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音楽CDの感想を綴っていきます

LGMonkees / LGMonkees

LGMonkees


曲目リスト


1. Intro
2. Grateful Days feat. Noa
3. Life feat.Noa
4. テイク2 feat. ShaNa
5. 羽 feat. ITACHI
6. 花火
7. No Doubt Folks Ⅱ feat. LGYankees, Noa, TAKA from Clef, ShaNa, ITACHI, 吉見一星
8. Outro


評価: ★★★★★★☆☆☆☆


福島県会津若松市出身のシンガー、山猿のソロプロジェクト、LGMonkeesの1stミニアルバム。
2010年10月27日発売。


山猿は福島県会津若松市出身のシンガーで、17歳の時に2Pacを聴いたことがきっかけでHIP HOPの世界に入り込むことに。
会津でラップグループであるR.F.Gを結成して活動していました。
その際にLGYankeesのHIROに才能を見出され・・とプロフィールに書いてあるんですが、それだとGio&Keizoの「Enjoyment History feat. 山猿」の山猿のリリックと矛盾するんですよね。
どちらが真実なのかはわかりませんが、2007年にHIROが監修を務めたコンピレーションアルバム「NORTH EAST」に参加し、初の全国流通作品に顔を出すことに。

その後はHIROが同年に設立したレーベルのNO DOUBT TRACKSに所属し、NO DOUBT TRACKSのコンピレーションアルバムや所属するミュージシャンたちの作品に客演として参加して名前を広げていきました。


2010年に「LGYankeesが送る謎のアーティスト」LGMonkeesとして活動をすることに。
Dragon Ashの大ヒット曲「Grateful Days feat. ZEEBRA, ACO」をカバーした「Grateful Days feat. Noa」を配信曲として発表し話題に。
同年10月に1stミニアルバムである本作をリリースしました。
この時点では覆面アーティストとして売り出していましたが、声を聴けば正体はバレバレです。


では、内容に。


一応LGMonkees名義なのでLGMonkeesという言葉を使って紹介していきます。
LGMonkeesの特徴は柔らかい声なんですが、2008年の前半くらい(厳密に言うとEIGHT TRACKの1stアルバム収録の「Hood Sta feat. Gio, 山猿」辺り)まではリリックの面ではそこら辺のラッパーと変わらないビッグマウスなリリックが目立っていました。
2008年の後半くらい(これも厳密に言うとLGYankeesの2ndアルバム収録の「Life Goes On feat. 山猿」辺り)からはメッセージ性の強いリリックにシフトしていったんですが、初のソロ作品である本作ではどうか。


声ネタスクラッチのイントロを経てのM-2「Grateful Days feat. Noa」は上にも書いたようにDragon Ashの同名曲のカバー。
原曲のACOのパートはNoa、それ以外はLGMonkeesが担当しているのですが、LGMonkeesのパートは全てリリックが変わっていますし、NoaのパートもHookでは少しリリックが変わっています。
原曲は親や仲間に対する感謝の気持ちを綴った内容でしたが、こちらはLGMonkeesのリリックを見るあたり仲間に対するメッセージに特化していると言えそうです。(だとするとNoaのHookの最後がACOと同じなのは矛盾してしまうのですが・・・)
サウンドは全体的に原曲は意識しているのは分かるんですが、原曲より派手な音使いをしていて大げさなアレンジになっているため原曲とはかなり雰囲気が違います。
当時このカバーはかなり賛否両論あったんですけど、原曲のしっとりとした神秘的な雰囲気が好きだった方には好意的に取れなかったでしょうね。
LGMonkeesの言葉選びには光るものは感じますし、個人的にこれはこれで悪くはないとは思いますがやはり原曲の方が好みですね。


M-3「Life feat. Noa」はまたしてもNoaが参加。
Noaも参加しているんですがHookの後半に登場するだけなので8割方はLGMonkeesです。
優しいギターのサウンドが印象的なトラックの上でのベッタベタな恋愛ソングで、雰囲気的には三木道三の「Lifetime Respect」に似ているので好きな方は気に入るかもしれませんね。

M-4「テイク2 feat. Shana」はこれまた当時のNO DOUBTのもう一人の歌姫のShanaが参加。
こちらは打ち込み系のトラックによるパーティーチューン。LGMonkeesのラップは丁寧ですし、HookでのShanaの歌もいいアクセントになっています。
ただ全体的に淡々としているのでもうちょっと冒険したらネクストレベルに行けたのではという感も。もう一人ラッパーを加えてマイクパスものにしても良かったかも。


M-5「羽 feat. ITACHI」は本作では唯一ラッパーとのタッグでITACHIが参加。
ストリートの仲間に向けたメッセージソングで、個人的にはこの曲が本作のハイライト。
ITACHIのザラザラしたラップはとても雰囲気に合っていますし、バースの方でもインパクトのあるパンチラインを炸裂しています。
LGMonkeesも言葉選びのインパクトの方はITACHIに一歩譲るものの、歌を効果的に交えたラップはいいアクセントですし、3バース目から最後のHookに行くところなんてかなりカッコいいです。
Hookでの2人の掛け合いも相性の良さがしっかり出てますね。

M-6「花火」はheadphone-Bulldogが全面プロデュースした楽曲で、かなり派手なトラックでインパクトは本作随一ですね。
LGMonkeesの方もトラックに負けないように歌とラップをガッツリ乗せており、中々聴きごたえがあります。
headphone-BulldogはNO DOUBTの中でも逸材だったように感じるんですが、ソロ作品を出すことなくいつのまにかいなくなってました。残念。

M-7「No Doubt Folks Ⅱ feat. LGYankees, Noa, TAKA from Clef, ShaNa, ITACHI, 吉見一星」は本作でこれまで客演してきた3人に加えてHIRO、TAKA、吉見一星が参加。
LGMonkeesのHookを交えながら客演6人がマイクを回していくマイクリレーもの。
LGYankeesとITACHIはラップで、それ以外の4人は歌なんですけど歌を担当したメンバーの方がトラックの雰囲気には合ってました。


聴いてくれたリスナーに感謝の気持ちを綴ったアウトロでアルバムは幕を閉じます。


LGMonkees(というか山猿)の初ソロ作品となった本作ですけど、初のソロ作品ということもあって色々なスタイルを取り入れた感じですかね。
パーティチューンあり、仲間とのマイクリレーあり、恋愛ソングあり、熱いラップソングありと、雰囲気的にはLGYankeesの2ndアルバムに近いです。
ただそのせいか全体のまとまりは今一つで、曲も良し悪しあり。あくまで顔見せ的な役割のミニアルバムだったんでしょうか。
山猿の代表曲の「3090 ~愛のうた~」みたいな路線の曲はないので、その曲でツボだったという方は聴くほどでもないかも。

最もM-4「テイク2 feat. ShaNa」、M-5「羽 feat. ITACHI」、M-7「No Doubt Folks Ⅱ feat. LGYankees, Noa, TAKA from Clef, ShaNa, ITACHI, 吉見一星」の3曲は本作でしか聴けません。
それらをチェックしてみたいという目的で手に入れるのならどうぞ。
特にM-5「羽 feat. ITACHI」はITACHIの仕事ぶりがすごいのでITACHIが好きな人は是非。


↓M-3「Life feat. Noa」のPV。
www.youtube.com