りくぼーの音楽感想倉庫

音楽CDの感想を綴っていきます

DiscO-Zone / O-ZONE

Discozone


曲目リスト


1. FESTA DE LA NOCHE
2. DE CE PLANG CHITARELE?
3. DRAGOSTEA DIN TEI
4. PRINTRE NORI
5. ORIUNDE AI FI
6. NUMAI TU
7. DAR, UNDE ESTI
8. DESPRE TINE
9. SARBA TOAREA NOPTILOR DE VARA
10. NU MA LAS DE LIMBA NOASTRA
11. CREDE MA


評価: ★★★★★★★★☆☆


モルドバ共和国の音楽グループ、O-ZONEの2ndアルバム。
2004年6月6日発売。


O-ZONEは1999年にモルドバ共和国でリーダーのDanが友人のPetruと結成したグループで、方向性の違いによりPetruが脱退し、ArsenieとRaduが加入しました。この3人が最終的なO-ZONEとなったわけです。

モルドバ人がルーマニアで成功する例はそれまでありませんでしたが、3人の惜しみ無い努力により1stアルバム「Number 1」が10万枚を越える大ヒット。
このO-ZONEモルドバ人でルーマニアで成功した最初のミュージシャンになったのです。


そして「DRAGOSTEA DIN TEI」(M-3)が世界規模での大ヒット。当然その後に出された本作も絶大な大ヒットになり、日本でも「恋のマイアヒ」なんていう邦題がつけられ、空耳ソングとしても一躍ムーブメントに!
2005年に国内版としてもこの2ndアルバムがリリースされたのです。

しかし日本でこの国内版をリリースしたのはAVEXだったのですが、「のま猫パクリ問題」や、アルバムのコンセプトを無視しての曲順の入れ替え(国内版ではM-3「DRAGOSTEA DIN TEI」がM-1になっています)、本来の訳とは全く違う空耳を全面アピール…などといった改悪が非常に目立ったため、Amazonの国内版ページは炎上状態と言っていい状態になってしまいました。

…ちなみに実を言うと僕も持っているのはM-3「DRAGOSTEA DIN TEI」がM-1にある国内版なのですが、CDを焼くときに本来の並び順に戻しました。
なので今回はその本来の並び順での感想で、国内版のRemixは割愛させて頂きます。


前置きが長くなりました。内容に入りましょう。


「DiscO-Zone」というアルバム名の通り、ディスコやクラブ等で流せば間違いなく盛り上がるであろうダンスミュージックがメインのアルバムとなっています。
3人とも声が分かりやすくキャラ立ちしており、歌の方も確かな実力。
作詞作曲は全てリーダーであるDanが手掛けています。
リーダーである彼が一番気合いが入っていたのが分かりますね。


序盤のMCがかなりいい入りだしで、この曲でスタートをしたのは大正解だと感じるM-1FESTA DE LA NOCHE」、民族的なメロディーが印象的なM-2「DE CE PLANG CHITARELE」、電子音のようなサウンドが癖になるM-8「DESPRE TINE」なんかは聴いている間身体を動かしたくなること必至の良曲です。


ダンストラックではないちょっとしっとりとしたサウンドではM-10「NU MA LAS DE LIMBA NOASTRA」、
M-11「CREDE MA」の最後の2曲が中々の出来。
3人の声をそれぞれしっかり生かした聴かせる2曲です。
Danって恐ろしい男ですね…。


最もやはりM-3「DRAGOSTEA DIN TEI」が楽曲としては飛び抜けてますね。一度聴いたら忘れられないサビ、三人の声のコンストラクト、トラックの変調具合…どこをとっても文句をつける点が見当たらない。
世界的なヒットも十分に頷けます。
流石にこの曲に並ぶ曲はありません。仕方ないですけど。


M-3「DRAGOSTEA DIN TEI」に並ぶ曲は無いものの、この曲が気になり「もっとO-ZONEのことが知りたい!」と思ったなら迷わず聴いてみるべきだと思います。


↓M-8「DESPRE TINE」のPV。
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NITRO MICROPHONE UNDERGROUND / NITRO MICROPHONE UNDERGROUND

NITRO MICROPHONE UNDERGROUND[Def Jam edition]


