りくぼーの音楽感想倉庫

音楽CDの感想を綴っていきます

One Life (Una Vida) / DESTINO

One Life(Una Vida)


曲目リスト


1. INTRO
2. Collaps feat. Ark, MIARICO
3. Neighborhood feat. DJ FILLMORE
4. Fiesta feat. TRIPPEN
5. Smokin' Days
6. You're My Angel
7. OUTRO


評価: ★★★★★★☆☆☆☆


日本では珍しいChicano系のラッパー、DESTINOの2ndミニアルバム。
2004年12月25日発売。


前作から僅か8ヶ月という短いインターバルで発売されました。
前作がラジオなどで話題になり、リスナーの間で「日本のチカーノスタイルだって?」となったようです。
日本ではこの頃はDS455やBIG RONを筆頭とする日本のWEST SIDE系のサウンドは認知されていましたが、日本のChicanoスタイルなんてまだないと言っていい状態ですからね。今でさえ少ないですし。

こういったスタイルは洋楽HIP HOPファンから何故か「猿真似」だって批判受けやすいからでしょうか?
個人的にはこういった音の上で日本人がどれくらい向こうのHIP HOPに近づけるか、またどれだけ日本人色を出せるか、というのも1つのオリジナルのスタイルと言っていいと思うんですけどね。


…すみません、話がそれました。内容に入りましょう…。


DESTINOのラップはというと、日本語とスペイン語バイリンガルスタイルが売りですが、正直に言うとスペイン語の割合はかなり少なく、むしろこのスタイルのラッパーとしてはかなり日本語がリリックを占めています。
そのためどちらかと言えば絆や仲間、音楽などに対する熱いリリックが持ち味になっていますね。


盟友ArkとMIARICOとの3人で、人生についてのリリックでマイクを回していくM-2「Collaps」、過去音源をMixしたDJ FILLMOREのHookが特徴的な地元の仲間に対するエール曲のM-3「Neighborhood」、なんかはそのDESTINOの持ち味が存分に出ています。
おまけにオーソドックスなラップの乗せ方で言葉も聴きやすいので様々な人に受け入れられやすいのではないでしょうか。


他にもTRIPPENの巻き舌ラップが炸裂するパーティー系のM-4「Fiesta」や日常を描いたM-5「Smokin' Days」など、一曲ごとに違うテーマが楽しめる作品になっています。


ただ、捨て曲という捨て曲のない作品でどの曲も安定はしていますが、もう少しバチーンとくる曲が欲しかったですね。
飛び抜けた曲がなく、INTROとOUTROを抜くと5曲という小粒な作品のせいか聴いた後にちょっと物足りなさが残ります。


しかしこの人のストレートなメッセージが持ち味のスタイルは上にも書いたように普段ラップを聴かない人にもアピールできる力があると思うので、是非チェックして頂きたいです。
ただ本作はちょっとDESTINOファン向けの作品で、DESTINOファンなら買って損はないと思いますが、
これからDESTINOを聴いてみようという方はまずは他の作品をオススメします。


↓M-3「Neighborhood」のPV。
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R35 -Rock & Pops Super Hits- / V.A.

R35


曲目リスト


Disc 1


1. Jump / Van Halen
2. Wake Me Up Before You Go-Go / Wham!
3. Psychic Magic / G.I. Orange
4. Take On Me / a-Ha
5. Mickey / Toni Basil
6. There Must Be An Angel (Playing With My Heart) / Eurythmics
7. Relax / Frankie Goes To Hollywood
8. Venus / Bananarama
9. U Can't Touch This / MC Hammer
10. Every Little Step / Bobby Brown
11. Let's Go Crazy / Prince
12. The Reflex / Duran Duran
13. Let's Dance / David Bowie
14. Don't Stop The Dance / Bryan Ferry
15. Invisible Touch / Genesis
16. She Drives Me Crazy / Fine Young Cannibals
17. Don't Get Me Wrong / The Pretenders
18. Silly Love Songs / Wings


