りくぼーの音楽感想倉庫

音楽CDの感想を綴っていきます

GRATEFUL / DJ KHALED

グレイトフル


曲目リスト


Disc 1


1. (Intro) I'm so Grateful - feat. Sizzla
2. Shining feat. Beyoncé & JAY Z
3. Wild Thoughts feat. Rihanna & Bryson Tiller
4. I'm the One feat. Justin Bieber, Quavo, Chance the Rapper & Lil Wayne
5. On Everything feat. Travis Scott, Rick Ross & Big Sean
6. It's Secured feat. Nas & Travis Scott
7. Interlude (Hallelujah) feat. Betty Wright
8. Nobody feat. Alicia Keys & Nicki Minaj
9. I Love You so Much feat. Chance the Rapper
10. Don't Quit / DJ Khaled & Calvin Harris feat. Travis Scott & Jeremih


Disc 2


1. I Can't Even Lie feat. Future & Nicki Minaj
2. Down for Life feat. PARTYNEXTDOOR, Future, Travis Scott, Rick Ross & Kodak Black
3. Major Bag Alert feat. Migos
4. Good Man feat. Pusha T & Jadakiss
5. Billy Ocean feat. Fat Joe & Raekwon
6. Pull a Caper feat. Kodak Black, Gucci Mane & Rick Ross
7. That Range Rover Came With Steps feat. Future & Yo Gotti
8. Iced Out My Arms feat. Future, Migos, 21 Savage & T.I.
9. Whatever feat. Future, Young Thug, Rick Ross & 2 Chainz
10. Interlude feat. Belly
11. Unchanging Love feat. Mavado
12. Asahd Talk (Thank You Asahd) / Asahd Khaled
13. Wild Thoughts feat. Rihanna & Bryson Tiller (Medasin Dance Remix)
14. Wild Thoughts feat. Rihanna & Bryson Tiller (NOTD Dance Remix)


評価: ★★★★★★★☆☆☆


アメリカのフロリダ州マイアミ出身のDJ、DJ KHALEDの10thアルバム。
2017年6月23日発売。


90年代から活動し、2006年にデビューを果たした後に、コンスタントにアルバムをリリースしていったDJ KHALED。

通算9枚目のアルバムである前作が、グローバルで販売されたこともあり、USチャート1位を獲得し、ゴールドディスク認定。
様々な国で名前を大きく広げることになります。
その後も話題に事欠かず。
グラミー賞ノミネートや、ジョーダンとのコラボスニーカーの販売などなど。


ですが、何といっても一番の出来事は彼の第一子、Asahdの誕生です。(ジャケの左)
インスタを初めとするメディアで、KHALEDは常にAsahdに対する感謝や愛情を発信していました。
そんな彼が自分のアルバムを作る上で息子が無関係であるはずでなく・・・。
なんと本作のエグゼクティブプロデューサーにクレジットされているのはAsahd。
まだ当時は生後1年経っていなかったAsahdがメガホンを握った(勿論形式上だとは思いますが)アルバムとなったのです。

参加した制作陣はなんと40組以上!
客演を見ても分かる通り、非常に豪華な人選です。


ともあれ、アルバムを出した以上は内容勝負。
では内容に。


タイトルの「GRATEFUL」は直訳すると「感謝」です。
内容は確かにKHALEDからAsahdに対する感謝のメッセージが所々に確認できます。
ただ、それは国内版のRemixを除く22曲のうち数曲(しかもinterludeなど)に留まり、基本的にはDJにはよくあるHIP HOPのお祭りアルバムとなっています。


Disc1はクラブ向けの楽曲が中心となった内容。
KHALEDとSizzlaによる感謝の気持ちを告げるイントロを経て、シングルで切られた3曲が立て続けに続きます。
3曲とも人気曲ですが、個人的にはM-3「Wild Thoughts feat. Rihanna & Bryson Tiller」が一番です。
ラップと歌両方でナイスパフォーマンスを披露するRihannaと、スムーズにラップを乗せていくBryson Tillerの相性がバッチリですね。詞の内容はちょっと刺激的とはいえ。のんびりした雰囲気のトラックの豪華メンバーによるマイクリレー、M-4「I'm the One feat. Justin Bieber, Quavo, Chance the Rapper & Lil Wayne」もDisc 1の中では耳を惹きますね。


