りくぼーの音楽感想倉庫

音楽CDの感想を綴っていきます

5 (Murder Of Number) / 50 Cent

topmixtapes.com


曲目リスト


1. My Crown
2. NY
3. United Nations
4. Business Mind feat. Hayes
5. Roll That Shit feat. Kidd Kidd
6. Leave The Lights On
7. Money
8. Definition of Sexy feat. Guordan
9. Be My Bitch feat. Brevi
10. Can I Speak To You feat. Schoolboy Q


評価: ★★★★★★★☆☆☆


昨年の1発目は50 Centでしたが、今年も新年初の洋は50 Centです。


アメリカのNY出身のラッパー、50 Centのミックステープ。
2012年7月6日配信開始。


2009年に4thアルバムをリリースした後はしばらく音源リリースをしていなかった50。
2011年に入ってからミックステープをリリースして再びラッパーとしての存在をアピール開始。
その後2012年にアルバムをリリースすると告知し、その50の5thアルバムとしてリリースされる予定だったのが本作でした。
しかし急遽50本人から「誰も5 (Murder Of Number) を買えなくなった。フリーで出すからな」と告知があり、本作はミックステープとして無料でリリースされました。


では、内容に。


上にも書いたように元々は50の5thアルバムになる予定だった本作。
50は4thアルバムをリリースした際のインタビューで「2ndアルバムの収録曲は元々ミックステープ用に作った曲たちだったが、ああいう方向性を推し進めるべきだって言われて2ndアルバムに収録した」と発言していましたが、本作はその逆になります。


M-1My Crown」は様々な音が混じったトラックの入り方でちょっとせわしない始まり方。
随所で女性の歌が入っているのがミックステープ色がある楽曲です。
基本はいつもながらのフニャフニャなラップですが所々早口で乗せるところがあって聴きどころはあります。しかしトラックがちょっと単調で飽きが来る上に50のラップとの相性は微妙ですね。

M-2「NY」は夜のネオン街を彷彿とさせるような都会的な雰囲気のワンループなトラックで、封印された「Power Of The Doller」の雰囲気と似ています。
あの頃の50がラップを乗せたらもっと良曲に化けたんじゃとは思いますが、この頃の50とも相性は悪くありません。

M-3「United Nations」はピコピコ音が所々に入ったこの頃の流行りを意識したようなトラック。
その上に乗っかる気怠い雰囲気の50のラップとも相性よし。前半の客演なし曲の中ではこの曲が一番出来がいいと感じます。


M-4「Business Mind feat. Hayes」はHayesが参加。
50の癖になるようなHookが絶妙で、1stや2ndの頃のような耳に残るHookを聴かせてくれます。
そんなHookを挟みながらの50とHayesのラップ合戦も入れ替わるタイミングがバッチリで、間違いなく前半のハイライト楽曲。

M-5「Roll That Shit feat. Kidd Kidd」はKidd Kiddが参加。
Hookで展開を変えるトラックの作り込みの面白さもさることながら、Kidd Kiddが難なくスルッと乗せるラップがトラックによく合います。
50もKidd Kiddに負けないハキハキとしたラップを乗せており、いいアクセントになっています。


アルバムは後半へ。
M-6「Leave The Lights On」でシンプルなワンループトラックの上に乗るのは50のいつもながらの独特な癖のあるラップ。
Hookでは1stアルバムの頃のような少し音程のあるラップを乗せていて、50だからこそ作れた仕上がり。

次のM-7「Money」は雰囲気的には4thアルバムに入っていても違和感がないですね。
M-6「Leave The Lights On」ほど耳に残るHookではないですけど、悪くはないです。

M-8「Definition of Sexy feat. Guordan」はGuordanが参加。
気怠さが漂いながらドラムの音がしっかりとしたノリのいいトラックで、2ndアルバムの収録曲を彷彿とさせます。
50のラップがいつもよりガッチリ乗せてあり、Guordanも随所で歌にて援護射撃。
50もGuordanもトラックとの相性がバッチリで、後半の収録曲のハイライト。

M-9「Be My Bitch feat. Brevi」はBreviが参加。
壮大な雰囲気のトラックで、Breviの歌との相性がバッチリです。
50のホニャホニャしたラップもアクセントとして悪くないんですがBreviの歌の方がハマってますかね。

M-10「Can I Speak To You feat. Schoolboy Q」はSchoolboy Qが参加。
元ネタの色が強いトラックで硬派な雰囲気。
Schoolboy Qのラップが存在感強めでちょっと50が食われている感があり、〆としてはちょっと弱め。


内容としては過去の50の楽曲を彷彿とさせる懐かしい雰囲気の楽曲もあれば、当時の流行りを意識した楽曲もありでバラエティに富んでいます。
10曲という少なめの曲数ですがそのバラエティのお陰で最後まで飽きずに聴ける内容になっていますね。

ただ曲としては良し悪しがあり、色々なスタイルを模索していたように感じる内容でもありますね。
あとM-10「Can I Speak To You feat. Schoolboy Q」は曲自体は悪くないのに最後の〆となっているので魅力が削がれている気がします。
M-9「Be My Bitch feat. Brevi」が壮大な雰囲気なのでここで終わればいい〆になったのになんで最後でこんな硬派な曲を入れた?という感じです。
中盤あたりに入れた方が間違いなく冴えたと思います。


しかし本作でしか聴けない良曲もあり、全体で見れば良作なのは事実。
無料でダウンロードできるので、是非チェックしてみては?


↓M-2「NY」のPV。
www.youtube.com