りくぼーの音楽感想倉庫

音楽CDの感想を綴っていきます

Bullet Proof / 50 CENT

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51njWNPUK5L._SX355_.jpg
↑扱っている通販サイトがないため画像リンクを貼ります


曲目リスト


1. Maybe We Crazy
2. When You Hear That feat. Tony Yayo
3. I'm A Rider
4. Simply The Best
5. Pimpin Pt. 2
6. Why They Look Like That
7. Come And Get You
8. I Warned You
9. I Run NY Pt. 2
10. Grew Up
11. Southside Pt. 2
12. Hit You Ass Up feat. Lloyd Banks, Tony Yayo
13. G Unit Radio feat. Whoo Kid*
14. Get Rich Or Die Trying Movie Trailer


評価: ★★★★★★☆☆☆☆


2005年にリリースされた50 CENTのゲーム「Bullet Proof」のサウンドトラックを元にしたミックステープ?
2007年6月発売。


Bullet Proofは2005年にリリースされた、50 CENTをテーマにしたゲームです。
一応国内版Amazonに購入ページはあるものの、レビューが全くない上に、プレイしてみた!みたいなブログや動画は全く見つかりません。
日本ではあまり話題にはならなかったみたいですね。

勿論僕自身も未プレイですし、公式のサントラそのものは聴いていないのでそれと比較してのコメントはできません。
ただ本作はそのサントラの収録内容をちょっといじって2007年にリリースされたもののようです。
信頼できる情報源が全くと言っていいほど見つからないので、そうとしか言えませんね・・。
最も、CDバーコードが振られているので海賊版ではありません。


では内容に。


50 CENTはミックステープを、様々な媒体でオリジナルアルバム以上にかなりリリースしているので、具体的に何枚目のミックステープかは分かりません。

50のミックステープは何枚かフリー音源サイト(公式)で聴いていましたが、軽く聴いただけで聴き込んではいなかったので、聴き込んだのは本作が初めてです。
過去に感想記事を書いた、50の1stアルバムや2ndアルバム、G-UNITの1stアルバムを聴き込んでいた身としては、それらと比べると全体的に良くも悪くもチープな印象を受けますね。
50の音源の中では力を抜いて緩く作った感じがします。


トラックは毎度のことながらハードな中にも聴きやすさがあるものの、本作はちょっとハードコアに寄っていて、聴きやすさ成分は控えめなトラックが多め。
オリジナルアルバムとは違い、セールス面をあまり意識する必要がないためか、売れるための曲というのが一切ないと言っていいです。
とにかく銃声があちこちに聴こえる、ハードでシリアスな雰囲気を放つ様は、50の深い部分に足を踏み入れたような気がしてしまいます。(詞カードは当然ついていないため、何を言っているのかは分からないのですが)


ただアルバムや楽曲の完成度としてはやはりオリジナルアルバムと比べると落ちます。

50の最大の特徴である耳に残るHookが本作ではほとんどありませんし、トラックと50のラップと相性に疑問符がつく楽曲の割合もちょっと高いです。
客演がLLOYDとYAYOのみで、しかもM-2とM-12という本当に最初と最後なので、ほとんどハードコアなトラックの上に50の一本調子なラップというのが続くため、50がよっぽど好きな人でないと、ちょっとキツいかもしれません。


そんな中でも聴きどころはあり、個人的には病み付きになるような単調なループの上で50がスムーズにラップを乗せていくM-8「I Warned You」、G-UNITオリジナルメンバーでの50のHookを交えながらのマイク回しが熱いM-12「Hit You Ass Up feat. Lloyd Banks, Tony Yayo」辺りが聴きどころ。


とりあえず50をこれから聴いてみようという方にはあまりオススメしません。
一般受けするような作風ではないですからね。
そのような方はまずはオリジナルアルバムからどうぞ!
それで50の音源をもっと聴きたい!となったら本作にも手を伸ばしていいかと。
50のファンの方なら絶対に持っていて損はないと思います。


