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音楽CDの感想を綴っていきます

Nellyville / NELLY

Nellyville


曲目リスト


1. Nellyville
2. Gettin' It Started feat. Cedric the Entertainer, La La
3. Hot In Herre
4. Dem Boyz feat. Kyjuan, Murphy Lee
5. Oh Nelly feat. Murphy Lee
6. Pimp Juice
7. Air Force Ones feat. Kyjuan, Ali, Murphy Lee
8. In The Store feat. Cedric the Entertainer, La La
9. On The Grind feat. King Jacob
10. Dilemma feat. Kelly Rowland
11. Splurge
12. Work It feat. Justin Timberlake
13. Roc The Mic (Remix) / Beanie Sigel with Freeway feat. Nelly, Murphy Lee
14. The Gank
15. 5000
16. #1
17. CG2 feat. Kyjuan, Murphy Lee
18. Say Now
19. **** It Then feat. Cedric the Entertainer, La La
20. Stick Out Ya Wrist feat. Toya


評価: ★★★★★★★★★☆


アメリカのテキサス生まれミズーリ州セントルイス育ちのラッパー、NELLYの2ndアルバム。
2002年6月25日発売。


1stアルバム「Country Grammer」が大ヒット作になり、様々なメディアから称賛を受けるというデビューからいきなり大成功を納めたNELLY
この2ndアルバムの制作にもすぐに取りかかることになりました。

時間的余裕がある状態で制作に取り組むことができた前作とはうって変わって、本作はツアーバスにもレコーディング機材を持ち込むほどのタイトな状態での制作をしたことで知られています。

前作がリリースされてからは様々な雑誌の表紙を飾るアイドル状態になっていたNELLY
NELLY自身、早く次のアルバムを出したいと感じていたんでしょうね。
野球選手の道を蹴ってラッパーになっただけあり、音楽への愛情は尋常ではないということを感じるエピソードです。


そして前作から2年のインターバルを経てリリースされた本作。
当然ながら話題騒然となり、USのチャートでは堂々と一位を獲得。
世界的なチャートでも様々な国で20位以内を達成。
1stアルバムに続き、大成功を納めた1枚となりました。


さて、内容に。


NELLYのラップの特徴といえばなんといっても歌心溢れる歌うようなラップ。
聴きやすさと強烈な個性を両立させた彼の作り出す音楽は、HIP HOPを聴かない人でも入り込める、「どんな奴でもカモン!」というオープンな雰囲気があります。
果たして本作ではどうなのか。


まずM-1Nellyvilleからして最高のオープニングです。
神秘的な雰囲気のイントロから一気にNELLYのラップでパーティーな雰囲気に持っていく様はやみつきになってしまいます。
途中でもはや歌なのでは?と思ってしまうほどのギリギリラップなラインでのバースを持ってくるところもセンスの良さが光ってますよ。

続くM-2「Gettin' It Started feat. Cedric the Entertainer, La La」はスキットで、必要あったんですかね?と思ってしまいますが、そこからシングルで切られた有名曲のM-3「Hot In Herre」がドカンとまたきてしまいます。
客演がいないのにも関わらず、こんなにも色々な乗りこなしをトラックの上で聴けるのなんてNELLYならでは!
リリックはスケベな内容なので英語がわかる方の前ではちょっとかけられないかもしれませんが、シングル切られたのも十分に理解できる一曲。


続くM-4「Dem Boyz feat. Kyjuan, Murphy Lee」は先の2曲と比べると落ち着いた雰囲気ながらもクラブでしっかりと流せそうな楽曲で、NELLY、Kyjuan、Murphy Leeがクールな仕事ぶりを魅せてくれます。
次のM-5「Oh Nelly feat. Murphy Lee」は上の2曲の雰囲気に戻ったパーティーチューンですが、相変わらずNELLYが様々なトラックへのラップの乗せ方で楽しませてくれます。
Murphy Leeがしっかり脇役に回って後押しをしているのも好印象ですね。