Disc 2


1. The Power Of Love / Huey Lewis & The News
2. Don't Stop Believin' / Journey
3. Danger Zone / Kenny Loggins
4. Eye Of The Tiger / Survivor
5. The Final Countdown / Europe
6. Mr. Roboto / Styx
7. Owner Of A Lonely Heart / Yes
8. Get It On (Bang A Gong) / The Power Station
9. Wild Thing / X
10. La Bamba / Los Lobos
11. Call Me / Blondie
12. Long Train Runnin' / The Doobie Brothers
13. What A Fool Believes / Matt Bianco
14. My Sharona / The Knack
15. I Was Made For Loving You / Kiss
16. Black Night / Deep Purple
17. Born To Be Wild / Steppenwolf
18. Stand By Me / Ben E. King


評価: ★★★★★★★★★★


70年代~90年代の日本での洋楽ヒット曲を集めたコンピレーションアルバム。
2006年8月2日発売。


70年代から90年代といえば、1970年にThe Beatlesが解散したのを受けて、日本で洋楽の人気が活性化した時期です。
90年代生まれの僕にとってはこの時代を味わえた人がちょっと羨ましいです(笑)


今音楽界にいる人も大体はこの年代の洋楽の影響を受けているでしょうし、「音楽を語るに避けて通れない道」といっても過言ではないでしょうね。


内容はというと、皆さん必ずどこかで耳にしたことがある楽曲がDisc 1、Disc 2共にどっさり。
Rock、Soul、HIP HOP、R&B、Pops…様々なジャンルから名実共に十分で、尚且つそのようなジャンルが苦手な人でも聴きやすい楽曲ばかりで、誰でも楽しめる作品になっています。

2枚組なのにも関わらず、「ハズシなし!」という宣伝文句の通り、捨て曲、ハズレ曲なんてありません。
本当にこのような楽曲たちをリアルタイムで聴けた方たちがただただ羨ましいです。
どのミュージシャンもそれぞれの個性を発揮していて、誰一人として負けておらず、2枚で36粒楽しめます(汗)


音質もいいですし、全曲の対訳もついてますし、一曲一曲の解説も読みごたえがあり、本当に至れり尽くせりの1枚だと思います。
普段洋楽を聴いている人でもネタ補充には持ってこいですのでお奨めですが、なにより「これから洋楽を聴いてみよう」と思っている人は是非この作品から入ってもらい、様々な洋楽を聴くきっかけとしてほしいですね。


間違いない作品、見つけたら是非どうぞ。


↓Disc 1のM-8「Venus」のPV。
www.youtube.com


↓Disc 2のM-18「Stand By Me」のPV。
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North East Ⅱ -Respect From The Street- / V.A.

NORTH EAST 2


曲目リスト


1. North East II Into / DJ MARZ 
2. This Is Game / EIGHT TRACK 
3. Pledge Of Love / LGYankees feat. FRENZY 
4. Peace My Life / 山猿, FRENZY, KAORU 
5. Player’s Party / Reb & Smoker feat. Keizo 
6. Party Around / RYO, TERRY, ZEKI 
7. Babylon System / L-B, Reo-G, Ox 
8. DILLY-DILLY / GLOW feat. RYO 
9. Enjoyment History / Gio & Keizo feat. 山猿 
10. 6 For PLAYAZ / NESCO feat. KAORU
11. Judge / HIRO, SMOKER, BUZZ, GLOW
12. Hustler Music / RAIDER feat. MISATO
13. D.E.E.A.L / BUZZ, Big-U, JACKALL
14. Reverse Of Mind / clef feat. BUZZ
15. Go Your Road / The Spider Nets feat. RAIDER
16. Outro / DJ BLANTZ


評価: ★★★★★★★★★☆


東北のラッパーのオムニバス作品、「NORTH EAST」の第二弾。2007年11月28日発売。
前作から僅か9ヶ月という短いインターバルでリリースされました。


この年にLGYがLGYankeesに名前を改名し、メンバーのHIROが東北のミュージシャンの本格プロデュースを目的に、音楽レーベルのNO DOUBT TRACKSを立ち上げ、それから間髪入れず、NO DOUBT TRACKSプロデュース第一号の作品として発売されたのがこの作品です。

前作はひたすら東北のラッパーを集めた作品でしたが、本作はHIROのレーベルプロデュースということもあって、比較的ファミリー色が強くなっています。
特にミュージシャン単独の曲はEIGHT TRACKを除く全てのミュージシャンでfeatがありますね。

基本的にはGLOWや山猿、NESCOなど前作に参加した人たちの名前が並んでいますが、KAORUやMISATO、Big-Uなどといった新参者もいます。(DJ BLANTZは前作では紹介はされていました)
ちなみにKAORUは後のNoaです。