シングル曲3曲が続いた後は、いよいよアルバム曲の開始。
ただ、どうもラッパーとトラックの相性が微妙な感じがする曲が続きます。
豪華なメンバーではあるんですけど、曲としては光るものがあまり。

和訳を見るとM-5「On Everything feat. Travis Scott, Rick Ross & Big Sean」のRick Rossがトランプ大統領をDISしていたり、M-6「It's Secured feat. Nas & Travis Scott」ではNasが相変わらずのリリシストぶりを発揮していたりと、和訳では楽しめるところがちょこちょこありますけどね。


Disc 1の最後を締めくくるM-10「Don't Quit」がDisc 1のアルバム曲では飛び抜けて一番の出来です。
リリックの内容はスケベなので、好みは分かれるかもしれませんが、Calvin Harrisがプロデュースを努めたトラックはDisc 1では一番HIP HOPらしいトラックで、単純に聴いていて楽しいですし、その上に乗っかるTravis Scottの歌、Jeremihのラップも絶好調で聴きごたえがあります。
この曲をDisc 1の最後にしたのは正解でしたね。


Disc 2は比較的ハードな内容になっています。

初っぱなからM-1I Can't Even Lie feat. Future & Nicki Minaj」、M-2「Down for Life feat. PARTYNEXTDOOR, Future, Travis Scott, Rick Ross & Kodak Black」と豪華なメンバーが続きます。前者は最初にしてはちょっと雰囲気が暗い印象を受けます。
後者はマイクリレーものですが、シンガー陣によるHookがなかなか強烈で、ラッパー陣がちょっと霞むくらいです。


序盤で光るのはその次のM-3「Major Bag Alert feat. Migos」。
Migosのメンバーのいい仕事ぶりが、特にHookで発揮されています。
ダークながら耳を惹くトラックもかなり好みです。(続くM-4「Good Man feat. Pusha T & Jadakiss」がイマイチでつまづきましたが)


さて中盤へ。

M-5「Billy Ocean feat. Fat Joe & Raekwon」は、シンプルなトラックの上でベテラン2人が硬派なラップを乗せる、本作では数少ない「ラップを全面的に魅せている」曲です。
というかHookが歌じゃないのってこの曲くらいでは?とにかくこの曲はトラックもラップも両方グッドワーク。
90年代のHIP HOPが好きな方にも自信を持ってオススメします。

M-6「Pull a Caper feat. Kodak Black, Gucci Mane & Rick Ross」も、ラップもHookの歌も耳を惹く佳曲。


そこから後半に入っていいと思えたのは、Mavadoの一人舞台であるM-11「Unchanging Love feat. Mavado」。
感謝の気持ちをしっかりと爽やかに歌い上げるMavadoの歌がバッチリですね。
本作の中でも異色ではありますが、最後辺りで底力を見せてくれましたね!

最後に忘れてはいけないのは、国内版のボーナストラックであるM-13「Wild Thoughts feat. Rihanna & Bryson Tiller (Medasin Dance Remix)」、M-14「Wild Thoughts feat. Rihanna & Bryson Tiller (NOTD Dance Remix)」。

後者は良くも悪くもな出来ですが、前者は正直言って原曲より好きです。
原曲に比べて明るい雰囲気なRemixになっていて、ドライブなどには持ってこいな1曲になっています。
このRemixが聴けるだけでも国内版を買う価値あり!


全体を通して見ると、客演は非常に豪華であるものの、曲としては良し悪しが出ています。
いくらなんでも詰め込みすぎて訳が分からなくなっている印象もありますね。
良くも悪くもコンピレーションアルバムを聴いている感じです。


ただこれだけバラエティに富んでいるので、何曲かは必ずお気に入りの楽曲ができるかと。
その曲を使ってリスナーがそれぞれ1枚のCDに焼けば名盤に化ける可能性を秘めた作品でもあります。

その何曲かのお気に入りの楽曲を作るだけという目的でも聴く価値はあると思います。
そこまで強くお勧めはしませんが、興味のある方はチェックをどうぞ。


↓Disc 1のM-5「On Everything feat. Travis Scott, Rick Ross & Big Sean」のPV。
www.youtube.com

↓Disc 2のM-6「Pull a Caper feat. Kodak Black, Gucci Mane & Rick Ross」のPV。
www.youtube.com