曲目リスト


1. NITRO MICROPHONE UNDERGROUND
2. BAMBU
3. MISCHIEF
4. 3 ON TREE (三銃SH*T)
5. PYRAMID
6. ASAMA131
7. S.K.I.T.
8. REQUIEM
9. となりのお姉さんが...
10. JUS' PLAYIN'
11. INFINITY
12. HARDCORE
13. UNSTOPPABLE (Live At 江戸城ホール)
14. ピコピコポン
15. クチずさんでごらんよ
16. NICE DREAM
17. ボクも
18. SKIT
19. 45 FINGAZ OF DEATH
20. さきっちょだけですけれども21. LIVE '99
22. T.B.C. (Bonus Track)


評価: ★★★★★★★★☆☆


当時は「無敵の八本マイク」などとの声で絶賛された、8人のラッパー集団、NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDの1stアルバム。
2000年12月27日発売。


メンバーはGORE-TEX、DELI、BIGZAMXBSSUIKEN、DABO、MACKA-CHINS-WORDの8人で、雷やMICROPHONE PAGERの影響を受けたラッパーたちで結成されました。
SUIKENやDABOなどは元々シーンでの活動を行っていて、アナログも何枚かリリースしていました。「あのMUROが認めた男!」みたいな形で、結構注目されていたようです。


1999年6月にS-WORDMACKA-CHINGORE-TEXが連名で「REQUIEM」(M-8)をアナログでリリースしたあたりからNITROという集団がシーンに徐々に出来てきました。
そしてとうとう2000年にこの1stアルバムをリリースし、シーンの核弾頭として大絶賛を受けたのです。
未だに日本語ラップファンの間でこの作品は決まって語り草になっています。


では内容に。


8人という大人数体制を生かしたマイクリレーが中心で、8人とも見事にラップスタイルに違いがあるのでそれぞれのラップの比を楽しみながら聴くことが出来ます。
大人数のマイクリレーというスタイルの楽曲やグループはいくらでもありますが、ここまでこのスタイルを上手く生かした作品も中々無いのでは。

DJ WATARAIをはじめとするトラックメイカーたちもそんなMC陣に負けないトラックを用意しており、MCとトラックの化学反応もまた楽しめます。
Skitが各所に配置されていますが、どのSkitも遊び心があり中々聴きごたえがあります。
特にM-9「となりのお姉さんが...」は面白く感じること必至。


様々な部分で楽しめる曲揃いのこの作品ですが、やはり自己紹介的な立ち位置ながら小気味良く全員でマイクを回していくM-1NITRO MICROPHONE UNDERGROUND」、DABOとS-WORDの安定感あるラップとSUIKENのひたすら暴れまわるラップの対比が楽しいM-4「3 ON TREE (三銃SH*T)」、初アナログで気合いを入れまくったのが見えるM-8「REQUIEM」、MACKA-CHINの深い?リリックが刺さるM-17「ボクも」が特に良かったですね。


彼らは基本的にリリックは予測不能な言葉を紡いでいくスタイルであるため、メッセージ性などを求める人には受けが悪いかもしれませんが、ここまでただひたすらマイクリレーを楽しんでいる集団も珍しいですよね。
それでしっかり1枚聴き通せるアルバムを作り上げたっていうのもすごい。
こんな作品が出たらシーンで話題になるのも必然的ですよ。
今もフリースタイルダンジョンなどでまたスポットライトが当たってきています。
今の時代でも十分通用する作品なので、是非チェックしてみてください。


M-1NITRO MICROPHONE UNDERGROUND」のPV。
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Enter The Wu-tang (36 CHAMBERS) / Wu-tang Clan

Enter The Wu-tang


曲目リスト


1. Bring Da Ruckus
2. Shame On A Nigga
3. Clan In Da Front
4. Wu-Tang: 7th Chamber
5. Can It Be All So Simple
6. Da Mystery Of Chessboxin'
7. Wu-Tang Clan Ain't Nuthing Ta F' Wit
8. C.R.E.A.M.
9. Method Man
10. Protect Ya Neck
11. Tearz
12. Wu-Tang: 7th Chamber (Part 2)


評価: ★★★★★★★★★★


RZA率いるラップグループ、Wu-tang Clanの1stアルバム。
1993年11月9日発売。


Wu-tang ClanはNYのStaten IslandでリーダーのRZAを筆頭に結成されたラップグループで、1992年頃に結成されました。

メインメンバーはRZA、GZA、Method Man、RAEKWON、Ol' Dirty Bastered、Ghostface Killah、Inspektah Deck、Master Killer、U-God、Cappadonnaの10名ですが、実際はまだまだメンバーがいて、総計メンバーは100人越えとの噂もあります。