内容はというと、3人以上のラッパー参加曲が大半を占め、数の利を生かしたスッキリしたマイクリレーが楽しめる一枚になっています。


特にEIGHT TRACK全員参加のM-2「This Is Game」、ちょっと変わった組み合わせでマイクを回すM-5「Player's Party」、M-6「Party Around」、M-11「Judge」、などは聴き応えのあるHookとトラックの上に全員キレキレのラップを乗せ、素敵なマイクリレーが楽しめます。
特にM-5「Player's Party」のネタ使いなんかはコアなHIP HOPファンでも「おっ」ってなりそうですね。

他にも恋愛ソングのM-3「Pledge Of Love」、人生賛歌のM-4「Peace My Life」は、安定感のあるマイクリレーとHookの歌の使い方が本当に上手く、ラップに慣れていない人でも手を伸ばしやすそうな楽曲に仕上がっています。


マイクリレー以外の楽曲だとGLOWとRYOのM-8「DILLY-DILLY」が一番お奨めです。RYOは3バースあるうちの2バース目しかなく、そこ以外はGLOWのみなのにも関わらず、すごく存在感を発揮しています。
とにかく2人のラップの熱さが半端ではないですね。


それ以外の楽曲も相変わらずギャングスタなスタイルが楽しめるRAIDERとMISATOのM-12「Hustler Music」、2人のDJのMIX技術が堪能できるM-1North East Ⅱ Intro」、M-16「Outro」など、最初から最後のボーナストラックまで聴き所満載で飽きることなく聴けます。


NO DOUBT TRACKSは好きじゃないというHIP HOPファンは多いかもしれませんが、この作品はHIP HOPファンでも、そうじゃない人でも十分に当時の参加アーティストの本気を味わえる作品になってます。
是非聴いてみてください。


↓M-3「Pledge Of Love」のPV。
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Illmatic / Nas

Illmatic


曲目リスト


1. The Genesis
2. N.Y. State Of Mind
3. Life's A Bitch feat. AZ
4. The World Is Yours
5. Halftime
6. Memory Lane(Sittin' In Da Park)
7. One Love
8. One Time 4 Your Mind
9. Represent
10. It Ain't Hard To Tell


評価:★★★★★★★★★☆


HIP HOP界のレジェンドラッパーの1人であるNasの1stアルバム。
1994年4月19日発売。


1990年代はHIP HOP史に残る様々なラッパーやDJが前面にウヨウヨ出始め、秀作も数多くリリースされ、HIP HOPを聴くリスナーも増えた時期であるため、かなりHIP HOPにとって熱かった時代と言えます。

そしてその秀作と言われる作品の中でも、一際高い評価を受けたのがこのNasの「Illmatic」です。

1991年にカナダのHIP HOPグループのMain Sourceの楽曲「Live At The Barbeque feat. Nas, Joe Fatal, Akinyele」で初めて世に顔をだし、その乾いた声やリリシスト振りがリスナーの間で話題になったNas
トラックメイカー陣もPETE ROCKDJ PremierQ-TIPなど、強力なメンツで、NYの本気が伺えます。
当時のHIP HOP好きを完全にロックしたようで、様々な雑誌で絶賛の嵐。そしてリリースから20年以上たった今もクラシック・アルバムの名を欲しいままにしています。


内容はというと、そんな功績を作ったのも無理ないなと感じる、素晴らしい作品です。

Nasのラップは上で書いたように乾いた声でいい意味で癖がなく、HIP HOPが苦手な人でもとっつきやすいのではないでしょうか。とにかくスムーズでキレがあります。
どの曲でもNasのラップのキレを堪能できますが、
特にM-2「N.Y. State Of Mind」、M-5「Halftime」のとことんライミングをキックしていく様は本当にキレキレで、一度は体感してほしいです。
M-3「Life's A Bitch」はAZがこのアルバムで唯一マイクゲストとして参加していますが、Nasに負けないラップを披露しています。