BAYSIDE RIDAZ / DS455

BAYSIDE RIDAZ


曲目リスト


1. THA GATE OF LOCOHAMA ~INTRO~
2. D.P.G. RECORDS feat. Daz Dillinger For THA DOGG POUND
3. BAYSIDE RIDAZ feat. MACCHO
4. 僕の中の少年 ~遠い記憶IV~
5. Tha Message from WCC & G PRIDE
6. えぐる挽歌 feat. GANXSTA DX
7. D`s Nutz FM
8. ~INTERLUDE~ 夕(ゆう) Part 1.
9. SMOKE IN THA MARMALADE feat. CORN HEAD
10. Smoked Conversation ~OUTRO~


評価: ★★★★★★★★☆☆


神奈川県横浜のラップグループ、DS455の1stアルバム。
2000年月日発売。


DS455は1989年にMCのKayzabroとSHALLAで結成されたラップグループ。
元々はKayzabroが地元の友人たちと組んだグループが原型とのこと。
その後にMACCHO、DJ PMXが加入し、有名になってからのDSに近くなっていきます。
(MACCHOはすぐ脱退してしまいましたが)


しかしながら、しばらくの間はそれぞれのメンバーが裏方仕事に徹しており、グループとしての音楽活動はほとんどなく、みんなで集まってHIP HOP話に華を咲かせたり、お酒をのみながらラップをしたり、サークルに近かったようです。

最初こそ、そこら辺にいるラッパーの集団とそんな違いはなかったDSですが、N.W.Aを筆頭とする西海岸HIP HOPが日本にも入ってきてから少しずつ他のラッパー集団とは違う道を進んでいきます。
1992年にDr. Dreの1stアルバムがリリースされ、その魅力にどっぷりとハマってしまったメンバー達は、西海岸サウンド日本語ラップを!という試みを開始。

しかし、残念ながら当時のリスナーの心をつかんだのは専ら東海岸サウンド
レコーディングをすることすら難しい状況で、長らく活動の場に恵まれませんでした。
表舞台には出てこないものの、アメリカのラッパーやレーベルと交流を持つなど、細々と、しかしながら着実に名前を広げていきます。


そして結成から苦節11年、とうとう1stアルバムである本作をリリース。
彼らの11年間の成果がここにあります。


では、内容に。


DS455の特徴はこれでもかというくらいの、「アメリカの西海岸HIP HOP」の再現。
DJ PMXのトラックは、まさしくアメリカの西海岸HIP HOPのそれであり、独特な爽やかさと聴きやすさを持っているため、アメリカのHIP HOPを聴かない方でも抵抗なく入り込めるのでは。


M-1THA GATE OF LOCOHAMA ~INTRO~」は不穏な雰囲気のイントロ、M-2「D.P.G. RECORDS feat. Daz Dillinger For THA DOGG POUND」はアメリカからDaz Dellinger(!)のコールのスキット。
スキットやインストが2曲続くと、くどくなったりしがちですが、これが割りとすんなりと耳に入ってくる構成。
そしてその後のM-3「BAYSIDE RIDAZ feat. MACCHO」がやっとのラップ入りの楽曲になります。
2曲連続で焦らした後に控える楽曲だけあって、すごくかっこいいです。
DSのオリジナルメンバーが勢揃いしたマイクリレーで、SHALLA、Kayzabro、MACCHOの3人ともキレキレのラップ合戦を見せてくれます。


そしてそんな熱いマイクリレーの後にM-4「僕の中の少年 ~遠い記憶IV~」へ続きます。
攻撃的なM-3「BAYSIDE RIDAZ feat. MACCHO」とは裏腹に、情緒漂うトラックの上でSHALLAとKayzabroの両者が素敵なリリックを乗せる、言葉の面でも音楽の面でも極上な一曲。
序盤の二曲でこれだけの二面性を出してくるのはすごいですね。


仲間たちからのコールのスキットを挟み、M-6「えぐる挽歌 feat. GANXSTA DX」。
これは思い切りなギャングスタチューンで、個人的にはこの曲がアルバムベスト。
爽やかながらも危機感のあるトラックの上で危険なラップを乗せる3人が熱すぎます。
特にGANXSTA DXのアメリカのギャングスタラッパーのリリックをそのまま輸入したかのような、ギャングギャングな言葉さばきは聴いているだけで臨場感があります。


