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Dirty Bass / For East Movement

Dirty Bass


曲目リスト


1. Dirty Bass feat. Tyga
2. Live My Life feat. Justin Bieber
3. Where The Wild Things Are feat. Crystal Kay
4. Turn Up The Love feat. Cover Drive
5. Flossy feat. My Name Is Kay
6. If I Die Tomorrow feat. Bill Kaulitz
7. Ain t Coming Down feat. Sidney Samson, Matthew Koma
8. Candy feat. Pitbull
9. Fly With U feat. Cassie
10. Show Me Love feat. Alvaro
11. Live My Life (Party Rock Remix) feat. Justin Bieber, Redfoo
12. Little Bird
13. Basshead feat. YG
14. Lights Go Out (Go Crazy) feat. Junior Caldera, Natalia Kills
15. Like a G6 feat. The Cataracs, DEV
16. Rocketeer feat. Ryan Tedder


評価: ★★★★★★★☆☆☆


アメリカのカルフォルニア州ロサンゼルスで結成されたラップグループ、Far East Movementの4thアルバム。
2012年6月12日発売。


メンバー全員がアジア系アメリカ人というFar East Movement。
2003年から活動を続け、3rdアルバムであった前作でメジャーデビューを果たし、ビルボードで24位を記録。
同アルバムからのシングル曲「Like A G6」がビルボードで1位を獲得するという快挙を達成。
グループとしてMAMA Award for Best International Artistを受賞し、メジャーデビュー年にして彼らの年になったと言っても過言ではない年になりました。
それから2年後、メジャーとしては2枚目、通算では4枚目のアルバムである本作をリリースしました。
前作と比べると成功はしなかったものの、様々な国のチャートインするなど健闘はしたようです。
今回紹介するのは通常盤よりも3曲多いデラックス盤です。


では、内容に。


Far East Movementの作品を聴くのは本作が初めてなので過去作と比較することは出来ません。
ただ本作では本当に楽しい雰囲気のパーティチューンを作るグループなんだなという印象です。
客演もそういうタイプのミュージシャンが多いですしね。


Tygaが参加した表題曲のM-1Dirty Bass feat. Tyga」でアルバムは幕開け。
ズンズンとした腹持ちのいいサウンドでまさにダンスしてくれと言わんばかりの雰囲気。
Tygaの一番ラップらしいラップがいい仕事ぶりで、他のメンバーは口数少な目ながらもサウンドの雰囲気にぴったりなラップを提供。
Kaylaのコーラスが一番印象が強いですかね。

M-2「Live My Life feat. Justin Bieber」はJustin Bieberが参加。
初っ端からのJustinのHookがもう曲を引っ張っていて、ラップでは2バース目を務めたProhgressのラップが歯切れのいいラップでいい味。
ほとんどJustinの曲といっていいのでJustinのファンはマストですね。

M-3「Where The Wild Things Are feat. Crystal Kay」はFar East MovementのメンバーとKayがガッチリ組んでます。
Kayのハキハキした歌声とメンバーたちのスムーズなラップの絡みが非常によく、お互いのバランスがかなりとれているのではないかと。


M-4「Turn Up The Love feat. Cover Drive」はCover Driveが参加。
とにかくノリノリなサウンドインパクトが強く、聴いていて首を振りたくなること間違いなし。
そんなサウンドの上に乗るメンバーたちのラップも絶好調で、Hookの歌もいいアクセント。

M-5「Flossy feat. My Name Is Kay」はKayが参加。
ここまではゴリゴリなパーティチューンが続いてきましたが、この曲は電子音サウンドではありますけどちょっと落ち着いた雰囲気。
この曲ではここまでの曲と比べてもメンバーのラップがじっくり堪能できます。
各人のスムーズなラップはすんなりと聴けるもので、HookのKayの歌を挟みながらのマイクリレーは聴きごたえがあります。


M-6「If I Die Tomorrow feat. Bill Kaulitz」はBill Kaulitzが参加。
Hookでは強烈な音使いで耳に残る歌とグイグイ来るような感じですが、バースではラップを堪能できるように音数を控えめにするという上手い作り。
歌もラップも一切無駄がなく必ず最後まで聴いていたくなってしまいますね。

