曲目リスト
1. Them Braves
2. Hanh!
3. Whats Happnin! feat. Trick Daddy
4. Grey Goose
5. Salt Shaker / Lil Jon & The East Side Boyz feat. Ying Yang Twins
6. Georgia Dome (Get Low Sequel)
7. What the F***! feat. Bone Crusher, Killer Mike
8. Calling All Zones feat. Hitman Sammy Sam, Khujo
9. Me and My Brother
10. Hard feat. K.T.
11. The Nerve Calmer
12. Naggin'
13. Naggin, Pt. 2 (The Answer) feat. Ms Flawless, Tha Rhythum
14. Armageddon
評価: ★★★★★★★★☆☆
アメリカのジョージア州アトランタで結成されたラップグループ、Ying Yang Twinsの3rdアルバム。
2003年9月16日発売。
2000年にデビューを果たし、初っ端のデビューシングルからヒットとなり一気にメジャーな存在に躍り出たYing Yang Twins。
2002年にはリリースした2ndアルバムがSOUTH系のファンに大受けして成功作となりましたが、加えて盟友であるLil Jon & East Side Boyzのヒット曲の「Get Low」に参加したことによりさらに人気は拡大。
1年後の2003年に3rdアルバムである本作をリリースしました。
無論100万枚以上のすさまじいセールスを記録し、2005年にはプラチナディスクに認定。
シングルカットされた3曲も全てヒットを記録。
Lil Jon & East Side Boyzのアルバムと共にcrunkを社会現象にしたアルバムとなりました。
では、内容に。
Ying Yang Twinsの特徴はLil Jon一派ということで強烈なノリのいいサウンドとそれに負けない存在感のあるKaineとD Rocのラップ。
とにかく聴くだけで楽しい気分になれる楽曲が多いんですよね。
他の方の感想を見るとリリックの内容の方は濃いらしいのですが、今回記事を書くのは輸入盤なのでそこは残念ながら触れられません。申し訳ありませんが・・。
アルバムの幕を開けるM-1「Them Braves」は1分20秒ほどの曲でイントロ的な役割。
そこからM-2「Hanh!」に繋がるわけですけど、もうここから耳をロックされること必至です。
トラックを手掛けたのはこの手のサウンドではお馴染みの音職人のMr. Colliparkで、色々な音を入れ込んだ疾走感のあるトラック。
その上に乗るKaineとD Rocのラップ合戦も聴きごたえが半端なく、初っ端から前半のハイライトと言っていいですね。
最後のスクラッチの嵐もとんでもなくカッコいいです。
続くM-3「Whats Happnin! feat. Trick Daddy」はTrick Daddyが参加しており、こちらもMr. Collipark仕事で随所でコールも入れてます。
飛行機のイントロ→Ying Yang TwinsのHook→Trickのラップという入りだしからして掴みはとんでもなくいいですね。
その後の2人のラップとHookもキャッチ―でいい仕事ぶり。
M-4「Grey Goose」は前の2曲ほどトラックは強烈ではないですが、随所での音の使い方が上手くて病みつきになるような感じのトラックになっています。(ちなみにこちらはLil Jon仕事)
その上に声を乗せる2人との相性も抜群で、彼らとずっと盟友でいたことは伊達ではないということでしょう。
M-5「Salt Shaker」は上にも書いたようにLil Jon & The East Side Boyz feat. Ying Yang Twinsの名義での大ヒットシングル。
明らかにSOUTH系と分かるのノリのいいトラックの上にのるYing Yang TwinsとLil Jonのラップはやはり安定感抜群なタッグ。
The East Side Boyzもクレジットはされていますが声を乗せているのはYing Yang TwinsとLil Jonの3人だけみたいです。
Hookはシャウトや歌ではなくしっかりとしたラップなのに、ここまでキャッチ―な雰囲気を出せているのが凄み。
一度聴いたらしばらく耳の中に残ること間違いなしです。
次のM-6「Georgia Dome (Get Low Sequel)」もサウンド的には似たような感じですが、こちらは終始Ying Yang Twinsのコーラスがメインということもあってかちょっとおどろおどろしい雰囲気。
お互いのザラザラした声質がトラックの雰囲気にバシッとハマってます。
M-7「What the F***! feat. Bone Crusher, Killer Mike」はBone CrusherとKiller Mikeが参加。
トラックもせわしない感じですがMC陣の荒ぶり方も尋常ではなく落ち着きがありません。
Geniusで英詩を見るだけでもとんでもなく物騒な内容ということは分かります。
インパクトはある意味本作でも随一かも。
M-8「Calling All Zones feat. Hitman Sammy Sam, Khujo」はHitman Sammy SamとKhujoが参加。
こちらはトラックはちょっと淡々としていますが、バックコーラスがホラーチックでじわじわとくる怖さがあります。
MC陣のラップとも中々ハマっていますが、前半のノリのいい楽曲群たちからは想像もできないドロドロした雰囲気です。
M-9「Me and My Brother」は本作の表題曲で、こちらも似たような雰囲気。
表題曲なのに淡々としたトラックなのはちょっと意外でした。最も2人ともラップに底力があるので十分楽しめるのですが。
M-10「Hard feat. K.T.」はK.T.が参加。
この曲では大げさな音をところどころで使っているのもあってか首を振りたくなるようなトラック。
MCの方も中々臨場感のある乗りこなしをしていてちょっと最初の方に雰囲気が戻ってきたような感じです。
M-11「The Nerve Calmer」は1分35秒と短くインタールード的な役割。
それを経てのM-12「Naggin'」はMr. Collipark仕事で、もうHookがとんでもなくキャッチ―。
これはもう完全に雰囲気が戻りました。凄く安心感のある流れです。
M-13「Naggin, Pt. 2 (The Answer) feat. Ms Flawless, Tha Rhythum」はMs Flawless, Tha Rhythumが参加した曲名の通りにM-12「Naggin'」のアンサー曲。
Ying Yang TwinsはHookのみで、バースは完全にMs Flawless, Tha Rhythumが担当するという構成。
トラックは全く同じなので、乗りこなし方の違いがはっきりと分かるのが面白いです。
Hookのキャッチ―さは健在なので、2曲続けてノリノリになってください。
最後を〆るのはM-14「Armageddon」で、最初の切れ目ない語りから張り上げるようなHookにいく流れは耳に強烈に残ります。
Hookは強烈なんですけどどちらかといえば2人のバースでのラップを堪能できるような作りになっています。
最後の〆としては後味が悪い気もしますが、これは狙ってのことなんでしょうね。
Ying Yang Twinsの作品を聴いたのは本作が初めてでしたが、やはりLil Jonと共にCrunkを流行らせたグループということもあってLil Jon周辺のミュージシャンのノリのいい雰囲気はバッチリと継承。
特にM-2「Hanh!」やM-12「Naggin'」のようなノリで押し切った楽曲はやはり彼らによく合っているなと感じました。
色々な音を入れまくったサウンドが目立つのでトラックを聴いているだけでも楽しいですし、そういうのが好きな方は迷わずゲットで。
2003年のヒットアルバムとなったのも伊達ではありません。
↓M-12「Naggin'」のPV。
www.youtube.com