後半に入ると、MAYによるスキットのM-8「~INTERLUDE~ 夕(ゆう) Part 1.」。
このスキットが何気に好きな一曲です。
PMXのトラックとMAYの歌声が見事にマッチしていて、スキットにしてはもったいないくらいの良曲になっています。
(前後の2曲は、悪くはないですがちょっとKayzabroが目立っていないように感じます。SHALLAとCORN HEADが目立ってますね。)


そしてそして、クレジットこそされていないものの、M-10のアウトロの後にはボーナストラックとして「BAYSIDE RIDAZ」のRemixが収録されています。
原曲の爽やかな雰囲気とは違って、かなり攻撃的な雰囲気のトラックになっています。Hookも別物。
原曲に全く負けていないRemixで、聴きごたえは十分すぎるくらいあります。
最後にいいのぶちこんでくれたなあ!と思える流れです。


全体を通して本当にサラッと聴ける爽やかさと、聴きごたえを見事に両立した快作アルバムになっています。

結成から11年経ってやっと出された1枚だけに、納得のいく内容ですね!


そしてこのアルバムリリースを機に、日本語ラップシーンに新しい風が吹き込んでいく・・・胸が熱くなる展開を作った1枚でもあります。
アメリカの猿真似?そんなことは聴いてから判断をお願いしますよ。

興味のある方はご一聴を!


↓M-3「BAYSIDE RIDAZ feat. MACCHO」。
www.youtube.com

THE DUTCHESS / FERGIE

The Dutchess


曲目リスト


1. Fergalicious feat. Will i am
2. Clumsy
3. All That I Got (The Make Up Song) feat. Will i am
4. London Bridge
5. Pedestal
6. Voodoo Doll
7. Glamorous feat. LUDACRIS
8. Here I Come feat. Will i am
9. Velvet
10. Big Girls Don't Cry
11. Mary Jane Shoes
12. Losing My Ground
13. Finally
14. Get Your Hands Up feat. The Black Eyed Peas


評価: ★★★★★★☆☆☆☆


アメリカのカルフォルニア州出身のシンガー、FERGIEの1stアルバム。
2006年9月13日発売。


FERGIEは子どもの頃からダンスの勉強をして、アメリカの子ども番組に9歳から14歳まで出演していました。
両親からの援助を得るために高校では常にオールAの成績を取ったり、チアリーダーの経験もあったりと芸能界以外でも多忙な日々を過ごしていたようです。
1995年に友人たちとガールグループのWild Orchidを結成し、音源のリリースをしていきます。


しかし、それまでの多忙な日々がたたり、FERGIEはストレス解消のために覚醒剤に手を出してしまい、中毒患者になってしまいます。
その後は治療によって克服するものの、Wild Orchidからは正式に脱退。
覚醒剤に子役時代に稼いだお金を使い果たして無一文になってしまったFERGIEは、ダンサーやバックシンガーのバイトを繰り返すうちに、自身が大ファンであったBlack Eyed Peasと仕事が重なります。
そこから彼女は彼らの友人となり、2003年に紅一点としてThe Black Eyed Peasに加入。(この頃からTheがついた)

その後のThe Black Eyed Peasが快調にヒットを出したこともあり、 FERGIEの名前も世界的に知れわたることに。
2006年、とうとう本作で念願のソロデビューを果たしました。
全米で390万枚のセールスを記録し、2006年を代表するシンガーの1人になりましたね。


では、内容に。


2006年当時にはHIP HOPで中心的なサウンドとなっていた、POPにかなり近いクラブサウンドがメインとなっています。
良くも悪くもラジオ向けの楽曲が多いですね。
とっつきやすいFERGIEの歌声との相性も悪くないですが、80年代や90年代の硬派なHIP HOPサウンドを好む方はちょっと不快に思うリスナーもいそうです。
好みがかなり分かれるWill i amのプロデュースですし。


M-1Fergalicious feat. Will i am」、M-2「Clumsy」と最初からヒットシングルが2曲続く展開。
2ndシングルとして切られた前者はシングルとして聴く分には悪くないかもしれませんが、アルバムの最初を飾るにしてはちょっと弱いですかね。
せっかく疾走感があるトラックなのですから、FERGIEにも早口ラップをやらせればネクストレベルに行けた気も。
5thシングルとして切られた後者はHookの軽快さと歯切れの良いFERGIEの歌唱がナイスで、こちらの方が個人的にはお気に入り。