M-1Maybe We Crazy」。
www.youtube.com

PARTY MONSTA / 1-KYU

www.google.com
↑ジャケット写真付きの通販サイトが無いので画像のリンクを貼ります


曲目リスト


1. PARTY MONSTA
2. Tomorrow-N-Tomorrow
3. COLD AS ICE feat. S55 a.k.a SPOCK


評価: ★★★★★☆☆☆☆☆


えー、またしてもブログにろくにこれず申し訳ございません。
また引っ越し、転勤が決まり、バタバタしていました。
落ち着いてきつつあるので再開を・・。


北海道を活動拠点とするラッパー、1-KYUの1stシングル。
2007年4月10日発売。


1-KYUは香川県讃岐の出身で、1998年から活動を開始し、2000年に活動拠点を北海道に移動。
HOKTやS55などとラップグループ、NORTH COAST BAD BOYZ(以後N.C.B.B)を結成し、DIG DA GOOD RECORDSというレーベルも立ち上げ。

それからはN.C.B.Bとしての音源リリースや、積極的なライブ参加、他ラッパーの作品の客演参加などを経て日本全国にプロップスを拡大していきます。
2007年には、とうとうソロデビューとして本シングルをリリースしました。


では、内容に。


表題曲のM-1PARTY MONSTA」は、勢いのある派手なトラックに1-KYUがラップを乗っけるパーティーチューン。
様々な音を随所に仕込みながらも勢いを維持し続けるトラックはラッパーによってはかなりの名曲になりそうなトラック。
M-2「Tomorrow-N-Tomorrow」は、表題曲よりもちょっとシリアスな雰囲気で、映画の挿入歌にも使えそうなトラックが耳を惹きます。


ただ、正直この2曲に関しては「トラックはかっこいいけどラップはパッとしない」の典型的パターンのように感じてしまいましたね・・・。
1-KYUはN.C.B.Bのメンバーの中では比較的スキルはあるほうであり、その個性的なちょい高めなガラガラ声で立ち位置を築けていました。
ただ、それはあくまでマイクリレー集団であるN.C.B.Bの中での話。
ソロ作品として1-KYUのラップをこの2曲で堪能させてもらった訳ですが・・・正直ソロで聴かせるのにはもうちょっと武器が欲しいところ。
トラックとの相性、ラップスキル、リリックの内容・・・どれも悪くはないんですがそれほど良くもないんですよね。
そのため結果的にちょっと聴いててつまらなく感じてしまいました。


M-3「COLD AS ICE feat. S55 a.k.a SPOCK」は、同じくN.C.B.BのメンバーであるS55を客演に迎えたパーティーチューン。
個人的に本作で一番良いのはこの曲ですね。
どちらもラップがそこまで上手いわけではないんですが、1-KYUのちょっと高めなガラガラ声と、S55の低めのガラガラ声は相性がいいのです。
そんな相性の良さと、本作の収録曲の中では一番トラックとラップがハマっていることもあり、この曲があるお陰で本作の底上げがなんとかできています。
コンピレーションアルバムの「COAST 2 COAST」に収録された曲であるだけはありますね。


全体としてみると、トラックはカッコいいものの、肝心の1-KYUのラップはまだちょっとソロ曲を出すのには早かったかも・・という印象です。
本作では良い評価はつけられないものの、N.C.B.Bメンバーの中ではコンスタントに作品をリリースしているようなので、そちらではもっと力量を発揮していることを期待しています。


↓M-3「COLD AS ICE feat. S55 a.k.a SPOCK」のPV。
www.youtube.com

Blackout / Hed PE

Blackout


曲目リスト


1. Suck It Up
2. Bury Me
3. Dangerous
4. Blackout
5. Get Away
6. Crazy Life
7. Half The Man
8. The Only One
9. Other Side
10. Flesh And Bone
11. Octopussy
12. Carnivale
13. Fallen
14. Revelations
15. Dracula


評価: ★★★★★★★☆☆☆


アメリカのPUNK ROCKバンド、Hed PEの3rdアルバム。
2003年3月18日発売。

Hed PEはアメリカのオレンジ郡ハンティストン・ビーチで1994年に結成されたグループ。
HIP HOPとMETAL、ROCKなどを融合した音楽が特徴的で、アメリカのストリートシーンから地道に活動を続けてきました。

