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音楽CDの感想を綴っていきます

1997 Grammy Nominees / V.A.

1997 Grammy Nominees


曲目リスト


1. Give Me One Reason / Tracy Chapman
2. Change the World / Eric Clapton
3. Because You Loved Me / Celine Dion
4. Ironic / Alanis Morissette
5. 1979 / The Smashing Pumpkins
6. Stupid Girl / Garbage
7. Who Will Save Your Soul / Jewel
8. Spiderwebs / No Doubt
9. Nobody Knows / The Tony Rich Project
10. My Baby / LeAnn Rimes
11. Un-Break My Heart / Toni Braxton
12. Get Out of This House / Shawn Colvin
13. Reach / Gloria Estefan


評価: ★★★★★★☆☆☆☆


1996年にグラミー賞にノミネートされた楽曲を集めたコンピレーションアルバム。
1997年2月26日発売。


Grammy Nominessは1995年から企画されたグラミー賞にノミネートされた楽曲を集めたコンピレーションアルバムで、その97年版が本作です。
この時は第39回で、発表と同日にリリースされたようですね。


さて、内容に。


Tracy ChapmanによるM-1Give Me One Reason」によってアルバムは幕開け。
のっそりとしたギターのイントロは掴みとしては悪くなく、その上に乗るTracyの歌も存在感があり相性は中々のもの。
ただ最初から最後まで淡々としていて、イントロこそ掴みとしてはいいものの曲全体としては最初の掴みとしてはやや弱め。
曲自体はTracyの歌とサウンドが絡んでいい出来なので場所が悪かったとしか言いようがないです。

M-2「Change the World」はEric Claptonで、しっとりとしたサウンドの上でのEricの哀愁漂う歌は相性ガッチリ。
Hookでのゆったりとしたコーラスとの絡みは特に絶妙。


M-3「Because You Loved Me」はCeline Dionで、綺麗なサウンドながらもしっかりとしたリズムが聴きごたえを倍増させるバラード。
その上にのるCelineの歌声もハキハキさと壮大さの両方を兼ね備えており間違いない仕事ぶりを見せてくれます。
M-4「Ironic」はAlanis Morissetteはかなり静かな入りだしから一気に力が入った歌とサウンドになる構成が本作随一のインパクト。
サウンドの変わり方によって色々な歌い方を見せるAlanisの力量は確かなものです。

M-5「1979」はThe Smashing Pumpkinsで、聴きやすくもありながら随所でおかずの音をちりばめるサウンドが聴いていて楽しいですね。
歌の方はそこまで主張が強くなく、あくまでサウンドが主役という感じ。お互いの絡みがとてもいいのでそこを楽しみましょう。


M-6「Stupid Girl」はGarbageで、色々な展開を見せるサウンドとその上に乗る緊張感のある歌の乗りこなしが聴いていてヒヤッとした感じです。
Hookでのコーラスが危険な雰囲気で特に背筋を冷やしてきます。
それぞれの楽器の使い方もツボを押さえていて流石。

M-7「Who Will Save Your Soul」はJewelで、優しいギターとピアノが印象的なサウンドと芯のある歌唱がハマっています。
かなり難しそうな乗りこなしもあるんですがそれをサラッと行ってしまう力量には感服。


M-8「Spiderwebs」はNo Doubtで初っ端から陽気な雰囲気のホーンがグイグイ来る感じのサウンドで本作でも異色。
この曲は本作の内容だと序盤に配置した方がいい掴みになった気がします。

M-9「Nobody Knows」はThe Tony Rich Project
サウンドは静かな雰囲気で歌を前面に押し出しています。
インパクトこそないものの丁寧に歌い込んでいて妥協なく作られたのがひしひしと伝わります。

M-10「My Baby」はLeAnn Rimes。
西部劇のような雰囲気のサウンドで、その上の女性ながら貫禄のある歌を乗せるRimesの仕事は中々。


M-11「Un-Break My Heart」はToni Braxtonで、しっとりとしたバラード。
壮大な雰囲気のToniの歌は実力派で、中盤の押して返すようなサウンドも作り方が上手いですね。

M-12「Get Out of This House」はShawn Colvinで、なんといってもハーモニカがとてもキャッチ―。
途中でのうねるようなベースの音もいい味になっています。
舌足らずな歌い方も可愛く相性よし。


最後を〆るのはGloria EstefanによるM-13「Reach」。
様々な音を取り込んだ迫力あるサウンドでGloriaの歌も伸びやか。
Hookでのコーラスも相まって映画の主題歌のような雰囲気がありますね。


どの曲もグラミー賞にノミネートされただけあって、1曲単位で聴けば十分な良曲が揃っています。
丁寧にきっちり作られた楽曲が多いため、必ず1曲は好きな曲ができるはずです。

しかしアルバムとしては正直何度も聴きたいと思える流れではなく、そこが非常にもったいなく感じます。
似たような楽曲が固まっていたり、地味な曲の直後に派手な曲が来てしまったため前の曲の印象が残りにくい流れがあったりと本来の曲の良さを出し切れていないかなと。
M-1Give Me One Reason」はちょっと批判気味に書いてしまいましたけど曲としては間違いなく良曲なのです。最初に位置しているのが・・・という。
この曲は中盤あたりにあった方が良さが活きたと思います。

上の点もあってトータルアルバムとしてはそこまで強くおススメしませんが、1曲1曲は音楽好きなら聴いておくべき良曲なのは間違いありません。
プレイリストの楽曲ネタ不足の方などには最適でしょう。そのような方には是非とも。


↓M-2「Change the World」の対訳付き映像。
www.youtube.com