そこからバラードを挟んだ後に1stシングルのM-4「London Bridge」に行きます。
序盤ではやはりこの曲が個人的ベスト。
ラップでも歌の面でも見事な両立っぷりですし、単純に聴いていて首を縦に振りたくなってしまいます。
続くM-5「Pedestal」はハンドクラップ系のトラックで、FERGIEとの相性は微妙ですが、bridgeでの煽るような歌唱は聴いていて気持ちいいですね。


さて、中盤へ。
80、90年代に近いトラックが耳を惹くM-6「Voodoo Doll」を経て、3rdシングル曲のM-7「Glamorous feat. LUDACRIS」。FERGIEはアルバム屈指のいい仕事ぶりですが、LUDACRISはちょっと印象が薄め。この曲を聴き終わった後にLUDACRISがいたことを覚えているリスナーは果たしてどれくらいいるのでしょう。

個人的に「おっ」と感じるのはM-9「Velvet」からM-11「Mary Jane Shoes」までの流れ。3曲ともFERGIEの歌声が生かされている上に、非常に聴きやすい楽曲に仕上がっています。
M-11「Mary Jane Shoes」の一気に雰囲気が変わる展開はちょっとびっくりしてしまいますね。
シリアスな雰囲気のM-12「Losing My Ground」はHookがちょっとしつこい印象で余り好きになれませんが、M-13「Finally」はシンプルなトラックでFERGIEが歌い上げる、FERGIEの歌声が好きな方ならとても楽しみにしていい楽曲だと思います。
FERGIEの歌声を純粋に楽しめますよ。

最後を締める、The Black Eyed PeasのボッセカットのM-14「Get Your Hands Up」はかなりPOP寄りなクラブチューン。
ちなみにこの曲の後にボートラがあり、クールなトラックのお洒落な雰囲気が耳を惹きます。


全体を通して見ると、良曲もちょこちょこあり、FERGIEの魅力も味わえる作品ではありますが、通してアルバムとして纏まりがイマイチだったり、客演が余りいい働きをしていないなど、粗も目立ちます。
一昨年に11年ぶりにアルバムをリリースしたようなので、そちらではもうちょっと整理されていることを期待したいですね。


そんなに強くお勧めはしませんが、2006年くらいの流行りのサウンドが好きな方は一聴の価値ありですよ。


↓M-10「Big Girls Don't Cry」のPV。
www.youtube.com

ミチシルベ 〜a road home〜 / ORANGE RANGE

ミチシルベ ?a road home?


曲目リスト


1. ミチシルベ ~a road home~
2. ZUNG ZUNG FUNKY MUSIC
3. 山内公園
4. ミチシルベ ~a road home~(ryukyudisco remix)


評価: ★★★★★★★★☆☆


沖縄出身のバンド、ORANGE RANGEの5thシングル。
2004年2月25日発売。


2003年の「上海ハニー」のヒットを皮切りに、一気に日本で知らない人はいないグループに登り詰めたORANGE RANGE

1stアルバムリリースから2ヵ月というインターバルで本作をリリースしました。


本当のORANGE RANGEの快挙はここからです。
何と本作から9作連続でシングルをチャート1位に送り込んでしまいます。
本作のM-1ミチシルベ ~a road home~」はドラマ「FIRE BOYS 〜め組の大吾〜」の主題歌として起用され、M-2「ZUNG ZUNG FUNKY MUSIC」はメロDAMのCMソングとして起用。

話題性も十分だったわけですね。


さて、内容に。


M-1ミチシルベ ~a road home~」は、彼らのインディーズ時代の楽曲「ミチシルベ」のセルフリメイク曲です。
原曲と比べるとサウンド面がかなり力強くなっていて、3人の歌もちょっと余裕が出てきているように感じます。
原曲のまだまだ発展途上な雰囲気から、一気にパワーアップした雰囲気になっていますね。
どっちが好きかは好みが分かれると思いますが、個人的には聴きごたえがグイーンと増したこちらの方が好きです。
詞も3MCの声にこれ以上なく合っていて、安っぽい応援歌でなくしっかりと響く応援歌に仕上がっています。
当時の人気曲だったのも頷けますね。


M-2「ZUNG ZUNG FUNKY MUSIC」は、ドリフターズの有名曲である「ドリフのズンドコ節」を参考にして作られた、ノリ100%のパーティーチューン。
確かにHookが思い切りズンドコ節です。
ですが曲としてはサウンドの勢いも申し分ないですし、詞のくだらなさも突き抜けていて、単純に聴いていてすごく楽しめる一曲になっています。
ドリフのズンドコ節」からこんな楽曲を思い付くとは、つくづくNAOTOの音楽センスは恐ろしすぎます。
これで当時20やそこらだったんですからね・・。


