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NO PAIN NO GAIN / DJ PMX

NO PAIN NO GAIN feat.ZEEBRA.MACCHO


曲目リスト


1. NO PAIN NO GAIN feat. MACCHO, ZEEBRA
2. LOCO CRUSIN' feat. MACCHO
3. 本物はグッと来るらしい feat. Q
4. NO PAIN NO GAIN - Instrumental


評価: ★★★★★★★★☆☆


宮崎県出身のDJ、DJ PMXの1stシングル。
2002年12月4日発売。


DJ PMXは宮崎県出身のDJで、80年代にMAZZ+PMXというユニットを結成してDJとしてのキャリアをスタート。
1990年にイベントに参加したことで様々なラッパーと交流を持ち、ユニット名義でアナログEPをリリース。
それ以降はECDRHYMESTERBUDDHA BRANDの作品にも関わるなど多くのラッパーの作品に参加したものの、表舞台には中々立てない時期が続きました。
KayzabroやMACCHO、Shalla等と結成したDS455も何曲かコンピに参加したくらいで目立った活動はなく、伝説イベントであるさんぴんCAMPはKayzabroやMACCHOと傘を差しながら雨の中客席から見ていて、非常に悔しい思いをしたとのこと。
そんな彼らに一筋の光が差したのは2000年で、DS455の1stアルバムをインディーズからリリースしたことで全国からライブ等のオファーが殺到。
2002年には鳴り物入りでメジャーデビューを果たし、日本の西海岸系サウンドの代表的グループになったことでそのトラックを全て手掛けるPMXが日本の西海岸サウンドのパイオニアとなったわけです。
同年にDJ PMXとしての1stシングルである本作をリリース。リリース元はFUTURE SHOCKから。


では、内容に。


DJ PMXは外部仕事の楽曲を聴いてもらえると分かるように、結構幅広いトラックを作れるトラックメイカーなんですよね。
しかし自身名義の楽曲や自身が全てトラックメイクを務めるDS455の楽曲ではとにかく西海岸ノリなトラックにこだわってます。
自身名義ではデビューシングルである本作の特徴もまさにそれで、元ネタを存分に生かした西海岸ノリのトラックが全編に貫かれています。


M-1NO PAIN NO GAIN feat. MACCHO, ZEEBRA」はクールなギターで始まるイントロ→MACCHOのラップという構成からガッチリ掴まれるはず。
爽やかなトラックの上でのMACCHOとZEEBRAの貫禄あるラップ捌きはこの2人にしか出せない雰囲気が出ています。
2人が掛け合いを見せるHookなんて問答無用でカッコいいですし、途中での女性のコーラスもいいアクセント。

M-2「LOCO CRUSIN' feat. MACCHO」はMACCHOの1人舞台で、爽やかながらも低音の利いたトラックは聴いていて首を振りたくなること必至。
その上に乗るMACCHOのラップも文句なしの仕事ぶりで、最初から最後まで飽きさせないラップで華を添えています。
夜の街のドライブなんかで流せば最高でしょうね。


M-3「本物はグッと来るらしい feat. Q」はラッパ我リヤからQが参加。
爽やかながらもグイグイ来るような雰囲気のトラックとQの男臭いラップは抜群の相性で、これまた最後まで豊富な引き出しで楽しませてくれます。
Hookでの女性コーラスとの絡みも絶品でQの魅力を存分に堪能できます。

最後を〆るのは「NO PAIN NO GAIN feat. MACCHO, ZEEBRA」のインスト。
ラップ入りだと爽やかなトラック+貫禄のあるラップという構成が楽しめるわけですが、このインストではとにかく爽やかさのみを堪能できます。
最後の〆としてかなりいい終わり方です。


4曲というコンパクトなシングルですが、ガッツリした期待に見事応えたラップを乗せるZEEBRAとMACCHOとQ、爽やかながらも聴きごたえのあるトラックを提供したPMX、曲中でラッパーたちと絶妙な絡みを見せる女性コーラスと、全員が文句なしの仕事ぶり。
M-1NO PAIN NO GAIN feat. MACCHO, ZEEBRA」はZEEBRAのベストアルバム、M-3「本物はグッと来るらしい feat. Q」はPMXのベストアルバムに収録されていますが、後の2曲は本作でしか聴けません。
全体の流れもいいので是非シングルとして本作も聴いてほしいです。
見かけたらどうぞ。


M-1NO PAIN NO GAIN feat. MACCHO, ZEEBRA」のPV。
www.youtube.com