M-6「Pimp Juice」は、好みが分かれそうな気がします。
他の楽曲に比べるとちょっと高い?声でラップや歌を披露しており、苦手な人は苦手だと思います。
個人的にはこれはこれで面白いと思いますけどね。
ただこのスタイルでアルバム1枚やられたら胸焼けしそうではあります。
続くM-7「Air Force Ones feat. Kyjuan, Ali, Murphy Lee」は雑多なマイクリレーもので、NELLYもちょっと自分を抑え目にしてる感じがします。
トラックが派手なことがあってMC陣がちょっと本領を発揮できていない感も。
シングル切られた一曲なんですけどね。


買い物中の会話を録音したスキットのM-8「In The Store feat. Cedric the Entertainer, La La」を挟んだ後に控えるM-9「On The Grind feat. King Jacob」がアルバムの中でも一際目立つ一曲!
インパクトのある掴み抜群なトラックの上でNELLYもKing Jacobも100点満点なパフォーマンスを披露。
一度聴いたら耳に残ること必至です。


M-10「Dilemma feat. Kelly Rowland」はそんな派手な世界から一転、シンプルで綺麗めなトラックの、よくあるラッパーとシンガーの曲。
アルバムの中でもちょっと異色で、NELLYの歌うようなラップは影を潜め、Kellyの歌を最大限生かす楽曲になっています。


M-11「Splurge」はNELLYの歌っぽい部分を生かした1曲で、リリックの内容はちょっとしたセルフブースト。ただシリアスな内容も所々に見られますね。
ちょっとこのあたりからアルバムとしては失速してきた感が。


M-12「Work It feat. Justin Timberlake」は何と大物アイドルグループの★NSYNCからJustinを客演に迎えた一曲!
・・まあ、そんなすごい化学反応は起きていませんが、面白い絡みが見れる曲ではあるので、興味ある方は一度聴いて損はないでしょう。


M-13「Roc The Mic (Remix)」は映画Traning Dayのサントラに収録された楽曲のRemix。中々豪華なメンツで悪くはないですが、これまた大きな化学反応はありません。


M-14「The Gank」は恋愛ソングですが、NELLYの歌がかなり生かされた楽曲で、ドライブなどではぴったりなこと請け合い。
ここからまたアルバムとしての調子が戻っていきます!

M-15「5000」の笑い声のスキットを挟み待ち構えるのはシングルで切られたM-16「#1」。
M-1Nellyville」のような雰囲気で、ここでもトラックの上を様々な乗りこなしを見せるNELLYが楽しめます。

M-17「CG2 feat. Kyjuan, Murphy Lee」はシンプルなマイクリレーもので、本作収録のマイクリレーものでは一番グッと来ます。

3人ともしっかりと個性を発揮した仕事ぶりです!


M-18「Say Now」は本作では一番シリアスな内容で、ストリートの悲しき現状が描写されています。
普段はパーティーチューンや恋愛ソングを歌うことが多いNELLYですが、悲しい雰囲気もラップや歌で出せる力量は流石と言わざるをえないですね。


M-19「**** It Then feat. Cedric the Entertainer, La La」はまたしても会話を録音したスキットで、本来ならここでアウトロになってアルバムは終わります。
ただ今回紹介する国内版はボーナストラックのM-20「Stick Out Ya Wrist feat. Toya」が収録されています。
曲としては洋楽の国内版のボーナストラックとしてはまずまずといったところでしょうか。
短いということもあってちょっと印象には残りにくいですが。


全体を通して聴くと中盤に数曲失速があったり、スキットがなければもう少しスッキリ聴けたんじゃないか、とたらればを挙げると出てきますが、大ヒットしたのも頷ける、聴いていてとても楽しい作品になっています。
NELLY本人も当時言っていた通り、正直NELLYの作品は客演を呼ぶ必要が余りないと思います。

単独で十分に聴かせる声質と力量を持っているんですから、客演に頼らなくても全然いい作品が作れそうな気がしますね。


是非多くの人に聴いてもらいたい作品です。


↓M-6「Pimp Juice」のPV。
www.youtube.com

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