M-3「山内公園」は、小中学校の時にRANGEのメンバーがよく遊んでいた公園をテーマにした思い出ソング。
RANGEの裏ベストに収録されるまでは、隠れた名曲としての立ち位置でした。
個人的にも、この頃のRANGEの楽曲の中でもかなり好きな一曲です。
爽やかなサウンドと、3人の前向きな詞が十分な聴きごたえを提供してくれる、この頃の彼らだからこそ出来た一曲だと感じます。


M-4「ミチシルベ ~a road home~(ryukyudisco remix)」はいつもながらのテクノ風のRemix。
これはまあ、テクノ好きなら楽しめるのでは。


全体を通して、チャート1位を獲得したのも納得の良曲揃いで、アンチRANGEが多かったAmazonレビューでも、比較的評価が良いのも頷けます。
M-1ミチシルベ ~a road home~」、M-2「ZUNG ZUNG FUNKY MUSIC」は2ndアルバムに収録されていますし、M-3「山内公園」は裏ベストに収録されているので、まとめて聴きたい方はそちらをオススメします。
ただ裏ベストに収録されているのは歌い直しがされているので、当時の「山内公園」は本作でしか聴けません。


かなり安く中古で販売されていますので、興味のある方は是非。


M-1ミチシルベ ~a road home~」のライブ映像。
www.youtube.com

Don't Be Cruel / Bobby Brown

Don't Be Cruel


曲目リスト


1. Cruel Prelude
2. Don't Be Cruel
3. My Perogative
4. Roni
5. Rock Wit'cha
6. Every Little Step
7. I'll Be Good To You
8. Take It Slow
9. All Day All Night
10. I Really Love You Girl
11. Cruel Reprise


評価: ★★★★★★★☆☆☆


アメリカのR&Bシンガー、Bobby Brownの2ndアルバム。
1988年6月20日発売。


New Editionを脱退後、1stアルバムをリリースしてまずまずのセールスを記録したBobby。
ここから非常に早いのし上がりを見せました。


本作からは先行シングルとしては1枚、アルバムリリース後のシングルとしては4枚のシングルカットがされましたが、その全てがビルボードにランクインするくらいの好セールスを記録。
アルバムである本作も凄まじい話題作となり、1000万枚以上のセールスを記録しました。
Bobbyのアルバムの中では一番の好セールスを記録したアルバムとなっています。

日本でも洋楽ファンの間でかなりのブームになり、M.C. Hammerと並ぶ有名なダンス系ミュージシャンになりましたね。


さて、内容に。


LA&BABYFACE、Teddyという当時の新鋭プロデューサーを迎えた結果が大成功に繋がった本作。
バラードとパーティーチューンがバランス良く配置されています。


まずLA&BABYFACEプロデュースの表題曲、M-2「Don't Be CruelからしてBobbyの相性の良さを見せつけられるというもの。
トラックも聴きやすさとクールな魅力を併せ持った流石といえる出来。
続くTeddy作のM-3「My Perogative」もディスコでかかったら踊らずにはいられないであろうサウンドが耳を惹きます。


続く2曲のバラードを経てドカンと来るのが、Bobbyのキャリア史上一番の有名曲であるM-6「Every Little Step」。
大ヒットしたのも頷ける超キャッチーなトラックと、嫌味がないBobbyの歌唱がこの上なくマッチした一曲。
アルバムの中でもやはりこの曲が一番飛び抜けて聴いていて楽しいです。


後は耳を惹くのは、M-10「I Really Love You Girl」ですね。
アルバム内では異色なちょっとゴージャスな雰囲気のトラックの上でBobbyとコーラスが独特な歌い回しで魅せてくれます。


Bobbyのアルバムでは、ダントツでセールス面で成功した1枚ですが、個人的には3rdアルバムと4thアルバムの方が好きですね。
M-6「Every Little Step」が良すぎるせいか、通して聴くと他の曲がちょっと霞むのも事実。どの曲もシングルとして聴けば完成度が高いですが。