Wu-tangという名前は少林寺拳法の一つから取ったものであり、メンバー全員がカンフー映画の影響を受けています。


HIP HOPとカンフーという異色な組み合わせのグループなんて当然のことながら史上初でしたし、常にメンバーが顔を隠していたりなど、とにかくリスナーの興味を引く要素が満載のグループだったのです。
1stシングル「Protect Ya Neck」(M-10)をリリースした途端、HIP HOP界で注目が集まりました。
そして年内に出されたこのアルバム。
様々なメディアで賞賛を受け、未だにHIP HOP好きなら避けて通れない名盤とされています。


長くなりそうなので内容に。


トラックプロデュースは全てリーダーのRZAが担当しており、とにかくハチャメチャで独特なトラックが多いです。
そしてその上で強烈なキャラを持ったMC陣が強烈なラップを好き放題の乗っけていくわけで、本当に全てにおいて強烈な作品となっています。

しかしこの強烈で雑多なマイクリレーと迫力、トラックのいい意味でのおかしさは圧巻で、まさに彼らにしか作れない内容が連射されます。
彼らの個性は曲の合間のInterlude的な会話にも現れていて、これでもかという位にWu-tang節というものを見せつけられます。

曲自体もどの曲も音楽面でも全てシングルカットしてもいいくらいの出来映えで、みんな様々な雰囲気のトラックなのに、見事にMCがそれぞれベストな仕事を残しているのがすごいです。


未だにHIP HOPのクラシックの1枚とされるのも納得の出来映えですね。
それぞれで内容を聴いてみてほしいので、あえてオススメの曲は紹介しません。
是非聴いてみて、Wu-tang Clanという集団の世界観を体感してみてください。


↓M-8「C.R.E.A.M」のPV。
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JOINTED 2 HOMIES / LGY

JOINTED 2 HOMIES


曲目リスト


1. Intro -The Start- mixed up by FILLMORE
2. North East No.1 M.I.C 
3. Playa Playa feat. GIPPER, ERIKA 
4. 凌ぎ feat. Mr. RAIDER
5. L.S.L
6. 2 Face
7. Skit from Kayzabro (for DS455)
8. Colors feat. BUZZ
9. Neccesary Pride feat. TERRY
10. Lifestyle Luxury feat. HYENA 
11. Dear Mama feat. BIG RON
12. Honesty Feeling feat. 詩音
13. Jointed 2 Homies feat. Ⅱ-J 
14. Outro


評価: ★★★★★★★★★☆


東北の中心地、宮城県仙台市のラップグループ、LGYの1stアルバム。2006年1月31日発売。


以前からLGYのことはコンピレーションアルバムなどで触れていましたが、今回は本隊作品を紹介させて頂きます。

LGYは板前だったHIRO、自衛官だったRYOが2人で2000年に結成したグループであり、東北のラップクルーであった西海岸Crewの先頭を切っていました。
2003年頃からコンピレーションアルバム参加などで全国作品にも顔を出すようになりましたね。
そうしてLGYの名前を広げていくなか、とうとうインディーズからこの1stアルバムをリリースしました。
Mr. RAIDERやTERRYなどといった西海岸Crewメンバーのフックアップの一方、BIG RONやGIPPERなどといった強力な面子も参加した1枚ということもあり、なんとインディーズでありながら11万枚というセールスを記録しました。

もしこのままのスタイルでシーンに居続けたらどうなっていたんでしょうか。


では内容に。


HIROは低音の声を生かしたラップを、RYOはよくあるガラガラした声のラップを操っており、かなり分かりやすい棲み分けがされています。
2人ともラップが少し雑な印象は否めないものの、リリックやHookの作り方が非常に上手く、結果としてほとんどの曲でそれがいい方向に傾いています。客演やトラックメイカー陣も中々の仕事ぶりで、聴きごたえのある作品に仕上がっています。


