Brothership feat. GIO, LGRookees」はリメイクで、原曲のDATE(ITACHI)のパートをLGRookeesが担当。
臨場感があるトラックとHIROとGIOの声が合っているのは勿論ですが、LGRookeesの声もバッチリハマっていて原曲に負けない存在感が出せています。

M-12「Good Luck Homies feat. GIO, LGRookees T-Kay」はリメイクで原曲のRYOのパートをGIO、山猿のパートをT-Kayが担当。
GIOのパートはリリックが差し替えられていますが、T-Kayのパートは山猿のリリックがそのままカバーされています。
仲間に対するメッセージソングで原曲はヤンキー色が凄かったんですけど、HIROの歌が原曲より優しくなっている上にT-Kayもリリックが同じとはいえ山猿より柔らかいラップを乗せているのでこっちはヤンキー色が原曲より少し薄くなっています。
GIOのリリックもヤンキー色はあるんですけど、声質のせいかすんなり聴き通せちゃうんですよね。


M-13「Always!! feat. さとう宗幸」はさとう宗幸を客演に迎えた新曲。
疾走感のあるトラックの上でのポジティブなメッセージソングで、さとう宗幸の歌声が凄くトラックにマッチしています。
HIROの軽やかなラップもトラックにいい感じに絡んでいて、見事な化学反応を起こせていますね。
最後の2人で歌うHookは特に耳を惹かれます。

ラストの2曲のM-14「左手に咲いたリング feat. Noa」、M-15「男歌」は歌いなおしはなく、原曲のまま収録。
前者はお馴染みのNoaとのコラボ曲で改めて相性の良さを見せつけ、後者では独り舞台で前向きメッセージソングで終了・・という流れです。
原曲をそのまま並べた構成ではあるんですけど、これがすごくいい流れなんですよね。
Disc 1よりフィナーレ感がある終わり方で、ベスト盤の最後の終わり方としては文句なしです。


収録曲31曲中原曲のまま入っているのは13曲、既発曲のリメイクが14曲、新曲が4曲。
DJ No.2は本作のリリース当時に「ベストアルバムというよりもオリジナルアルバムを作っている感覚だった」と語っていましたが、実質18曲新曲が入っているようなものなのでそりゃそうなるよなあと感じました。
原曲のまま入っている楽曲があるのでベストだよなというのは分かるんですが、リメイク楽曲や新曲のお陰でとても新鮮な感覚で聴けます。
リメイク曲はリメイク前の方が良かった曲もありますけど、ほとんどは原曲と負けないか超えているといっていい仕上がり。
HIROの歌唱力が5thアルバムから上昇したのがやはり功を成したのでしょうね。

新曲もそのHIROのスキルの上がりっぷりを堪能できる内容ですし、原曲のままの既発曲も良曲揃い。
これからLGYankeesを聴いてみようという人も、それまで聴いてきたファンの方でも十二分に楽しめる内容です。

同年にリリースした6thアルバムで4thアルバムからの路線の完成形を示した印象でしたが、このベストアルバムではその路線を総括した、という印象ですね。
本当にそれぞれの曲も流れもいいのでLGYankeesから離れていた人でも聴いていただきたいです。
見かけたら是非。


↓Disc 1のM-3「Photograph II feat. Noa」のショートMV。
www.youtube.com

↓Disc 2のM-13「Always!! feat. さとう宗幸」のショートMV。
www.youtube.com