それでも全体を通して楽しく聴けますし、80年代後半のR&Bを代表する1枚であることは間違いないので、是非チェックしてほしいですね。


↓M-2「Don't Be Cruel」のPV。
www.youtube.com

1st CONTACT / ORANGE RANGE

1st Contact


曲目リスト


1. Fever!
2. 上海ハニー
3. ミッションinポッピプル
4. ヤング8
5. サムライマニア
6. ゆうぐレッド
7. ビバ★ロック
8. ジャパニーズピープル
9. パーリィナイッ
10. O-Mo-I
11. Twister
12. ベロシティー3000
13. キリキリマイ (Album Ver.)
14. 落陽 (Long Ver.)
15. アンビエンタ
16. 山内中校歌


評価: ★★★★★★★★☆☆


沖縄出身のバンド、ORANGE RANGEの1stアルバム。
2003年12月17日発売。


1stシングル「キリキリマイ」(M-13)でメジャーデビューを果たしてから、2ndシングル「上海ハニー」(M-2)のヒットで一気に名前を有名にし、その後もスマッシュヒットを連発したORANGE RANGE

2003年の終わりにドカンと1stアルバムである本作をリリースしました。


当然のことながら日本では2003年を代表するアルバムの1枚と言ってもいいくらいの話題作になり、オリコンチャートでも2位を獲得。
本当にメジャーデビューしてからの流れが順調すぎます。
最も、まだまだ本作の時点ではこんな順調さなど序の口だったわけですが。


では、内容に。


ミクスチャーバンドとして、様々な雰囲気の楽曲を発表しているORANGE RANGEですが、1stアルバムである本作は、ミクスチャーとしては比較的正統派なROCK色が強い作品となっています。
後に脱退するドラムのKATCHANがハードROCK嗜好だったというのもあるのでしょうね。


M-1Fever!」、M-3「ミッションinポッピプル」、M-4「ヤング8」、M-5「サムライマニア」などが並ぶ序盤は、比較的ハードなROCKな楽曲が占めていて、メジャーデビュー前のインディーズ時代のサウンド強化版、という印象を受けますね。

個人的には迫力あるHookと3MCのの掛け合いが聴き応え抜群なM-4「ヤング8」、聴いているだけで頭を振りたくなるようなNAOTOの音作りが光るM-5「サムライマニア」がいいですね。
ただやはりM-2「上海ハニー」のインパクトが一番です。
M-2にこの曲を配置したのは作戦勝ちだと思います。
嫌でもこの先を聴きたくなってしまうこと請け合いですからね!


序盤こそそんなインディーズ時代の延長のハード嗜好曲中心ですが、本作の本当の聴きどころは中盤からです。
3MCの歌を最低限にしたほとんどインストと言ってもいいM-6「ゆうぐレッド」から一気に面白味が増します。
そこから華やかさ抜群の先行シングルのM-7「ビバ★ロック」を挟んで、M-8「ジャパニーズピープル」に行くわけですよ。

この流れは本当に上手いです。
M-8「ジャパニーズピープル」は元々は5thシングルにする予定だったみたいですが、暗い雰囲気の曲だったのでアルバム曲になったんだとか。
でもそれで正解ですね。
シングル曲だったらこれほど輝かなかったと思います。
それくらい曲順の良さが別次元。
もちろん、この曲自体もいいのですが!

その後も彼らのセンスが光る曲が続きます。
特にM-10「O-Mo-I」は恋愛ソングなのにのんきな雰囲気の楽曲で、そこら辺の応援ソングなんかよりよほど聴いていて元気が沸いてきます。
NAOTOの音作りと3MCの相性の良さの拮抗が為せる技です。


後半はM-12「ベロシティー3000」、M-13「キリキリマイ (Album Ver.)」、M-14「落陽 (Long Ver.)」と、既発曲とそのリメイクが中心。
3曲とも良曲なのは言うまでもありませんが、中でもM-14「落陽 (Long Ver.)」はもっともっと特筆されてしかるべきでしょう。
M-2「上海ハニー」、M-7「ビバ★ロック」と弾けたナンバーで売れてしまった彼らが、「これでいいのか!?」と自問自答し、一転して真面目に詞を書いたというエピソードつきの一曲。

そんな彼らの気持ちのこもった詞と、夏の海を想像してしまうようなサウンドの調和が耳を惹く、名曲と言って差し支えない楽曲になっています。


それからインストであるM-15「アンビエンタ」を経て、ボーナストラックのM-16「山内中校歌」に行きます。

RANGE流にアレンジされた彼らの出身中の校歌な訳ですが、何気にこの曲好きだったりします。
全員が心から楽しく演奏して歌っているのが嫌というほど伝わってくるんですよね。


