りくぼーの音楽感想倉庫

音楽CDの感想を綴っていきます

Deadly Cha Cha / Deetah

エル・パライソ・リコ (DEADLY CHA CHA)


曲目リスト


1. EL Paraiso Rico
2. Deadly Cha Cha
3. Honey Lollipop
4. Relax
5. My Everything
6. More Than Nothing
7. Shorty
8. Live a Lie
9. In My Mind
10. Where You Wanna Go
11. Things That Gets Me Mad
12. Doing My Thing
13. EL Paraiso Rico (Blacksmith' R&B Rub)
14. Relax (Blacksmith R&B Rub/12" Mix)


評価: ★★★★★★★☆☆☆


チリのラテン系シンガー、Deetahの1stアルバム。
1999年10月7日発売。


Deetahは両親がミュージシャンという家庭に育ち、幼い頃から様々な音楽をプレイする、両親のツアーに同行して育ちました。

その結果自然と音楽が生活の一部に。10代からR&BやHIP HOPなどのブラックミュージックを聞き始め、13歳には友人たちとダンスチームを組んでダンスに熱中するほど。


子どもの頃は学校の先生を夢見ていたDeetahでしたが、たまたま作ったデモテープが、ロンドン・レコード傘下のダンス専門レーベルのFFRRに気に入られたことで、必然とミュージシャンになる道に近づいていきます。


様々なミュージシャンの作品に客演参加し、自身名義でリリースした1stシングル「Relax」(M-4)はUKチャートで11位を獲得。
2ndシングル「EL Paraiso Rico」(M-1)はヨーロッパ各地でヒットを記録し、その後はとんとん拍子でこの1stアルバムをリリースしました。
期待の新人であったことは間違いないでしょう。


さて、内容に。


上にも書いたようにヒットを記録したM-1EL Paraiso Rico」で幕を開けます。

Deetahはラップと歌を両方こなす器用なタイプのシンガーです。
歌でもラップでもしっかりと丁寧に歌いこなす力量の持ち主である、というのはこの曲からもう認識してしまうはず。
地味で華があるかと言われるかというとちょっと答えに詰まりますが、丁寧に作られた良曲と言えます。

続くM-2「Deadly Cha Cha」はアルバム表題曲で、バーなどでも掛けられそうなお洒落な音が印象的。
そこに乗るDeetahの歌とラップとも好相性を見せつけてくれます。


M-3「Honey Lollipop」は恋愛ソングで、曲名を見ると明るい雰囲気を想像してしまいますが、トラックはクールでダーク。
シリアスな雰囲気に乗る恋愛のリリックが乗るという構図は面白いかも。

M-4「Relax」も基本的には落ち着いた雰囲気ですが、Hookで静かな解放感がすーっと出るようなトラックの作りとDeetahの歌が流石。

M-5「My Everything」はダークな雰囲気のトラックの上でDeetahが音楽についてのラップと歌を披露する、音楽に対しての真摯な思いが伝わる楽曲。途中でちょっと雰囲気が変わるところがあるのがナイス。


M-6「More Than Nothing」はDeetahがAYOと共にビッグマウスを披露するパーティーチューンで、個人的には本作で一番耳を惹いた曲。
DeetahとAYOのラップと歌が丁寧に歌いこまれていますし、何よりトラックの雰囲気とも相性抜群です。
本作のハイライト認定!


続くM-7「Shorty」は地味な曲が多い本作の中でも一際地味な曲。
個人的に地味な曲でも聴きごたえがあれば好きなんですが、これは全体的に単調で可も不可もなくという感じです。

M-8「Live a Lie」は嘘をつくなというメッセージソング。
Deetahの爽やかな歌はなりを潜め、Hookでもキレのあるラップを披露しています。
DJの名前がクレジットされていませんが、スクラッチがかなりいい感じに効いていて、センスのよさを感じます。


M-9「In My Mind」は、Deetah曰く「普段出さないような心の内を見せた曲」とのこと。
ちょっと近づいてはいけないような不穏な空気のトラックがささやくようなDeetahのラップと歌を包む一曲。
惹くか惹かれるかは・・好みが分かれそうですね。
僕は・・・まあ普通です。(思考停止)


M-10「Where You Wanna Go」は地味ながらも華やかなトラックの上でDeetahとSUBLIME PHANTOMがラップを披露する曲で、Deetahの歌が何とも言えない雰囲気。
まるで休日の誰も起きていない時間帯の朝のような雰囲気です。


M-11「Things That Gets Me Mad」は、Deetahがイライラした時の心境を歌ったそう。
SUBLIME PHANTOMが2曲続いてラップで応戦。
こっちの方が掛け合いという感じでラップの良さは活きているような気がします。
ただ、曲の良さとしてはM-10「Where You Wanna Go」の方に分がありますかね。

M-12「Doing My Thing」は自分が楽しいと思うことをしていく、と意思表明する曲。
ラップする途中でトラックが色んな展開に行くのが面白い構成です。


M-13「EL Paraiso Rico (Blacksmith' R&B Rub)」、M-14「Relax (Blacksmith R&B Rub/12" Mix)」は洋楽国内版お馴染みのボーナストラック。
これは・・・どちらも悪くはないですが原曲の方が好きです。
前者はまるで西部劇のサントラのような雰囲気のトラックは新鮮ですが、Deetahのラップをがしっと受け止められてるかと言われると・・・ですし、後者はちょっと雰囲気が暗すぎて余りスカッとしません。
アルバムの最後でこれはちょっと・・。


全体的に見ると、地味ながら丁寧に作られたアルバムという印象ですね。
Deetahはラップと歌をこなす器用なシンガーですし、トラックもそのDeetahとの相性をよく考えられて作られています。
アルバムとしても最初から最後まで中々聴きどころはありますし。

一番華やかと言えるのはM-6「More Than Nothing」ですが、それはあくまでこのアルバムの中での話で、やはり地味な上での華やか、という感じです。
とりあえず何曲か試聴してみるのをオススメします。

個人的にはドライブや家事のBGMとしてはオススメ。


なお、上にも書いたように期待の新人!だったDeetahですが、このアルバムをリリースした後にシングルを1枚リリースしてから、音源リリースはしていません。

細々と活動しているのか、マイクを置いてしまったのか。
どっちにしろ才能がある人なのに、世にでたアルバムがこれ1枚なのは残念です。


↓M-3「Honey Lollipop」。
www.youtube.com

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