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Chain Letter / Brooke Valentine

Chain Letter


曲目リスト


1. Girlfight feat. Big Boi, Lil Jon
2. Taste Of Dis
3. Long As You Came Home
4. Blah Blah Blah feat. Dirt McGirt
5. Cover Girl
6. Playa feat. Jermaine Dupri
7. Ghetto Superstarz
8. Tell Me Why You Don't Love Me
9. Million Bucks feat. Queenz Deliz
10. I Want You Dead
11. Dying Of A Broken Heart
12. Pass You By
13. Laugh Til I Cry
14. American Girl
15. Whatcha Lookin' At? feat. Kilo, J.R.K.
16. Girlfight Pt.II
17. Thrill Of The Chase


評価: ★★★★★★★☆☆☆


アメリカのテキサス州ヒューストン出身のシンガー、Brooke Valentineの1stアルバム。
2005年3月15日発売。


Brookeはテキサス州ヒューストン出身で、10歳の時に学校の校庭でアカペラ歌唱を行ったのがクラスメイトや教師たちに評判となったことがきっかけでシンガーへの道を志すことに。
14歳の時にSubliminal Entertainmentを率いるプロデューサー、Dejaの即興オーディションを経て同レーベルと契約。
BrookeはガールズグループのBKSに加入して経験を積んでいくも、学校の卒業と同時にグループは解散。
2002年にBrookeは拠点をLAに移してソロシンガーとしての活動を開始。
同年にDejaを通してVirgin Recordsにデモテープを送ったことで、2004年にGuerilla Blackの1stアルバムに客演参加。
年末にデビュー作として1stシングル「Girlfight」(M-1)をリリースしヒットを記録。
2005年に1stアルバムである本作をリリースしました。
アメリカで29万枚を売り上げる好セールスを記録。


では、内容に。


Brookeは歌唱力がどうこうというよりはとにかく器用なシンガーという印象。
様々なサウンドの楽曲で構成されているんですけど、どのサウンドもしっかりと自分のものにしています。


アルバムの幕を開けるM-1Girlfight feat. Big Boi, Lil Jon」は上にも書いたように先行シングル曲で、Lil JonとBig Boiが参加。
迫力のあるトラックの上でのBrookeの歯切れのいいラップと絡むような歌はいい仕事ぶり。
Big Boiのスムーズなラップもいいアクセント。Lil Jonは所々でコールを挟むのみですが、コールを挟むだけでも存在感がしっかりあるのはこの人ならでは。

M-2「Taste Of Dis」はテンポが速いトラックで歌を乗せるのが難しそうなトラックなんですが、堂々と強気な歌を乗せるBrookeの漢気を感じます。
タイトルを連呼する時の舌がもつれそうなところなんて迫力が半端ないです。


M-3「Long As You Came Home」はサンプリング色が強めのトラックで、シンプルなループトラックながらも盛り上げるようなホーンの音が耳に残りますね。
その上にねっとりと絡むようなBrookeの歌も病みつきになる組み合わせ。途中で雰囲気が変わるところも楽しく聴けます。

M-4「Blah Blah Blah feat. Dirt McGirt」はDirt McGirtが参加。
お洒落ながらもノリがいいトラックは聴いていて首を振りたくなります。HookでのBrookeの楽しそうな歌がそれを後押ししていい感じ。
McGirtは基本コーラスですが3バース目でやっとラップなのか語りなのかわからないソロパートを披露して後は最後のHookで好き勝手にコーラスして帰っていきます。
いた方がいいのかいなくても良かったのか、僕には判断がつきませんでした。


M-5「Cover Girl」は優しいギターの音が印象的なしっとりとしたトラック。
対訳を見ると憧れの人に対する恋愛ソングで、詞の内容にはバッチリと合っているように感じます。
Brookeもこれまでの4曲よりちょっと引いた感じで歌っていて新鮮でした。

M-6「Playa feat. Jermaine Dupri」はJermaine Dupriが参加で、基本的にはシンプルな構成ながら随所で音を入れ込むのが如何にもこの時期のサウスっぽいトラック。
途中でJermaineがちょっとだけラップを乗せますが正直必要性が微妙。最後までBrookeの歌で押し切って良かったのでは。