そこまでヒットしたわけではなかったものの、2ndアルバムリリース後にはワールドツアーも行い、来日もしたようです。

その後に3rdアルバムである本作の制作に着手し、レコーディングが終了。しかしその直後に宗教上の問題でギターのCHADが脱退するというハプニングもありました。


では、内容に。


M-1Suck It Up」の焦らしに焦らしまくったイントロから、1分以上経ったところで開始する、ボーカルのJAREDの歌さばきからカッコよさを感じること必至。

M-2「Bury Me」はちょっと落ち着いた雰囲気のイントロから、一気に爆発力あるサビに持っていき、落ち着きをまたちょっと挟むやり方が中々インパクトがあります。


M-3「Dangerous」はバースでの色気のある歌声とサビでのデスボイスの棲み分けが面白いです。

表題曲のM-4「Blackout」は、前半の曲では一番聴きやすいかもしれませんね。
比較的歌が目立っており、デスボイスもちょっと控えめになっています。
曲の流れも一番分かりやすいかも。

M-5「Get Away」は序盤はクールな雰囲気ながらも、中盤と最後で曲名を叫ぶ流れが非常にアツイ。

M-6「Crazy Life」はROCKなサウンドの上で歌いこなす様がカッコいい内容。ラップもかなり丁寧に歌い込まれていて、聴きごたえがあります。

M-7「Half The Man」はシリアスな雰囲気が漂う序盤から、サビで一気に爆発し、またシリアスな雰囲気に戻るのを繰り返す一曲。ちょっと好みが分かれそうです。


M-8「The Only One」は中盤のラップがかなりカッコいい、HIP HOP好きでもカッコよさを感じること必至の一曲。楽器隊の爆発ぶりも凄まじいです。

M-9「Other Side」は、ここでやっと最初から最後まで落ち着いた雰囲気の楽曲が出てきた、という感じです。
全体的に心地よく聴け、まるで草原の真ん中にいるような感覚に陥る、神秘的な雰囲気です。
個人的には中盤のイチオシ曲です。
アルバム全体としてもいいアクセントになっています。

M-10「Flesh And Bone」からはまたまた激しい曲に戻ります。
様々な音が混ざった間奏の後の音展開が聴き所。


M-11「Octopussy」はまるでズンズン迫って来るような雰囲気のインスト。
M-12「Carnivale」は個人的には後半のイチオシ曲。
ラップが本作一のカッコよさで、一度聴いただけで印象に残ること間違いなし。


M-13「Fallen」は早口ラップが非常にスリリング。サビの爆発ぶりも相まってまるでジェットコースターのような一曲になっています。

M-14「Revelations」は語り口調の間に激しいサウンドを挟み、サビではいつものノリで声を張り上げるという構成が面白い。

M-15「Dracula」は日本版のみのボーナストラック。
早口な歌い回しと危機感を感じるようなサウンドの相性がバッチリな佳曲です。


基本的にはROCKやMETALのサウンドが基本ながらも、ラップが丁寧に歌い込まれている楽曲もあり、HIP HOPが好きな僕にも中々楽しめる楽曲がありました。
ただ、サビで盛り上がりを強調する!という楽曲が比較的多く、そこにアルバムとしては単調さを感じてしまうのも事実でしょうか。
M-9「Other Side」のような落ち着いた楽曲がもっとあれば評価は上がってました。


興味のある方はどうぞ。


↓M-4「Blackout」のPV。
www.youtube.com

It's A Show Time / ラッパ我リヤ

It's A Show Time




曲目リスト


1. It’s A Show Time
2. Here We Go
3. Fighting Rhyming feat. MINE神HOLD


評価: ★★★★★★☆☆☆☆


日本語ラップ界を代表するクルーの一つである走馬党の中心グループ、ラッパ我リヤの3rdシングル。
2001年4月18日発売。


90年代から活動するラップグループで、メジャーデビューする前からレーベルを設立するなど、日本語ラップ界での活躍の場を着々と広げていったグループですね。
レーベル設立以降、客演やコンピ出演などを重ね、2000年にはメジャーデビュー。
そのメジャーデビュー後に2ndアルバムをリリースし、本作をリリースしました。


では内容に。


収録曲は3曲ともパーティーチューンで、表題曲から想像できるようなクラブでもかけられる内容ながらも、硬派なラップを乗せたゴリゴリなチューンとなっております。


山田マンとQのフロウは安定感があり、怒濤のライミングの連続も熱があります。
トラックも序盤のスクラッチなんてすごくカッコいいですし、山田マンやQのラップとの相性は悪くありません。