特に不穏な空気が漂うトラックとERIKAのHookの上で3人が貫禄あるラップを魅せるM-3「Playa Playa feat. GIPPER, ERIKA」、やり過ぎなくらいのいやらしいギャングリリックが好き者にはたまらないM-4「凌ぎ feat. Mr. RAIDER」、Hook作りの上手さが全面に出たM-9「Necessary Pride feat. TERRY」、Ⅱ-Jのトラック作りが本当にいい仕事ぶりのM-13「Jointed 2 Homies feat. Ⅱ-J」辺りは良曲揃いのアルバムの中でも一際光る楽曲に仕上がっています。


客演なしの楽曲ではM-2「North East No.1 M.I.C」がベストですかね。
シンプルなトラックの上でリリックに下品な表現はあるものの、Hookでこれでもかというくらい作り方の上手さを見せてくれます。


全体的にイケイケの楽曲の中で2曲だけしんみりとした楽曲があり、そちらも中々客演の使い方がうまいです。
ただ恋愛もののM-12「Honesty Feeling feat. 詩音」はちょっと外した感が否めないかも。この曲のRYOの無骨なラップはまあまあ楽しめましたが。


2人のラップ自体はそこまで特徴があるわけではないのに、ここまで客演やHookなどを生かしきっていい作品を作ったというのは中々面白いですね。
サウンド主体でなら間違いなく上位に入る1枚です。
詞の内容はバブリーなものもあるので好き嫌いは分かれるかもしれませんが、是非一度は聴いてみてください。
もしこの路線で次のアルバムを出していたらそれは傑作になったんでしょうか…。そんなこと言ってもしょうがないですけどね。そのへんについては次のアルバムの感想を書くときに書きましょう。


↓M-5「L.S.L」。
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It Was Written / Nas

It Was Written


曲目リスト


1. Album Intro feat. AZ
2. The Message
3. Street Dreams
4. I Gave You Power
5. Watch Dem Niggas feat. Foxy Brown
6. Take It In Blood
7. Nas Is Coming feat. Dr. Dre
8. Affirmative Action feat. The Firm (AZ, Cormega & Foxy Brown)
9. The Set Up feat. Havoc
10. Black Girl Lost feat. Joel "Jo-Jo" Hailey
11. Suspect
12. Shootouts
13. Live Nigga Rap feat. Mobb Deep
14. If I Ruled The World (Imagine That) feat. Lauryn Hill
15. Silent Murder


評価: ★★★★★★★★★☆


HIP HOP界のレジェンドラッパーの1人であるNasの2ndアルバム。
1996年7月2日発売。


前作がHIP HOPの歴史的作品となり、早くも世間からの称賛を味わったNas
当然の事ながらこの2ndアルバムにも多大なる注目が注がれました。

余りにも高評価を浴びた「Illmatic」の後にアルバムを作るというプレッシャーは半端ではなかったでしょう。


前作は東海岸の本気!としてNYのプロデューサーで固められていましたが、本作は西からDr. Dreも参加しています。
それだけ前作とは違う作品を作ろう、いいものを作ろうという意気込みを感じますね。
そこら辺も恐らく話題になったのでしょうね。

そんな大注目の中リリースされた本作は全米チャート1位、瞬く間に300万枚を売り上げ、商業的には成功することができました。
しかし、残念ながらHIP HOPファンからの評判は芳しくなく、Nasにとっても「失敗作」という位置付けのようです。


さて、内容に。


R&Bシンガーをfeatしたり、マイクリレーものがあったりと、前作にはなかった様々な試みがされており、比較的一般受けがしやすいであろう作品に仕上がっています。
それが「ハングリーさがない」などのイメージに繋がり、酷評されたのかもしれませんね。


しかし個人的には一つの作品として素直に聴いてほしいですね。純粋に中身を見れば、間違いなく素晴らしい作品です。


Nasのラップは相変わらずのキレ具合で、ナイフのような鋭いフロウ、癖のないスムーズなラップを聴かせてくれます。対訳を見てもリリシストぶりも健在。

トラックも様々なトラックが用意されていますが、本作の半分以上のトラックを手がけたTrackmastersをはじめ、見事にNasのラップの魅力を引き出すことに成功しています。
それがfeat陣があくまで脇役で、しっかりとNasというラッパーの作品となっている要因なのでしょう。


特にM-2「The Message」、M-3「Street Dreams」、M-4「I Gave You Power」はNasのラップとトラックの相性が素晴らしく、絶対に一度は聴いてほしい楽曲に仕上がっていますね。

