りくぼーの音楽感想倉庫

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RAPNAVIO / 梅田サイファー

RAPNAVIO (通常盤)


曲目リスト


1. BIG BANG
2. KING (RAPNAVIO VER.)
3. かまへん
4. PARTY
5. GOD'S SON
6. アマタノオロチ
7. トメラレランナイ
8. さめないうちに
9. 環状線
10. KILLING TIME


評価: ★★★★★★★★☆☆


梅田サイファーのメジャー2ndアルバム(通算5枚目)が8月にリリースということで、Amazonにてメガジャケ付きで予約しました。
もうリリースまで近いのでせっかくなのでメジャーデビュー作の本作をご紹介。


大阪府大阪市北区にて結成されたクルー、梅田サイファーの4thアルバム。
2023年3月29日発売。


梅田サイファーは大阪府大阪市北区にある梅田の歩道橋にてサイファーを行っていたメンツを中心に、自然発生的に結成されたグループ。
当初は大阪のシーンでもクラブや先輩にパイプがなかったこともあって嫌われていましたが、数々のメンバーがMCバトルで好成績を残したことでシーンに認知されていくことに。
2016年から地道に音源リリースを行い、2023年にとうとうグループとして本作でメジャーデビュー。
自然発生的にできた集団ということもあって本作以前まではメンバーが流動的だった梅田サイファーですが、メジャーデビューしてからはMCのKBD、peko、KZ、KennyDoes、R-指定、KOPERU、テークエム、teppei、Cosaqu、ILL SWAG GAGA、コーラ、DJのDJ SPI-K、アートワークデザイナーのHATCHというメンバーで固定されたようです。


さて、内容に。


梅田サイファーは上にも書いたように大所帯グループであるため、当然ながら数の利を生かしたマイクリレーものが中心。
数多くのラッパーがマイクを回していく楽しさを存分に味わえます。


幕を開けるM-1BIG BANG」はKOPERU、teppei、KennyDoes、peko、R-指定、テークエム、KBD、KZの8人でのマイクリレー。
シンプルながらも色々な音を混ぜ込んだトラックはそれぞれのラップを引き立たせるのにはバッチリで、それぞれの決意を乗っけたリリックもスタートとしては定番ですがいいスタート。
どのMCもいい仕事ですがHookでの絡みつくような歌フロウがいいアクセントになっています。

M-2「KING (RAPNAVIO VER.)」はそっくり同じメンツにコーラとILL SWAG GAGAが加わって参加。
こちらはガンガン来るような感覚で攻撃的な雰囲気。勢いのあるトラックの上でそれぞれのラップの魅力を十分に味わえますね。

M-3「かまへん」は関西で結成されたグループだからこそできる関西ネタでちょっとコミカルな雰囲気。
MCは11人全員参加で、マイクパスの予測不能さもあってすごく楽しく聴けます。

M-4「PARTY」はまたしてもMC全員が参加。
こちらもちょっと力を抜いたお気楽な雰囲気ですが、トラックがかなり作り込まれていて気持ちいいんですよね。
パーティチューンなのもあって首を振りたくなること請け合いです。
途中でちょっと雰囲気が変わるところもいいアクセント。


M-5「GOD'S SON」はテークエム、KOPERU、teppei、コーラ、ILL SWAG GAGAの5人。
ちょっとラテン系のトラックで、印象的なトラックなのでインストほしいですね。
タイトルをひたすらに強調する様が耳にすごく残ります。

M-6「アマタノオロチ」はMC陣は全員参加。
歪んだ音使いを駆使したトラックがインパクト強め。こんなトラックのせいかMC陣も気合が入っており、全員トラックに負けないラップを乗せています。
こちらもタイトルをひたすらに連呼するHookも相まって一度聴いたら耳から離れなくなります。


M-7「トメラレランナイ」はテークエム、R-指定、KOPERU、KennyDoes、pekoが参加。
この曲から荒っぽい曲が続いた流れから雰囲気が変わり、疾走感のある心地よささえ感じるトラック。
その上にラップを隙間なく乗せるMC陣もいい仕事。随所で歌を混ぜるのも心地よさを倍増させていていい働き。

M-8「さめないうちに」はKZ、peko、テークエム、KBD、teppei、KennyDoesが参加。
基本はシンプルなワンループトラックで、本作の中でも一番スッキリとしたトラックかもしれません。
しかし中盤では雰囲気がすこし変わり、そこがまた聴いていて飽きがこない構成。
その上に乗るMC陣のラップとは抜群の相性なのは言うまでもなく。


M-9「環状線」はR-指定、KennyDoes、テークエム、KZ、pekoが参加。
本作の中でも随一のリリックが温かい曲で、鉄道な雰囲気を感じさせるトラックとリリックがバシッとハマっています。
もう1回聴いただけでこの世界観にどっぷりと浸かっていたくなりますね。

最後を〆るM-10「KILLING TIME」はKennyDoes、KOPERU、KZ、テークエム、peko、KBD、teppei、R-指定が参加。
テーマは曲名通り「時間つぶし」で、全員が嫌味なくそれについての言葉を紡いでいく様はサラッと聴けます。
かなり爽やかな雰囲気で終わるため、〆としてはGOOD。


上にも書いたように最初から最後までマイクリレーが展開される本作。
どのMCもいい仕事をしていて、どの曲も非常にスムーズに聴き進めることができます。
聴きやすい曲も多いので、どんな人にもおススメできますね。
名曲と呼べる曲こそないものの、文句をつける点もない良曲10曲が並んでおり、38分58秒という長すぎず短すぎずのちょうどいい時間で堪能できる内容。
5thアルバムを聴く前に是非。来月出る5thアルバムも期待。


↓M-3「かまへん」のPV。
www.youtube.com