ただ、ちょっと全体的に見ると物足りなさがあるのも事実ですね。

表題曲のM-1It’s A Show Time」はパヤパヤならすようなイントロから始まる掴みはバッチリなナンバー。ですが、正直本作で一番印象が薄いです。

随所に入れられるパフパフ音など面白いところはありますが、それはあくまでも部分的で、全体としてはちょっとインパクトが弱め。
Amazonレビューにも書いてありましたが、正直シングルで出すほどの曲ではないですね・・。


M-2「Here We Go」やM-3「Fighting Rhyming feat. MINE神HOLD」は、Hookが他のバースとは一線を画す構成になっており、少なくとも表題曲と比べると印象には残ります。

ただこの2曲も局所的にいいと思える箇所はあるものの、全体的に見るとちょっとインパクトに欠けます。


悪い内容では決してないですし、局所的に光るものがあるのも事実ですが、全体的にはもうちょっと聴きごたえが欲しかったですね。
本作の収録曲は全て3rdアルバムに収録されているため、今から聴きたい方はそちらの方をオススメします。
コンパクトに3曲だけ聴きたいなら本作もいいかもしれませんけどね。


↓本作の試聴

It's A Show Time

It's A Show Time

Here We Go

Here We Go

Fighting Rhyming

Fighting Rhyming

Rouse! / The Family Tree

Rouse!


曲目リスト


1. Make Way for the Family
2. Mellow
3. Together
4. Way of the World
5. People
6. Superfunk, Pt. 1
7. Superfunk, Pt. 2
8. Funky Operator
9. Buggin' Out
10. Here We Go
11. Rouse!
12. Where Does Your Heart Grow
13. Make Way For The Family (extended happy version)


評価: ★★★★★★★★☆☆


スウェーデン出身のバンド、The Family Treeの1stアルバム。
1996年11月21日発売。


The Family Treeはスウェーデンで結成され、ボーカル兼キーボードのAnders、ギターのJens、ラッパーのPatrick、バスのThobias、ドラムのJonasの5人からなるバンドです。

コンピレーションアルバムに楽曲提供後、しばらくしてから本作をリリースしました。


The Family Treeに関する情報は、わかる範囲だとこれくらいです。
国内版の椎葉ユウ氏による解説はThe Family Treeに関してはちょろっとしか触れないで文字数だけを稼いでいる状態の上、ネット上でも全くといっていいほど情報がありません。

CDリリースもこのアルバムしかないようですね。
CDを1、2枚リリースしてあっという間に消えてしまうミュージシャンは珍しくありませんが、彼らもその1グループなのでしょうか。


では、内容に。


バンドと聞くと真っ先に連想するジャンルが、METALやROCKですが、音源を聴く限り彼らの場合は、ジャンルというものにこだわっている感がありません。
サウンド的には全く方向は違えど、日本で例えるならORANGE RANGEのような姿勢に近いかもしれません。

とにかくスタイリッシュなPOPサウンドで、非常に聴きやすい楽曲が並んでいます。


音作りのセンスも確かなもので、Andersのボーカル、Patrickのラップ、他のメンバーのコーラスを最大限に引き出しつつ、音の存在感もしっかりとある内容になっています。

陽気なイントロから始まるM-1Make Way for the Family」がいいと思えたなら、もう素直に聴き進めて大丈夫です。
そんな楽しいノリが満載な楽曲が中心となって楽しい時間を提供してくれます。


パーティーノリな楽曲続きの中にも、M-4「Way of the World」、M-8「Funky Operator」、M-10「Here We Go」のような落ち着いたスロウな雰囲気の楽曲が収録されていて、いいアクセントになっています。(ちなみにM-4「Way of the World」~M-5「People」の流れは本作一番の聴きどころ!)


