りくぼーの音楽感想倉庫

音楽CDの感想を綴っていきます

I'm Here / DESTINO

I’m HERE


曲目リスト


1. Intro ~I'm Here~
2. Jap Flow feat. DJ FILLMORE
3. 唯一無二 feat. KUTS DA COYOTE(EMERALD)
4. Hard Life feat. BIG RON
5. ずっと feat. SAY
6. Over The Top feat. Kowichi(enmaku), DJ LAW(UC84's ALLSTARS)
7. Summer Sunshine feat. EXTRIDE(81TC)
8. Midnight Luv feat. Grace
9. Don't Leave
10. Vampier feat. KANAGAWA CONNECTION(HYENA & Ticky'D'Tac)
11. Deep Time...pt.2
12. Keep My World feat. EAZZY REDTIGER, Grace
13. Dreamers feat. JOYSTICKK


評価: ★★★★★★★★☆☆


神奈川県横浜市を拠点とするラッパー、DESTINOの3rdアルバム。
2012年4月18日発売。


1998年から活動を始め、DJ FILLMOREのサイドMCを務めながら日本版チカーノラップの開拓に勤しんだDESTINO。
2004年から自身名義の作品をコンスタントにリリースし、日本全国にその名前を轟かせていきました。
盟友であるDJ FILLMOREともライブを共に1年に150本のライブをこなし、数多くの海外アーティストの来日公演にも出演。
2010年に2ndアルバムをリリースした後は音源リリースをしていませんでしたが、2012年に突如3rdアルバムである本作をリリース。



では、内容に。


DESTINOの特徴は熱いメッセージ性が強い言葉さばき。
アーティスト紹介などでは「日本語とスペイン語を混ぜ合わせた独特のスタイル~が特徴・・」なんて表現されることが多いんですけど、正直その部分は余り感じません。
とにかくリリックの熱さがDESTINOの強烈な個性なんですよね。
滑舌も良く詞カードを見なくてもどんな事を言ってるかはすぐ分かるので、メッセージ性の強いリリックが存分に生きてます。


ズシンと来るピアノのイントロから掴みとしては最高なM-1「Intro ~I'm Here~」でアルバムは幕開け。
2分ほどでイントロの役割ですが、この曲からDESTINOのラップの熱さは存分に出てます。
続くM-2「Jap Flow feat. DJ FILLMORE」は良き相棒のFILLMOREがスクラッチで参加。
強烈なスクラッチはDESTINOの主張が強いラップとの相性は抜群。もうこの時点でいいなと思った方は最後まで聴き進めちゃってください。


M-3「唯一無二 feat. KUTS DA COYOTE(EMERALD)」はEMERALDからKUTS DA COYOTEが参加。
DESTINOのまっすぐなラップとCOYOTEの粘りつくようなラップはお互いの個性が活きていて、Hookや最後のHook前の絡みも聴きどころ。
特に最後のHook前のCOYOTEの終わり方なんて本当にカッコいいです。
M-4「Hard Life feat. BIG RON」はBIG RONが参加。
この業界で生きていく決意を表明するDESTINOのラップは熱量を感じますが、それがHookのBIG RONの涼し気な歌声で緩和されるという聴き心地のいい調整。

M-5「ずっと feat. SAY」は本作のリードトラックで、SAYが参加。
爽やかなトラックの上での恋愛ソングで、リリックの内容は本当にベッタベタ。
普通にやったら間違いなくくどくなりそうなリリックですけど、これがDESTINOのラップもSAYの歌も嫌味なくサラッと聴けるんです。
この2人だからこそ作れた曲でしょうね。


そんなベタベタラブソングの次に控えるのはKowichiとDJ LAWが参加したM-6「Over The Top feat. Kowichi(enmaku), DJ LAW(UC84's ALLSTARS)」
DJ LAWのトークボックスが絡んだ攻撃的なトラックは緊迫感があり、雰囲気がガラッと変わります。
その上で繰り広げるDESTINOとKowichiのラップ合戦の聴きごたえもかなりのもので耳を掴まれること間違いなし。

そしてEXTRIDEが参加するM-7「Summer Sunshine feat. EXTRIDE(81TC)」は楽しい雰囲気満載のサマーチューンで、またしても雰囲気が変わります。
歌とトークボックスが絡んだトラックは本当に聴き心地がいいです。
DESTINOとEXTRIDEの力を抜いた緩いラップも相性がバッチリで、聴いているだけで楽しくなってきます。


M-8「Midnight Luv feat. Grace」はGraceが参加。
ねっとりとしたトラックの上でのクラブでのナンパチューンで、雰囲気にはよく合っています。
がっつく感じのDESTINOのラップと色気のあるGraceの歌はギャップがあって面白い組み合わせです。

M-9「Don't Leave」はここでやっと客演なしの曲で、哀愁漂うトラックの上での恋愛ソング。
Hookを中心にトークボックスがガッチリと利いていてとても甘い雰囲気に仕上がっています。
夜に聴きたいですね。


M-10「Vampier feat. KANAGAWA CONNECTION(HYENA & Ticky'D'Tac)」はKANAGAWA CONNECTIONが参加。
怪しい雰囲気のトラックとHYENAとTacのラップの相性はこの上なく抜群。
DESTINOのラップだけちょっと雰囲気が違うんですがそれだけにいい味になってます。
最後のHookでの全員の絡みは絶品で、もうこの音に飲み込まれたくなっちゃいますね。
リリックの内容は・・まあほどほどにってことで。

M-11「Deep Time...pt.2」は再び客演なし曲。
シンプルで落ち着いた雰囲気のトラックの上での仲間に対するメッセージソングで、DESTINOのラップも優しい雰囲気。
曲だけでも聴いていてとても気持ちいいんですが、リリックでも胸が熱くなるグッとくるライン多数。
DESTINOのラップの良さが十分に出ています。

M-12「Keep My World feat. EAZZY REDTIGER, Grace」はEAZZYとGraceが参加。
こちらもメッセージソングで系統としてはM-11「Deep Time...pt.2」と同じなんですが、EAZZYのラップとGraceの歌も雰囲気にとても合っていて楽しく聴けます。


最後を〆るのは盟友であるJOYSTICKKとガッチリ組んだM-13「Dreamers feat. JOYSTICKK」。
迫力のある大げさなトラックの上でDESTINOとJOYSTICKKの熱さ全開のラップ。
元々熱いリリックには定評のある2人なので悪いはずがありません。
最後の〆としては十分で、まるで映画みたいな満足感のある終わり方です。


全体を通してみるとDESTINOのラップの魅力が十分に出た内容だと感じました。
熱いメッセージのあるラップも聴きごたえがありますし、トラックもDESTINOと客演に見事マッチしたものばかり。
客演がない曲は13曲中3曲だけでほとんどの楽曲で客演を迎えているわけですが、誰一人として余計な出演はなく、むしろ全員がいい働きをしています。
これだけの客演を迎えてもあくまでDESTINOのラップが主役になっているアルバムとなっているのも流石です。


気になる方は是非どうぞ。


↓M-5「ずっと feat. SAY」のショートPV。
www.youtube.com