りくぼーの音楽感想倉庫

音楽CDの感想を綴っていきます

D.N.A / Mario

Dna


曲目リスト


1. Break Up feat. Gucci Mane, Sean Garrett
2. Thinkin' About You
3. Get Out
4. Soundtrack To My Broken Heart
5. Starlight
6. Stranded
7. Ooh Baby
8. Before She Said Hi feat. Big Sean
9. I Choose You
10. Don't Walk Away
11. I Miss My Friend
12. The Hardest Moment
13. Do For Love


評価: ★★★★★★★★☆☆


アメリカのメリーランド州ボルチモア出身のシンガー、Marioの4thアルバム。
2009年10月12日発売。


2002年に16歳で1stアルバムをリリースしてヒットを記録し、成功したシンガーへの仲間入りを果たしたMario。
2007年にリリースした3rdアルバムである前作もR&Bチャートで4位を記録してヒット作となるも、年末にリリースしたこともあって2007年の大成功作とまではいかず、Mario本人も「アルバムの出来には満足しているけどセールス面では満足できなかった、もうちょっとプロモーションできればよかったな」と不満を持っていた模様。
前作がリリースされた後にすぐに本作の制作に取り掛かり、本人曰く「前作以上に全てを注ぎ込んだアルバムにした」とのこと。
本作からのシングル曲「Break Up feat. Gucci Mane, Sean Garrett」がビルボードのトップ20入りを果たしてプラチナ認定。
アルバム自体もビルボードで9位、R&B / Hip Hopアルバムチャートで2位。初週に32000枚のセールスを達成。


では、内容に。


Marioの歌は本作で初めて聴きましたが、確かな歌唱力と器用さを併せ持ったシンガーという印象を受けます。
サウンドに合わせて声の雰囲気を変え、歌唱力が必要なところではしっかりと歌い上げる。
本人は自分を「過小評価されているシンガー」と言っていましたが、それだけの自信をもっていいだけの力量を持っているのは確かです。


アルバムの幕を開けるM-1Break Up feat. Gucci Mane, Sean Garrett」は上にも書いたように先行シングル曲で、Gucci ManeとSean Garrettが参加。
初っ端のMarioとGarrettの歌から掴みはガッチリで、Gucciのラップの後のMarioのパートで彼の力量は分かるというもの。
3人ともそれぞれにしっかりスポットが当たる構成になっていて、誰のファンでも満足できるでしょうね。
Marioの曲と言う感じはあまりしないですが。

M-2「Thinkin' About You」は壮大な雰囲気のトラックでそれに絡むMarioの歌がとてもキャッチ―。
イントロで「この曲ならラジオ受け間違いないぜ」と言ってますけど、これは間違いなくラジオ受けするでしょうね。
対訳を見るとかなり積極的な恋愛ソングで、これも中々受けるんじゃないでしょうか。

M-3「Get Out」は緊迫した雰囲気の重たいトラックで、Marioのもがくような歌い方もかなりマッチしています。
案の定対訳を見るとかなり重たい内容で、怖さすら覚えますね。


M-4「Soundtrack To My Broken Heart」は別れることになった恋人に向けた失恋ソング。
淡々としたトラックとMarioの歌、そしてそれに絡みつくようなバックコーラスとの相性は絶妙。
M-5「Starlight」は女の子に迫る恋愛ソングで、軽快なトラックの上で難なく乗りこなして見せるMarioの力量を堪能できます。
Hookでの音使いが効果的で耳に残りますね。


M-6「Stranded」はしっとりとしたトラックの上でのバラードで、Marioの歌唱力の高さを存分に生かした楽曲。
M-7「Ooh Baby」は地味ではありますがリズムがズシンとくるトラックで、歯切れのいいHookが聴いていて首を振りたくなりますね。
曲名を入れるタイミングがとてもうまいです。

M-8「Before She Said Hi feat. Big Sean」はBig Seanが参加。
序盤とHookはMarioが担当し、Big Seanが3バース目でラップを担当。
Maroの歌い上げの後に控えるBig Seanの隙間ないラップはかなり聴きごたえがあり、良いアクセントとなっています。
アルバム全体としても程よい味付け。

M-9「I Choose You」はとても優しい雰囲気のギターのイントロからしてアルバム内でも異色。
最後までその優しい雰囲気を維持するトラックとMarioの歌の相性の良さは言うまでもなく、晴れた日の車とかで聴きたいですね。

M-10「Don't Walk Away」は優しい雰囲気の中に緊迫したような音も入れ込んだ面白いサウンド構成。
Marioの歌は相変わらずの手堅い仕事ぶり。

M-11「I Miss My Friend」はちょっと重たい雰囲気ながらもシンプルなトラックで、歯切れのいい歌を乗せる時もあれば伸びやかな歌を見せるところもあったりとMarioの器用さが発揮された内容です。
対訳は女友達に対するメッセージソングで、このジャンルではよくあるトピックですね。

M-12「The Hardest Moment」はしっとりとしたバラードで、Marioの歌との相性は折り紙付き。
輸入盤だとここで終わりになるので、かなり綺麗に終わらせた感じに映るでしょうね。


M-13「Do For Love」は国内盤限定のボーナストラック。
ドラムの音が印象的ながらもいろいろな音展開を見せるトラックで、このトラックだけでもかなり聴いてて楽しそうです。
歌を乗せるのはちょっと難しそうなトラックですけど、難なく乗せるMarioの力量は間違いなしですね。


本人が「全部注ぎ込んだアルバム」と豪語するだけあってどの曲も丁寧に作られていて、Marioの力量を最初から最後まで堪能できる内容に仕上がっています。
手抜きというものは一切存在しない、歌職人が作ったアルバムという印象です。
名曲という曲こそないですが良曲といえる曲のみが詰まっているので、飽きることなく聴ける1枚ですね。
見かけたらどうぞ。M-13「Do For Love」がいいので国内盤をおススメします。


↓M-2「Thinkin' About You」のPV。
www.youtube.com