M-2「The Message」はStingの「Shape Of My Heart」という大ネタ使いが発売当時は顰蹙を買ったらしいですが、個人的にはどこに顰蹙を買う要素があるのか…。


R&Bシンガーとfeatした楽曲でもNasとR&Bシンガーの妙が楽しめ、M-5「Watch Dem Niggas feat. Foxy Brown」では単調ながら聴き応えのあるトラックの上でNasのキレキレのラップとFoxy BrownのHookのコーラスの比がたまらないです。

そして一番驚いたのがM-10「Black Girl Lost feat. Joel "Jo-Jo" Hailey」。
憂鬱なトーン暗めな楽曲が多めのこの作品の中でずば抜けて爽やかなトラックで、アルバム全体としてもいいアクセントになっていますが、爽やかなトラックでもNasのラップを魅せることができるということを証明した楽曲だと思います。
Joel "Jo-Jo" Haileyの好演もあって非常に聴きやすい、素敵な化学反応が楽しめる楽曲になっています。


他にも結構な聴きどころもあり、
確かに聴きやすい楽曲が多いですが、それで切り捨ててしまうには余りにももったいない、良曲揃いの作品です。
しかし高評価を得たアルバムの後のアルバム作りって本当に難しいんですね。
これだけの作品を出したのにも関わらず「売れ線」、「軽い」、「ガッカリ」などの言葉で一蹴され酷評されてしまうとは。
前作「Illmatic」の呪縛は余りにも大きかったようです。

最も、段々このアルバムも再評価され始め、やっと評価を受けられるようになりました。
これからも間違いなく再評価され続けていくであろう作品、是非聴いてみてください。


↓M-2「The Message」のPV。
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ひまわり / 遊助

ひまわり


曲目リスト


1. ひまわり
2. さくら物語
3. そよ風
4. ひまわり -instrumental-


評価: ★★★★★★☆☆☆☆


遊助こと上地雄輔の1stシングル。
2009年3月20日発売。


2008年、クイズ番組「ヘキサゴンⅡ」から上地、つるの、野久保からなるアイドル?(つるのはもう既婚者でしたけど)ユニットの羞恥心が大当たりして、ちょっとしたヘキサゴンブームが起こりました。
世間的にはGReeeeN矢島美容室に並んだ2008年音楽界でのブームでしたね。


その後も島田紳助プロデュースでヘキサゴンかららくだとカッパ、一発屋2008など様々なユニットが結成され、2008年にヘキサゴン史上初のコンサートが開催。
そのコンサートで上地が他のメンバーやファンに内緒で友人である餓鬼レンジャーのDJ N.O.B.Bと一緒に制作していた、今までお世話になった人への感謝の曲をサプライズで披露したのです。

その楽曲が、このタイトル曲「ひまわり」。
元々はCDでは出さないって言ってたみたいですが、上地の人気が当時は絶大だったのもあり、SONYからリリースされました。
上地の歌手としての名前、遊助の1stシングルとして。
なんと初動売り上げは20万枚越え。


さて、内容に。


羞恥心の時から上地に関しては余り歌は上手くないなあと思っていましたが、ソロで聴いてもやっぱり上手くはないですね。
終始一本調子ですし、伸ばすところものぺーっとしてますし。
歌唱力を重視する人なら間違いなく気に入らないでしょう。


しかし、上地の声と良くも悪くもまっすぐな詞、今回の3曲で用意されたポップで聴きやすいトラックの相性は意外にも悪くなく、企画ものとしてだけでなく音楽としてもしっかり成立する楽曲に仕上がっています。
所々には「ほう」と声を出してしまうような詞もありますし、M-3「そよ風」なんかは上地の声と和風なトラックがバシッとハマってます。


皮肉にも一番良かったのが最後の「ひまわり -instrumental-」だったりします。
シンプルなトラックですけど、上地の歌が入っているver.では分からなかった変調などがあり、中々楽しんで聴けました。
コーディネートやアレンジもしやすいと思うので、何かの素材にもいいかもしれませんね。


Youtubeで生の音源を聴いた時は歌の上手くなさが目立っていて余りいい印象を持てませんでしたけど、CDになると予想以上に聴ける楽曲になっていてちょっとびっくりしました。
所々に悪い意味で素人っぽさが目立っている所がありましたけど、まだ許容できる範囲です(ただ、M-2「さくら物語」のサビは余りに捻りが無さすぎてどうかと思いましたけど)。