上のトラックメイカー達が手掛けたトラックもNasのラップに見事マッチしたものばかりで、これぞ職人技と言わんばかり。
M-2「N.Y. State Of Mind」のうねったようなトラック、M-4「The World Is Yours」のピアノのワンループ、M-6「Memory Lane(Sitting In Da Park)」のサンプリングの面白い繋ぎ具合など、サウンド主体で見ても様々な面白い音がそこらじゅうに転がっています。一聴した感じでは地味に感じてしまうかも知れませんが、よーく聴いてみてほしいです。
特にM-3「Life's A Bitch」の曲が終わる前のあの音は…!(敢えてここでは書きません)


Nasもトラックメイカー陣も本当に素晴らしい仕事振りで、HIP HOP好きな人なら勿論、HIP HOPが苦手な人でも手を伸ばしやすいであろう作品です。
これが90年代のHIP HOPを代表する作品であるのも頷けますよね。
最もこのデビュー盤が余りにも好評価を受けすぎて、Nasはこの後のアルバムで酷評を浴びせられることが多くなるのですが。
個人的にはこの作品にひけを取らない作品もあると思うんですけどね。


永遠のクラシックと名高い作品、是非聴いてみてください。


↓M-4「The World Is Yours」のPV。

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NORTH EAST / V.A.

NORTH EAST

曲目リスト


1. INTRO / DJ MONTA
2. Movin'!! / LGY feat. ERIKA
3. Diss Game 022 / BUZZ
4. Big Ballin' / KEN-RYW feat. SI-RUDE
5. My Self / REB & SMOKER
6. Hard Knock / Ballistic Baggy
7. Higher Learning / GIO & KEIZO feat. HIRO From LGY
8. Link 6 / YAMAZARU(R.F.G)
9. Survival Days / Mr. RAIDER feat. FRENZY
10. Do Da Shit!! / Lil-Bo
11. The Bonds Of Bad Boyz / CRHYME LARRY ent.
12. Skit / REO-G
13. One Life / THE SPYDER NETS (TERRY & M.O.T)
14. T.O.G / NESCO
15. HIT THE FLOOR!!! / GLOW
16. Ending... / K-LOVE


評価: ★★★★★★★★★☆


東北のラッパー達を一枚にコンパイルした、コンピレーションアルバム。
2007年2月25日発売。


GAGLEなど東北のラップグループはいたものの、2005年位までは関西や関東、中部などのラップシーンと比べて東北のラップシーンというのは余り全国的に認知されていませんでした。
そこでLGYのHIROが「東北のラップシーンの底上げを図ろう」という理由で東北の同士たちを集めてリリースされたのがこの作品です。


LGY(M-2「Movin'!!」)やKEN-RYW(M-4「Big Ballin'」)といったこの頃には既にデビューを果たしていた人たちは流石の貫禄を見せつける楽曲を聴かせてくれますが、この作品で初めて全国流通作品に参加したと思われる人たちも全く負けていません。


特に秋田からのREB & SMOKER(M-5「My Self」)、仙台からのCRHYME LARRY ent.(M-11「The Bonds Of Bad Boyz」)、福島からのGLOW(M-15「HIT THE FLOOR!!!」)は地元の人は誇っていいレベルのキレキレのラップでそれぞれの地名を脳裏に焼き付けて去っていきます。それぞれのラップシーンに好影響を与えたことは間違いないでしょうね。


地元アピール色はそこまで強くない楽曲ではギャングスタ色が強いM-8「Link 6」、M-9「Survival Days」を一押ししたいですね。

前者のM-8「Link 6」は後にLGMonkeesの活動を経て山猿として活動するYAMAZARUの全国流通では初となる音源ですが、影響を受けた2Pacのスタイルを模倣したようなハードな楽曲で、Mr. AibeeのトラックとYAMAZARUのラップの相性が抜群のシリアスな一曲。
EIGHT TRACKからMr.RAIDER(今は脱退)とFRENZYのM-9「Survival Days」はいかにもギャングスタ、という楽曲で、「日本語でここまでやっちゃうか!?」という痛快な一曲で、どちらも名曲といっていい楽曲ですよ。


他にもBallistic Baggyのメンバーが熱いマイクリレーを見せてくれるM-6「Hard Knock」、THE SPYDER NETSの人生讃歌のM-13「One Life」など、DJ MONTAのM-1INTRO」からHIROの熱い言葉で締める「Ending…」、そしてその後のボーナストラックまで、東北の意地をこれでもかと見せつけられる作品です。


2007年の東北のシーンの本気が凝縮された作品、興味がある方は是非聴いてみてください。


↓M-13「One Life」。
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