M-7「Ghetto Superstarz」は疾走感のある大げさなトラックで、Brookeも完全に攻めモードなぐいぐい来る歌唱を乗せています。
対訳を見るとビッグマウスものなので詞にはよく合っていますね。ただ最後の40秒ほどの語りは冗長。


M-8「Tell Me Why You Don't Love Me」はこれまた臨場感のあるトラック。
対訳を見ると他の女性と浮気して別れた相手に対するメッセージソングで、Brookeのラップと歌の絡みが絶妙。
曲の終わり方もいい意味で切なさが残って○。

M-9「Million Bucks feat. Queenz Deliz」はQueenz Delizが参加・・とはいってもコーラスで参加しているだけですが。
テンポのいいトラックの上でのBrookeの歯切れのいいラップが聴きごたえあります。
随所での歌もいいアクセント。


M-10「I Want You Dead」はタイトルからして物騒ですが、対訳を見ると案の定呪詛の塊のような言葉ばかりが並んでいます。
Brookeの歌いこなしも背筋がヒヤッとするような歌いまわしで、タイトルを連呼するラストなんて怖すぎてホラー映画のよう。
これもBrookeの力量あってこそ。

M-11「Dying Of A Broken Heart」は対訳を見ると失恋ソングなんですけど言葉選びがもうヤン○レというかメン○ラというか・・。
まさか洋楽の対訳でこんな詞を見ることになるとは思いもしませんでした。
もうHookでのもがいている感じがこれまたホラーチック。
M-10「I Want You Dead」は如何にもな怖さなのに対して、こちらはおどろおどろしい怖さという感じです。


M-12「Pass You By」は色々な音が絡む厚みのあるサウンド
Brrokeのさらっと乗りこなす歌もいい感じに絡んでます。

M-13「Laugh Til I Cry」は爽やかなトラックで落ち着いた雰囲気。
Brookeもそこまで力を込めずしっとりと歌い上げていて、アルバム中でもいいアクセントになっています。
対訳を見ると中々重たいんですけどね・・。

M-14「American Girl」は色々な展開を見せる面白いトラックで、Brookeとの歌も相性はいいですね。
Hookでのすんなりとのせる歌い方も癖になります。
M-15「Whatcha Lookin' At? feat. Kilo」はKiloが参加。
ちょっとラテンっぽいトラックで、Kiloと共にドスの利いた歌とラップを披露するビッグマウスもの。
2分26秒という短さで、輸入盤だとここで終わるのでアウトロ的な立ち位置なのかもしれませんね。


ここからは国内版限定のボーナストラック。
M-16「Girlfight Pt.II」はグイグイぐる感じのトラックで、Brookeの歌も迫るような感じでまさにGirlfight Pt.IIという名前にぴったりです。
随所での男性のコーラスがいいアクセントも癖になります。

〆はM-17「Thrill Of The Chase」。
サウンド的にはこの時期の如何にもなサウストラックという感じですがHookでの音の使い方がちょっとROCKっぽくて異色。
Brookeの歌いこなしはこれまたグイグイ来る感じ。


上にも書いたように様々なサウンドで構成されているものの、Brookeの乗りこなしの上手さでどの曲もしっかりと聴ける内容になっています。
そのおかげで最初から最後まで飽きずに聴けるのが魅力ですね。
ただ気になったのは客演の必要性をあまり感じないことなんですよね。Brooke自身が歌もラップもこなせる力量があるだけに、客演がむしろ余計に感じてしまうんですよね。
客演で効果的だったのはM-1Girlfight feat. Big Boi, Lil Jon」のBig Boi、Lil Jonくらいで、ただでさえサウンドのバラエティに富んでいるのですから、客演は呼ばずにBrookeの独り舞台で押し切った方が良かった気がします。

最も全体を見れば彼女の力量を堪能できる良作なのは間違いありません。
とりあえず何曲か試聴を。
M-16「Girlfight Pt.II」がいいので手に入れるなら国内版をおススメします。


M-1Girlfight feat. Big Boi & Lil Jon」のPV。
www.youtube.com