M-7「Ain t Coming Down feat. Sidney Samson, Matthew Koma」はピアノから始まるイントロ→Matthewの歌の流れはちょっと神秘的な印象を受ける始まり方ですが、続くラップで一気にクラブの雰囲気になります。
ラストでの音展開は本当にすごく、耳がどうにかなってしまいそうです。(←誉め言葉)


M-8「Candy feat. Pitbull」はPitbullが参加。
最初から最後までひたすらノリのいい音が展開されるわけですが、こういうサウンドとPitbullのラップの相性は折り紙付きですよね。
この曲もご多分に漏れずPitbullのラップがかなり映えてます。途中のFar East Movementのアホっぽいコーラスも素敵。

M-9「Fly With U feat. Cassie」はCassieが参加。
色々な音を混ぜ込んでグイグイ来るようなトラックは印象が強く、メンバーのラップもそのトラックに絡むような感じで相性よし。
Cassieの伸びやかな歌声もいいアクセントです。

M-10「Show Me Love feat. Alvaro」はAlvaroが参加。
ダンスチューンなのですが、Alvaroの綺麗な歌声とキーボードのサウンドが他にはない感じがします。

M-11「Live My Life (Party Rock Remix) feat. Justin Bieber, Redfoo」はM-2の「Live My Life feat. Justin Bieber」のRemixで、原曲に加えてRedfooが参加。
Justinが一番目立っているのは原曲と変わらないですが、Redfooのラップが予想以上に雰囲気に馴染んでいます。
「もう一つの「Live My Life」」を十分に名乗っていい内容ですね。


M-12「Little Bird」はここでやっと客演なしの楽曲なのですが、ガラッと雰囲気が変わります。
しっとりとした雰囲気のトラックで、メンバー全員の歌とラップがかなりの好相性を発揮。
異色な楽曲ですけど、しっかりと的に命中させた感じですね。

M-13「Basshead feat. YG」はYGが参加。
パーティチューンではあるのですがそこまで派手なサウンドではなく、シンプルなサウンドで魅せていますね。
どのサウンドも癖になるような使い方で、耳に残ること請け合い。

M-14「Lights Go Out (Go Crazy) feat. Junior Caldera, Natalia Kills」はJunior Caldera, Natalia Killsが参加。
とは言っても本来はJunior Caldera feat. Far East Movement, Natalia Killsのクレジットのようです。
強烈なパーティチューンで、音展開がまるでジェットコースターみたいですね。

M-15「Like a G6 feat. The Cataracs, DEV」はThe Cataracs, DEVが参加。
上にも書いたようにビルボード1位を成し遂げた曲で、如何にもなダンスチューンという感じです。
リズムは一度聴いたら頭の中でリフレインすること間違いありません。

最後を〆るのはRyan Tedderが参加したM-16「Rocketeer feat. Ryan Tedder」。
この曲はドラムが結構しっかりしていてちょっと懐かしい雰囲気があるんですよね。
Ryanの歌を挟みながらのメンバーのラップらしいラップがトラックの雰囲気も相まってスッと耳に飛び込んできます。
〆としては十分いい終わり方です。


上にも描いたようにとにかくパーティチューンが印象的な内容でしたね。
強烈なサウンドが多いのもあって、楽しく聴ける楽曲も多いので「盛り上がりたい!」というときには活躍する1枚でしょうね。
客演陣もみんないい仕事をしているので、客演陣のファンの方にもおすすめです。

難を言うと、強烈なサウンドのパーティチューンが多く収録されているため(特に前半)、後半になるとちょっとそれが飽きてくるのと、客演を多数呼んでいるのでFar East Movementというグループの良さがぼやけてる点でしょうか。
唯一の客演なしのM-12「Little Bird」も客演を呼んだ曲に劣らない十分な良曲なので、グループとしての実力は申し分ないはずなんですよね。
それが客演を多数呼んだことで余り活きていないので、勿体なく感じます。
他の作品ではもっと彼らのスキルを堪能できる内容になっていてほしいですね。

しかしいいか悪いかで言えば良作であるのは間違いなしです。
まずは試聴からどうぞ。


M-1Dirty Bass feat. Tyga」のPV。
www.youtube.com