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音楽CDの感想を綴っていきます

MADE IN LGYankees / LGYankees

MADE IN LGYankees


曲目リスト


1. MADE IN LGYankees -Intro-
2. Success Thru The M.I.C
3. LG's Life
4. Photograph feat. Noa
5. Back Wild feat. GIO, ITACHI
6. Cluck Over
7. fam feat. SO-TA
8. Never Mind
9. The Best Business
10. Love Sick feat. 中村舞子
11. Nodoubt Folks feat. Clef, ShaNa, PURPLE REVEL, headphone-Bulldog
12. Message feat. 城南海
13. Good Luck Homies feat. 山猿
14. MADE IN LGYankees -Outro-
15. Dangerous Game


評価: ★★★★★★★☆☆☆


宮城県仙台市を拠点に活動するラップユニット、LGYankeesの3rdアルバム。
2009年9月16日発売。


2008年にメジャーデビューを果たし、リリースした2ndアルバムをチャート8位に送り込んだLGYankees。
それ以降もNO DOUBT TRACKSに所属するミュージシャンのプロデュースなどを手掛け、名前を業界に食い込ませていきます。
2009年9月、3rdアルバムである本作をリリースしました。
チャートでは10位を記録と2作連続でチャート10位以内記録を達成。

本作のリリース後にはMCのRYOが脱退したため、3人体制では最後のアルバムになります。


では、内容に。


基本的に路線的には前作と変わらずで、ハードな楽曲と聴きやすい楽曲を織り交ぜながら構成されています。


緊迫感のあるイントロを経てのM-2「Success True The M.I.C.」は1stアルバム収録曲の「North East No.1 M.I.C」のセルフリメイクという感じで、イケイケなトラックで首を振りたくなります。
HIROとRYOのラップも双方生き生きしていて聴きごたえがあります。

M-3「LG's Life」はHIP HOPにはよくあるバブリーもの。
ケバケバした派手な音使いをしているため好みは分かれるかもしれませんね。悪趣味と取るかかっこいいと取るか。
ちなみにこの曲はLGYankeesをDISしたラッパーに対するアンサーソングなのではという説あり。


そこからM-4「Photograph feat. Noa」でバラードが挟まれます。
正直この楽曲が本作のPOP路線楽曲では一番出来が良く感じます。
トラックも音使いがきれいで耳に残りますし、HIROの歌心のあるラップとRYOの無骨なラップも好相性。
Hookで華を添えるNoaの歌声もいい仕事してます。

そこからはまたハードな楽曲が2曲続きます。
M-5「Back Wild feat. GIO, ITACHI」は盟友であるGIOとITACHIを迎えたマイクリレーでスリリングなトラックの上での生き生きしたマイクリレーが聴きごたえ抜群。
M-6「Cluck Over」はM-3「LG's Life」と似たような路線のパーティーチューンですが、Hookが2人のラップの為よりHIP HOPっぽい雰囲気になっています。
単純にトラックがカッコいいですし、その上での2人の乗りこなし具合も中々のもの。


SO-TAの爽やかな歌声で幕を開けるM-7「fam feat. SO-TA」でまたしても雰囲気がガラッと変わりますが、次のM-8「Never Mind」でまだハードな雰囲気に変わります。
M-6「Cluck Over」までは良い流れが続いていましたが、この辺りはちょっと中だるみを感じなくもないですね。
前者はSO-TAの初仕事というのも合ってか歌声がいまいち魅力を発揮しきれていないように感じますし、後者はトラックもMCも勢いを出し過ぎて空回り気味。


M-9「The Best Business」はダークな雰囲気のトラックとRYOの淡々としたラップが印象的。HookでのHIROの歌もいいアクセントになっています。

M-10「Love Sick feat. 中村舞子」はしっとりとした雰囲気のトラックの失恋ソング。
HIROのラップはトラックの雰囲気に合っているものの、RYOのガラガラ声のラップがいまいち順応できていないように感じました。
中村舞子の方も歌唱力は本物ですけど、声的にトラックに合っているかと言われると・・。

M-11「Nodoubt Folks feat. Clef, ShaNa, PURPLE REVEL, headphone-Bulldog」は当時のNO DOUBT TRACKSに所属していたメンバーを客演に迎えたマイクリレー。
どのメンバーもそこまでスキルフルというわけではないものの、楽しくラップや歌を披露しているのが伝わってくるので単純に聴いていて楽しい気分になります。
最もこの中のメンバーはもうほとんどNO DOUBTにいないことを考えるとしんみりとした気持ちにもなってしまいますが・・。


M-12「Message feat. 城南海」はシンガーの城南海を客演に迎えた世界平和ソングですが、城南海の歌にLGYankeesの2人のラップが押され気味。
RYOのラップがリリック面では面白みがありますが、ラップ自体はトラックとの相性が微妙です。


M-13「Good Luck Homies feat. 山猿」は仲間に対する感謝ソングで、トラックは本作の楽曲の中でも一番作り込まれている感じがします。インストほしいですこれ。
ただリリックの内容が湘南乃風並みに不良色が強いため、好みはかなり分かれそうですね。


アウトロを挟んだ後のボーナストラックのM-15「Dangerous Game」はゲーム「マイアミクライシス」のテーマソングとして起用された曲で、シリアスな雰囲気のトラックの上での緊迫感のあるラップを聞かせてくれます。


基本的には前作と似たような流れですが、前作と比べるとハードな曲の割合が高いですね。
そのせいかRYOのラップとトラックとの相性の悪さを感じる曲も前作と比べると減っています。
やはりハードな曲だとガラガラ声のRYOのラップも生きることが多いです。


ですがやはりPOP路線の楽曲では前作と同様にRYOのラップがちょっと合っていない感があります。(しかしその中でもM-4「Photograph feat. Noa」は別格の完成度です)
もうちょっとPOP路線の楽曲の煮詰めがあればもっと★は上がってました。

ただハードな楽曲は良曲が多く、そのためアルバムとしては聴きごたえのある作品になっています。
見かけたらチェックしてみては?
LGYankeesのアルバムとしてはRYOのラップが聴ける最後のアルバムなので、ファンならマストです。


↓M-3「LG's Life」のPV。
www.youtube.com