曲目リスト
1. Words From Eminem / Eminem
2. Catch Me In The Hood / G-Unit
3. Your Not Ready / G-Unit
4. Gangsta'd Up / G-Unit
5. If Dead Men Could Talk / 50 Cent
6. Banks Workout Pt.2 / 50 Cent & Lloyd Banks
7. Crazy / 50 Cent
8. 187 Ya Yo / 50 Cent & Tony Yayo
9. The World / Governor & 50 Cent
10. Short Stay / 50 Cent & Lloyd Banks
11. Minds Playing Tricks / Tony Yayo
12. Niggas / The Notorious B.I.G. feat. 50 Cent
13. Tainted / 50 Cent & Tony Yayo
14. Ching Ching Ching / 50 Cent & Tony Yayo
15. Work It Remix / Missy Elliott feat. 50 Cent
評価: ★★★★★★★★☆☆
アメリカのNYで結成されたラップグループ、G-Unitのミックステープ。
2002年11月1日発売。
中心メンバーの50 Cent(以後50)が2000年に銃撃により音楽業界から追放されたことで音楽活動の幅が狭まったものの、2001年にLloyd Banks(以後Banks)が加入し3人組となったG-Unit。
再起の為2002年に入ってからミックステープを着々とリリース。その活動がDreとEminemの目に止まり、2003年のブームに繋がっていくわけです。
その2002年にリリースしたミックステープの内最後にリリースされたのが本作になります。
では、内容に。
構成としてはこのようなミックステープでは時々あるビートジャック物。先人たちの名曲のトラックの上でG-Unitメンバーが客演も交えながらラップをかます内容となっています。
イントロを経てのM-2「Catch Me in the Hood」の元ネタはEminemの「8 Mile」。
50の「Wanksta」も確か同名映画のサントラに収録されていましたね。
緊迫感溢れるトラックの上でのマイクリレーで全員が持ち味を如何なく発揮。
中でも先陣を切るBanksの隙間ないラップはかなりぶっ飛ばされます。
最後の女性の歌声もかなりいいアクセントになっていてスタートとしては十分。
続くM-3「You're Not Ready」の元ネタはBeanie Sigelの「The Truth」で、M-4「Gangsta'd Up」の元ネタはTha Eastsidazの「G'd Up feat. Butch Cassidy」。
この2曲は50主導の曲でHookではこの頃の50の大きな特徴である耳に残るHookが楽しめます。
YayoとBanksのラップもいいアクセント。
G-Unitメンバー全員揃い踏みの楽曲はここまでで、以降はメンバーのソロ曲やデュオ曲が続きます。
M-5「If Dead Men Could Talk」の元ネタはThe Notorious B.I.G.の「My Downfall」で、50のソロ。
50の曲では珍しくHookがBiggieの声ネタスクラッチで、50はバースのみを披露しています。
トラックとの相性がいいため50のバースだけでも十分楽しめますし、Hookの声ネタスクラッチもそれ自体がカッコいいです。
M-6「Banks Workout Pt. 2」の元ネタはOutsidazの「Don't Look Now」で、マイクは50とBanksの2人。
とは言っても50はイントロとアウトロでMC的な役割をするだけで、ほとんどBanksのソロ曲です。
とにかく隙間なくまくしたてるようなBanksのラップが詰め込まれた展開はジェットコースターのようで、臨場感があるビートジャックに仕上がっています。
最初と最後の50のMCもアクセントとしては〇。
M-7「Crazy」の元ネタはBathgate & Fabolousの「Just Don't Stop」で50のソロ。
もうこの頃にはホニャホニャしたラップを操るようになっていた50ですが、この曲では隙間ないスムーズなラップを披露しています。
2分もない曲なんですけどM-6「Banks Workout Pt. 2」のBanksと同じく徹底的にラップを詰め込んでいるので満足度は高いです。
M-8「187 Yayo」の元ネタはDr.Dre & Snoop Doggの「Deep Cover」でマイクは50とYayoの2人。
構成としてはM-6「Banks Workout Pt. 2」と同じく50はMCのみでラップを披露するのはYayoのみ。
危険な雰囲気のトラックの上でのYayoの隙間ないラップは他メンバーと同様聴きごたえは抜群。
Hookでの元ネタサンプリングも楽しく聴けます。
M-9「The World」の元ネタはBiggieの「The World Is Filled... feat. Too Short, Puff Daddy」で50とGovernorがマイク担当。
本作では唯一シンガーを迎えた曲で、Governorの爽やかな歌がかなりいいアクセント。50ののっそりしたラップも悪くないですがGovernorの歌に比べるとちょっと印象薄め。
M-10「Short Stay」の元ネタはAngie Martinezの「 If I Could Go feat. Lil' Mo & Sacario」でマイクを握るのは50とBanks。
50は序盤のみラップをした後はHook担当に回り、ラップはBanksが基本担当しています。
しかしBanksが耳を惹くラップを披露している途中で次の曲に移ってしまうのでもうちょっと聴かせてほしかったです。
次のM-11「Minds Playing Tricks」の元ネタはGeto Boysの「Mind Playing Tricks on Me」でこちらはYayoのソロ。
HookはなしでYayoが隙間なくラップをするんですけど1分半もないので繋ぎ的な役割という感じがします。
M-12「Niggas」の元ネタはThe Notorious B.I.G.の「Niggas」でマイクはThe Notorious B.I.G.と50。
Biggieの細かい捌きを見せるラップと50の気怠いラップという組み合わせは非常に面白く、これはアイデア勝利ですね。
M-13「Tainted」の元ネタはSlum Village & Dweleの「Tainted」でマイクは50とYayo。
どちらかといえば50主導の曲でHookやBridgeでは50の独特な歌が楽しめます。
M-14「Ching Ching Ching」の元ネタはMs. Jadeの「Ching Ching feat. Timbaland, Nelly Furtado」でこちらもマイクは50とYayo。
Yayoがラップ、50がHookという感じで棲み分けているのでどちらもいい仕事ぶりを堪能できます。
他のG-Unit絡みの曲では聴いたことない雰囲気なので、これ目当てにしてもいいのでは。
最後を〆るM-15「Work it(Remix)」はMissy Elliottの同名曲のRemixで、Missyのアルバムにも収録されたようですね。
一応50のラップは入っているんですけど、少し入っているくらいなのでほぼMissyの曲です。
アルバムの雰囲気に合っているかというと微妙ではあるので、これはボーナストラック的な意味合いなんでしょうね。
上にも書いたように構成としてはよくあるビートジャックものな訳ですが、全体を通して中々楽しめた内容でした。
50のインパクトのあるHook作りや、BanksにYayoの詰め込んたようなラップなどこの頃のG-Unitメンバーの長所がしっかり発揮されています。
ミックステープということでオリジナルアルバムと比べると繋ぎなど粗い部分もありますが、無料配信されているミックステープとしては十分な内容。
興味ある方は無料ですし、ダウンロードしてみては?
↓M-2「Catch Me In The Hood」。
www.youtube.com