インパクトのある楽曲こそないものの、全体的に丁寧に作られた快作アルバムと言える1枚ですね。
本当にCDリリースが本作のみというのは残念です。
マイクを置いてしまったのでしょうか。


↓M-5「People」。
www.youtube.com
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5 WOMEN / SEAMO

5?WOMEN




曲目リスト


1. クリスマス大作戦 feat.紗羅マリー
2. Hungry feat.miray
3. Change feat.Metis
4. Slow Down feat.Tiara
5. Were you happy? feat.AZU


評価: ★★★★★★★☆☆☆


リアルでの引っ越しのためブログ更新が止まってました。そろそろ更新を再開します・・・。


名古屋のシンガーソングライター、SEAMOの1stコラボミニアルバム。
2010年12月15日発売。


2009年にベストアルバムをリリースし、一旦SEAMOとしての活動を総括したものの、その後もアニメ「怪談レストラン」のEDとして起用された「Lost Boy」などを筆頭に、コンスタントに楽曲をリリースしていったSEAMO

2010年のラストに、ベストアルバム以降のアルバムとしては初になる本作をリリースしました。


タイトルの通り、5人の女性アーティストとコラボするというコンセプトミニアルバムで、ジャケも5人の女性と対峙するという分かりやすい構図になっています。


リードトラックはM-1クリスマス大作戦 feat.紗羅マリー」。
2010年に歌手デビューを果たしたばかりだった紗羅マリーをコラボに向かえた曲として、TVでCMなどに起用され、話題になりました。


さて、内容に。


1stアルバムの時からSEAMOのアルバムでは一種の見所となっていた女性シンガーとのコラボ。
実際アルバムでもいいスパイスとして機能していた上に、楽曲自体も耳を引くものが多く、SEAMOのアルバムを聴く上で楽しみにしているリスナーも多いはずでしょう。

それをオール新曲で(最も5曲中2曲は後のコラボベストに収録されていますが)、1枚にまとめたのが本作です。


最初に作品全体の感想を言うと、中々の良作です。
女性シンガー陣も5人とも丁寧に歌い込んでいますし、個性を発揮しています。
トラックも聴きやすさとバラエティーを両立したトラックが揃っていますし、そのバラエティーに富んだトラック達をすべて難なく乗りこなすSEAMOの力量もさることながら。


中でも一際目立つのはM-2「Hungry feat.miray」。
ROCK調のトラックの上で暴れまわるSEAMOのラップと、そのハードなラップに対して、綺麗な歌声の歌で拮抗するmiray。
詞の内容はちょっとスケベなので、好みが分かれそうですが、かなりかっこいい構図と化学反応が楽しめる楽曲になっています。

勿論他の楽曲も良曲揃いですが、一番インパクトがあるのはこの曲ですね。

ただこの曲とM-1クリスマス大作戦 feat.紗羅マリー」はコラボベストアルバムに収録されているので、その2曲を聴きたい方はそちらをオススメします。


M-1クリスマス大作戦 feat.紗羅マリー」のカラオケ動画。
www.youtube.com
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DOWN SOUTH HUSTLIN' / DJ PRINCESS CUT

ダウン・サウス・ハスリン MIXED BY DJ PRINCESS CUT


曲目リスト


1. PC INTRO / DJ PRINCESS CUT
2. RIDIN' / CHAMILLIONAIRE
FEAT.KRAYZIE BONE
3. HUSTLIN' REMIX / RICK ROSS FEAT. JAY-Z, YOUNG JEEZY
4. DIAMONDS / SLIM THUG
5. WHERE DA CASH AT / CURRENSY FEAT. LIL WAYNE, REMY MA
6. PUSH IT / RICK ROSS
7. I KNOW U WANT THAT / BIG TUCK FEAT. TUM TUM, CHAMILLIONAIRE
8. 3 KINGS / SLIM THUG FEAT. BUN B & T.I.
9. GETTIN' SOME / SHAWNNA
10. GREW UP A SCREW UP / LUDACRIS FEAT. YOUNG JEEZY
11. CHAIN HANG LOW / JIBBS
12. DALLAS MIC PASS REMIX / DJ PRINCESS CUT FEAT. BIG TUCK, TUM TUM, E-CLASS, MR.POOKIE, KOTTONMOUTH, PLAY-N-SKILLZ, LUMBA
13. STUNTIN' LIKE MY DADDY / BIRDMAN & LIL WAYNE
14. HARD IN DA PAINT / ALI & GIPP FEAT. NELLY
15. E.I. THE TIPDRILL REMIX / NELLY FEAT. THE ST, LUNATICS
16. I LUV IT / YOUNG JEEZY
17. LOCKED UP / AKON
18. SHORTY WANNA RIDE / YOUNG BUCK
19. STILL FLY / BIG TYMERS
20. CAPRICE MUSIC / TUM TUM
21. GUESS WHO'S BACK / SCARFACE FEAT. JAY-Z & BEANIE SIGEL