聴いてみた感想としては、まだまだ粗い部分もあるものの、当時の20歳というメンバーの若さながらの勢いは半端ないですし、リーダーであるNAOTOの音作りのセンスの高さもこの頃から発揮されていたのも分かります。

何よりもインディーズアルバムをリリースしてからまだ2年も経っていなかったのに、その作品からここまで歌も楽器隊も成長したのは、心からすごいと思います。


2019年現在では完全に懐メロになってしまった作品ですが、まだまだ全然リスナーに楽しい時間を提供してくれる作品ですよ。
中古屋でもかなり見かけるアルバムなので、興味のある方は是非。


↓M-11「Twister」のライブ映像。
www.youtube.com

Unklejam / Unklejam

アンクルジャム


曲目リスト


1. Love Ya
2. What Am I Fighting For?
3. Luving U
4. Just Like Me
5. Cry
6. Go
7. Stereo
8. The Touch
9. Hello
10. Don't Pass Me By
11. Daddy Genes
12. Down Low
13. Slow Down


評価: ★★★★★★★☆☆☆


イギリスのミクスチャーバンド、Unklejamの1stアルバム。
2007年9月26日発売。


Unklejamは、Tyson、Bobby、Adonistarの3人のボーカルからなるユニットで、Tysonはイギリス出身、Bobbyはハワイ出身、Adonistarはマイアミ出身と、中々グローバルな雰囲気漂うメンバー構成です。

2006年から活動を開始し、2007年に1stシングル「Love Ya」(M-1)、2ndシングル「What Am I Fighting For?」(M-2)とコンスタントにリリースを行い、ヒット曲として記録されました。
その2枚のシングルをリリースした後に、6月にアルバムをリリースする予定でしたが、急遽その前に3rdシングルをリリースしてアルバムをリリースという予定に変更になり、アルバムリリースが延期になりました。

その3rdシングルが「Stereo」(M-7)ですが、こちらは前2作ほどヒットしなかったようです。


さて、内容に。


UnklejamはElectronic、Soul、Popなど様々な音楽の要素を混ぜたサウンドが特徴です。
その上にメンバー3人が歌を乗せるという構成になっています。


サウンドは90年代の洋楽を彷彿とさせるようなアレンジが目立ちます。
そのためこの辺りの洋楽が好きな方なら受け入れられやすいのではないでしょうか。

それはもう先行シングルとしてヒットした、びっくり箱のようなサウンドで所々にシャウトが混じるM-1Love Ya」、エレクトロを基調としたトラックで古めかしい雰囲気なM-2「What Am I Fighting For?からしてそう感じます。
2007年の作品なのに、まるで90年代のディスコ音楽のような雰囲気がありますね。

先行シングルを聴いていた方は、アルバム曲も大体そのような感じを想像していただいて大丈夫です。(M-5「Cry」、M-10「Don't Pass Me By」、M-11「Daddy Genes」のような落ち着いた楽曲もありますが)


シングル曲以外の聴きどころとしては、ちょっとシリアスな雰囲気が漂いつつもしっかりとクラブチューンになっているM-4「Just Like Me」、クラブチューンに挟まれているからこそ一際目立つスロウナンバーのM-5「Cry」、Hookの臨場感がすごいM-9「Hello」などですね。


ただ、一番の聴きどころはM-6「Go」ですね。
この曲は本作収録曲の中で一番メンバー3人の歌唱が活きていると思います!


全体的にとにかく様々な音楽、過去の先人たちのサウンドを自分たち流にやってアルバムを作ってみました、という感じですね。
単純に聴いていて楽しくなる楽曲が多いです。
ただちょっと何回か通して聴くと飽きてきてしまうのは否めないですかね。
それでも良作には入りますが、もっとサウンドに奥深さがあれば何回も聴けるアルバムになったかもしれない、惜しい1枚とも言えます。


ちなみにUnklejamですが、本作をリリースして以降、音源のリリースや活動のニュースは確認できません。
Youtubeにチャンネルはありますが、利用不可になっています。
活動休止したのか、解散したのか、それは分かりません。

とりあえず、90年代のディスコ音楽が好きな方は試聴をオススメします。


↓M-5「Cry」。
www.youtube.com