M-1ひまわり」以外の3曲はこの作品でしか聴けず、値段もかなり安くなっていますので、興味のある方は買ってみてもいいかもしれません。
ただ、やっぱり上地ファン向けですかね。


M-1ひまわり」のPV。(スマホからはYouTubeアプリでご覧下さい)
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The Rising Tied / Fort Minor

Rising Tied


曲目リスト


1. Introduction
2. Remember The Name feat. Styles Of Beyond
3. Right Now feat. Black Thought Of The Roots, Styles Of Beyond
4. Petrified
5. Feel Like Home feat. Styles Of Beyond
6. Where'd You Go feat. Holly Brook, Jonan Matranga
7. In Stereo
8. Back Home feat. Common, Styles
Of Beyond
9. Cigarettes
10. Believe Me feat. Bobo, Styles Of Beyond
11. Get Me Gone
12. High Road feat. John Legend
13. Kenji
14. Red To Black feat. Kenna, Jonah Matranga, Styles Of Beyond
15. The Battle feat. Celph Titled
16. Slip Out The Back feat. Mr. Hahn


評価: ★★★★★★★★☆☆


世界的に有名なミクスチャーバンド、LINKIN PARKのMCであるMike ShinodaのHIP HOPプロジェクト、Fort Minorの1stアルバム。
2005年11月22日発売。


Mike Shinodaは父親が日系アメリカ人、母親がロシア系アメリカ人であるため、日本名もあります。
Kenji」(M-13)は彼の日本名です。

2005年当時はもう既にLINKIN PARKは成功を獲得していて、MC担当であったMike Shinodaがサイドプロジェクトを立ち上げようと思い、結成されたのがこのHIP HOPプロジェクト、Fort Minorです。

プロジェクトに参加したメンバーがfeatという形で参加しています。
なので実質Mike Shinodaのアルバム、と言っていい気もしますね。
ほぼ全ての楽器の演奏と作曲はこの人がやったそうです。気合いを感じられるエピソードですね。

監修はLINKINと以前から交流があるHIP HOPプロデューサーのJAY-Z
活動の幅広いですねこの人。


さて、内容に。


LINKINとは全く違うプロジェクトでHIP HOPプロジェクトと掲げているだけに、ミクスチャー色はなく、むしろかなり初期のHIP HOPマナーに誠実な作りです。
こんなHIP HOPど真ん中な作品が2000年代に出されたのは当時のHIP HOP状況から見ても衝撃的だったのでは。


ストレートなループトラックの上で、様々なMCがマイクリレーを繰り広げていく様は定番ではありますけど、非常に聴きごたえがあって小気味良いです。
どのMCもMike Shinodaに勝るとも劣らないラップを披露しています。
トラックもシンプルながら様々な楽器の音が転がっており、Mike Shinodaの音職人としての仕事も聴かせてもらえます。


そんな中でもやはりシングルカットされたM-2「Remember The Name feat. Styles Of Beyond」、M-10「Believe Me feat. Bobo, Styles Of Beyond」の2曲が飛び抜けているでしょうか。
M-2「Remember The Name feat. Styles Of Beyond」はStyles Of Beyondが初っぱなからこの作品一番の仕事を見せてくれますし、M-10「Believe Me feat. Bobo, Styles Of Beyond」はクラブでもかけられそうなガッチリとした硬派チューンで、この作品の収録曲の中では一番色々なリスナーに受け入れられやすいと思います。


ちなみにM-13「Kenji」は彼の家族の第二次世界大戦での実話を元にした楽曲で、対訳を見ると本当に当時の悲惨すぎる状況がイメージできます。
ただただ聴いてほしい楽曲です。


さらにこの作品のすごいのはとにかくバランスが素晴らしいんです。
誰かが前に出すぎるわけでもなく、足を引っ張るわけでもなく。
曲自体もHIP HOP好きなリスナーにも聴けて、それ以外の音楽が好きな人でもとっつきやすい。
M-1Introduction」からM-16「Slip Out The Back feat. Mr. Hahn」まで、飽きることなく聴かせてくれる。
ここまでバランスがいい作品に出会えたのは久々かも。


Mike Shinodaという男の本気が詰まった、誰にでもオススメできる快作。
是非聴いてみてください。


↓M-4「Petrified」のPV。
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