曲目リスト
1. Intro
2. Y'all Know
3. Gettin' Jiggy Wit It
4. Candy feat. Larry Blackmon, Cameo
5. Chasing Forever
6. Keith B-Real I (Interlude)
7. Don't Say Nothin'
8. Miami
9. Yes Yes Y'all feat. Camp Lo
10. I Loved You feat. Valvin Roane
11. Keith B-Real II (Interlude)
12. It's All Good
13. Just the Two of Us
14. Keith B-Real III (Interlude)
15. Big Willie Style feat. Lisa "Left Eye" Lopes
16. Men in Black feat. Coko
評価: ★★★★★★★★☆☆
アメリカのペンシルベニア州フィラデルフィア出身のラッパー、Will Smithの1stアルバム。
1997年11月25日発売。
1987年にラップユニットであるDJ Jazzy Jeff & The Fresh Princeを結成してThe Fresh Prince名義でラッパー活動を開始。
同ユニットで世界的に大成功を収めた後には俳優としても活動を開始し、そちら方面でもひっぱりだこに。
1994年にユニットは解散して俳優としての道に専念したWill Smithですが、1997年にはWill Smith名義でラッパーとしてソロデビューを果たして1stアルバムである本作を発表。
大ヒット作になったのは言うまでもありません。
2024年現在では俳優としての認知が一般的なWill Smithですけど、ラッパーとしてのデビューの方が早いんですよね。
では、内容に。
DJ Jazzy Jeff & The Fresh Princeは聴きやすいトラックと馴染みやすいラップが定評のあるユニットでしたが、Will Smithの初ソロ作の本作の特徴もそれに感じます。
Will Smithのスムーズなラップはどんな人でもすんなりと聴けるでしょうね。
イントロを経てのM-2「Y'all Know」はシンプルなトラックの上でWill Smithが流暢にラップをキックしていく様がとても聴いてて気持ちいいです。
所々でのグイグイくる音使いもズシンと耳に来て残りますね。
続くM-3「Gettin' Jiggy Wit It」も随所にスクラッチが入りまくったトラックがカッコいいシングル曲。
トラックの元ネタはSister Sledgeの「He’s the Greatest Dancer」でイントロの元ネタはThe Bar-Kaysの「Sang and Dance」。
Hookのコーラスが如何にもパーティラップという感じでいい味出してます。どっしりとした乗りこなしのラップも言うことなし。
M-4「Candy feat. Larry Blackmon, Cameo」はLarry BlackmonとCameoが参加。
Will Smithの歯切れのいいラップの間にHookで挿入されるシンガー2人が担当するHookは贅沢で、ノリの良さと爽やかさを兼ね備えたような作り方が見事。
M-5「Chasing Forever」はStevie Wonderの「Ribbon In The Sky」をネタ使い。
上品な雰囲気のバラード曲を惜しみなく使いその上を駆け抜けるWill Smithのラップは雰囲気にバシッとハマってます。
随所でのStevie Wonderの歌もいいアクセントになっていてラップ曲なのにきちっとした品行方正さを感じますね。
会話スキットを挟んだM-7「Don't Say Nothin'」は楽しい雰囲気だったそれまでとは打って変わってちょっとシリアスな雰囲気。
Will Smithも全体的にせわしなくラップを乗せており、Hookではゴニョゴニョ声になるという他にない作り。
その作りのお陰でHookもバースもそれぞれ存在感を出しているのでつくづく作り方が上手いと実感しますね。
随所でのスクラッチも危険な雰囲気を増大させていていい役割。
M-8「Miami」はシングル曲で、The Whispersの「And The Beat Goes On」をネタ使い。
流れるようなトラックでWill Smithのラップもそれに絡むようにスムーズ。
車で浜辺付近を走る際には絶対にカーステに入れてほしい一曲ですね。
M-9「Yes Yes Y'all feat. Camp Lo」はCamp Loが参加。
Camp Loの出番はHookとイントロだけなんですけど、トラックの雰囲気にこの上なく合っているので存在感は凄くあります。
こちらも車で浜辺付近を走る際には・・なんですが、M-8「Miami」は晴れている日中で、こちらは夕べの浜辺に向いてそうな気がしますね。
M-10「I Loved You feat. Valvin Roane」はValvin Roaneが参加。
Will SmithのスムーズなラップとValvinのねっとり絡むようなラップがやばい化学反応を起こしており、インパクト抜群です。
会話スキットを経てのM-12「It's All Good」はシンプルなトラックなんですけどそれだけにWill Smithの隙間のないラップが聴きごたえあり。
トラックはシンプルながらもリズムが癖になる感じで聴いているだけで体を揺らしたくなること必至。
M-13「Just the Two of Us」はシングル曲でHook以外のすこしノリにくいリズムの取り方が特徴的。
その上に難なくラップを乗せる力量は流石で、随所での歌もいいアクセント。
会話スキットを経てのM-15「Big Willie Style feat. Lisa "Left Eye" Lopes」はLisa "Left Eye" Lopesが参加で、元ネタはEarth, Wind & Fireの「Something Special」。
Left Eyeの出番は3バース目とHookのみですが可愛い声のラップは存在感がすごくてガッチリWill Smithと組んで作ったという感じです。
どちらもトラックとの相性良し。
〆るのはM-16「Men in Black feat. Coko」でCokoが参加したシングル曲。
Cokoの爽やかながら芯のある歌声はWill Smithのラップとも相性抜群で、綺麗に曲を引き締めています。
アルバムの〆としてもかなりいい感じにまとめ上げているのでは。
全体的を通して丁寧に作られたアルバムになっています。
ラップもトラックも馴染みやすく、客演も全員がいい仕事ぶり。
とびぬけた名曲こそないものの、最初から最後まで聴きごたえがある良曲が並んで飽きない作品です。
Will Smithが俳優としてだけでなくラッパーとしても確かな実力があるのを実感してください。
見かけたら是非チェックを。
↓M-8「Miami」のPV。
www.youtube.com