評価: ★★★★★★★★★☆


和歌山出身のフィメールDJ、DJ PRINCESS CUTのSOUTH HIP HOPのMIX CD。
2007年3月21日発売。


DJ PRINCESS CUTは和歌山出身で、1996年に海外で音楽ライターになるという夢を叶えるため、アメリカのテキサス州ダラスに渡米しました。
そこからDJの世界に入っていき、MIXテープを地道にリリースしていって知名度を上げていきます。

やがてはアメリカの大物ラッパーから仕事を任されるほどの大物フィメールDJになっていました。


2000年代に入ってからは、アメリカのHIP HOPの世界ではサウスものがかなりの注目を浴びていますが、本作は彼女がそんなSOUTH HIP HOPをノンストップでMIXしたアルバムです。


さて、内容に。


本作のMIXスタイルは、様々な楽曲をカッティングして、スクラッチなどを挟みながらMIXをしていく、オーソドックスなスタイルとなっています。


M-1PC INTRO」のスクラッチの冴え渡りからDJ PRINCESS CUTの称賛を浴びるDJスキルを堪能できるというもの。
そこからM-2「RIDIN'」に持っていく流れもベストなスタートを切っています。
この曲は大して好きな曲というわけではないですが、MIXとしてはかなりいい感じのスタートですね。


そこからはDJ PRINCESS CUTのセンスの良さを感じる曲選びと、スクラッチ、グルーヴ感がたまらないノンストップMIXの始まり。
MIXに重要な「繋ぎ」も、曲と曲の間にそれぞれ最適な繋ぎかたを提供しており、どの曲もこれだけカッコよくつなげられたら本望というものでしょう。


「中身がない」「どの曲も同じように聴こえる」と槍玉に挙げられやすいSOUTH HIP HOPですが、本作では様々なミュージシャンの楽曲を採用している上に、客演がいる曲も随所に配置してあるので、MCの声質の違いなどで十分に楽しめる内容です。

前半はクラブでも掛けられるようなチューンが中心で、クラブやディスコ音楽が好きな方はかなり楽しめること請け合いです。
(特にM-6「PUSH IT」からM-8「3 KINGS」への繋ぎはカッコよすぎて鳥肌もの!)


しかしながら、後半からはもっとアルバムとして楽しめる内容が待っています。

明確に流れを変えるのはM-11「CHAIN HANG LOW」。
子どもの可愛らしい歌声のHookは聴いていて楽しくなること必至で、ここから繋ぐ楽曲もバラエティーが前半以上に豊かになります。
2MCの淡々としたラップが聴きごたえ抜群なM-13「STUNTIN' LIKE MY DADDY」、NELLYの暴れっぷりが光るM-14「HARD IN DA PAINT」、クラブチューンの中でいい感じの清涼剤となるM-17「LOCKED UP」などなど、楽曲自体がカッコいいですし、DJ PRINCESS CUTの繋ぎもセンスの良さが冴え渡ります。
21曲まで息切れすることなく、最後までしっかりと聴かせてくれます。


ちなみにM-12「DALLAS MIC PASS REMIX」は本作にしか収録されていないDJ PRINCESS CUTのオリジナル楽曲。
ノリとカッコよさ100%のトラックの上で客演MCがマイクを回す様は本当に鳥肌ものです。
この曲だけでも十分に本作を買う動機になります!


アメリカで活動している日本人女性DJのMIX CDということで、何となく買った1枚でしたが、向こうで大物ラッパーたちに仕事を任されるのも納得できる、かなりいいMIXアルバムを聴かせて頂きました。
SOUTH HIP HOPのカッコよさ、そしてDJ PRINCESS CUTのMIXスキルの高さをしっかり堪能できる一枚です。
オススメのMIXアルバム認定!


↓M-16「I LUV IT」のPV。(このCDではフルでは聴けません)
www.youtube.com
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